空の蒼さを 見つめていると
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21th Century 週記 Art Cinema Comics Novel Word 小野不由美
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今月 ご指摘・ご感想など → ひとこと
「カザフスタン旅行団」をぼけーっと読んだりした以外は、特筆すべきこともない「いつもの休日」=仕事消化日(T T)。で、昨日のお茶の感想。
おお、この爽やかな甘さはどうだ。とか今さら「美味しんぼ」会話を使ってしまうくらい、美味しい(^^) 嫌味のない、上品な味わい。何杯でも底なしに飲めてしまう感じ。銀針というのは、若い芽だけの、高価な黄茶らしいのだけど、良いわ、これ。今度、100g買ってこよう。
まぁ、いわゆる中国茶(白茶)という感じ。こってりした中国料理を食べた後向きか。日本人にとっては、単体ではイマイチかも。
日本のさっぱりした煎茶と非常によく似ているような気が。なら、日本茶でええやんと言われると(^^; 飲んだ後味は良いですけど。
ついでに、CDの方も書いておこうかと。
もう100%、椎名林檎! 上手いとか下手とか、そういうことは置いといて、この歌声の「強さ」と「切なさ」には感動せずにはいられない。 ところで、「Dear Yuming」、イメージ通りの奥居香「恋人がサンタクロース」とか、なるほどと思う、露崎春女「DOWNTOWN BOY」とか、他にも森高、NOKKO…と豪華な人選だが、やっぱり、リスペクトアルバムに傑作なし(断言) それぞれのファンだけ買えばいい、て感じ。
心の中が、ゆっくりと鈴木祥子の歌声で満たされていく、安心して聴けるベスト集。多分、歌手・菊池志穂が目指しているのは、こういうシンプルでいて、自然な強さの曲だと思うのだが、それを実現するために、一番足りないのも、この歌唱力だろう。と「I」を聴いていて切に思ったが、それは志穂さん本人が一番自覚していることだろうから、その辺は次回作に期待ということで。
ちなみに、鈴木祥子のベストアルバムとしては昔の「Harvest」の方が、お勧めかも。聴く度に感動する、私的オールタイムベスト10なCDなので。
買い物。目的は、散髪とプリンターのインクの補給。だけなので、上大岡へ。
久々に、本屋に、ゆっくり滞在。でも、うろうろした結果、最終的に買った本が、近藤史恵「凍える島」と『総長講演集』な帯付きの、蓮實重彦「齟齬の誘惑」に、駒井悠「カザフスタン旅行団」、という余りにもバラバラな3冊だったというのは、今の私の精神状況を反映しているのかも…
CD屋にて。新譜のコーナーを何気なく見ていたら、「Dear Yuming」なる、カヴァーの企画盤が。…ま、どうでも、と通り過ぎようとしたら、その中の一曲に椎名林檎の名前を発見! これは買うしか。前から買うつもりだった、鈴木祥子のベスト盤(今年出た方)「あたしの旅路」を探して一緒にレジに。その時、気が付くと山崎まさよし「僕はここにいる」とか「ガンダーラ伝説」なSCDとかも何故か同時に持っているのが不思議なんだけど。
インクを買った後、あの紅茶屋さんへ。この駅ビルにも有るのをこの前気付いたところだったのだ。ティールームの横で量り売り、というマリアージュフレールと同種のスタイル。で、それに対抗して、というわけでも無いだろうが、中国茶が並んでいるのが目に付く。
やはり、時代は中国茶でしょ、と近頃、思い込んでいる私としては、「緑雪銀針」「西湖龍井一級」「白牡丹」の3種類(各25g)を購入。紅茶は買わず(^^; でも、貰った「レピシエだより」によれば、ウバの上等な新茶が入荷したばかり、らしい。しまった、一緒に買って帰るんだった。
