空の蒼さを 見つめていると

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21th Century 週記 Art Cinema Comics Novel Word 小野不由美 
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2000年12月

12/31

 休日の昼前にNHKでは、各県毎にこの100年を色々な映像を通して振り返るという「日本 映像の20世紀」という番組を再放送していて、たまたまここ二話(兵庫県と京都府)ばかり見たのだが、例えば、兵庫県の回の、ナチスを賛美する歌劇を上演する、当時の宝塚の映像とか、滅多に見られないような映像が次々に登場し、地味ながら、さすがNHKという、非常に興味深い番組になっていた。



 ところで、こういう映像を見ていると気付くのだが、戦前の日本人のファッションのうち、戦後すっかり廃れてしまったものがある。それは帽子。成年男子が被っていたソフト帽である。驚くべきことに、戦前の映像を見ると、しかるべき洋装をしていた場合、帽子を被っている人の方が多いのだ。

 多分、戦後それどころではない時期があって帽子の習慣は廃れ、そして景気が復活しても、帽子はファッションとしては復活しなかったのだと思う。今や、帽子掛けが存在するのはゴルフ場のレストランとかごく一部の場所に限られている。



 ある時期を越えて存在し続けたものと越えられなかったもの。野田秀樹が10年ほど前、マリ・クレールで書いていたエッセー「僕が20世紀と暮らしていた頃(題名、自信なし(^^;)を思い出す。それは、21世紀のある日、野田老人が孫達に向かって、20世紀の終わりを越えられなかったものについて説明するというスタイルのエッセーで、例えば、底が「分厚い」牛乳瓶とかを取り上げていた。「重たいもの、分厚い物は嫌がられたんだな…」

 実は、他にどんなものを「越えられなかった」としていたのか、確認しようと思って少し探してみたのだが、隣の部屋の段ボールの山のうち、発掘できる範囲からは残念ながら単行本は見付からなかった。即ち、私にとってこの本は20世紀の終わりを越えることは出来なかったようなのだ。



 「日本 映像の20世紀」京都府編を見ていたら、戦前の社会主義的な代議士の支持者の回想が、いかにも二枚目系のアニメキャラの声で語られていて、聞いていてアレ?と思っていたら、エンディング・クレジットには塩沢兼人氏の名が。…合掌。

 

12/30

 何だか、衝動買いの傾向が強まっている今年の12月だが、衝動は更にエスカレート。今年最大の買い物に走る(^^;;; というのはこの前から買おうかどうしようかとずっと悩んでいた↓を、ついに申込んでしまったのだった。

 

Dictionary 日本国語大辞典 第二版全13巻 小学館

 全巻揃定価195,000円のところ、一時払い特別定価で168,000円と安かったので。とはいうもの、さすがに簡単に出せる金額ではなく、かなり逡巡。しかし、結局、年に一つくらいは、日々の労働の対価をカタチ有るもので確認したい、という欲求と、辞典の内容自体への魅力の方が勝って、購入することに。いや、申込しただけで、既に発売中の第1巻含めて、手元にはまだ1冊も無いんですが。

 この辞典の特色は、OEDのように(といっても私は使ったことが無いけど)単語の語形と意味の変遷を年代付きの用例で示す「歴史主義」にある。つまり、今現在使われている意味や言葉だけでなく、昔使われていた意味や言葉も網羅されている、ということなのだ。

 例えば。店頭で第1巻をパラパラ捲っていて初めて見た言葉に「熱奴」(あつやっこ)というのが有る。今では単に「湯豆腐」というけれど、実は「冷や奴」に対して、「熱奴」という言葉も存在していたらしい。そういえば、お酒も「冷や」と「熱燗」と呼ぶことを思い出す。つまり、飲食物を形容する上で、「熱」←→「冷や」という対立概念が江戸時代の日本語にはもっと普遍的に存在したことが、この辞書を見ると推測出来るのだ。そう思って探すと、他にも「熱麦」という言葉が見付かる。「冷や麦」に対し「熱麦」。今では普通「にゅうめん」という筈だけど。

