空の蒼さを 見つめていると
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21th Century 週記 Art Cinema Comics Novel Word 小野不由美
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今月 ご指摘・ご感想など → ひとこと
月末だというのに今回、実家に帰ったのには、二つほど理由があって、一つはoff会への参加。もう一つは、家族というか親戚が少し集まるので、どうせなら参加するようにと言われたこと。
私の近親者は、「国民の下僕」という身分なのだが、何でも今回南米某国で3年間暮らすようにという発令を受けたのだそうだ。まるで、あだち充「タッチ」で、物語上の必要が無くなったキャラクターに必ず待ち受けているような展開である。
そんなわけで、一応、その前に親戚の方が集まってくれたようなのだった。私ら二人とも、10数年以上お会いしたことのない方々も多かったのだが、久々に見ると、どうやら私の方が、かつての面影が維持されているらしい。勝ったな。ってそれは余りに空しい比較かも。
夕方から、off会。場所は新宿、というわけで、「歌舞伎町の女王」?椎名林檎を掛けつつ、新宿に向かう。驚いたことに、駅には新宿直通の電車が。便利な世の中に成ったものである。
2階建ての窓から外を眺めていると、あちこちで満開の梅が。そういえば、今の住所では余り梅を見かけない気がする。鎌倉だと、2月下旬には瑞泉寺に梅見に行くとか言うのがごく当然の行事の一つだったりしたのだけど。
久々に、金曜の夜の実家直帰を敢行。
椎名林檎を聞きながら、新大阪で乗り換え。新幹線には最近、何故か割と乗っているものの、ドラマの時間は久々。
…そうか、ルミナスって、木島糊湖が主人公だったのか(^^; TVシリーズへの橋渡しとして、事件が始まるまでの学園内の風景と登場人物を、糊湖と良子のたわいもない会話を通して一つずつ紹介していく、というこのラジオドラマの構成は、極めて正しい。
私の場合、振り返って聴く、という感じになるわけだが、「ツイン・ピークス」の時の関連本「ツイン・ピークス ローラの日記」や「クーパーは語る」程まででは無いにしろ、ラジオドラマという限界の中では、かなり良い仕事をしている、と思う。本編を見た人には、お勧め!と言いたいが、4800円という定価を考えると、飯塚真弓な属性の方(身近に居ないのでよく知らないが、きっと「お兄ちゃん」という言葉に弱い人かと)にしか、そう断言出来ないのが残念。
志穂さん的には、1夜と12夜とCDのおまけドラマ。あと、(多分)ガヤでもう少し。というところ。
何か、本編と変わらないような…
実家、に着いたのは果たして日付変更後。自分の部屋のドアを開けてみると、机の上にデスクトップなVAIOな箱が。わ、新しいNAVIだ。と思わず思ったりして(笑)
ようやく、全13話、見終わる。
全体の構造としては、無難なものを採用し過ぎ、というか、せっかくの「女学院」という設定を全然生かしていない辺り、やはり駄作の所以かと。見ている間はなかなか後を引くというか、キャラクター的には、割と立っていた作品ではあったので、そこそこ面白かったのも事実だけど。せっかく女生徒が次々に消えるという魅力的な話なのに? これでは、もったいない気が。
キャラクターをもっと絞って、学園の敷地をもっと狭くして(笑)、理事長か誰かをもう少し頭良くして、謎解きを織り込んだ展開にしていたら、…もしかしたら、知られざる傑作くらいにはなったかもしれないのだが。そこは、お手軽なTV東京深夜アニメなのでこの辺がせいぜい、なのか。
ちなみに、やはり志穂さんの出演箇所は1、2、12話の3話のみと。但し、3話も2話のセリフが 回想で使われているのでクレジットには書かれています。反対に、13話は佐藤朝子は出てきますが、 セリフはないので、クレジットには書かれていません。と、一部の方向け情報でした。
ぐるぐる。
一日中、ちょっと油断すると頭の中で、椎名林檎「歌舞伎町の女王」が鳴り響いていた。まだ2,3回しか聴いてないというのに、何という浸透力。一週間くらい前、「ここでキスして」を借りた後輩が次の日、「リンゴが回っている!」と言っていたのがよく分かる。
本屋で冬目景「黒鉄」4巻、外薗昌也「犬神」6巻、花見沢Q太郎「白い月光」1巻。メイトで、(そろそろTVシリーズを見終わりそうなので)ようやく「聖ルミナス女学院オーディオドラマ スクール・デイズ」を購入。レジで、4800円と言われて焦る。2枚組とは言え、ちょっと高くないかと。ちなみに、ルミナスは、見終わったのが、何話までなのかもはや分からなくなってしまった(笑) 多分、あと数話でお終いだと思うのだが。
Coco。相馬裕子。米倉千尋。米村裕美。ともさかりえ。国府田マリ子。早坂好恵。高橋由美子。ribbon。森口博子。谷村有美。西脇唯…
上の女性アーティストの一覧を見て、その共通点が分かる人はいるのだろうか。実はこれ、亀田誠治(編曲)で検索した結果、の一部。
今日(というか正確には明日)、発売された椎名林檎「無罪モラトリアム」は、
期待通りの「やりたいことやってる」という感じのアルバムだったが、椎名林檎の曲の音作りを支えているのは、
全編曲の「師匠」亀田誠治であることが、ジャケットを見ていると伺える。
ちょうど、橘いずみと須藤アキラみたいなものか。しかし、亀田誠治、どっかで聞いたような… あ、西脇唯提供の金月真美の歌とか、がそうだったような。そういえば丹下桜「MAKE YOU SMILE」もそうだった! 無意識の刷り込み?