帝国内のあらゆる夢を収集し、解釈し、保管するという巨大な官僚機構、「夢宮殿」、タビル・サライ。そこに配属された、帝国でも有力な家系の係累である、マルク=アレム。所員として働く中で、次第に明らかになる、謎めいた「夢宮殿」の実体。しかし、そもそも彼は何故ここに受け入れられたのか。繰り返される、「君は、我々にとって好都合」という言葉はどういう意味なのか。彼の一族と夢宮殿との複雑な関係とは何か。幾つもの謎を抱えたまま、それもまた日常として過ごしていく彼だが、やがて、彼が「選別」し「解釈」しかけた、ある夢によって、彼の周りの世界にある日、大きな変動が引き起こされることになっていく…
ネタバレ気味ではあるけど、多分、実際に読む人なんて現れないだろうし、と珍しくあらすじ風の紹介をしてみた。
アルバニアの作家の作品を読むことがあるなんて考えたこともなかった。買ってしまったのは、一にも二にも、「夢宮殿」という、夢を集めて解釈する役所、という奇妙な設定の魅力。物語は、まさしくカフカ的な、謎めいた「宮殿」の中で展開する。しかし、最終的に物語が辿り着くのは、カフカのような迷宮の中の無限螺旋ではなく、人の想像力=夢と歴史と民族の互いの関係性への考察とでも言うべきものであった。つまり、待っているのは悪夢ではなくて、歴史に対するアイロニーな認識。
私としてはカフカ的な展開での結末を期待していただけに、やや物足りない気がしないでもないが、アルバニアの作家がこういう世界を構築してみせたというのは、分かるような気もする。
ちなみに、マルク=アレムが、夢宮殿内の巨大な廊下を右往左往したり、夢が記された書類に没頭する辺りの描写を読んでいる時、脳裏で響いていたのは、もちろん、あの「ブラジル」の軽快なメロディ(笑)
ところで、私の場合、カフカ的な文章が面白く読めてしまう時って、精神が病んでいる=ストレスで歪んでいる時が多いのだけど、大丈夫か?(^^;;
関西+日常日記風ということで、何となくサラ・イイネスなんかを連想してしまうが、この作品はまさに主人公の生活の再現、というか多分、余り「作って」はいないような気がするが、それが却って自然な魅力になっているという感じ。穏やかな画面もこの世界に合っている。
私が関西にいた時、神戸というのは隣街の隣街の隣街とでもいった距離にあり、実はそれほど行かなかった。当時の私には一年中、出掛ける暇と気力の両方において著しく欠如していたためなのだが(^^;、しかし、今にして思えばもっとあちこち行ってみれば良かったという気もする。
少なくとも、南京町の中華街には行っておくべきだった、て食い気だけかい(笑)
ようやく(といっても昨日は休み?だったけど)週末。一週間の内、この時間だけ、幸せな気分。
刊行時に既に感想も書いてはいるけど。疲れた精神には、これくらいのお気楽な小説が良い感じ。とはいえ、lightでも?加納朋子。ミステリとその謎の解決とは、物事の裏に隠された、周りの人々の暖かい気持ちに気付くことだ、というデビュー作以来のテーマは健在。
ところで、主人公陶子とその相手?萩の出会いは、(陶子が覚えている限りでは)、電車の座席で前に立っていれば、必ず座れるという、「途中駅で降りる人物」として認識したことから始まるのだが、実際に通勤電車の中でロマンティックな出会いをする人なんて、どれくらいいるものなのだろうか(^^;
ちなみに、今の私は電車を途中で乗り換えて通勤しているのだが、最初の電車で私の恩恵を受けているのは、中年のオジサンばかりのようだ(^^; 一方、乗り換えた電車の方は、座れない時が殆ど。仕方ないので、可能な限り「女子高生が座っている近辺」に立つよう心掛けている。
あ、その理由は、経験則的に彼女たちが次の駅で降りる確率が一番高い、というだけで、妖しい意図など全くないので、誤解しないように(^^;;;