 この辞典にはこういうワクワクする「発見」が多分、他にも沢山待っている筈。実はこの言葉を見て、この辞典の購入を最終的に決意したのだった。

 ちなみに、「熱い」の項を見てみると、補足として書かれていたのは以下のようなこと。上代の日本語は温感を「あつし、さむし、ぬるし、すずし」の四種類で表現していたが、後に「あたたか、ひややか」の二種類が加わり、「あつし、あたたか、ぬるし、すずし、ひややか、さむし」の6段階となる。但し、更に後に「つめたし」が入り、言い表し方は複雑になっていく。…なるほど、冷たいは触感的だけど、寒いは体感的だし、対象の範囲が違うかも。

 ともあれ、豊かな表現に満ちた日本語という世界のほんの少ししか、今の私達は知らないことを再認識させてくれる辞典であることは間違いない。

 

Cinema ラース・フォン・トリアーダンサー・イン・ザ・ダーク

 封切り直後のロードショーを舐めていた私が悪いのだが、30分前に行ったら立ち見で断念、次の上映まで待って(45分前に行った)観た。しかし、ラース・フォン・トリアーっていつの間に、そんなにお客が来る監督になったんだ? ひょっとしてビョークという歌手の方?

 ミュージカルということで、多少なりとお気楽な物を予想していったら、全く逆だった。というか、かなり奇妙な作品ではあった。

 通常のドラマ部分と、唐突に挿入されるミュージカル。ドラマの方は何となくカウリスマキの映画を思わせなくもない、ボタンの掛け違いによる事態の悪化みたいな展開なのだが、非感傷的なカウリスマキ作品とは違い、弱者が社会の犠牲になる、というメロドラマの典型として話が進んでいく。一方、ミュージカル部分は主人公セルマの空想、として説明されているが、前述のメロドラマに対し、演劇で言うところの異化効果を発揮しているように見える。少なくとも私は、そこで笑うべきなのか、泣くべきなのかよく分からなかった。

 あの怪作「キングダム」でホラーとコメディといった別の要素をごった煮のように放り込んだこの監督にとって、1930代のハリウッド映画の二大ジャンル(メロドラマとミュージカル)を組み合わせてみることに興味があったのかもしれない。しかし、後者が持っていた幸福感はここには全く見られない。一体、こんな陰惨なミュージカルが存在しても良いものなのだろうか?

 とはいえ、この映画の持っている強さは、やはりそのミュージカル部分にあることは明白で、それが無ければ、ただの作品に終わっていた筈。それにしても、ラストの辺りで、場内のあちこちから、すすり泣きが聞こえてきたのには驚いたけど。…そういう映画と違うのでは?

 あと、いつも思うのだが、どうしてこの監督は、登場人物二人の会話を収めるために、手持ちカメラをブンブン左右に振り回すのだろうか? ライブ感覚に重点を置いているということなのかもしれないが、手抜きにしか見えないのも事実。カット割れよ、と言いたくなる。

 

Novel 乙一失踪HOLIDAY 角川スニーカー文庫

 表題作と「しあわせは子猫のかたち」の二編を収録。後者はいかにも乙一らしい、少しばかり変わった設定での主人公の日常の出来事を描いたもの。この人はこういう「日常」を描写するのがすごく上手い。それはつまり、優れたファンタジー作家である、ということだと思う。

 表題作は、定型的なストーリーではあるけれど、楽しんで書いているのが伝わってくる、「家出娘」の引き起こす騒動を巡る物語。何と言っても、やや横暴ではあるけれど(笑)しっかりとした、主人公の女の子が魅力的。

 勿論、それについては、作者の、登場人物の造形の的確さを称えるべきであって、別に私が、聡明で勝ち気な中学生くらいの年齢のヒロインに実は非常に弱かったりするから、というわけではない。いや、もう、これは断じてそういうわけではないのである。

 