で、改めて検索してみると、その作品というか歌手の幅にしばし唖然。中でも、私が当時すごく好きだった、
アコースティックな曲調だった頃の相馬裕子の曲の編曲をほとんど手掛けていたのが亀田誠治だったのに、驚く。
無意識の刷り込みはここで始まっていたのか(^^;;
椎名林檎と余りに違うのが、また驚き。というか、全体には、西脇唯しかり、という感じでアコースティックな
イメージが強いような気がするわけで、それでなぜ椎名林檎なんだというか、本当にやりたかったのは、こういう曲
だったのかとか、色々考えてしまうのだった。
余所で知った、こちらのニュースは、80年代の増刊サンデーで育った者にとっては、衝撃でした。みず谷なおき氏、死去。
あの「復活」後、これからが、氏の新たな時代になるのかと期待していたのに… ご冥福をお祈りします。
日記の下の方?にまたしても手を入れていた他は、「聖ルミナス」3〜6話を見たくらいで、静かな一日。
そういえば、ほうじ茶フルーツ、今日、飲んでみました。感想。フルーツの香りがして、でも、ほうじ茶。…そのまんまだって。香りは、マスカットですね。こうまでして、ほうじ茶を飲む必要が有るとは思えないけど。
ともあれ、カニ。冬の日本海の松葉ガニ。それを食べに行くという日帰りツアー。
これが、会社の社内旅行でさえ無ければどんなに嬉しいか。勿論、私が志穂さんでなく
カニを選んだ、というわけではなく、自由意志という名の強制参加なので。昼前に目的地に着く。城之崎の少し先だ。
来たからには、食べることに専念するのは当然。焼きガニ。黙々。茹でガニ。黙々。
カニしゃぶ。黙々黙々。…ふぅ。え、カニ雑炊? はふはふ。く、苦しい。カニはしばらく、もう良いです(笑)
で、帰りに出石とかいうところを散策、黒豆のアイスを食べ、地元に戻る少し手前の某煎餅屋さんの本店 (山中にある)で、更に善哉を食べる。
いや、この善哉が、有名なメニューらしいだけ有って、滅茶滅茶旨い。甘酒と善哉と地元の有名なネギと、
口直しのメロン一切れで1000円というのは確かに高いけど、海原親子も唸りそうな美味しさ。餅も焼き加減が素晴らしいのだが、何と言っても豆が旨い。さすが、たんばとささもときくちし…ではなくて、丹波産の最高級の
小豆を使用した、上品なこくと甘さで、ふっくら柔らか。こんなに美味しい善哉を食べたのは生まれて初めて。
そんなわけで、カニをあれだけ食べたというのに、善哉の味しか記憶に残っていなかったりして(^^;;
とりあえず、1話と2話だけ。…早送りしたいのを必死で堪える。いや、確かに、こういう系の話って、アニメでやるの難しいとは思うんだけどさ。ちょっと緊張感無さ過ぎ。とか言っている内に、志穂さん佐藤朝子は消えちゃうし。この後、もう10話分も出てこないのか…
やっぱり、早送りか? 何だかんだいってアミノテツローは嫌いではないけど(何と言っても、あの「えり子」を作った人だ)、こういうの、全く合ってないような気が。
人はなぜ塔を夢見るのか。
そんなコピーが上部に入ったポスターが、私の部屋に有る。114X74cmのかなり巨大なポスターなので、フレームに入れて、立て掛けてある。これは、93年の秋に、とある美術館で開かれた「ボイマンス美術館展」のもので、ポスターなど買う習慣のない私が、何故これだけ持っているかというと、それは、ブリューゲルの、あの「バベルの塔」の等寸大のポスターだからなのだった。
バベルの塔といえば、誰も見たことがないのにも関わらず、誰でも「知っている」わけだが、塔を思い浮かべている時のイメージ、それは全て、この絵で描かれたイメージに他ならない。勿論、この絵も、先行する幾つもの絵画の影響を受けているわけだが、1568年頃に描かれた、この絵の後は、この影響下にないバベルの塔(のイメージ)など存在しない、のだ。
「いざ我ら降り、かしこにて彼らの言葉を乱し、互いに言葉を通ずることを得ざらしめん。」
