空の蒼さを 見つめていると
11月の旅行計画の続きの続き。
九州の方も予約。宿はやはり、久留米に泊まることに。久留米には石橋美術館の他、水天宮の全国総本宮が有るらしい。しかし、安産の神様に詣でてもな…
目的の九州国立博物館に行くのは土曜午後か、日曜午前か、悩み中。出展目録を見ると、「唐獅子図屏風」か「梅に鴉図襖」かの選択を意味するらしい。有名な前者はともかく、後者ってどんな絵だったっけ?と(あの使えない!という印象しか無かった)「文化遺産オンライン」で検索してみると、意外にもhit。…素直に「唐獅子図屏風」を見た方が良いかも。
半日弱で、特別展と常設展を見る時間と気力があるかどうかは微妙だけど。土曜ならその後、太宰府天満宮に寄ることも可能だろうし。
ところで、昨日の新日曜美術館はちょうど九州国立博物館の特集で、アートシーンで取り上げていたのは、HOUSE OF SHISEIDOで開催中の「アール・ブリュット展」。ヘンリー・ダーガーの華やかな水彩画を写していた。やっぱり、綺麗な場面を選んでいるのか、と思った次の瞬間、ダーガーではお馴染みの、兵士達の手で扼殺されている少女の顔(白目を剥いた)のアップがどどーんと。うわ、日曜の朝から、NHKがそんな作品をお茶の間に紹介して良いのか、と思った。(いや、良いですけど、勿論)
Novel。西澤保彦「黒の貴婦人」幻冬舎文庫。
タック(あるいはタカチ)シリーズは、「スコッチ・ゲーム」「依存」と昔、一気に読んでしまったので、大いに盛り上がった反面、その間の時間経過を楽しみ損なった感も。ええ、その間にこのような壮絶なエピソードが存在していようとは(驚)。といいつつ、3年前の記憶は既にうろ覚えなので、もう一度、「仔羊たちの聖夜」から「依存」まで読み直すべきかも。
そういえば、今年の春にもミニ西澤保彦月間を開催して新書や文庫を7冊続けて読んだものの、感想を書いてないままだった。…まぁ、恩田陸月間が終わってからか、それは。
充実野菜ですぅ〜。
これまで特に言ったことは無かったけど、実は、私は第1回からの「すごラジ」リスナーだったりするのです。と今さらながらカミングアウトしてみたのは、本日行われた「すごラジ」CDクール2のトークイベントに参加してきたということで。
50人ずつで3回開催したらしく、参加したのは16時からの3回目。私の席からだとパーソナリティーのお2人が余りよく見えなくて、ほとんどリアル「ラジオ」状態だったりしましたが(やまけんと池田 東陽「先輩」は良く見えた)、いつもながらの面白さで。あの「充実野菜の歌」を、生で聴けただけで、行った甲斐があったというものですよ。
一番ツボに嵌ったのは、(やまけんと池田プロデューサーが歌う準備をしている間)パーソナリティの2人が観客としりとりをしよう、という時のやり取り。
さやかさん 「涼さんから、始めて」
涼さん 「えっと、それじゃあね…。おうどん!」
さやかさん 「…??」
やまけん 「終わってるじゃん!」
で、その後の言葉がまた「いやぁ、ジョナサンとどっちにしようかと思って…」「それも終わってる!」みたいな。始まる前にいきなり終了するしりとりは初めてだー。
ちなみに、開催場所は秋葉のキュアメイドカフェ。当選葉書を見た時はメイド喫茶で?と驚いたけど、状態としてはごく小さいイベント会場と余り変わらなかったので、ほっとしたというか、やや残念?だったというか…
ところで、休日の昼の秋葉原に足を踏み入れるのは、かなり久し振り(数年振りかも?)な者にとって、中央通りの歩行者天国の変貌振りには、かなり唖然。……いつから、ここはメイドコスプレ広場になったんですか? こんなにも「世間」の流れに付いていけてないなんて、もう、駄目かも。(どっち方向に?)