12/29

 ようやく、今年の仕事も終わり。懸案事項は残ったままだが、とりあえず今までのことは忘れ去ることにする。来年のことは来年考えることにして。



 NHKでアンドレイ・タルコフスキーについてのドキュメンタリー番組を放送していたので、思わず観てしまう。内容的には目新しいものではなかったが、久々に各作品の映像を見たので結構、新鮮。「サクリファイス」の撮影模様とかも興味深かった。最後の頃のベッドでの姿は痛々しかったけど。

 それにしても何でまた突然、とか思っていたら、彼の命日は1986/12/29だった。もう14年も前のことになってしまったのか… そういえば、彼の映画も、どれももう10年以上観ていない。今一番、見直してみたいという気がするのは「」かな。

 

Novel 火浦功未来放浪ガルディーンB 大豪快。 角川スニーカー文庫

 ところで、14年と言えばこのシリーズの本編も14年振りの続巻なのだった。というわけで、さっそく買ってきたものの、5分間で読了(笑)。もっとも、連載を読んでいたので、未読部分は座談会だけではあったんだけど(^^;;; 次は一体、何年後になるんでしょうか。 

 

12/24

 親が、雑誌の星占い欄を見ていて、来年は(親の星座は)運勢が良いらしい、というので、1月号の運勢なんて、どれも良いことが書いてあるに決まってるよ、と言ってみたら、実はその通りだった(笑) まぁ、確かに新年早々絶望させられるよりは少しでも希望を持った方がマシだとは思うけど。

 「2001年、ラッキースターの木星は双子座を運行。今までの自分をリセットして、再スタートできる大躍進の年 」。

 ↑そのページの、来年の私の運勢(^^; 確かに、リセットして再スタート出来たら、とは思わないでは無いですが…

 

DVD ティム・バートンナイトメア〜・ビフォア・クリスマス

 本当は、ヘンリー・セリックという人が監督らしいが、100%ティム・バートン、という作品なので、細かいことには拘らないことにする(笑) ティム・バートンの映画の中でも、特に純粋な一本というか、蒸留酒のような、バートンらしさ。ハロウィンの国の「王様」が善意で「外の世界」と交わろうとするが、結果的には排除され、優しい「自分の国」に戻っていく、というアレですよ、アレ。所詮、オタクを受け入れる「世間」なんて無いのさ、だけどいいんだ、僕には僕の世界がある、という諦観?と安堵感。やっぱり、彼の作品はこうでなくちゃ。

 同じくクリスマス映画である「シザーハンズ」とは強い共通性が見られるけれど、こちらの方がカラッとしているのは人形アニメという形式によるところが大きいのだろう。彼ら、優しい「化け物」達の立ち振る舞いは見ていて飽きない。中でも、悪役のブギーマンが最高!

 勿論、ダニー・エルフマンの音楽が全編流れる、贅沢なミュージカル映画で、見終わって、非常に満ち足りた気分になる。ところで、エンディング・クレジットを見ていたら、主人公ジャックの歌を担当しているのは何とダニー・エルフマン自身。へぇ、良い声しているんだ。

 

DVD 「gate to Avalaon

 普通のメイキング、という印象。なるほど、ポーランドまでロケに行ったのは、一にも二にも戦車の市街戦とヘリが撮れるからだったのね。あとは実際に作品を観てみないと何とも言えない、という気がするけど、とりあえず川井憲次の音楽はいつにも増して素晴らしい。

 ところでこのソフト、公式ページに、もっと中まで見るためのパスワードが有る、という設定なんだけど、いつ見れるんだ、それ。

 

12/23

 12月と言えば、「羊」の月

 といっても、我々のために自ら生贄の子羊となったイエス様の、といった新約聖書な話では全く無く、冬目景の「羊のうた」の新刊の発売月としてすっかり定着した、ということ。5年も続くと風物詩、というか、もはや季語?