有名なバベルの塔の物語は、言葉の分裂についての話だったが(ウンベルト・エーコの「完全言語の探求」という本で知ったのだが、だからユダヤ/キリスト教徒には、分裂する前の神聖な言語が存在する筈だという、伝統的な信仰(狂信?)が存在するらしい)、皮肉にも、そのバベルの塔のイメージはこの絵により統一されてしまったわけだ。
それにしても、どうしてこの絵に惹かれるのか。神の視線とか、滅びの美、とか有り勝ちな説明はすぐ浮かぶものの、実際のところはよく分からない。そんなわけで、これからも折に触れてこの絵を眺めることは続くのだろう。冒頭の、解けない疑問を抱えて。
ちなみに、とある美術館とは、今月閉館になった、池袋のセゾン美術館。乱暴に言えば、バブルに踊ったセゾンという企業グループの、小さなバブルの一つでしかなかったとも言えるセゾン美術館だが、でも、その間に開いたユニークな企画展は、きっと、こうして見た人の記憶に残って、そして何かを生み出すこともあるかも。と評価したい(やや感傷的)。
風邪を引いたと言っても桃缶を持ってきてくれる友人兄弟がいるわけでもなく、マクビティー・ダイジェスティブクッキーもコンビニには無かったので、ともあれ大人しく昨日は寝ていた。今日は、少しマシですが、引き続き、大人しくしていようかと。
ちなみに桃缶と言えばわかつきめぐみ、マクビティーといえば岡崎京子「pink」なのだが後者はうろ覚え。そんなわけで。
伝統的な「家族」という概念の崩壊に対し、榛野なな恵は、自由な個人の共生という、新しい生活スタイルの夢を説き、
わかつきめぐみは、血縁的ではなく、精神的な意味での家族の再生を描く
。
果たしてどちらが、今の現実に対してより意味のある「望ましい人間関係のモデルケース」なのだろう…
もとより風邪気味の頭に判断出来るようなことではなく、ただ、久々のわかつき作品を堪能すると、そのまま寝てしまう私。
実は、少し前から、関西では「うる星やつら」の再放送をやっているらしい。何というか、私の人格形成に大きな影響を与えた(歪んだともいう(^^;)作品だけに、この際、見直してみたいような、でも一週間に4時間も観てる暇なんか無いってばというか、どうしようか割と悩んでいます。
いや、「戦慄!?化石の僻地の謎」とか傑作な回だけを見直すというのも選択肢なんだけど、一回見始めたら全部観たくなるだろうし… う〜ん。
待望の!わかつきめぐみ「夏目家の妙な人々」を回収してくるが、風邪気味で頭が痛いので、富沢ひとし「エイリアン9」1巻を読んだだけで寝てしまう。
一言で言うと(「寄生獣」+「エヴァ」)÷2な設定に、可愛いキャラをトッピングという感じの作品なのだが、荒削りではあるが、ただものではない作品に久々に出会ってしまったという感じ。願わくは、もっとハードなSFドラマの方向に今後進んでいくと嬉しい。
ローソンで買った、「ガメラ3」の前売り券付きメイキングビデオで、摩砂雪+庵野秀明による撮影。いわば、特技監督の友人による同人ビデオ。観た印象を一言で言うと、「がんばれ!シンジ君」(笑)
脚本の方向性を巡って対立する監督と脚本家。メイキングのビデオカメラに対しずっと不機嫌な表情の監督。制作体制(2班制)に批判を唱える特技助監督。「死んじゃおっかな」と連日呟くプロデューサー。進まないスケジュール。そんな中、撮影を続ける樋口真嗣特技監督。何というか、厭世的なメイキングビデオだ。これが庵野監督の地? どうでも良いが、パッケージに100分位と書いてあったので、見ていたら、…150分以上は有るぞ。そんなこともあり、どっと疲れる。風邪が悪化したかも。
冬目景「文車館来訪記」のコウモリ傘なゲストキャラにくらくら。あと、伊藤明弘のデビルマン(というか美樹)なイラストにも驚き。
今回は右手。
というわけで? Yamagiwa Soft館&その近辺での話はその内に、少しだけ補完予定。
とか思ったけど、今更、書くようなこともないので省略。