今買おうかと思っているCDのメモ。
11/6メアリー・ブラック「フル・タイド」(発売元THE MUSIC PLANT)。アイリッシュ音楽好きとしては、メアリー・ブラックの新譜はやはり「基本」の範疇かと。かの地では最もポピュラーな歌手の一人なので、私がアイルランドに生まれていたら、多分、(多数派でないものを好むという、天の邪鬼な性格から)逆に聴かないと思うけど…
11/23新居昭乃「sora no uta」(Amazon)。 これは言うまでもなく購入決定なんで、「買おうかと思っている」ではないか。期待大。
11月の旅行計画の続き。
シーズン中の京都の宿の取り難さは、春の桜の時期に分かっていたつもりだけど、いざ宿を探そうとしてみたら、11月の満室振りは予想以上だった。つーか、早い話が、全ての宿という宿の、部屋という部屋が既に全て空いてない状態。大きなホテルは旅行会社が予め団体客用に一括して部屋を押さえてしまっているとしても、平日がですよ。
色々なサイトで探したものの、北山の民宿とか宝ヶ池プリンスのスイートルーム(1泊8万)とか、どうにも無理が有る物件しか出て来ないので、発想を変えて滋賀県内を探すが、大津辺りは既に壊滅。最終的に、石山(粟津)にあるNECの厚生施設、というややマニアックな宿泊施設を発見出来たので即、予約。
三条や京都駅まで30分台なら充分、通旅?圏だし、連泊する身には有り難い宿泊費なので、結果オーライ? 最初は神戸にも1泊するつもりだったけど、神戸からでも1時間で着くようなので、そのまま3泊してしまうことに。
ちなみに、土曜の夜だけはどんなに探しても、適当な宿が全く見付からず。そこまで苦労して土曜まで泊まる意味も無い気がしてきたので、土曜の夜には帰ることに。そうだ、京都行こう。と今さら言うまでもなく、それだけ多くの観光客が11月の京都には押し寄せているのかと思うと、そら恐ろしいものが有ります。
しかも、今年は紅葉が遅いらしいし。皆、何しに行くつもりなんだか。いや、まぁ、人のことは余り言えないけれど。
京都(近く)の宿の予約が運良く片付いたので、ついでに第2週の太宰府行き(予定)もリサーチ。大都市福岡だし、こちらは別に問題ないだろうと思ったのだが、土曜はカプセルホテルしか表示されない。イベントでも何か有るのか、それとも週末だけはいつもそう、なのか謎。エルガーラ的には、この機会にホテルイルパラッツォとか泊まってみたかったんですが(^^;; (エクセルとかハイアットは高いし、福岡ローカルじゃないんで別に良いです)
まだ結論が出ていないけど、京都同様に、近隣の都市を探す方向で検討中。久留米か柳川なら何とかなりそうなので。うち柳川は昔行ったことがあるので、二者択一なら前者かな… といっても何が有る街なのかすら全然知らない私。とりあえず、知っているのは石橋美術館が有ることだけ。
「魔笛」2枚に続き、今買おうかと思っているDVDのメモ。
11/2「ハワードと七人の魔法使い」(Amazon)。
D.W.ジョーンズ作品のファンとしては、「ハウルの動く城」は要らないけど(D.W.Jのミニインタビューが巻末に付いていようと)、こちらは 是非一度見てみたい。「ゴーメンガースト」とか、BBC制作の小説のドラマ化には良いものも多いし、(原作のはっちゃけぶりから言って)結構、楽しい作品なのではないかと思う。
ところで、監督のマリリン・フォックスってどこかで聞いたことがあるような…と思ったら、同じくBBC制作の「ナルニア国物語」(Amazon)の監督だった。ファンの方の感想ページ等を読む限り、割と好感を抱くドラマ化だったようなので、 これも一度見てみたいと前から思っていたのだ(もっとも、「主人公ルーシィのまずさを除けば」って、それが一番重要なのでは?という気も…)。
で、こちらのBBCドラマも、2年前に字幕無しで!発売した「ナルニア国ものがたり」に 字幕を付け、ディズニーの映画「ナルニア国物語」(公式)の来春公開に便乗する形で、12/2に廉価版として再発売する 予定らしい(発売元の今月の新譜より「2005年12月発売」)。こちらも見てみたいが、480分を掛けて見ても、4巻までの内容しか無いのか。暇とお金が…
映画の方は期待していないので、予告編を見た位だが、ルーシィはやはり可愛くなかった… あと、悪い意味で「ロード・オブ・ザリング」の物真似っぽい映像が多かったのも、 強い不安材料。まずは、BBCの手作りドラマを見るべき?
11/23「ラトルズ4人もアイドル!」(Amazon)。
これも有る意味、BBC制作つながり?の廉価版で、主にモンティ・パイソン関連として。ただし、元ネタに全然詳しくない私としては優先順位は割と低め。
1/27「岡本喜八監督作品DVD-BOX ~SOLDIERS~」(Amazon)。
Amazonだと、1月発売のBOX「SOLDIERS」(と内訳の「独立愚連隊」「独立愚連隊西へ」「戦国野郎」「血と砂」「赤毛」)しかまだ出て来ないけど、DVDirect等の発売予定では2/24発売のBOX「MODERNS」(と内訳の「ああ爆弾」「ブルークリスマス」「江分利満氏の優雅な生活」「殺人狂時代」「大誘拐」)も既に挙がっている。
待ち望んでいた岡本監督作品のリリースがいよいよ始まったか、という感慨。恐らく、本人が亡くなったからというのが最大要因であると思えば、複雑な心境ではあるけど。