 ともあれ、「羊のうた」5巻を買いに出掛ける。合わせて他の本もまとめて買って帰ろうと、思った以上によく入る、ずだ袋のようなバッグを提げて。

 で、袋に入れた物といえば。冬目景「羊のうた」5巻、貞本義行「新世紀エヴァンゲリオン」6巻、富沢ひとし「ミルククローゼット」2巻、あさりよしとお「まんがサイエンス」Z巻、駕籠真太郎「パラノイアストリート」1巻、久米田康治「かってに改蔵」10巻、藤原カムイ「H2OImage」3巻、ウエダハジメ「フリクリ」1巻、駒井悠「そんな奴ァいねえ!!」6巻橋口隆志「シザーズ」1巻は見付からず。

 それから角川スニーカー文庫の新刊をチェックしていたら、行った本屋では「ガルディーン」の新刊は残念ながら未だ見当たらなかったが、代わりに乙一「失踪HOLIDAY」という新刊を見付けて驚く。あとは、押井守「Avalon」小説版金井美恵子の絵本についてのエッセーを買う。

 メイトにも寄るが、坂本真綾「マメシバ」を買ったくらい。そういえば、「攻殻solid box」の段ボールを確認。もはや、大きめの小包とでもいう体積で、気軽に持って帰るのは困難かと。もし通信販売とかで買えるのならその方が良さそう。その前に13,333円という定価をどう考えるか、だけど。

 せっかくなので「クリスマスもの」も欲しいとCD屋のDVD棚へ。観るならこの時期、と思っていたティム・バートン「ナイトメア〜・ビフォア・クリスマス」を手に取る。他の棚も眺めていると、「ヨーロッパ」の文字が。ああっ、ラース・フォン・トリアー監督のこの映画もDVDになっていたのか。この映画には公開当時、前売り券まで買ったのに忙しくて観に行けなかった苦い思い出が。正月の映画観賞用にこれも追加。

 新作コーナーで「Avaolon」のメイキング「gate to Avalon」を、多分どうでも良いソフトだろうと思いつつ加え、「人狼」DVDも今日買って帰るべきかとアニメの棚に寄った私は、そこで5分間悩んだ挙げ句…「人狼」ではなく「アイドル天使ようこそようこ」DVD-BOXを抱えてレジに向かっていた(笑)

 …いや、だってさぁ、定価46,400円のBOXが34,800円だったし。前から、このシリーズは見てみたかったわけで。少なくともあの「えり子」に並び称される?アミノテツロー作品だし。でも、まぁ、それでも充分高い出費だと思う、というか、こういう物が買えてしまうなんて、まだまだ私もダメ人間、ということを再確認してしまった。

 

Novel 森博嗣幻惑の死と使徒」「夏のレプリカ 講談社文庫

 割とサービス精神旺盛、な感じがした2冊。読み終えても、なぜ2つの事件の時間を重ね合わせたのかは、よく分からなかったのだけど。とはいえ、森ミステリィについて語るのは、別に私の役目ではない気がするので、それ以上、特に言うこともないです。なら書くな、という気も。

 

12/17

 昨日、渋谷にいた頃、東口では少年が暴れていたことを後で知った。勿論、全ての事件は、「どこか」で起きているわけで、そういう意味では自分と無関係な事件など存在しない。

 ともあれ、昨日の購入物。あさりよしとおHAL」、志摩冬青バイオ・ルミネッセンス」、加納朋子螺旋階段のアリス」。「バイオ・ルミネッセンス」は、漆原有紀の過去の単行本としてBook1stに置いてあったもの。とりあえず「蟲師」の原型の「虫師」だけ読み、あとはゆっくり読むことにする。

 仕事は相変わらず、終わらない。20世紀の終わり云々はどうでも良いから、無事に今月が終わることを祈るだけ。

 

12/16

 最近、ジム・キャリーが緑色のケモノ顔で唸っている予告編をTVでよく見る「グリンチ」。ロン・ハワード監督のコメディーなら、良い意味での古典的なハリウッド人情喜劇になっていそうで、ちょっと見てみたい気もするけど、さすがにこの歳で、家族向け映画を一人で観に行く勇気はないです。

 