昨日バスに忘れた紅茶は、事務所に保管されていたのを無事に受領。ピュアダージリン・カンチェンジュンガとか、割と高いダージリンなんかも買っていたので、一安心。いずれ、一部で有名な?ほうじ茶フルーツも含めて、飲んだ感想をレポートの予定。(今日、握手しながら、志穂さんに聞いたところによると、お奨めの紅茶はスパイスという、ミルクティーで飲むとチャイ風になるお茶らしいのだが、それはまた機会があったら)
平野啓一郎「日蝕」も、横須賀線の中で読了したけど、…感想はまた今度。
帰りの新幹線では、「解読などしなくていいから」と言われた色紙をしばし眺めていた他は、大人しく寝ていたので、特に書くようなことはなし。
…やはり、これ、平仮名で「きくちしほ」、なんだろうな。多分。
引き続き、実家に帰る週末。
とその前に、CD屋に寄って、椎名林檎提供曲のCDSを探し、ともさかりえ「カプチーノ」を買う。ヒロスエの方のは、見付からず。新譜の棚に「ATOM KIDS TRIBUTE TO THE "O.T."」という、手塚治虫へのトリュビュート・アルバムが有ったので、つい買ってしまう。
続いて本屋で、「文芸春秋」。「話題の芥川賞」(笑)を読むために、文芸春秋を
買うような大人にだけは成りたくないと昔から思っていたのだが… ところで、芥川賞というと、物心着いた頃には、
既に面白くない小説の代名詞だった気がするわけで、特に興味もないのだが、今回、一応読んでみようかと思ったのは、
何だ後輩じゃん、という、単なるミーハーな好奇心からだった。そうか、学部まで同じなのね。
まぁどうでも良いことではある。
新幹線に乗る。
既に死亡している男が遺した、街の中に高く聳える奇妙な塔。そこに閉じこめられた登場人物、一人一人に訪れる事件。などというとまるで、あの幻となった押井守版「ルパン三世」劇場版のような設定だが、話は全然違う。
これぞ、ブギーポップ。というか、ようやく、正編の続きが登場したというべき内容に興奮。2、3作目は外伝という感じだったし。「副題」が「HeartbreakerU」という位だから、多分間違っていないと思う。
気を落ち着けるため。季節柄、だからではないけど「最後のValentine」は聴く度に泣ける。
久々に聴いたけど、すごく完成度が高くて、聴くと少し優しくなれるアルバム。でも、もう少し前のアルバムでの、半分やけになって歌っているように聞こえる曲の方が、好きだったりもするのだが。次のアルバムはいつ出るんだろう…
有楽町で、とある紅茶屋さんに寄ってから帰宅するが、何と途中のバスで、買った紅茶を席に置いてきてしまった…
話題の?芥川賞は、横須賀線の中で半分くらい読み進む。感想は、読み終えてからにしようかと。
実家。
手塚のトリビュートアルバム。一つ一つは結構楽しかったりする、本当に豪華なメンバーでの作品なのだが、全体としては、もう聞き直すことはない気が。多分、トリビュートアルバムという制作姿勢では、真にクリエイティブなものは作れないのでは。
でも、「80年代の筋肉少女帯」による「海のトリトン」は、聴いて良かったという、予想通りの名曲&名演だったので、ま、良いか。
今日は、HP内の整理を少しした位。せめて、部屋の整理をしろよって感じ。あ、HDDが残り30MB(爆)とか、悲惨な状況下で 過ごしていたので、この際、思い切って「ときめいた」箱一式を中から削除してみる。 というか今まで有ったことが不思議という気も。結果、560MB以上空いた。
2月の休日については着々と予定が詰まりつつあるのだが、一時の楽しみに身を委ねると後が辛いのではという天の声がどこからか。…2年前を忘れたのかという。
そういえば、あの頃もFFが発売されていたんだっけ。あの時は、それどころではなくなって、結局、最初しかPlayしなかったんだけど。で、今回は予約自体、忘れた。まぁ、もし暇が取れそうだったら、やってみるつもりは有るのだけど。て、いつ?