しかし、東宝だけあって、予想通り高い。BOXを買うかというと… 「SOLDIERS」篇はどれも小さなTV画面で見るような作品じゃないし、「MODERNS」篇は「殺人狂時代」(とせいぜい「ああ爆弾」)さえ有れば、個人的には満足なので、単品で購入してお終いかも。勿論、BOXがバカ売れして、初期作品等もどんどんリリースされることを切に望んでますが。
今秋開始のアニメで一番の癒し系番組は「ARIA」じゃなくて「Solty Rei」でしょ、と秘かに思っていたら、実はそう思っている人 も結構いる様子。ジャンクフードで育った人の味覚嗜好じゃないけど、OVAといえば即ちAICアニメの安いエンターテインメント作品だった時代を生きてきた者としては、この作品のゆるさが心地良いのですよ(駄目過ぎ)。
今年の国内の展覧会のトレンドというか、最大の特色は、何と言っても(前にも延べたように)、広義の意味での植物画(ボタニカル・アート)展の大流行だと思うが、ベルギー絵画展の多さも、地味ながら10番目位までには挙げても良い話題ではないかと思う。
春にはBunkamuraで「ベルギー象徴派展」、東京都庭園美術館で「ジェームズ・アンソール展」が開催されたし、現在も府中市美術館で「ベルギー近代の美」展が、10/29からは埼玉県立近代美術館で、世田谷美術館、いわき市立美術館を巡回してきた「ゲント美術館名品展」が開催される。
特に興味深いのは、今までの「ベルギー=象徴派」というイメージに限らない後者2つの展覧会が、いずれもポスター等で取り上げている画家がエミール・クラウスだということ。
他ならぬゲント美術館で、私がエミール・クラウスの絵を見た2年前の夏は、その名前は、日本では、ほとんど無名だった。帰国後、その日の旅行記を書く時に、ネットで(日本語で)検索してもほとんど出て来なかった覚えが有るのだ。(その年の「ミレー三大名画展」に1点出品されていた筈なのだが、余り目立つ作品でなかったのか記憶にない)
エミール・クラウス自体の評価は旅行記に書いた通り(モネのエピゴーネン?)なのだが、(モネ好きの)日本人にはもっと知られても良い画家だと思っただけに、今回の展覧会の「看板」画家への出世振りは、素直に喜ばしい。
しかし、本当に紹介して欲しいのは、その後の世代の画家。特に私のお薦めは「ブラバン野獣派」のリック・ワウタース。…こちらもややマティス似の画家、という印象なんだけど。
まぁ、エミール・クラウスだって、こうやって大々的に紹介される日が来ようとは思ってなかったので、リック・ワウタース(や他の画家)も特集される日だって、いつか来るかも。
Marsh-Mallow「実りの秋の満腹ライブ」@shibuya O-WEST。
初めて参加してみたのだけど、独特の世界で、なかなか面白かったです。ちなみに、来ている人はほとんど常連だった様子。
今まで全く聴いたことが無かった、上野洋子以外の人(の曲)も、機会があれば聴いてみようかなと。勿論、CDの物販もしていたのだけど、たまたま所持金が殆ど無くて。交通費が掛からない場所なので、財布の残金を気にしていなかったのが敗因…
ともあれ、最前列席だったので、エレキベースを弾きつつコーラスを入れる上野洋子の姿を目の前で見られただけでも、今回は満足(声を生で聴いたのも、実は初めて)。
本日から開催の、上野の「北斎展」。いつ見に行くべきかと、展示品リストを見たところ(期間毎のリストじゃないので分かり難いが)、前半は11/13までで、しかも可能なら11/6まで、また後期は11/14からだが、同じく可能なら11/22以降、の2回に分けて行くのが一番漏れなく見ることが出来そう。
版画の場合、近くで見られないと何の意味もないので、ひどく混みそうな後半はいつ行くか悩むところだけど。1時間位しか見る時間が無くても、やはり金曜の夜かなぁ。
「魔笛」といえば、昨年末にDVDを幾つか購入して見比べたこともあるのだけど、いわゆる「決定版」が無い代わり、幾つあっても良い、という感じにさせられる作品なので、今後も、3千円台までの廉価版なら、基本的に購入する方針。
そんなわけで、11/30発売予定のリーバーマン・プロダクションの廉価版も当然、購入予定。映画仕立ての作品らしいので、どうなのかな、という不安も残るが、夜の女王が(CDで聴くだけでも完璧超人と分かる)ドイテコムであるだけでも観る価値は有る筈。
廉価版の再発売を最も望んでいるのは、サヴァリッシュ指揮の「魔笛」(夜の女王はグルベローヴァ)なのだが、いつまで経っても出る気配がない。ところが、この前HMVのサイトでモーツァルト特集のページを何となく眺めていたら、見覚えのあるジャケットが! 輸入盤(ドイツ・グラモフォン)だけど、字幕は無くても構わないし、リージョンコードALLを信じて購入してしまおうかな。
ちなみに、来年は生誕250年でモーツァルト・イヤーだそうで、モーツァルトの歌劇の公演も沢山有る様子。うち「魔笛」で、見せ物として一番面白そうなのは、シュツットガルト歌劇場の来日公演だが、安い席が一瞬で売り切れ、縁がないまま終わる。こういうのこそ、映像化してくれないものかと…
現時点で行くことが決まっているのは、新国立劇場の「魔笛」位。まぁ、こちらはごく無難というか、さほど凄い演奏にはならないだろうけど、普段よりやや安めの価格設定(4階席で5250円)で発売中なので、歌劇に興味有る方はこの機会に行って見るのも悪くないのでは?
