空の蒼さを 見つめていると
今年の展覧会ベスト10を挙げる前に、今まで何を選んできたのかふと振り返ってみたら、何と2002年に一度書いたきりだった。…5年前?
ええと、気を取り直して、特に印象に残った展覧会を選んでみたのがこれ↓。
1「神仏習合 かみとほとけが織りなす信仰と美」 奈良国立博物館
2「志野と織部」 出光美術館
3「陰陽道×仏教」 神奈川県立金沢文庫
4「アルフレッド・ウォリス展」 横須賀美術館
5「ルドンの黒」 Bunkamuraザ・ミュージアム
6「特別展 熱帯花鳥へのあこがれ」 松柏美術館
7「ロシア絵画の神髄」 東京都美術館
8「鳥居清長 −江戸のヴィーナス誕生―」 千葉市美術館
9「BIOMBO/屏風 日本の美」 サントリー美術館
10「特別展覧会 狩野永徳展」 京都国立博物館
1〜3は感動というより、知的興奮を与えてくれたものから。特に1は、目から鱗が落ちるという意味で、今年最も刺激的で面白い展覧会だった。
日本の神々には元々具体的なイメージが無かったため、しばしば地蔵等の仏像として作られ(その後、仏像として奉られ)たとか、神社の境内図が即ち神体としての意味を持つとか、一見そうでないように見えるもの に「ご神体」が表現されているとか、また本地垂迹説の通り、仏教と神道(と道教)が融合した結果、複雑な対比表を覚えることが宗教関係者の必須知識になったとか。(当時から、チャート式暗記法だったのか)
「イメージを見る」(=絵を見る)ことが元々いかに特権的な体験であったか、それと宗教がいかに関わってきたか、といったことまで含めて、視野がどんどん広がっていく興奮を味わえた。なのに、この展覧会を見たという話自体、全然聞かないのは何故…
2と3も面白かった展示。今ではすっかり日常の器である志野のあの焦げ目?に、聖と俗を隔てる「垣」を見出そうとする2は、日本人がやきものに託してきたものを新たな形で再認識させてくれたし、天皇即位時の密教的儀式「即位灌頂」を含め、国家の重要機密(知識)だったダキニ法を、それが地方(関東)の寺社まで伝播した後世資料から再現した3は、外国の知識の受容と消化について色々考えさせてくれた。
4〜6はロケーションの良さというか、見た時間の印象深さから。
4はアルフレッド・ウォリスという元船乗りの絵を、横須賀美術館という海を見下ろす美術館で見たという体験。しかも、当日は横須賀から美術館のある観音崎までわざわざフェリーに乗って行った(^^;;
5は逆に、酷暑だったこの夏、暑さが抜けない夕方の渋谷の雑踏と打って変わって、美術館の中ではルドンの黒の世界が一面に広がっていて暑さも忘れた、という印象が素敵だったため。
6は、前から見たかった石崎光瑤の南洋の花鳥画を、静かな松柏美術館の邸内で見られたこと。特に白孔雀の2羽が緑の密林の中に佇んでいる絵と一人きりで向かい合っていた濃厚な時間は幸福の一言 。
7は、今年前半の私はロシア月間だったので、この展覧会は勉強になった(質も高かった)。2ヶ月後、サンクト・ペテルブルグのロシア美術館の前に立ちながら、(時間が無くて)中に一歩も入れずに終わったのは何とも皮肉だった。
8〜10は素直に「充実していた展覧会」から3つ。8は、鳥居清長の美人像の伸びやかなプロポーションに、初めて「見ていて気持ちの良い浮世絵」だと思った。9は新生サントリー美術館の本気の力を見させて貰った。10は、混み混みなのは勘弁して欲しいけど、京博の特別展の濃さに他は勝てないなということで。永徳については、晩年の檜図屏風の更にその先を見たかったなと。
ちなみに、切り口を替えれば、印象深い展覧会として、こんな10展も。
1「アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌」 東京国立近代美術館
2「将軍家への献上 鍋島」 MOA美術館
3「悠久の美」 東京国立博物館
4「水の情景−モネ、大観から現代まで」 横浜美術館
5「美の求道者 安宅英一の眼 安宅コレクション」 大阪市立東洋陶磁美術館
6「絵で読む宮沢賢治展」 平塚市美術館
7「若冲展」 相国寺承天閣美術館
8「レオナルド・ダ・ヴィンチ−天才の実像」 東京国立博物館
9「フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展」 国立新美術館
10「桑原弘明Scope展」 銀座スパンアートギャラリー
1はちゃんとやっている時の近代美術館。刺激的だったんだけど、普段、写真を見慣れている人にとっては(良かったのかは)不明。
2は初期鍋島のデザインの自由奔放さに惹かれた。3は、東博って元々こういう訳の分からない(?)古代の物を紹介してくれる処だったよな、と思い出した。
4は横浜美術館ならではのセンスの良さに感心。5は、欲しい品は数十年掛かってもとことん追い求めるコレクター魂に圧倒された。
6は有名な「雨ニモ負ケズ」手帖を見られたこと。実物だけが持つ力を再認識。7は「猫も杓子も」という言葉を連想。今年の「イベント」というか、流行語大賞というか。次は芦雪だ!というのは駄目?