近況報告(笑)。DCT「朝がまた来る」をマスターすべく日々努力中。
いや、最近、新曲を聴かなくなって、一昔前のぬるい曲しかカラオケで歌っていないなとふと思ったもので。といっても、これって歌詞のメロディー自体はDCTらしからぬ簡単さなのだけど、歌詞の無い箇所の声の再現はかなり厳しいです。それに実は、そのままオクターブ下で歌っていても、最後の前に上がるところの音が出なかったりして、まだまだ前途多難。 …ばか?
何と言っても上遠野浩平「ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王」の発売日。早速買ってきたくらいだから、早く読みたいのだが、しかし、このシリーズは「ここではない、どこか」で読みたい気がするので、出来たら次に新幹線に乗る時まで、取っておくことにしようかと。
というわけで、その代わりに読んだもの。
実は、今まで出ていた単行本には、4話分の未収録があり、ファンから見れば、非常に悔しい思いをしていた。今回出たワイド版を、もしや、と思って手に取ってみると……おおっ、あるではないか!サラリーマンの話が。郁美の話が。勿論、速攻で購入。正直言って、小学館がワイド版でこういう補完をしてくれるとは余り期待してなかっただけに嬉しい驚き。
改めて読むと、これが「あどりぶシネ倶楽部」に匹敵する、細野不二彦の中で
最も重要な作品、という位置付けは、間違っていないのでは、と思う。
細野不二彦が割と好きで、この作品がまだもし未読なら、迷わず買え、という感じ。
初単行本、いわゆる新人さん。OURSに載っていた、ということで、知っている人は知っているかも。私も、OURSを時々買う度に何か気になっていたので、単行本になったのを機に通読。
シンプルだけど、思った通り、爽やかなストーリー。難を言えば、すっきりとした描線による絵が、話と合っているとはいえ、この人ならではという独自性に、まだ弱いかも。
ところで、題名の「STANDARD BLUE」は話中の世界での、環状の人工海上都市の名で、ジュール・ベルヌの作品から取られているのだそうだ。ジュール・ベルヌは実は
子供の頃から大好きな作家の一人で、邦訳が出ているのはほとんど読んでいると思うのだが…思い出せないなぁ。
動く人工島の話は覚えが有るのだが、そんな名前だったっけ?
(後記)実家で確認。読んだのは、創元推理文庫の91年の復刊で「動く人工島」。島の名前は、 スタンダード島(”標準”島)となっている。やはり、ブルーは、それに付け加えただけらしい。ちなみに、 このスタンダード島は、住民内部の右舷派と左舷派という対立から、崩壊してしまうのだった。
芝浦某所。田町から歩き始めたのは良いが、人気のない街で、気が付くと道に迷っていた。ようやく辿り着いたのが、海辺の際に建っていた、更に人気のないビル。その14階が、今日の目的、前の店での元同期だった女の子の結婚披露宴の2次会の会場だった。
受付をしていたのは、去年結婚した同期の子。ちょうど同じ時間に現れた(男の)同期と共に、今回の結婚相手の情報を探る。と受付の子から見せられたのは、どう見ても中年のおじさんの写真。
「……幾つ?」「それが分かんないのよ。実の弟すら知らないらしくて」 隣で一緒に受付していた『弟』も「怖くて聞けないんです」と口を揃える。
今日の主役は、数年前、花(Flower Arrangement)をやりたいと言って前の店を辞めた子だ。会が始まると、彼女とおじさんが現れて、自己紹介をする。といってもその場のほとんどは彼女の関係者(サークルが大半らしかった)なので、おじさんが何者かというのが、当然、話の中心。
結果的に言えば、花屋でアルバイトを始めて、その花屋の主人と結婚した。というだけの話だった。分かり易いストーリーだ。だが、そういうのも幸せかもしれない。というか、幸せに決まっているのだが。その歳の差にも関わらず、既に彼女に敷かれているなという旦那さんが微笑ましかった。
で、このままでは帰れない!と同期一同、彼女に詰め寄り、旦那の年を白状させる(笑) 答えは、45歳…聞いて、暫く沈黙が訪れたのは事実(^^;; う〜む、17歳位の差ですか。とりあえず、まだ大丈夫と、根拠のない安心をする者がそこに一人。