歩くための一日。と言いたい位、爽やかに晴れたので、近所の丘陵の尾根道へ。今年もまた、富士山がすっきりと見える時期になってきた。
そういえば、NHK教育の趣味悠々で今やっている「はじめての里山歩き」という番組が、今週の最終回で、ここの丘陵の北の一角を取り上げるらしいので、一応見てみようかと。テキストを本屋で見た限りでは、私が普段、歩いているコース(縦断)とは違う、横の脇道のようだけど、自分が歩いたことのある場所(何の変哲もない丘陵だけど)が出てくるだけで、ちょっと興味が。
来月、11月は冬休み?を、早めに3日(+土日)ほど取る予定。連休が有っても出不精で終わることが多い私だけど、今回はちゃんと旅行に出掛けようかと思案中。
11月の休みの使い方としては、京都の紅葉を見に行くのが(何回見るんだ?と言われようとも)やはりベストの選択だと思うのだが、今年は紅葉が遅いらしいのが不安。予定では第3週後半に休みを取る予定なのだけど、例年より遅いとしたら、大半がまだまだ、という状態になりそう。でも、まぁ、京都なら、歩くだけでも割と飽きないし。
それに、神戸にもついでに一泊位して神戸牛も久々に食べたいし「アムステルダム国立美術館展」も見たいし。いや、現地で充分に見てきたとは思うんですけど。こういう風に少数の作品だけを意識して見ると、また新たな発見が有るので。というか、向こうでは「意識しなかった」作品が大半なので。(逆に言えば、「恋文」は、向こうで「見た」からどうでも良い)。
あとは、京都国立博物館の「最澄と天台の国宝」とか。天台宗の何たるかを全然分かっていない者にとっては、猫に小判のような気がしないでもないけど。
ところで、JALで2回ほど海外に行ったりしたこともあって、JALのマイレージが19000マイルまで溜まっているのだが、うち10000マイルは有効期限が今年末。
年内に使用しなければ!とは思うもの、あいにくと、旅行する予定自体が無い。いや、上の旅行は(多分)行くつもりだけど、15000マイルで国内全路線が1往復可能である以上、大阪では勿体ない。少しでも元を取るという貧乏性の発想から言えば、やはりここは、北海道か九州だろう(国外も韓国往復は可能らしいが、今のところ韓国旅行の予定は無いし)。
例えば、美味しい寿司を食べるためだけに日帰りで北海道へ飛ぶ、とかいうのも漢らしい気がしないでもないが、そこまでの美食家でも無いしなぁ。かといって、無理に計画を立てるのも、出費が増すばかりで、却って本末転倒だし… と悩んでいる内に、九州と言えば九州国立博物館が出来たばかりだっけ、と思い出した。
私には全く縁のない博物館だな、と思っていたけど、往復無料ということなら、一度くらい行ってみても良さそう。行くなら11月第2週の週末辺り? 何も二週続けて旅行しなくても、という気もするけど、派手にやっているらしい開館記念展も11月までだし。
しかし、芸術の秋だからではないけど、出来たら行きたいと思っている(関東の)展覧会が、11月から12月に掛けて20箇所位はあるのに、この分だと、半数も行けなくなるかも…
1週間経ってどうなったかというと。ボローニャ歌劇場「イル・トロヴァトーレ」6/11E席。メトロポリタン・オペラ「ワルキューレ」6/15E席、「椿姫」6/22F席。
というわけで。思ったより、皮算用でもなかった(汗
ちなみにこの1週間の動きは、以下の通り。
10/17 JAPAN ARTSぴあ分のMETのプレ・オーダー分、全滅。「3万以上の席は買うつもりはないので、縁がなかった、と忘れることに。」とここに書く(だけで更新しなかったけど)
10/21 同上の先行販売開始で、6/14「椿姫」E席を予約。昼休みに電話してみたら残っていたので、運良く確保。と思ったら、帰宅してもまだ普通に売っていた。
10/22 本家ぴあでボローニャ歌劇場のチケット争奪を戦った(1勝1敗)後、同上のサイトで昨日売り切れ席が一部復活していたので、悩んだ末「椿姫」の席種を落として、「ワルキューレ」も追加。どちらもNHKホール3階、ほぼ最後列の隅の方で、値段分の価値が本当に有るかは不明だが、「椿姫」はルネ・フレミングの声が聴ければ、「ワルキューレ」はドミンゴの歌う姿を一度見れれば、というだけの単なるミーハー精神で。「ワルキューレ」は平日17時スタートで、休みを取らないといけないけど、1日くらいは何とかなるかと。
他にもボローニャ歌劇場の「連帯の娘」もかなり観たかった演目で、D席でも観ようと思っていたけれど、ここまでの計58千円に、「連帯の娘」のD席25千円を足すのは、さすがに(自分の中の)支払限度額を大幅に超過。今回は大人しく諦めようかと。というか、1ヶ月に3つ観れば充分だよなぁ、普通。(最近、「普通」が何か分からなくなってきた…)
ところで、(1ヶ月に4つのオペラ観劇という)「普通でなかった」今月の最後は、本日の新国立劇場「セビリアの理髪師」。
あちこちから新演出に対する酷評が伝わってきていたので、期待せずに観に行ったのだけど、確かに酷い演出で。
いや、ギャグが随所で滑っていたり、時代や舞台設定の読み替えがほとんど意味を成してないように見えたのはともかく。歌の力を信じられない演出家ほど最悪な存在は無いんじゃない? 歌い手に意識を集中させないようにするのが目的としか思えない、脇役の騒がしい動かし方の数々。
これほど見ていて不愉快になってくる舞台は初めて。もしかして、そこまでが演出意図ならば、ある意味、才能だとは思うが… 荒んだ心(というか胃?)を癒すべく、「魔笛」のハイライトCDでも聴こうかなぁ。
このところオペラ関係の出費が嵩んでいるので、暫く控え目にしよう、と思う側から、悩みの種なのが、ボローニャ歌劇場とメトロポリタン・オペラが共に来日公演を行う来年6月。
両劇場の計6演目のチケットがもし1回ずつ取れた場合、最安席のF席ですら8万5千円、E席なら12万7千円が、1ヶ月の観劇代として消えてしまう。
実際には、全作品取るのは(E席でも)凡そ無理というものなので、支払いに悩むのは皮算用に過ぎないと思うけど、運良く2,3演目取れたら5,6万は飛ぶ計算… まぁ、そんなに運は良くなかろう、ということで、とりあえずメトロポリタンの方は全て、ぴあの抽選に申込み。(万が一、運が良すぎても、チケットが欲しい人は他に幾らでもいるだろうという判断 )