エンドレスに「I」と「電子の妖精」など掛けながら、エンドレスに仕事……
今日は秋の「彼岸」、というわけで、昼食は、おはぎのみ(^^;;
ちなみに、おはぎというのは、私が季節感を感じる数少ない物だったりする(^^; 小学生の頃は、星の位置で季節を感じていたし(だから一季節早く)、中学生の頃も空の色がそれに当たっていたのだが、年々、自然との接点は少なくなり、勤め始めてからは、暑さと寒さ以外分からなくなっているような有様。食べ物だって、一年似たようなものが並んでいるわけで、それだけに、こういう季節限定食品を見掛けると、はっとするというか。
ところで、前から気になっているのが、おはぎ=「ぼたもち」、の語源。
昔、「謎学の旅」という、蘊蓄系のTV番組が有った。当然こういうのは好きなので、よく見ていたのだが、その中で一度、このぼたもちを取り上げていた。で、その時、語源として説明されたのが、何とスリランカの言葉、ブタ・ムンチ(柔らかい米)から来ているというもの。この説明に私は大いに感動したのだが、しかし、上手く出来過ぎているような気もしないでもなく、機会が有る度に、この説を人に吹聴しつつ、実は半信半疑のまま(^^;
というわけで、今日も親にそんな説明をしたところ、TVで牡丹餅と言っていたという。でも、春の彼岸が、牡丹の季節というのは、無理があるような。で、ネットで軽く検索。結果、驚いたことに殆どが牡丹餅説に傾いている。何でも、広辞苑がそう説明しているらしい。しかし、私は、あの辞書は余り信用していないのだった。一件だけは、前記のサンスクリット系の語源説を採っていたので、謎学の旅も全く無根拠に説明したわけでもなさそうだが…
この件について、更に情報をお持ちの方は報告求む。
明日は、試験向けの講習が入っていたので、「I」なイベントも最初から諦めていた次第なのだが、余りに持ち帰りの仕事量が多いので、講習はすっぽかすことに。はっ、講習に行かないのなら、イベントチケット確保しておけば良かった…て、それが可能なら、講習に行ってるんだってば(笑)
そんなわけで、明日は、部屋で「リプレイ」など繰り返し掛けながら、一日うだうだと仕事をしているであろうことくらいは、神ならぬ身の私にも分かりすぎるくらい分かってしまう。というのは、やはり悲しい。
そういえば、肝心な「試験」の方は、浜名湖に行くので、元からすっぽかす予定なのだが(笑)、…本当に行けるのだろうか? 不安だ。
日曜日に、人の結婚式に出た帰りの電車の中で、さくさくっと読了。絵本、と言い切るには躊躇われるが、中川李枝子(「いやいやえん」)や松谷みよ子(「小さいモモちゃん」)のような、良質な児童文学の薫り。子供がいたら、読んで聞かせたい本。
何とか午前中に起き出して、菊池志穂New
Alubum「I」を買いに外出。
その前に、Comics系の本屋で「ラブひな」4巻(笑)を買い、レジの前に有った「エースネクスト」の表紙に阿部吉俊の文字を見て、チェックしなきゃと思ったまま忘れていたのに気付き、「バーズ」と一緒に持ち帰り。
本屋で、北村薫「月の砂漠をさばさばと」を発見。単行本になるのを楽しみにしていたもの。おーなり由子の挿し絵も良い感じ。もう一冊の「盤上の敵」とかいうチェスの小説の方は、我孫子武丸によると、問題作らしいので、後回し。…あ、ウロボロスな作家の囲碁マンガ、探すのを忘れた(汗
あとは、京極夏彦の刊行ペースに、読む方が全然追いつかないことを感じたり。どうでも良いけど、文庫版「匣」の形って、ホントに箱だ。
で、最後にメイトで「I」とついでに?「電子の妖精」と、雑誌GAZOを買って帰宅。今号のGAZOは果たして「マトリックス」特集で、世界で一番、あの映画に近いことを考えていた筈の押井守のコメントが載っているようなのでとりあえず確保。その前に、映画を見に行けってば(^^;;;