帰りの新幹線。
新鮮さはないが、お得意の舞台設定とお馴染みのキャラ設定で、安心して読ませるという感じ。火付けの柳が、こんなところにも出ているので驚く。一応、別人物みたいだけど。
今回は、ジャック・スパークがどん底から復活するまでの話だが、正直言って、今ひとつ。いや、後半は一気に読んでしまったのだが、前半は(アメリカの小説にはよく有るが)冗長過ぎ。同じような構成でも、クーンツくらいになると圧倒的に引っ張るのだけどねぇ(今回の構成は、いわば「ストレンジャーズ」)。
でも、フロストらしく、見せ場は非常に映像的。「ツイン・ピークス」で組んだデビッド・リンチだと独自のもっと凄い世界に飛んでいってしまうので、もう少し堅実なB級映画の監督がこのシリーズをぜひ映画にしてくれないかな。
今日も、渋谷で、5時 ♪
どうせ実家に帰るのなら、その前にSaturday Hot
Requestな番組でのゲストな志穂さん(午後5時から出演らしい)を見に行こう、という計画、発動。が、部屋を11時30分に出たというのに、一番早い新幹線が東京に着くのは4時34分… どう考えても、NHKに着く頃には5時半を回っている。改めて、東京までの遠さを恨むが、せっかくなので、渋谷まで足を延ばす。結局、着いたのは5時26分過ぎ。しかし、志穂さんの部屋に既に一ヶ月近く置いてあるオブジェについてとか、色々な話も聞けたし、少しでも番組が見れて?良かったという感想。
山手線で渋谷に向かっている時、隣のサラリーマンらしいおじさんが熱心に見ている旅行ツアーのパンフの写真にふと既視感を覚える。数秒遅れて、それがグラナダのアルハンブラ宮殿の奥のアセキアの中庭の写真だということに、ようやく思い当たる。
現在は時間泥棒に時をすっかり盗まれたかの如く、時間に追われる生活なのだが、学生時代はさすがに暇で、4回生の秋、スペインだけを一ヶ月旅行したことがあり、中でも、旅の終盤のグラナダでは4日も泊まって、毎日、アルハンブラ宮殿に通っていたりしたのだった。
何か、今では信じられないくらいの贅沢という気もするけど。しみじみ。
回想モードに入ると長いので、それは止めておくことに。
とはいいつつ、当時泊まった宿のお姉さんに、日本の寺の写真を見せられ、その寺の名前がなかなか出てこなかったことを思い出したりする。私の人生って、結局、余り変わらないのかも。(その時の写真の寺は法然院で、お姉さんに“Cerca
mi casa !”などと説明した記憶が)
そういえば、もう2月なんだと、帰りに本屋へOKAMA「めぐりくるはる2」を買いに行く。
と、山田章博「紅色魔術探偵団」の改訂愛蔵版なるものをそこで発見。「紅色」は、実家にある初版の他、現住所用?の計2冊を既に持っているのだが、改訂版だろうと、ファンとしては、買ってしまうのは言うまでもない。そうは言っても「百科庭園の悲劇」(本編外の短編が別の2種類が出ている)は一冊しか持ってないけど。それと、細野不二彦「ギャラリーフェイク」15巻とか新谷かおる「ジェントル萬」文庫版1巻とか、いつもの奴も追加して帰宅。
まだまだ試行錯誤というか、色々な画風を試しているという感じ。とはいえ、「せんたくき」とその続編の「かいじゅうとあそぼう」は、あの独特の世界なんで、前作が気に入った人は買って損はないかと。
改訂愛蔵版(笑)。1989年版との違いは、カラー口絵8枚の内、3枚だけ変わっていること、その後に描かれた第9話が追加されていること。本人のネタ晴らし的あとがきが読めること。これは(1989年版を持っている人も)買うしかないでしょ。
未読の方でご用とお急ぎでない方も、是非ともお求めの上、ノイエ・ジャポネで繰り広げられる娯楽活劇??を堪能して頂きたい。稀代の絵師、山田章博の高度な趣味性と、すっとぼけたエンターテイメント性が摩訶不思議に両立している、奇跡的な作品。
私の理想のcomics作品の一つがここに有るといっても過言ではない、
かもしれない。
