11/12(月)

 段々、天気が悪くなってきたような気がする。大韓航空のオフィスでReconfirmを無事に済ませ、オペラ座の方に向かって歩いていくと、果たして霧雨が降ってくる。この雨の中で一番レートの良い両替屋を探すのは面倒なので、とりあえず、ルーブルに行くことにする。

 着くと、行列である。こういう時は横からと、ジョジャール門の方まで歩いていくと、何と入れてくれない。あきれたシステムだ。あれだけ客がいるのに一ヶ所しか開かないんじゃ行列もするわ。中央集権的統制を感じて、この前以来のルーブルに対する嫌悪感を強める。

 仕方ないので、ピラミッドの前で行列してから中に入り、この前見てなかった所を見るが、2階は貴族の部屋を再現したのが沢山並んでいて、さっさと見てしまうし、3階は近代以前のフランス絵画がずっと並んでいるのだが、はっきり言って、特筆すべきものはほとんどなく、2時間で一応全部見てしまった。

 しかし、このまま出てしまうのももったいないので、前回素通りに近かった近代彫刻をガイドブックを見ながら、もう一度見ていくことにし、その後、前回はAS100だったので、どうしてもという絵だけ400で撮り直すことにした。結局、フェルメールとアングルとジェリコーを撮るが、改めて絵画のフロアを歩いてみて、ルーブルは絵画館としては、はっきり言って大したことがないのを確認する。大きくて大げさなだけのロマン派がやたらと大きな面積を占めているし、どうでもいいフランス絵画が多すぎる。フランス製は、何につけ、出来のいいのは飛び抜けて面白いが、そうでないのは気取っているだけで一番つまらない、という気がしてならない。

 結局、3時過ぎまで粘り(その途中、サモトラケのニケを下から撮っている時にコンタクトがずれ、ニケのすぐ近くで鏡を見ながらはめ直すという、何とも格好悪い、但し本人にとっては結構あぶない「サモトラケのニケ事件」が起こる)、外に出て銀行で2万を替えてから、そのまま宿まで歩いて帰ってみることにする。30分位で宿に戻る。6階の部屋まで歩いて上るのも今日が最後だ。もう一度荷物を整理して、少しでも減らせないか努力してみよう。

 こっちのジュースは、フランス語の他に英・独・西・アラビアの4ケ国語が書いてあって、なるほどと思う。パリは、半分アラブに見える。

 


・「サモトラケのニケ事件」 …今回読み返して、一番笑えた箇所。ところで、こういうネーミングなら、他にも幾らでも名付けられるような。ルーブルにある彫像だけでも、「ミロのヴィーナス事件」とか「ミケランジェロのダビデ事件」とかすぐに思い付くし。


写真:  Paris 


翌日
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