ところで、最近、公演会場で貰ったチラシに、NBSの「オペラ・フェスティバル」なるものが。要するに、来年以降の海外4劇場(上記とはまた別)の来日公演(10演目)のをセット価格で事前購入する「会員」の募集で、S席会員が47万円、A席会員42万円、B席会員37万円。普段、C席もとても買えない私には全然ぴんと来ないが、それでも 割安らしい。
でも、オペラとは元々そういう層のための趣味のような。お金と時間の使い道に困っている層。もっといえば、自分で払うのではなく、招待されるのが当然と思っているような層。まぁ、末席から観る楽しみもそれはそれで有るので(と負け惜しみを言いつつ)、引き続き、安い席(本当に「安い」席なのかよ、と言いたくもなるけど)で観に行くつもりですが。
そうはいっても、経験値を積むという点では、映像で見る機会が多いほど良いわけで。その意味でも、今週のBS2のリッカルド・ムーティー特集は有り難い。木曜夜だけは予約が多過ぎて (苦笑)、どうしようもないけど、他は録画予定。やっぱり、ヴェルディは(代表作だけでも)早く一通り観ておきたいので。問題はいつ観る暇が有るのか、ということだけど…
オペラ月間の3本目は、本日のプラハ国立歌劇場「アイーダ」@東京文化会館。アイーダがノルマ・ファンティーニでなくなった時点で、見る気力をすっかり無くしたんですが、まぁ、チケット 代も勿体ないので(それにしても、タイトルロールの交替って、余りにひどくない?)、これから見に行きます。
・・・・・
見てきました。どうでも良いけど、ラダメス役のピエロ・ジュリアッチまで、中耳炎の治療とかで、ヤネス・ロトリッチに交替していたのはどうかと。
舞台装置は元から期待していなかったけど、やはりシンプルそのもの(柱4本だけ)。でもオケは思ったより派手に鳴っていて、それなりに楽しめた。今回は4階席右端。舞台上を見るには問題なかったのだけど、画面奥の壇上に立った人が上の幕で見切れていて、あのアイーダ・トランペットも下半分しか!見えなかったの が残念。
イネス・サラザールのアイーダは全然オーラが無くて、退屈な歌唱。むしろ、ガリア・イブラギモヴァのアムネリスの方が遙かにヒロイン度が高かった。
今回の公演は、「アイーダ」を初めて観た者としては、作品の全体の印象を掴むという意味では悪くなかったけど、後には何も残らない、という感じ。そんなわけで、「アイーダ」についてはいつかリベンジしたいところ。豪華絢爛で、とにかくど派手な舞台(野外公演?)と、緻密に演出された舞台の、出来たら2つの方向性それぞれで。
来年4月から放映の「ハイビジョン特撮ドラマ 生物彗星WoO」。9月末には出ていた話題らしいが、特撮ファンというほどでも無い私は、今日の新聞で初めて知る。 今の円谷プロに、前向きな発想を期待するのは凡そ無理、とはいい加減分かってはいるけど、40年前の、しかも没企画を今さら制作しなくても… 「失笑」という言葉がこれほど似合う企画も珍しいような。
まぁ、どんな企画であっても、現代の作品として成立させてくれれば良いので、初回位は見るつもりですが。
「チャーリーとチョコレート工場」@丸の内ピカデリー2。
オープニング最高。ウンパ・ルンパ最高。総じて楽しかった。父親との和解は… まぁ、良いか。それにしても、「他人には決して理解されない」という絶望がきちんと描かれた最後の ティム・バートン作品って何だっけ? 「スリーピー・ホロウ」のあのシーンが最後?
常々バートン好きと言いながら、観るのが一ヶ月遅れになってしまったけど、「コープス・ブライド」はちゃんと前売りを購入したので、多分、大丈夫(何が?)。
作品以上に解説文の方が難解、というやや珍しい展覧会。
後期の作品ということで、大体予想通りの印象。黒澤明の「夢」みたいだ。つまり、元々が時代の中で過大評価され過ぎた「巨匠」の、しかも、晩年の自閉的な世界の侘びしさ。
ちっとも心に訴えかけて来ない作品ばかりの中、軽やかな描線のエッチングがふと目に留まった。キャプションの制作年を見たら、その一隅のエッチングだけ1920年代のものだった。そうか、若い時はやはり、画家としての魅力が多少は有った人なのかも。
ところで、デ・キリコの最大の謎と言えば、あのデタラメな制作年の描き込みだと思うが、あれは何らかの法則性が存在しているのだろうか。キャプション上の実制作年はどうやって確定したのかも含めて、作品よりもそちらの方が気になった。
旅行前に購入したコンタクトのスペア。昨夜、保存液を交換しようとして、ケースの保存液を捨てる際に、液ごと洗面所に流してしまった… しかも両目とも。ケースの爪から既に外れていたらしい。
というか、1回も使用しないまま無くした自分の余りのまぬけさ加減に、涙も出ない… 来年どこかに行くことが有ったら、また作らないといけないだろうし。
「モロー展」の話は実はまだ続く予定なのだけど、書き終わらなかったので、とりあえず別の話題。
「JDN」(Japan Design Net)内の、都内のショーウィンドーを写真で紹介する「TOKYO SHOW WINDOW」。見ているだけでも、結構、楽しいです。
天気が悪いので、部屋の中で幾つか試行錯誤。ここに反映されることが一つもないのが、何とも勿体ない感じですが。そんなわけで、溜まっている展覧会感想から一つだけ。
改装中のモロー美術館からまとめて借りてきた、と言っても、モロー美術館独特の親密な空間を再現するのではなく、一歩引いて、研究熱心なモロー像を紹介する展覧会。
好きな画家なのだけど、実はごく基本的なことを知らなかったりする。例えば、彼の中で、油彩と水彩の位置付けはどうだったのか。
水彩画でモローを知った私には、油彩よりも水彩の方が魅力的な作品が多い気がするのだけど、それは本人からすれば、ひどく不本意な見方、なんだろうか。
ちなみに、最初に見たのは、中学生の頃に近くの美術館に来た「サッフォー」(V&A美術館か、そのヴァリエーション。説明書きによると、「ドリアン・グレイの肖像」のモデルとされるジョン・グレイが持っていた絵らしい)。最初にベストを見てしまったような気も。
ともあれ、水彩のモロー好きでもそれなりに堪能(特に後期は)。贅沢を言えば、油彩より、水彩画がもっと多かった方が良かった…
とはいえ、「ユピテルとセメレ」、このテーマばかりは、モロー美術館のあの油彩が無いとな… 1行前と言っていることが矛盾しているけど。あれは、ある意味、モロー美術館のラスボスなので。 せめて写真でも展示すべきだったのでは?