今回の改訂版を出した日本エディターズって出版社、良く知らないのだけど(あのナンクロとかクロスワードパズルの出版社らしい)、山田章博に力を入れているみたいで、4月には「ボーナストラック」という小品集を続けて出すのに加え、平成12年からは何と
全20巻!の「山田章博大全集」を刊行予定らしい。
もちろん、全巻、買わせて頂きます。それだけ出すなら、氏が怒濤の如く描かれている、色々な小説(名作〜迷作(^^;)の表紙/挿し絵だけで数巻(フルカラーで)出してくれないかな〜 とりあえず「紅色魔術探偵団」は更に一冊増えることだけは確実になったと。
「ミュージュックステーション」で椎名林檎が歌っているのを見た後、昨日のBS「真夜中の王国」での、野田秀樹特集を再生して見る。
12月に公演した「Right Eye」の舞台稽古を中心に充実した内容で、ミーハー(=この立場なき人々、とルビをふる)な私としては割と満足。う〜ん、野田秀樹の劇くらい、自然に観に行けるような環境だったら良いのに。同じ時代に生きていて観に行けない、なんて勿体ない。
唐突に、この前の続き。
10年少し前(笑)、関西に来て受けたカルチャーショックには色々有ったのだが、中でも、言葉の使用法の違いに驚かされたことが多かったような。
で、この前、言い掛けた「せいぜい」という言葉の使われ方の違いについて。
私はそれまで、いくら良くても、とか上限で考えても、という意味で理解していたのだが(せいぜい、こんなものだ、とか)、京都のとある食堂でメニューを見ていたら、「せいぜいご利用下さい」とか書いて有るではないか。つまり、元々の?「精々」=ますます、といった積極的な意味で、まだ使用されているのだった。
言葉というのは、基本的に使われている内に価値が摩滅する。つまり、価値が落ちていくわけで、「せいぜい」も、今や、どんなに頑張っても、というような軽蔑がかったニュアンスでしか使われないと思っていただけに、これは驚きだった。
ただ、関西全域でこの使用法が成り立つのかは不明だけど。それに、あの有名な?アホ・バカ文化論によれば、都言葉が地方に伝播していくというのが、日本の方言の複層のベースなわけで、それならば、京都に古い用法が残っているというのは、まるで逆なような気もするし…
(後記)この件については、関西ご出身の木村小夜さんより、以下のご指摘を受けました。関西で、「せいぜい」を
積極的な意味で使用しているのは聞いたことがない。京都での使用法は婉曲話法での謙遜ではないかと。謙遜。そうなんですか。
「せいぜい」は、アホ・バカ文化論の反証とはなり得なかったのか… 少し残念です。
ちなみに一番カルチャーショック(=えらい処に来てしまったという感慨)を受けたのは、次の二つの絵馬を見た時だった。
1.今でも丑の刻参りが有るという、貴船神社で、絵馬を何気なく見ていて発見した「誰それを呪殺したもう」と書かれていた一枚!
2.どこかは忘れたが、同じく掛けられた絵馬をぼーっと見ていて目に留まった、ただ一言「ヤクザに負けない」と書いてある絵馬。
雪だ。
この土地で地面が白くなるほど雪が降ることは滅多にないです。つまり、かなり寒いというわけで。節分て、こんなに寒い日だっけ?
…あ、節分だというのに、巻き寿司を食べるのを忘れた(^^; といいつつ、今年はどっちの方角かも知らないのだが。
(関西ローカルネタ、多分)
雪の中、帰って来てみたら、郵便受けにスコラからの封筒が。すっかり忘れていた(またか)けど、冬目景のリトグラフの予約を依頼していたのだった。
受付番号は561。…私がFaxを送った、告知後一週間の段階で500人超。結構、人気有ったんだ、ていうか、全体で幾つ?
そういえば、椎名林檎のCDに付いてきた「自作自演生実演会」入場整理券応募ハガキというのが、非常に気になっていたりして。何を生で実演するというのだ。でも、会場の「バナナホール」というのが、大阪のどこにあるにしろ、平日の夜ではちょっと行けそうもない。
…などと書くのがせいぜい、というわけで、月曜の夜は、書くことがない。
あ!「せいぜい」と言う言葉の関西と関東での使われ方の違いについて…は、また今度にしておこう。
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