8,9は一点豪華主義は(商業的には)今でも有効らしい、のを実感。8は現地とは違う新たな体験が(空いている晩に)出来たけど、9には空虚な印象しか… そして、来年もフェルメール が……
10は手に取れる程の箱(Scope)の中に大聖堂の内側をそっくり再現して見せた「イリュミナシオン」が奇跡のような美しさ。 まさしく壷中の天ともいうべき一つの到達点。しかも、自分が見ている瞬間は他の人は誰も見られないという贅沢さ。国立新美術館のような施設でのマスメディア主催の大型企画展では決して得られない満足がここに。
最後の日に、こんなに長々と書くつもりも無かったんだけど。ともあれ、今年も、気が付けば、もう終わり。
あとは未開封のDVDの山から、どれにしようか…… そうだ、「ARIA The OVA〜ARIETTA〜」でも見ながら年を越そうかなと。
と思ったのだけど、昨年に倣って、2007年に行った展覧会(美術館)の一覧リストなんてものを作り始めたところ、会期を確認したり、外部リンクを張り直したりしたせいで、思いの外、時間が掛かった… 途中から、いいかげん、うんざり仕掛けたのだけど、既に半分くらい書いていたので、今さら後は退けないぞ、という状況に(^^;;
で、その結果。数だけ数えると、年間の合計で128(延べ数)。昨年より多かったのか。あんまり、そんな気はしないんですけど。さすがに、作成するだけで疲れ果てたので、今日はここまで。明日気が向けば、印象に残ったものをピックアップしてみ るかも。
ちなみに、昨年はこんな感じ。どちらも旅行の時に数を稼いでいる、という印象が強いなぁ。
今日の日経に、レオス・カラックスの新作の取材風景が。
ここ数年、映画関係の話題にとんと疎いので、「ポーラX」の後、新作を見逃しているのかと思っていたら、その間、撮っていなかったらしい。今度の作品は東京を舞台にしたオムニバス映画の内の、30分くらいの短編らしい。正直言って、(「ポーラX」みたいな)カラックスの長編を今さら見る気分には余りなれないのだけど、それ位の長さなら見てもいいかな ?(偉そう)。
NHKで、来年1月に丸の内で、全身がほぼ無傷のマンモスを展示するというニュースをやっていたので、「丸の内+マンモス 」で探してみたら、引っ掛かったのはことごとくマンモスフラワーについて。いやいや 、そんな昔?の話じゃなくて。ゾウの名前「リューバ」で引っ張ると、展示場所は、やっぱりマルキューブみたい。そんなスペースが?と思ったけど、写真で見ると、見た目はごく普通の子ゾウだから、平気なのか。
どちらかというと、今回の解析内容を展示するらしい科学技術館の方が面白そうな気もする。
カニしゃぶ 。しゃぶしゃぶの後の雑炊はさすがに美味しかった。考えてみれば、かに雑炊を食べたのって、関西にいた時の日帰りの社内旅行(99年の2月)以来なのか… もう少し、自分に贅沢しても良いかも。というわけで、来年もまた頼むかも(^^;;
久々のNHKの少年少女ドラマ(「夕陽ヶ丘の探偵団」)の話は、また明日 ?にでも。
仕事納め。
今年、何が嬉しいって言って、休日の関係で、(世間一般の)人より長く働かなくて良い、というそれに尽きます(^^;; いつもは30日まで が出勤日で、最終日はバスも電車も既に休日ダイヤ。人が殆どいない(旅行に出掛ける人を除いて)車内は暖房も暖まらず、身も心も冷え切ったまま、都心に向かう… という毎年の侘びしさから今年(だけ)は無縁。
8年も前に書いたことを今さら繰り返し書いても進歩が無い とはいえ、1日くらい休みを早くしても罰は当たらないと思う。入社した当初は、数年後には法制化されそうな勢いだったのに…
帰ってみると、カニが届いていた。明日はカニしゃぶだ(^^;;
「キル」@シアターコクーン。(以下、微かにネタバレ気味)
「キル」といえば、94年が初演。実は当時、 仕事上の関係で、NODA・MAP(法人としては当時はまだ夢の遊民社だったと思う)の事務所を何度か訪問した。そして、その時、次回公演予定として「キル」のチラシを見せて貰った記憶がある。