往復の電車では↓ いわゆる、読むのを止められない、という作品で、帰ってからも最後まで続けて読んでしまう(^^;
あの!近未来SF?ハードボイルド「腐食の街」の続編。(こういう云い方は作者は嫌かもしれないが)クーンツばりの、ノンストップ・サバイバル・サスペンス(←出鱈目な言葉だけど、言わんとすることは分かるかと)。サスペンスとしては途中までは文句無く、面白い作品。
しかし、ラストの結論は今までの我孫子武丸作品のテーマはもう乗り越えた、ということなのか… にわかには信じ難い気もするのだが。
読み終えて溜め息など吐いてから、サタデーホットリクエストな番組での志穂さんのゲストが既に始まっているのに気付く。というわけで、睡眠薬みたいな名の曲はラジオで初めて聴く。…行きたかったのだが、明日は職場の先輩の結婚式なので、今日中に少し仕事を片付けなくてはと思うと。
その後は、もちろん「I」を掛けながら、雑誌2冊をパラパラ… て、早く仕事に取り掛かった方が良いんじゃないのか?(^^;
期待の新連載で始まったのは、何故か宇宙人が地球に暮らしている(侵略されたのか?)非日常的な世界での、同居している予備校生の少女と半人前の宇宙人の少女の極めて日常的な生活風景。
世界の設定は今後次第に明かされていくのだろうが、ともあれ私としては、ちびちびれいんの頃から(笑)大好きだった、身も蓋もない、ボケとツッコミの応酬(笑)が、期待を裏切ることなく満載なので、それだけでOKです(^^;;;
にしても、かき氷に酢醤油を掛ける地域なんて有るの?(笑) あ、でも逆に、関西に来てふと食べたトコロテンが酢醤油じゃなくて甘かったのに、ショックを受けたことが有るなぁ(^^;;;
凄いことになっている、という噂通り、とうとう来たかという、禁断の展開(^^;;; ま、これで二人がすぐにどうなるとも思えないけれど、引き続き、全く目が離せない状況。とりあえず私からは、「がんばれ、八重樫さん」(「負けるな、八重樫さん」でも可)、と蔭ながらエール(笑)
週末の度に、はぁ…とかふぅ…とか溜め息を付くのにもいい加減飽きてきたけど、やはり、溜め息ばかりの日々。
二つの短編で一冊なのだが、何というか、割と奇妙な構成。二つが、平行とか垂直、ではなくて、斜めに置かれている、ような。
実際のところ、両方ともかなりご都合主義的な展開であって、特に前半は感傷的な純文学という感じでイマイチなのだが、後半は、加納朋子らしい「謎の解決」に到る物語が読んでいて、気持ち良い。
「掌の中の小鳥」の紗英とは違った意味で、この小説のヒロインの一人、結城麻子も魅力的だし。…て、結局、それかい(笑)
「天使になるもんっ!」、2週間ほど見逃していたら、話が急展開していた。というか、間もなく終わり。うかつだったので、ございます。も終わり。
…などということ以外、別段書くほどのことも無し。相変わらず、一日部屋の中にいても仕事進まず… ストレスだけが溜まっていく……
ううっ、状況少しも改善せず、ていうか、更に悪化中… こんな季節の救いといえば、加納朋子くらい、というわけで。最近、読んだもの。
この本についてはやはり、以前書いたことが全て、だと思う。久々に読んで、相模大野の図書館の辺りをもう一度歩いてみたくなる。
何と言っても、ヒロインの紗英というキャラクターの魅力に満ち溢れた作品。実は白状すると、大昔、こういうヒロインが主役の物語を一度書いてみたいと考えていただけに、読んだ時、あーっ、先を越された!などと思った記憶が(汗
ミステリ的には、話によっては、ちょっと弱いかも、という気がしないでもないけど、それが何だというのだ(笑)
割と時間が掛かったのだが、ようやく読了。斜陽の英国貴族の館パラダイン館に発生した幽霊騒ぎ。依頼を受けた心霊探偵ヒーロー(とその魅力的な義妹メグ)がいかに謎を解き明かすか、というような話。ゴーストハントといっても、どこかのように、ご一行様だったりはしない(笑)