CD KARL JENKINSADIEMUSW  THE ETERNAL KNOT、enyaa day without rain

 時々ケルト的な音楽が聴きたくなる。あの独特のメロディは、少なくとも日本の民謡よりは 自分の心の奥底に響く気さえするのだが、しかしそれは、ある種の教育、思いこみに過ぎないのではないかという疑問も ずっと持っている。日本に生まれ育った私にとって、ケルト文化は、余所の国の基盤的な文化に過ぎないわけで、欧米の ファンタジーで散々、物語の骨子として使用されてきたその神話も、他の国の神話以上に自分の内面に関わることはない。 他の、例えばケルト文化の特徴である、渦巻き模様なども、同じく余所の国の文化という印象なのだが、その音楽だけは まるで自分のものとして聞こえる、というのは一体どういうことなのだろう?

 もしかしたら、「ドラクエ 」で育った子供が中世ヨーロッパのイメージを「トランペットのファンファーレに続くフルオーケストラ 」として誤って思い浮かべてしまいかねないように、二次的な、ケルトをイメージの源泉として構築された作品世界(同じくGameで言うなら「FF」)の印象の蓄積が、遡ってケルトというイメージを作り上げ、「懐かしく」感じさせている、というのが一番納得しやすい「答」のような気はするが…

 それとも、演歌が朝鮮、そして大陸の音楽の影響下にあるように、ポピュラー音楽の樹形図を遡っていくと必ずケルトに辿り着くとでもいう「真実」があったりするのだろうか。

 昔NHKで見た、確かBBC制作のケルト文化についてのドキュメンタリー(現代に生きるケルト文化の一例として、「プリズナーNo.6」の「村」のロケ地が出てきたりする、イカした番組だった)の音楽を担当したのが、enyaがブレイクしたきっかけだったことをふと思い出す。

 結局、なぜ耳に心地よく感じられるのかはよく分からないまま、こうして新作が出るとつい買ってしまっていたりするのだが…

 

CD 川井憲次K-PLESURE

 川井憲次といえば、前にも書いたが「紅い眼鏡」のサントラを聴いた時の衝撃が初めての出会いで、以来、押井守作品を初めとした数々のアニメの劇伴でその川井節を聴いてきたのだが、このベスト集は映画のサントラからのオムニバスということで、押井守の諸作品に加え、中田秀夫の映画中心に収録されている。実は私は、中田秀夫の映画は1本も観たことがないのだけど。

 ラストの「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」のエンディングテーマ「謡V-Reincanation-」を聴いていて、映画公開当時、夜間拝観中の清水寺の境内を、映画のサントラをCDWalkmanで掛けながら歩いたことがあって、頭の中にこのコーラスが鳴り響いた瞬間、ゾクゾクと背筋が寒くなるような光悦を味わったことを思い出す。余りに、ハマリ過ぎというか。お近くに、高台の神社とかが有ったら、夜中に一人でその境内に立って、MDとかでこのテーマ曲を聴いてみることをお薦めします。多分、凄いです。

 もし街並みがそこから見下ろせたら、ついでに「ネットは広大だわ」とか呟いてみるのも一興?

 それにしても、神道的な文化というのは、普段思っている以上に自分自身の内面に存在するのかも。

 

 ところで、今日はこれから菊池志穂ライブのため、渋谷へ。何だか、ここのところ、毎週、渋谷まで出掛けているような。本当は、土日閉じこもって仕事を片付けた方が良い、と私の中のGhostは囁いてるのだが…

 

12/10

 結局、押井守系作品のオールナイトへ行ってしまった私(^^;;; 帰ってから、昼まで寝ていたけど、まだぼーっとしてます。

 

Cinema 北久保弘之BLOOD THE LAST VAMPIRE

 フルデジタルアニメーションということで、2Dと3Dの融合とか、押さえた色調での画面の構築とか、 技術的に凄いのは門外漢にもよく分かるし、ノンストップアクションとしてその演出にも不満はない。目が離せない48分であるとは言えるのだが…