あいにく、当時は本当に多忙で、学生時代から好きだった夢の遊民社の事務所を訪ねる機会に恵まれながら、仕事上の雑用をこなす時間しかなく、公演の話をする余裕などは無かった。なかでも 凄く残念だったのは、事務所の応接間の棚に「彗星の使者」等、市販されたことのない公演映像のビデオが資料用に保管されていて、ここでなら見ても良いと言われたのに(貸して頂けないかとお願いしてみたが、当然ながら断られた)、全く見る暇がなかったこと。
勿論、チケットを取るような時間的余裕もなく、公演自体も観ることは出来なかった。だから、私にとって「キル」といえば、その直後に転勤となった関西の中都市で読んだ「解散後全劇作」内の戯曲(のイメージ)だった。
そんなわけで、初めて実際に「キル」を観るのは非常に感慨深かった。
最初の辺りは今一つ乗っていけなかったが、手紙のやり取りを始める辺りから楽しくなってきた。今回は勝村政信の存在が大きかったなと。初回は渡辺いっけい、再演だと古田新太なのか。なるほど。
初演・再演を観た人だとまた違う感想なのだろうけど、全体に洗練された演出で、最近の再演ものの中では一番素直に楽しめたという印象。ただし、最後の「目にしみるとびっきりの蒼空」だけは、戯曲を読んでイメージしていたものが余りに鮮烈だったので、正直、ちょっと物足りなかった… それとも、もっと後の席では(今回は前から3列目という好座席だった)、舞台を覆う青色がもっと印象的に見えたのだろうか?
家の近くまで戻ってきたところで23時前。22時で既に閉店している近所のスーパーの入り口の地面に何か、丸い感じのものが見えた。
スーパー店内の非常灯でぼんやりと照らされたそれは、…丸々とした姿で仰向けに転がっている小鳥だった。それも目白?(暗いし、ひっくり返っているのでよく分からない)
間近に覗き込んでも、微動だにしない。死骸かと思ったが、よくよく見ると、両足の先が小刻みに震えている。どうやら生きている? とはいえ、この強い寒さの中、放っておけば死んでしまいそうな。かといって、家に持ち帰って世話するノウハウも無いし。ふと見ると、近くに(誰かが落としたらしい)ニット帽が落ちていた。上から被せてしまうと、鳥かご状態になって、運が悪いと、明朝誰かに踏まれたりもしかねないが、少なくともアスファルトの地面よりは、この上に載せた方が暖かいのでは? と思って、まずは帽子を横に置いて。そして、両手でそうっと、丸い体を横から掴みかけたところ。その小鳥の目がパチリと開いた。
一瞬、ぼーっとした目つきで何が起きたのか分からないという表情?をしたが、直後にバタバタと飛び上がって、横のスーパーの壁にある郵便受けのような突起の上に止まった。…なんだ、飛べんじゃん。
あのまま、放置していたら体温が低下する一方だった気がするので、いつか恩返しに来てくれても良いくらいだと思うけど、鳥としては、「目を覚ましたら、危ないところだった」という感じなのかも。
それにしても、何故、地面に仰向けの状態で転がっていたのかは全くの不明。何かにぶつかって落ちたまま、気を失っていた、とか?
歯医者。先週末に填め直したのが問題ないことを確認して、今回は終了。
ただし、下の?親知らずに虫歯が出来ていて、痛み出すと凄く痛いので(←今は別に痛くない)、来年、余裕が有る時に抜いてしまった方が、と帰り掛けに言われる… ううっ…
歯医者の後、スコッチグレインに寄ってもう一足、購入。 先日の購入時に会員証と、恒例の20%オフセールの葉書を貰ったので、雨用も買っておこうかと、シャインオアレインIIIのストレート。
ついでに、モンクストラップの靴も試し履きしてみたのだけど、踵が残る感じが気になって駄目だった。う〜ん、世間の会社員の多くはどうして、スリッポンな紐無し靴で大丈夫なんだろう。慣れの問題? それとも、学生時代にローファーを履いていた ことがあるかの違い?