一言で言えば、普通の本格ミステリというべきか。もうちょっとユーモアの要素が強かったり、泣ける話だったりするのかと思っていたので、ちょっと拍子抜けだったかな…
今度、上野でやる「オルセー美術館展」は割と本格的なものらしいので、一応行こうかと考えていたりはする。ここ数年のオルセー展(神戸とか)というと、そんな作品有ったっけ?てなものが多かったので。でも、休日しか行けない私の場合、殺人的な混み方であるのが確実、なのがかなり嫌。現地で、一部屋数人という、ほぼ「貸し切り」状態で見ているだけに。
ところで、世の中にはどんなことにも裏が有る、というわけで。会社で、お得意さん用に、このオルセー展の鑑賞券が数枚回ってきたのだが、その中の、特別なんたら鑑賞券とかいうのは、何と休館日でも入れるという!魔法のチケットらしい。
人混みの中に埋もれて観ざるを得ないのが一般庶民だというのに、一方では、そんな券がばらまかれているのだとは。世の中は不平等に出来ている。分かってはいるけど、こういうのって、不愉快。…ま、私がその券を貰っても、休館日(月曜)に仕事を休むことは絶対、不可能だけどさ(T
T)
やっと。一週間が終わったところ。しかし、今週末も仕事8割な感じなので、相当に憂鬱。「マトリックス」はいつ観に行けるのか、志穂さん系イベントには少しでも出掛けられるのだろうか、かなり悲観的な気分。
無知。
あの、「Forever」の作曲家、都倉俊一が、ピンクレディーを初めとした膨大な歌謡曲(1000曲以上)を作曲した大家であることも、調べて初めて気付くような私は、当然ながら、「Forever」という曲が、少女隊と言ったらこの曲という位の代表的なヒット曲であったことも知る由もなかった(笑)
#いや、もともとアイドル系には疎いのだが、少女隊の頃って、多分、一番離れていたので。ていうか、この曲を知らなかったということは、少女隊の歌は一曲も知らなかったのと同義なのだった(^^;;;
しかし、ということは、この曲は、もともとカラオケに入っているということか。もっとも、今の環境では、カラオケに行く機会まるで無いんだけど…
地元の町で、雑誌を幾つか。
「月間ぱふ1999年10月号」「BJ No.19」「月間アフタヌーン10月号」「少年サンデー40号」。最初の二冊の目的はもちろん、冬目景。あとは高野文子に、滝沢キック(笑) 「アフタヌーン」が昔と違って薄い?のが、まだ幸いというか。
あとは、昨日買ってきた、「十兵衛ちゃん」のLD二巻を見たり、「十兵衛ちゃん」の「放映地区」なサントラを聴いたり(「未放映地区」な方は既に持っているのは言うまでもない)と、割とだめだめな感じで一日が推移。
そうそう、昨日買ってきた他の物と言えば、木村紺「神戸在住」と峰倉由比/月村了衛「ランナー」くらいかな。この辺は、いつ読むか不明だけど(^^; そう言えば、今日の「アフタヌーン」も、駒井悠とあさりよしとおと桜玉吉以外はすぐ読む気力が湧かないので、そのまま放置される見込。
メイトまで買い物に出掛けたくらいの、大して何もしない一日。
北村薫風の、日常の中の謎を解き明かすミステリを得意とする加納朋子のデビュー作(の文庫化)。構成上にやや無理が無くもないが、爽やかな作風というのは、この作品から既に変わらないことを再認識。
こうなると、続編「魔法飛行」も続けて読み直したくなるのが人情というもの。単行本を段ボールから掘り出してくるか…
例の、カバーが付いていない「凍結」シリーズ第2段。昔、初版を立ち読みした時も余り印象に残らなかった作品なのだが、再度読んでみてもやはりそうだった(^^;;; いや、どこが悪いというのではないのだが、余りに狙い通り過ぎというか、遊びが足らないというか。