 しかし、冷静に振り返ってみるとそれだけ多大な手間とコストを掛けて、達成されるのはこれだけなのか、という気がしないでも。 つまり「作品」としては、いわゆるB級のモンスター・パニック映画なのだが、それってこんなにも苦労して作るような物なのかという素朴な疑問が。少なくとも、人を感動させられる長さ(大体、90分以上?)での物語を作って初めて、このデジタルアニメという技術の意義が確立するような。

 ところで、とある脇役の回想で終わるのって話法上おかしくはないですか? 回想で始まった物語が回想で終わるのなら分かるのだけど。

 

12/8

 会社の忘年会で、ふぐ一皿きちんと盛りつけられたのを食べるのって、 実は初めてかも。なるほど、さっぱりしていていくらでもいけるような。ちなみに、今や数少ない会社の福利厚生施設の一つ (…倶楽部とかいう)で食べたので、お値段は4000円以下とリーズナブルだったのだけど、料理を出している店の本店に行くと 同じ物が一万円のコースだとか。ちょっと手軽に食べるってわけにはいかないのね、やはり。

 その後は、同期の男と二人だけで少し飲みつつ、漫画の話をしたり、来し方行く末についての憂鬱な認識で一致したりと。国立の大学 で(「くにたち」で「こくりつ」ではない、いや、確かに「こくりつ」だけど)漫研に入っていたというだけあって、漫画については やたらとdeepな会話に。同じサンデー世代で記憶がシンクロしているだけに話が早いし。でも、私にとってのサンデーの作家が、 高橋留美子、ゆうきまさみ、椎名高志、あるいは安永航一郎、だったりするのに対し、彼は石渡治、村上もとか、小山ゆうだったりしたので、同じ雑誌を読んでいて中心となる作家がこうも違うのか、 と驚く。勿論、細野不二彦とか一致する作家もいたわけですが。

 それにしても、社内で、同じ感性を持った人間にたまに出会う度に、この会社では上手くやっていないことをお互い確認して 苦笑するばかり。というか、自分と割と近い、と思った人の大半は既に辞めてしまっていて、もういないのだが…

 

12/7

Novel 岩本隆雄イーシャの舟 ソノラマ文庫

 要は、「うちはダーリンの妻だっちゃ」という話(やや違)。キャラ小説なので、キャラが立っていればいい、 のかもしれないが、私の場合、この人の小説の登場人物に感情移入出来たためしがないので、読んでいて苛々するばかり。

 一応、三部作完結ということで、他の作品もパラパラ振り返ってみると、結局、「星虫」が作品としては一番輝いていたのかと。あのストレートな力業は、確かに少し羨ましかったけど、 その後は自分の作り出した世界の中での辻褄合わせをやっているだけでは? それって作者は楽しいのだろうけど、読者としては、 2作も付き合えば充分。少なくとも、私の場合、次の新作の読者になるつもりは今のところ無い。

 

12/3

 どうでも良いけど、ロッテリアのデミグラバーガーのキャラクター、デミとグラって余りにもそのままなネーミングでは(^^; そういや昔、桜玉吉も似たようなバリエーションで漫画を描いていたような… ちなみに絵本の「ぐりとぐら」そのものを読んだのは多分25年以上昔(^^;;; あ、これも中川李枝子なのか。どうりで傑作。

 

Novel 湯本香樹実ポプラの秋 新潮文庫

 秋になったら読もう、と思って夏前に購入したまま、寒くなるまで忘れていた。もう冬だよな…

 同じ作者の「夏の庭 」が少年達とおじいさんの話だったのに対し、少女とおばあさんの話。「箪笥の中に入れた手紙」という、ジャック・フィニイ等でお馴染みの、時間差メッセージの手法を上手く使って、過去と現在、少女と老人、 生と死、母と子、といった対立概念を綺麗に結び付けている。やや優等生的な回答、という気がしないでもないけど、「夏の庭」の 延長線上を期待して、裏切られることはないです。

 