続いて、先週(12/16〜12/22)の日記を補完。
先々週(〜12/15)の日記を補完。あとは、つい発作的に「LIVE2008 M3」を予約してみたり、鎌倉まで出掛けてみたり。
寒い休日だが、引取り日が今日までの「ラビーン」のバウムクーヘンを回収しに、新宿伊勢丹へ。実は一ヶ月ほど前に伊勢丹のオンラインショッピングで、お歳暮メニューの中から、「ラビーン」のバウムクーヘンを店頭引取りで注文していたのだった。ええ、つまりは自分自身への暮れのご挨拶(苦笑。
単純なコストパフォーマンスから言えば、高過ぎるとは思うものの、昨年秋、ベルリンの本店で購入して感動して以来、いつかは、やってやろうと思っていたのですよ。
送ってきた引取り証には、地下1階の地図が付いていたのだが、肝心な交換場所が書いてない… 百貨店とも思えない杜撰な案内(伊勢丹の食品営業部って、そういうレベルなの?)に呆れたが、店内の案内係に訊いて店頭へ。この時期は店頭売りもしているらしい。
あとは回収するだけかと思っていたら、何時間掛かりますか、と店員に聞かれたので、食べ切る時間?と驚いたが、要冷蔵なので、とのこと。3,4時間?と答えると、2時間までなんですけど、保冷剤多めにしておきますねと言われた。いや、だって。バウムクーヘンでしょ? ロールケーキじゃあるまいし、冬場、半日持ち歩くくらいでどうにかなるものか。ともあれ、保冷剤と保冷ラッピングで大きくなった袋をぶらさげて銀座へ。
「桑原弘明Scope展」@銀座スパンアートギャラリー。
今日の目的その2。最近の年末恒例の楽しみ。土曜ということもあって結構、混んでいた。今回は何と言っても、大聖堂(ストラスブールにある教会がモデルらしい)の内側がそっくり、箱の中に納められている作品が圧倒的な存在感。奥行きも凄くて、本当に大聖堂を覗いているかのよう。4ヶ月半も掛かったそうだけど、それも納得。有る意味、今までの中での頂点というべき傑作。
展覧会が始まって一週間経つので、今回の作品は既に全てsold out。大聖堂の箱は下の「400,000円」の文字だけ見えたけど、どうなんだろう、1,400千円? それとも2,400千円? 例え2,400千円だったとしても、(自由になるお金さえあれば)手に入れたくなる素晴らしさだった。やはり、年末ジャンボが当たらないと。それも、1千万円は必要だな…
最後に、東銀座まで足を伸ばして、スコッチグレインで靴を1足購入。
今の仕事が、ビル外へ一歩も出ない事務仕事ということもあって、靴については以前の営業職時代に買った安もののローテーションで済ませてきたのだけど、気が付けば、人前に出ても恥ずかしくない程度のものが一足も無くなっていた。この際、もう少し何とかしようということで。というか、今までが、余りに無頓着過ぎたと反省。(まぁ、ここ数年は、人前に出るような機会も余り無かったのだけど)
サイズを測って貰うと、実寸で左24.9cm、右24.5cmだった。サイズ的には25.5cmでは?と言われる。ええ?今まで26.5cmを主に履いていたのに。でも、実際に履いてみると、確かに25.5cmなのだった。今やブカブカなものが多いとは思っていたけど、靴が伸びた以上に、痩せた時に実は(足も)縮んでいた? ともあれ、ネットで買おうかと最初は思っていただけに、1回きちんと測っておいて良かった。
今回はごく基本ということで、アシュランスのプレーントゥ。あとは、半年位の間に4足位に増やすことにして、1足買う度に今の駄目な物から1足ずつ、代わりに捨てていくことにしよう(^^;;
とはいえ、今の職場に通うだけなら、実際のところ、革靴である必要性すら無いので(ビル内ではサンダル履きの人も多い位なので)、黒の合成皮の、内部がウォーキングシューズ仕様の靴を2足位買った上で、普段の通勤時は主にそちらを使った方が良いのかも。電車での立ち時間も長いし、駅から歩いて帰ろう(冬以外で)と思うなら、なおさら?