それで思い出したけど、「ヘラクレスとレルネのヒュドラ」。沢山の鎌首を持ち上げたヒュドラに対峙するヘラクレスの姿を横から捉えた様は、まさに昔の「FF 」のバトル画面。ちょうど中ボス登場といったところで、いかにもバトル音楽が流れてきそう、って、その言い方は明らかにアナクロニズムなんだけど、そういう見方でこそ、理解出来ることも有る のでは。
「サロメ」についての発見。「出現」のヨハネの首を指すサロメの姿は、「サロメ」の踊るポーズが横滑りしたものであること。 踊っている時(最初の踊りではなく、ヨハネ斬首後)に首が現れた、と解釈すれば、同じ姿勢であること自体はおかしくないけど、同じポーズが、「サロメ」では(ヨハネの斬首をもたらす)踊りであるのに対し、「出現」では(ヨハネ斬首の罪を自ら告発させられる)仕草に見えるところが大変興味深い。
と思ったのだけど、深読みし過ぎ、かも。
昨夕、「BLOOD+」開始直前になって、HDDに余裕が無い、とRD-X5が録画予約を拒否。
これから整理しようと思っていたところだったのに! 慌てて幾つか削除して、録画を開始させるも、アバンタイトルに間に合わず。頭に来たので、春以降溜まっている未見の作品を3つ、4つ、バサバサとシリーズごと削除する。他のジャンルも含めて、全部で50時間分ほど、HDDの中身を一気に減らして、ようやく落ち着く。
あとは、今秋開始分をいかに溜めないか、だな(といつも思うわけですが)。
新番組のうち「ARIA」。
これはアニメ、というより原作自身に対する突っ込みなのだけど、『西暦2301年、惑星改造によって生まれ変わった水の星「アクア」。その観光都市ネオ・ヴェネツィアを舞台に』という設定で、ヴェネツィアそっくりの街が出てくるのはまぁ良いとしても、その「ネオ・ヴェネツィア」って名前、どう考えても変、だろう。
現実的に名付けるなら、最大公約数的に英語で「new venice」ではないかと。「ニュー・ベニス」。何となく、伊東辺りの温泉ホテルにでもありそうな響きだけど。そうではなくて、あくまでも「ヴェネツィア」と呼びたいのなら、当然ながらイタリア語の形容詞を付けて「nuova venezia」、「ノヴァ・ヴェネツィア」となる筈。
こんなことを指摘するのは大人げないかもしれないけど。でも、何にでもネオと付ければちょっと格好良いみたいな感覚は相当に恥ずかしいと思う。
つまり、言いたいのは。「恥ずかしい名前、禁止!」
そういえば、イタリアに旅行したのは、一年前のちょうどこの時期(10/2〜10)だった。もっとも、ゴンドラには乗らなかったけど。旅行記か… 一体いつになったら(遠い目)。とりあえず、今夏の英国旅行を早く書こう。
住宅地の外れにある、草原のような公園を通りかかったら、中型犬並に大きな黒豚が悠然と草を食べていた。
誰かがペットの豚を散歩させていたらしい(毛並みも良く、首輪の紐が近くの樹に繋がれていた)。この住宅地で、ペットとして豚を飼っている人がいるとは驚き。まぁ、最近では何でも飼っている人がいるから、豚くらい普通の方、なのかもしれない 。
ところで、こういう人って、やっぱり、豚肉だけは食べないんでしょうか? それとも、普通の人以上に…?
東京文化会館のバイエルン国立歌劇場「アリオダンテ」初日。かなり刺激的な体験でした。
ヘンデルというと、どうしても「メサイア」のイメージが強いけど、バロック・オペラの世界は観客受けを狙った、もっと派手で毒々しいものらしい。愛と欲望の3時間サスペンス。
全く同じ台詞を最低5回、多い時だと10回は繰り返さないと次の台詞に進めない、というのは現代の娯楽としてはさすがにどうかと思ったけど。1幕で陰謀が語られるのだけど、それが実際に行われるのが2幕になってから。1幕は何も起きない。物語ではなくて超絶技巧の歌合戦、と理解するのが当時のオペラらしいけど、現代の映画なら始まって15分で大事件の一つは起きているところだよなぁ。
でも、退屈かというと、そうではなくて。それはやっぱりオールデンの演出によるところが大きいような。演出のテンポのスピーディーさは想像以上だった。オサレな人達が好んで観るようなオペラ(つまりは最先端の演出)とはこういうものなのか。
特に2幕末のダンスのシーン(王女の夢)で最後、それまで踊っていた王女役のダンサーが一瞬で素っ裸に剥かれて、透明な水槽のような棺桶にすぱんと放り込まれるシーンの切れ味には、え?と唖然。
ヘンデルの楽曲も繰り返しつつ劇的な感じで面白かったし(マイケル・ナイマンの映画音楽みたいな感じで)、カウンターテナーの悪役も、はまり役で良かった。そういえば、悪役が甲高い声、というのは自分の中に刷り込まれている類型の一つなのだけど、その最初は誰なんだろう?と余計なことを考えていた。…やっぱり、ベルク・カッツェかしら?