Book 山村哲「禁煙の愉しみ」 新潮OH文庫

 27年煙草を吸い続けてきた著者が禁煙を実行して分かったのは、それは「…しないこと」というマイナスの 生活ではなく、様々な「…すること」というプラスの生活への転換だった。という体験を綴った異色の禁煙礼賛論。「禁煙」という 著者にとっての「非日常」を、日常として暮らしていく様を興味深く読んだ。

 ところで、私は煙草は吸わない。嗜好的な物に対し無節操な好奇心を見せる私にとっては珍しいことなのだが、生まれてから、 吸ったこと自体がない。小学生の頃読んだ「指輪物語」でのホビットの煙草術とかは確かに魅力だったのだが、喘息とまでは言わなくても、小さい頃から 喉は強くなかった私にとって、煙草というのは吸うまでもない害でしかなかったのだ。

 ちなみに、そういう私から言わせれば、煙草を吸う人間は例外なく無神経といえる。例えば、駅の改札を出て、とりあえず火を 付ける人は多いが、その後ろには私のような者だって歩いている。そんな単純な事実が想像すら出来ないと言う点で。あるいは、 想像出来ても、多分許容範囲であろうと勝手に判断してしまう点で。勿論、今いる無神経な人々にその手の期待など 元よりしていないけれど。

 

Comics いしいひさいち「女には向かない職業」2巻 東京創元社

 あの、グータラな女流ミステリ作家、藤原ひとみ先生の過去が少しだけ明らかになったり、ならなかったり するような第2巻。個人的には、彼女の師匠たる広岡先生の鎌倉文士的な生活に、地元民として非常に親近感を感じたり。

 「鎌倉は物価が高いですね」「観光地だからな。我々はみやげ物を食っているわけだ」「そうか、それで。(食卓上の)おざわのタマゴ焼き、井上かまぼこ、松田屋のおそうざい」「それは手抜きってだけ」とか。いや、家で実際によく食べるのは、井上蒲鉾の小判揚げ位ですが。

 

Comics 紫堂恭子「癒しの葉」8巻 角川書店

 人の心の中に潜む二面性を描いてきたこの物語もついに完結。最終的に物語がどうなったかは 読んで頂くとして(作者は、「どちらの終わり方」にするか、かなり悩んだとのこと)、全体としては、紫堂恭子らしい、 完成度の高い作品になったと思います。逆に言えば、まとまりの良さに対する物足りなさもまたあって、最終巻はもっと 踏み込んで欲しかった気も。でも、8巻を通して非常に楽しませて頂きました。

 次は、いよいよ、「ブルー・インフェリア」4巻 。綴じ込みのチラシによると、2月1日発売で、現在鋭意執筆中(「ふう、あともう少し!」)だそうなので、あと 「もう少し」だけ待てば読める筈。

 

Comics 菅野博之「地球防衛企業ダイ・ガード」3巻 角川書店

 残念ながら、中途半端なまま終わってしまった感が否めない本作だが、おっさん顔の描き分けとか(笑)、 菅野作品らしさは楽しめたかと。次回こそは、オリジナルの作品を描いてくれないものだろうか…

 ところで巻末の田丸浩史「田丸浩史劇場 あぁ!21世紀警備保障」 は、本編のパロディ漫画なのだが、そのネタのキレ具合たるや、完全に本編を食ってしまっているような。正直、買うまでもない気がする本編だが、こちらの方は読まないと損すると断言(しても良いかも)

 「あんた日本いちや 日本いちのテクニシャンやああああッ!!」この漫画は絶対におもしろい。ていうか、 こんな漫画を読めるなんて、日本人に生まれて良かったです。 …いや、そこまで言うほどではないけど。

 

12/2

 暫く日記を更新していなかった。のは、いうまでもなく、仕事で追い込まれていたせい。先週の土日とも ずっと唸っていて(笑)、その後も睡眠時間は3.5、3、6(寝てはいけないのにふと意識を失って、 朝まで戻らなかった(^^;;;)、2.5時間と、今週、帰宅してからの時間はほとんど、それに費やす。