仕事を定時で抜け、予約していた歯医者へ。
ここは椅子の前の壁に何故か、金子國義のエッチング(アリス?)が掛けてあって、都心の歯医者はさすがに違うものだと、妙な感心をした覚えがあるのだが(その前に通った、関西の地方都市の歯医者は、子供達用に、壁中に動物の絵が描いてあった)、今回、数年ぶりに来てみると、椅子の装備が一新していたばかりか、前も大きな液晶モニターに変わっていて、セブ島の海岸風景のBGVが流されていた。
5年という、時の流れを実感したよ…
さて、先生が言うには、今回外れたのはここで填めたものではない(ということは関西時代? …8年前?)右の上側の親知らずへの被せ物で、しかも、下の親知らずは生えていないから「あんまり意味がない」らしい。そうか、どうりで、この一週間弱、(外れたのに)違和感が無いと思った。
今回は填め直して貰ったが、上手く行かないようなら、いっそ親知らず自体抜いてしまった方が良いのでは?という話。とりあえず、来週火曜の夕方に問題ないか、再チェックということで、…また歯医者へ。水曜の夜は「キル」のチケットを購入済だし、大丈夫だろうか>年末までの仕事
ネットでの買い物その2。
鍋ものを何か注文しようと悩んだ挙げ句、今年はカニしゃぶ に決定。鍋よりもむしろ最後の雑炊が好きな私にとって、昔、越前で食べたカニしゃぶの後のカニ雑炊の美味しさは何よりも忘れ難いので。
それにしても、楽天、yahoo!を初めとして、カニ(今回はずわいガニのポーション)を売っているネットショップって、こんなに沢山あるとは思いませんでしたよ(^^;; 今回、内容を比較するために、ブラウザに わざわざ「カニ」というフォルダを作って、十幾つものショップを登録してみたほど、数が有り過ぎて悩みに悩んだ(笑)。
で、結局。今回注文したのは北釧水産というお店。1kgで約9千円(送料込)と、他よりは若干高めだったのだけど、割と信頼感が有りそうだったのと、たれがちゃんと付いていたところがポイント。来週末には届くようしたので、今年最後の楽しみ、ということで。たまには、こういう贅沢もしないと。
「アンカー展」@Bunkamuraザ・ミュージアム。
アンカーはスイス旅行の際に、あちこちの美術館で見た画家。見た覚えがある絵も二十枚位、来ていた。僅か一ヶ月前なのに、何だか懐かしい。
ぱっと見ると、古き良き農村の絵を描いた、保守的なだけの絵画にも見えるが、多分、当時の現実そのものではなくて、画家が持っていた理念(主に教育の重要性)の表現と捉えるべきなんだろう。ちょうど同時代の「ハイジ」が、人は誰でも信仰と教育によって変わり得るという啓蒙主義による小説であったのと同様に。
ただし、「ハイジ」が今も読まれているのは、啓蒙主義うんぬんというよりは天真爛漫な主人公の性格によるところが多いように、「アンカー」の絵も、理念そのものよりも、シャルダン風の実直で的確な静物描写や、子供達や爺さん達の自然な表情こそが、魅力なのだと思う。
特に丁寧に描かれた確かな静物描写は見ていてほっとする。師走の慌ただしい時期に帰宅前の一時、アンカーの絵を静かに見る、というのは悪くないと思った。
注文したカシミアのコートが届く。 袖が微妙に長めだけど、全体としては問題ない範囲。生地も思ったより良いものだった。縫製だけはさすがに、前のコートの方が良かったけど、通勤で着る分には問題ないでしょ。コートの確保が済んだので、次は年末の鍋の具材の調達と、あとは服装で言えばまず靴だな…
色々な準備をしていて、素材としての自分の質の悪さに色々と絶望する。とはいえ、相手が自分なので、文句を言うことも出来ないし(^^;;
夕食時に、右の奥歯(の被せもの)が突然、ぽろっと外れる。う〜ん、よりによってこの忙しい年の瀬に何故。通っていた歯医者は、前の勤め先の街にあるので、予約は夕方に取るしか無いのだが、そうすると、その日の仕事が…
しかし、この手のものはすぐに戻さないと、歯の形が変わってしまうので、遅くとも週内には歯医者へ行かないとなぁ。
師走の字の如く、走り回っている!というほど時間に追われているわけでは全然無いのだけど、それでも、平日は予想外の展開が有ったりしてやはり忙しく、休日も何故か、割と買い物(迷い中)月間になってしまっていて、ゆっくりと日記を書いている暇がそういえば無かった。気が付けば、書こうと思ったことが何も書けないままの一週間(主に土日)。
買い物の一つが、コートの買い換え。
真冬の通勤時には、基本的にカシミアのコートを着ているのだけど、8年前に(そんなに?)購入したもので、物自体は割と上質なものを購入したこともあって今でも充分に使用可能なのだが、7年弱前に大きく痩せて(当社比)以来、サイズが凄くブカブカになっていた。何せ、前のボタンを閉じようとすると、布が横に20cm余るくらい(笑)
前から気にはなっていたのだけど、数年で仕舞い込むのも勿体なくて、そのまま使っていた。しかし、前のコートもそろそろ減価償却済というか、元を取った気分になってきたので、買い換えを決意。
今回はネットで探したものの、なかなか適当なものが見つからず。この際、高級生地(ロロピアーナとか)のものを購入してしまおうかとも思ったが、日々の通勤用という目的から外れていってしまうので、最終的には3万円程度のスタンダードなものをReggioというショップで注文。
ネットで服を買うのは初めてで、サイズが不安だったのだけど、サイズ合わせが緩いコートだし、LLで何とかなるだろうと。というか、今よりはどう考えても、多分マシだろう(^^;;