一つだけ残念だったのは、タイトルロールのアリオダンテを演ずるマン・レイがおばさん、というかお婆さんだったこと。じゃなくて、姿勢がすごく悪くて、猫背で体をふにゃふにゃ揺らしながら歌うのが、どうにも… まぁ、超絶技巧の持ち主らしいのだけど、騎士としてのイメージからは既に大きく外れてるような。
ちなみに、席はたまたま取れたエコノミー席(1万円)だったのだけど、舞台もよく見える3階右端側で、4,5階だと思うE席(2万円)よりももしかしたら良い席だったかも。少なくとも1万円の体験としては非常に得をした気分。…まぁ、招待席で観ているような連中は別にして。
そのついでに美術館巡り。退社後だと、「アリオダンテ」に間に合わないので、月半ばの休日出勤の振休日を今日にして。
フィレンツェ近郊の小都市プラートの美術、中でも、聖母マリアが被昇天後、証として使徒トマスに天から授けたという「聖帯」の伝説を題材にした作品を紹介。
この「聖帯伝説」は、キリスト教の聖遺物伝説の中でもマイナーな方なのではないかと。自分が初めて聞いた、ということもあるけど、数多ある「聖母被昇天」の絵画で、緑色の帯が強調されていたなんてことは記憶にないし(ティツィアーノの「聖母被昇天」とか)。まぁ、(ヴェネツィアみたいに)聖マルコの遺体を敵地アレキサンドリアから盗んで来た、みたいな派手な 冒険活劇調の伝説が作れない小都市としては、帯の一つでも手に入れた、位のことは言いたかったのだろうと。
フィリッポ・リッピと弟子の絵が展示の目玉。確かに滅多にない機会ではあるわけだけど、う〜ん、なまじリッピの手が入っているだけに、却って欲求不満が募る。例えばウフィッツィでもう一度見なくちゃ駄目だ、という気になる。リッピ自身の代表作に会えれば、もっと、ふわっと柔らかい気持ちになれるところなのに…
でも、展覧会としては、誰を描いているのか一人一人の解説を書き込んだ写真を絵の隣に置いたりと、丁寧な説明を行っているのには、好感が持てた。勿論、何が描かれているかは出発点であって、その上で、どこが表現として優れているのか(新しい表現だったのか)まで本当は踏み込んで欲しいのだけど、少なくとも、詳しい解説は図録に細かい字で書いてあるから後で読め、的な展覧会からは脱却する努力が窺えるだけでも評価したい。子供向けのパンフレットまで作成しているところとかも。
個人的には、大聖堂の壁画(リッピによる)の写真は、サロメについての本で、そのサロメ像の独自性について読んだばかりだったので、興味深かった。
この一点という満足感が無かったのは残念だけど、見た価値は有ったかと。そうそう、副題で「フィレンツェに挑戦した都市の物語」と大きく出た割には、その辺の愛憎劇が作品からだけでは余り明確に伝わって来なかったのも、やや残念だったかな。
上野の森美術館というと、MoMA展とか馬鹿みたいに混んでいる展覧会の印象しか無いので、周囲の壁に大きな絵が幾つか掛けてある広間を、数人だけで占有している、ということ に、まず感動。いや、美術館的には混んでいる方が良いんだろうけど。まぁ、金曜の夕方だし。
でも、こういう、時間を掛けてじっくり向き合うことが要求されている(ような気がする)絵の場合、混んでいては、駄目のような。作者についての知識はほとんどないので、絵を見ただけの印象だけど、複合的な絵画だし。いや、ちょっと違うか。「複合」だと「複数のものが合わさって一つのものになること。」(大辞泉)だけど、あくまでも「複数のものが重なって一つのものにならない」という感じなので。
1Fの作品の印象で、基本的に色彩の画家なのかと思っていたら、2Fの1室目が、数字の順番通りに線を引いた「魔法陣」のシリーズだったので、芸風?の幅の広さに驚く。最初見た時は、こういう作品は視線の動きをコントロールするという意味では有効だな、と妙な感心をしただけだったのだが、会場に置いてある図譜の解説を読むと、見る角度によって色が変わる背景について書いてあり、改めて眺めてみると、確かにそうだった。線を見ることに夢中になる一方、背景を見ることを無意識のうちに排除していたわけで、なるほど、一筋縄ではいかないアーティストらしい。図譜によると、かつてヴェネツィア・ビエンナーレに出展した時は、潮の満ち引き(湿度?)で色が変わる顔料を使用したとか、そんな話も。
作品の中では、やはり「不思議の国のアリス」が格好良い。要素を一つ一つに分解してしまえば、それほど革新的な感じはしないのだけど、全体としてのイメージは今見ても新鮮。
北斎とか若冲もあった筈、と行ってみると、実は後期のみの展示だった。まさか展示替えがあるとは思いもよらず。でも、ここまで来て、3百円を惜しんで帰るのも大人げないかと思い、入館。代わりの展示品としては酒井抱一や谷文晁らの絵が有るとのことで、若干の期待をしたが、さらさら適当に描いただけのイベント絵画だった。前期のみの仏画も有ったし、損したとは思わないけど… って嘘です。後期(10/12〜)以降だけ来れば充分のような。