 おまけに、その仕事のために、会社の先輩に資料をメールしてもらったら、それと同時に送られてきたウィルスに 見事に感染してしまい、その治療に苦労していたのだった(このウィルス、ネットのワクチン・サイトに繋ごうとすると ブラウザを落とす、ということまでするので)

 いや、今回は二重三重に自分のリスク管理が甘かったことを思い知らされましたが、こうやってウィルスは広がっていくのだ というのを実感。何せ、送りつけてきた人の方は、指摘されるまで、自分のパソコンが汚染されていることに全然気付いても いなかった。

 幸い、両者とも何とか片が付いたようなので、ほっと一息。久々に東京まで出て、気分転換に映画でも見ようかという土曜日。



 …の筈が、映画館まで来て、目的の「BLOOD 」がレイトショーしか無いことに初めて気付く私。来週は押井守系作品のオールナイトが開かれるらしいので、一緒に観ればちょうど良さそう、だけど、 でもこの歳になるとオールナイトは割と辛いのも事実。明け方3時頃の「Ghost in the Shell」なんか絶対寝てしまうこと間違いない。その前後の「パトレイバー2」「人狼」だって危ない。でもこの先、そういう「濃い」夜を過ごすことなんて ますます不可能になる気がするので、この際、参加したいのは山々ではあるけど。



 仕方ないので、道玄坂をうろうろ歩いていると、マークシティの上の入り口の近くに、「中国茶」の文字が。 行ってみると、華荘茶荘の渋谷店。開店して一ヶ月ばかりらしい。茶器が充実していて、3階は茶藝館。お茶は25gとか 買いやすい単位で包装済なのは良いのだが、葉を見れないのはやや残念。前から興味があった、フルーティーな香りが するという「鳳凰単叢」の「密蘭香」というお茶を購入。



 来る途中、品川駅のCD屋で最近気になっていたアディエマスベスト(NHKの「世紀を越えて」のテーマとか)とW、それとエンヤ の「a day without rain」 を買う。…まぁ、今月はクリスマスだし(やや意味不明)、荘厳なメロディもたまには聴きたくなるので。 それにしても、前者を買ったためだと思うが、ヒーリング用のミニお香が店の袋に入っていたのには苦笑。 どうせ、「癒し」が必要な人間ですよ。



 とはいえ、こういう普通のCD屋では川井憲次K-PLEASURE」は置いていないので久々にメイトへも寄る。ついでに銭湯アニメの4、5巻とかUSBな人形の1巻とか、森山大輔「クロノクルセイド」3巻 とか高橋しん「最終兵器彼女」3巻紫堂恭子「癒しの葉」8巻 (最終巻!)とかも購入。

 わざわざ出てきて、そのまま帰るのも勿体ないので、疲れている現状を少しでもリフレッシュすべく、タイ式マッサージを受けに行く。 その途中、更に別の本屋で押井守「犬の気持ちは、わからない」岩本隆雄「イーシャの舟」瓦敬助「奈々子さん的な日常」こいずみまり「若奥様とセールスマン」1巻(今まで未発見だった)を追加。マッサージで足は軽くなったものの、 荷物はすっかり重くなって帰る。



 …これだけお買い物日記と化してしまうと、他のことは書けないのがネック。割とネタはあったのだけど。

 この際、先週から平日に買ったものもタイトルだけ。サザンオールスターズ「バラッド3」花見沢Q太郎「ももいろさんご」菅野博之「地球防衛企業ダイ・ガード」3巻藤原カムイ「H2O Image」2巻いしいひさいち「女には向かない職業」2巻「Bstreet」vol.3江國香織「絵本を抱えて部屋のすみへ」森博嗣「幻惑の死と使徒」山村修「禁煙の愉しみ」

 一方、この間、実際に読んだものといえば、花見沢Q太郎、菅野博之、いしいひさいち のコミックスと湯本香樹実「ポプラの秋」山村修「禁煙の愉しみ」 だけ。こういう風に処理能力を越えて購入している時って、ストレスに対する反動の衝動買いがほとんどなんだけど、て 、今日もそうか。