来年の新国立劇場の一番の目玉らしい、「アイーダ」 のチケット発売日。
「アイーダ」といえば、2年前にプラハ国立歌劇場の来日公演を見て以来。 あの時は東京文化会館の4階席で、舞台上のアイーダトランペットが見切れていて、下半分しか見えなかった悲しい記憶が有るので、今回は舞台だけでもちゃんと見るべく、いつもより は豪勢なB席(3階席正面)で見よう、と思っていたのだけど。確保された席は3階席の左側。アトレ会員じゃないと、正面は難しいのか… まぁ、左側では一番舞台寄りの席なので(多分)、見切れるというようなことは無い 筈と、購入。あと数席左にずれると、(いつも購入している)5千円安いC席だと思えば、何だか勿体ない気もしますけどね。
タイトルロールはノルマ・ファンティーニ。プラハ国立歌劇場の時も 彼女の予定だったのにキャンセルとなっただけに、今回は予定通り、来日して欲しい。昨年の秋にドイツ旅行をした際に、フランクフルトのアルテオーパーで、コンサート形式の「アイーダ」を見た(聴いた?)時のアイーダが彼女だったとはいえ、やはり、普通のオペラ公演での、彼女のアイーダを一度聴いてみたいので。
特別展「北斎-ヨーロッパを魅了した江戸の絵師-」@江戸東京博物館。
夕方からケルティック・クリスマスに参加するなら、そのついでに、と隣駅へ。「知らなかった」(バタくさい)北斎の展覧会なのか、と思ったら、「知っている」北斎を含めた、トータルな北斎展だったのはやや意外。本当のことを言うと、それほど浮世絵好きでもないので、混んでいて列がなかなか動かない浮世絵展は苦手なのだけど、さすがに時々はっとさせられる構図があって、飽きるほどではなかった。
それにしても、北斎展といえば、数年前の国博の大規模なあれを連想してしまうわけで。世界各国から「ベストバージョン」を集めてきたのが売りだったあの展覧会を意識してか、赤富士(江戸東京博物館のコレクションなので、割と真っ赤)の解説に、薄い色のものが北斎の意図をよく表しているとされるが、色味がどうといったことは問題でない位の構図の力強さが有る、とか書いていたのが笑えた。…負け惜しみ?
実際のところは、「知らなかった」北斎を置いておくと、今回の北斎展の意義がどれくらい有ったのかは疑問なのだけど、最後のコーナーにあった「悪踊り」(「悪」の頭巾を被った、電柱組の下っ端みたいな格好の人の踊り)連続絵がおかしかったので、私的にはOK。どうせなら、映像で再現してくれれば、最高だったのに>悪踊り。
「ケルティック・クリスマス2007」@すみだトリフォニーホール。
凍えるように寒かった昨年の「ケルティッククリスマス」と違い、今年は割とぽかぽかとした休日。そして、昨年は上(2階席)からまったりと眺めていたところ、どうも他人事のように終わってしまったので、今年は先行予約初日にS席を購入したところ、何と最前列でした!
今年はスタンディングとかそういうノリではなかったので、盛り上がるという意味では余り関係なかったのだけど、ハープの演奏が間近で見られたり、遠くで聴くだけよりも遙かに充実。内容としては「アヌーナ」の演奏の中で男声合唱の曲が新鮮だった。普段、女性ボーカルの曲しか聴いていないので、男性合唱だけのハーモニーの美しさを再認識したというか。
今までの「ケルティッククリスマス」の中では一番クリスマスらしかったかも。個人的にはもう少し、素朴に盛り上がる方が好みなんだけど、値段分は満足。
「ムンク展」 @西洋美術館。
ムンクについては漠然と、初期の作品と、後半の作品は完全に断絶しているものだとばかり思っていたので、本人が自分の作品を一連のものとして、晩年に至るまで、それらを部屋の壁に並び替えていたというのを知って、ちょっとびっくり。
どちらかというと、過大評価され過ぎた画家という気はするのだけど、「声/夏の夜」のように、ぞくっと来る絵もあるので、断定はし難い。ノルウェーに行ってまとめて見る機会でもないと、確信は持てないな。
展覧会の趣旨としては、小粒ながら割と面白かったかなと。
「地球ドラマティック」『追跡!サンタクロースの素顔』@NHK教育。
2005年に放送したものの再放送。サンタクロースのモデルがトルコにいた聖ニコラスだったというのは、誰でも知っていることだと思うが、その遺骨がイタリアの小都市バーリにあることまでは私は知りませんでした。しかも、話を聞くと(見ると)、それは中世の時代、バーリの商人が、遙々トルコまで行って、聖人の骨を獲得(実際には現地で強 奪!)してきた結果だという。
つまりは町興し。当時、何もない小都市にとって、聖人の遺骨は、重要な観光対象となる、何よりも貴重な資源だったらしい。そういえば、ヴェネツィアの聖人サン・マルコの遺骨も、エジプトのアレクサンドリアから盗み出してきたものだった筈だし(伝説上は異教徒から「救い出してきた」ことになっているけど)、あの時代、イタリア人はあちこちで略奪しまくっていたのかも。
しかし、遺骨がバーリに来たことで、聖ニコラスの伝説は西ヨーロッパ中に広まっていくようになったわけで、この略奪の歴史こそがサンタクロースの誕生に大きく関与していると思うと、何 だか複雑な気分。
番組ではこの遺骨を撮影した半世紀前の調査写真(バチカンによる調査らしい)を元に、聖ニコラスの顔をイギリスの法医学者がCGで再現してみせるのが目玉。復元されたその顔は首の筋肉もたくましく、何というか、どう猛なレスラーの顔のようで。一言で言えば、アニマル浜口みたいだった。実際のエピソードでも、公会議上で論争相手を殴り倒した話が有るみたいだし、口より手が早いタイプだった?