あと、せっかく上野に来たので、この際とばかり、前売りを買い集める。「北斎展」(2回券)とか「パール展」とか。ちなみに「プーシキン美術館展」はチケット屋で「期間限定」有効な招待券が格安(600円だったかな?)で売っていたのを確保済。色々なところが主催だの、共催だのしている展覧会なので、こういう券も大量にばらまかれているらしい。
昔、会社で、何かの展覧会の招待券が(お客さま用に)回ってきたことがあって、それを見たら、休館日用だったのに驚いたことも(日は指定されていたけど)。陰ではそういうことが色々と?行われているわけですよ。そういう役得と一生、縁が無い者としては、たまにチケット屋で買う位、バチは当たらないかと。
「美しき日本-大正昭和の旅」展(展示替え後)を見る。感想はいずれ、というか前後まとめて。
この10月は、個人的には何故かオペラ月間。
その1本目として、オーチャードホールのベルギー王立歌劇場「ドン・ジョヴァンニ」初日。
一番後ろの席で、しかも半分暗めの舞台だったので、舞台が遠い、暗い、字幕が読み辛いよ(オーチャードホールでは毎回そうだけど)。オペラグラスが現在行方不明なこともあって、舞台のディテールが全然分からず。舞台前方の。庭の丸石みたいなの、あれって、…骸骨?みたいな有様で。
キーンリィサイドのドン・ジョヴァンニは身のこなしが軽くて、しかも良い声で、なるほどドン・ジョヴァンニのイメージ通り、と思ったし、他のキャストも総じて良かった上に、勿論、指揮も安定していたのだけど、全体としては何となく物足りなかった。
優等生的な(どれも平均以上だけど、凄い、と心動かされるところまでいかなかった)公演、と感じてしまったのは、席が舞台から遠過ぎた、から? そうだとすると、コストパフォーマンス的には、むしろもう少しお金を出した方が満足出来たかも。
加納朋子のデビュー作「ななつのこ」で引用された架空の絵本「ななつのこ」を元にした絵本が登場。というわけで、小説「ななつのこ」の各篇で紹介されるの絵本「ななつのこ」部分を再読してから、気持を落ち着けて(^^;; 読む。
途中の文章に、あれ、もしかして?と思っていたら、果たして最後に、あぁ、やっぱり、と微笑みがこぼれるような仕掛けが施されていた。「ななつのこものがたり」と、小説内で引用されている通りの「ななつのこ」というタイトルの絵本でないことを、ずっと不思議に思っていたんだけど、納得。
そして、今頃になってこの絵本が出版されたことについても、深く納得したのだった。
菊池健氏のイラストも非常に美麗で、しかも暖かい(ジュンク堂池袋店で原画展をやっていたが、非常に繊細な仕上げに驚いた)。表紙は文庫版「ななつのこ」と共通だが(そういえば、加納朋子作品に今や欠かせない菊池健氏のイラストはこの絵が最初では?)、今回の絵本版の方が、柔らかい色調で良い雰囲気のような。
「ななつのこ」「魔法飛行」「スペース」と続いてきたあのシリーズが好きな人なら、これも大切な一冊となる筈。
坂本真綾の新しいCD「夕凪LOOP」は、菅野よう子produceではないという話に、期待と不安が半々だったのだけど、鈴木祥子がその中の2曲に参加していることを(鈴木祥子のサイトで)知ってから楽しみ の方が増してきていたところ、ようやく「夕凪LOOP」の情報が特設サイトとして掲載。
今の曲紹介だけでは、全体としての出来はまだ何とも言えない感じだけど、とりあえず、8曲目の「NO FEAR / あいすること」はサビだけ聴いても、100%鈴木祥子、という感じの曲だったので、この曲だけでも、個人的にはOKという気分。
池袋ジュンク堂で、絵本「ななつこものがたり」発売記念としての加納朋子&菊池健ご両氏のサイン会。
さしたる用も無い一日なので、結局、参加してきました。加納朋子さんが作品から想像される通りの方で、一字一字丁寧に書かれていたのと、菊池健氏が凄く真面目そうな青年(といったら失礼かもしれませんが)、という感じだったのが印象的でした。ちなみに、参加していたファン層としては、20代後半位の女性が一番多いように見えた けど、まぁ、そうでしょうね。
帰りに、府中市美術館まで足を伸ばして、会期終了直前の「アメリカ― ホイットニー美術館コレクションに見るアメリカの素顔」を見る。公立美術館での普通の展覧会という感じで、普通に良かった。ここも、もう少し近ければ通うのに…
Novel。宮部みゆき「蒲生邸事件」。最近、恩田陸しか読んでなかったせいか、数年ぶりに宮部みゆきを読んで、頭の悪い主人公というものに気分が悪くなる。勿論、そういう(無知な)主人公を設定することで、時代を一から説明するのが不自然じゃなくなるという意味があるのは分かるし、こういうのが万人向けの小説なのか、とは思うものの。
オーソドックスな締め方(時間移動の話と言えば、最後のコミュニケーションは手紙!)には好感を持ったけど、想像していたほどスケールの大きな話ではなく、またベタ褒めするほどの出来でもなかったような。というか、個人的には「退屈」と紙一重、という印象だった(と思う私は間違っているのだろうか)。
なお226対決?としては、(恩田陸としては失敗作に属すると思う)「ねじの回転」の方にまだ親近感が。向こうは少なくとも、思い浮かんだシーンが書きたかったことだけは伝わってきたので。