一番面白かったのは後書きで(笑)、それによると、一見昔のままのような今回の「凍結」版、実はほとんどの顔を描き直しているらしい。ということは、前の単行本を持っている人が、比較検討が楽しめて一番面白いのかも(^^;
未完の作品に決着を付けるという、「凍結」シリーズ、あの「H2O image」もラインナップに入っていると良いのだけど。
メイトな小冊子を久々に貰って眺める。アキハバラなボーカル・ベスト、私はふぁんくらぶな人ではないしと思いつつ、「ほめて ほめて ほめて」新録との文字に、怖いもの聴きたさの気も。更に、「死ねる歌」になっているのかどうか。
驚愕。ムーミンといえば、あの楽しいムーミンの家の暮らし。そのホームドラマのイメージを完全に覆すのが、「海に行く」だった。
何故か、暮らしを新しく始めようと、とある島に移り住むムーミン一家。ムーミンパパは「父親としての役割」を果たそうと奮闘するが、釣りをすれば魚は釣れず、灯台守になる筈が灯台の灯を点けることは出来ずと、失敗ばかり。逆に釣りを覚えた後は、ひたすら釣りをすることだけに逃避していく… 彼の有様は、悲哀を誘うというよりは、その自分勝手な、駄目さ加減が、読み進むのもひどく不愉快でさえある。
ムーミンパパが一向に役に立たない、そんな島の暮らしの中で、ムーミンは「家」(灯台のこと)を飛び出し、一人で空想の世界に傾斜していき、ムーミンママも灯台の壁に、ムーミン谷の絵を描き始め、そしてその絵の風景の中に入り込んで「消えて」しまう。事態を正しく捉え、かつ楽しんでいるのは徹底したリアリストの、ちびのミイだけ。ここでは、家族というものは既に崩壊している。
やや誇張はしているものの、これはまさに原作にある通りの展開なのだ。童話というよりは、古典的なキャラクターを現代的な状況に直面させてみる、アメリカの現代文学(バーセルミとか?)のよう。日本で言えば、高橋源一郎の「ペンギン村に陽は落ちて」。
この巻だけ、「人間」が出てくるというのも妙なのだが、ともかく、その不毛な家族関係に、何だこれは、と思わずにはいられない。ある意味で一番の「傑作」なのかも、という気もするとはいえ、読む人を不愉快にさせる童話というのもちょっとなぁ…
で、彼ら一家がいない間に谷を訪れた者達の話が「11月」。こちらは当然ながら、ムーミン達は一切登場しない。異色作ではあるのだが、基本線は割と安心して読める作品。そうそう、身近にいたらヘムルのような無神経な「親切な隣人」は嫌に違いない。
ついに、ムーミン月間終了(爆) 何と言っても驚いたのは「ムーミンパパ海へ行く」だったのだが、その話はまた今度。
祥伝社文庫での書き下ろしとのこと。ちなみに、近藤史恵はこれが初読。日中、仕事の都合で、往復一時間半ほど電車に乗ったのだが、その間にさくっと読了してしまった。整体師が探偵役というのは、確かにちょっと変わっているかも。私は、整体とか、カイロプラクティックとか受けたこと無いんですけど、実は結構、憧れていたりするので(笑)、整体を受けて体が軽くなる登場人物達が非常に羨ましげ。
それはそうとして、内容も軽すぎ(笑) というか、ミステリというのには無理が。宮部みゆきとかだったら、犯人の悪意に、主人公が追い込まれていく過程をもっと上手く描くのだろうけど。
後味は悪くないので、電車で軽く読むには良いかなというところ。他の、近藤史恵作品は、機会が有れば、かな。
帰りに本屋で、なるほどと我孫子武丸「屍蝋の街」(あの「腐食の街」の続編)と、その我孫子武丸が薦めている(解説も書いている)ポール・ギャリコのミステリー「幽霊が多すぎる」と、我孫子武丸とは特に関係ないが(笑)、加納朋子「ななつのこ」(文庫版)を買う。勿論、最初は「ななつのこ」から。
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