一年間の中で、誕生日の反対の日。ということで、色々と意識する日(自分の中では、「アリス」の独り言の中で出てくる、地球の反対側、みたいな日というか)。
それと直接の関係はないのだけど、今まで悩んでいたことについて、とりあえず「進んで」みることに決めた。結果がどうなるにしろ、実際にやってみないと、いつか後悔するかもしれないと思って。
定年退職で会社を辞めた人の送別会。
といっても、嘱託みたいな立場の女性で、職場での大半を寝ていたような人だったので惜しむ気持ちも無く。幾つかの事情があったにせよ、職場において仕事をしない人は無用の存在だったので。
坂本真綾「さいごの果実」(amazon)。
菅野よう子の楽曲から離れての坂本真綾の歌は、他の人同様、ピンと来ないものが大半で。「30minutes night flight」などでも、「ユニバース」を除くと、印象に残らなかった。もう良いかな、と思い掛けていたのだが、今回は割と評判が良いようなので、聴いてみた。なるほど、歌い方は勿論、変わっているけど、初期の曲にあったような、せつせつとした感じが甦っていて、坂本真綾の歌声ってそういえば、こうだった、と思った。
鈴木祥子による曲だけを集めて聴いてみようかな。印象、変わるかも。というか、この際、全曲鈴木祥子作曲でフルアルバムを作って欲しい。今の坂本真綾の声を活かすなら、それが正解と思うのだけど。
天気も良いので、近所の丘陵を縦断。
3週間、週末に歩き続けて、ようやく足が軽くなってきたような気が(元に戻っただけ、ともいう)。
「アリス幻想」@銀座スパンアートギャラリー。
アリスをテーマにしたと聞けば、行かなくてはいけない気がするので。ギャラリーということで、全て売り物。結構、売約済みになっていたのは驚き。個人的には酒井駒子のイラストが結構、気に入ったので、(本物はさすがに 買えないので)、ポートフォリオスタイルの図譜を購入。酒井駒子の絵って、どこかで見たことがあったような気がしたのだけど、それもその筈、恩田陸の本の表紙とかでよく見た人だった。
次の展覧会は、12月恒例の桑原弘明Scope展なので、さ来週には、またここに来なくては。
せっかく東京まで来たので、「大和文華館所蔵 富岡鉄斎展」@大倉集古館、と「児玉希望」@泉屋博古館分館、にも寄ってみた。あと、電話代も払った(笑)。帰ってみると、回線が復帰。やれやれ(^^;;
恒例の忘年会。
この会で会うために毎年、年賀状を出さざるを得ない、某偉い人から、年賀状の枚数を絞らないといけなくなったので、年賀状はもう良いです、との話。何でも今まで秘書とか(そういう身分の人なのだ)息子さんとかが宛先の印刷を手伝ってくれたらしいのだが、息子さんが外国に行ったとかで、今までのように700枚の賀状を送りきれなくなったとのこと。年上の人だけに送ることにしたらしいのだが、それでも400枚とか。
ともあれ、年賀状をどうしても送らないといけない相手が、これで消滅。いよいよ、待望の年賀状0枚生活が目前に。もっとも、来た友人と先輩くらいには出しますけど(自分からはもはや出さない)。
帰ってきてPCを立ち上げるも、やはり接続不能。う〜ん…
…暫くして、はっと気付く。電話料金(FLETS)払ってないので、回線を止められたのか!(^^;;
いや、まぁ、何でこんなことになっているかというと。契約当初、最初に口座振替依頼書を送ってこないNTTの殿様体質に、むっとして(しかも、カード決済も使えないと来ているし)、それ以来ずっとコンビニで払っていたのだが、実はある時から、一ヶ月弱遅れても全然平気だということに気付いて、一月弱遅れで払うのが常態化していたところに、先月末、(先々月分を)払ったつもりで忘れていた、らしい。
こうなってくると、実害を被るのは自分の方だよなぁ。素直に、口振契約に切り替えた方が良いのかも。とりあえず、明日払いに行かなくては…
「鳥獣戯画がやってきた!」@サントリー美術館。
初めて見る部分が一番興味深いもので、今回は乙巻の後半とか。それしても、どの巻も前期・後期で展示が半分ずつだと、(現在している甲巻は順序に問題があるとしても)絵巻物を見る面白さが途中で切れてしまっている感は否めず。本当は、前期に甲・丙巻、後記に乙・丁巻とかの展示が望ましかったんだけど、そうすると、観客が明らかに甲巻の時期に8割偏るだろうから、しょうがないのか。今日も平日の夜だというのに、結構、混んでいたし…
帰ってきてPCを立ち上げると、サーバーに接続不能。…プロバイダーが故障? 原因がよく分らないので、諦めて寝てしまう。
本屋の雑誌コーナーで「世界の車窓から DVDブック」というのを発見。1巻目がスイスだったので、つい買ってしまう。
インターラーケンからユングフラウヨッホへの登山電車と、私はルツェルンからインターラーケンまで利用したゴールデンパスラインが収録されていて、楽しかった。やっぱり、綺麗な景色ですよ、あそこは。随所で空中からの撮影なども織り込まれていて、撮影に結構、手が掛かっているのに驚く。普段のながら見での印象だと、車窓の風景(と駅で途中下車)だけ撮っているというイメージしか無かったので。
スイスの景観路線といえば、ベルニナ急行と氷河急行も収録して欲しかったところだけど、全30巻と言うことはその内、出てくるのか。
というか、本家「世界の車窓から」では12月から、「秋深まるアルプスの山々を巡る旅」編がちょうど始まったばかり、らしい。来週後半位から、ベルニナ急行の景色の紹介が始まると思うので、日々録画してチェックしようかと。私が行く1,2週間前に取材していたようなんだけど、その時はサンモリッツなどは雪景色だったらしくて、その取材メモを読んでいた私は、行く時に戦々恐々としていたのだった。
ここ一週間で、急に紅葉が進んだので、鎌倉市内を2時間ほど散策。
実は鎌倉の場合、普通の年は綺麗に紅葉すること自体、あんまり無いのだけど(何となく色が付いて、何となく落葉する感じ)、今年は周りの丘陵が一斉に赤くなっているな、という印象。一週間くらいまでは持つと思うので、紅葉(京都のそれを期待しては駄目ですが)の鎌倉を歩きたい、という方は、今週末にでも是非、どうぞ。
などと、どうでも良さげなことを書いているのは、先月分を読み返してみたら、(旅行を含めて)美術のことしか書いてなかったから。今さら何を言い出すのやら、という気もするけど、それだけが記録に残るというのも、後から振り返ってみた時、どうかと思って。例えば、ある日の朝、近所の丘陵がぐっと色付いていて、はっとした。といった日常の出来事の方が、自分的には大切だったりするわけですよ。
「カルメン」@新国立オペラ劇場 。
「カルメン」といえば、3年前に同じ新国立オペラ劇場の公演を観て以来。あの頃は、オペラを見始めたばかりで、評判が悪いと言われても、割と楽しめた記憶があるのだけど、今回は割とがっかり。今年最後のオペラの観劇だったのに…
大体、代役のカルメンにオーラが無いし。鵜山仁の演出も、黒っぽい群衆がごちゃごちゃ動くだけで、全く美しくなかった。ヴィットリオ・ストラーロばりの色彩哲学とまでは言わないけど、色の使い方(対比の仕方)に、少しは工夫があってしかるべきじゃないの? 前回の公演で気に入っていたのは終幕が青空の下の広場だったこと。この話は、セビリアの街が舞台なんだから、最後の悲劇はやっぱり、青空の下で起きないと。
ところで、この作品での有名な「闘牛士の歌」の歌い出しが、ある時から、「裏の畑でポチが鳴く」としか聞こえなくなってしまったんだけど(^^;; いや、正確にはメロディ違うんですけど、あの童謡を行進曲風にアレンジすると、こうなるだろうという感じで…