今日でGranadaともお別れだ。宿代を払って(しかし、あの部屋で4日、計5200Ptsというのはやはり安い)、まだ寒い中、アランブラヘ向かう。
9時開場と共に宮殿へ。残念ながら一人きりというわけにはいかなかったが、それでも人の写らないライオンの庭をバチバチ撮ってから、もう一度一つ一つ見ていく。その内に団体客も増え始め、以前の風景に戻る。ここはいくら居ても見尽くしたという感じはないだろう。しかし、二度と訪れることもないだろうが、Alhambraに関しては充分見たという感想を 持った。
宮殿を出てもまだ寒い。とにかくヘネラリフェヘ歩いていき、もう一度花の庭を眺めてから、少し太陽の光を体に吸収する。暖まって元気が出たので、少し歩いてから、ベンチで「ホムンクルス」を少し読む(本当はぴったりしない組合わせだが)。あちこちから噴水がわき出しているのを見ると、突然「押せば命の泉わく」というコピーを思い出す。育ちが悪いとこんなもんだ。
下に下って、昼を食べ(魚のフライだったが若干期待外れ)、駅へ向かう。満席で乗れなかったタルゴが発車していくのを眺めつつ、バルでうわさのオルチャータ(但しびん)を飲んでみるが、まずい。どこがカルビスだ。
rapidに乗り込むと、何とコンパーメントである。6人席で、満席である。最初、前の席の女子大生と話す(お互い苦労しながら英語で)。バイオリンを習っているがスペインには 良い教師が少ないので大変だという。彼女の隣りのおばさんはひたすらしゃべりまくっている。私の隣りのおじさんはカップに緑色のもの(まるで緑茶)を詰め、お湯を注いで、キセルのようなものでそれを吸い出す。マテというのだそうだ。その辺りで、彼らがパラグアイからの旅行者であることが分かる。
一段落した辺りで、おばさんが私に向かって、あんたはスペイン語で私達に話しかけなきゃいけないよという。その通りだとは思うが何と言って良いやら困っていると、どれ位スペインに居るのかetcいろいろ聞かれる。一通り聞いて、名前まで聞くと一応良しとしたらしく、今度はカスタネットを取り出して、歌い出す。おじさんはタンゴを歌う。おばさんはカスタネットを鳴らしながら 、何とランバダを歌い出して皆で大笑いする。
そのうち突然、tu padre? と聞かれる。父親がどうして出てくるのかさっぱり分からず聞き返すと、どうやら無事か、生きているのかということらしい。元気だというと、おばさんは、さっきはスペイン語を勉強した、今は(親のことを)考える時間だ(と頭を指した) 、と言ったようだった。突然しんみりという感じで、その思考展開についていけないでいると、さぁ踊る時間だと又カスタネットの登場である。
トイレに行く時、他のコンパーメントものぞいてみたが、他は皆、寝ているか雑誌を読んでいるかで(だって1st class)、私の所だけまるでドンチャン騒ぎである。皆、歌を歌っているのに私だけじっと聞いているので、果たして何か歌えといわれる。そのつもりで考えていたのだが、1ケ月のスペイン滞在のせいか、隣りが歌っている南米の歌のせいか、全然 歌詞が出てこないので、なやむ。
日本で今年一番流行った歌ですとかいって「踊るポンポコリン」でも歌おうかとヤケになりかけるが、さすがにそれはマズイと思い、結局、半分以上歌詞が出ないまま「いとしのエリー」を歌ってしまう。皆拍手してくれ、amorの歌だろうと言ってくれるが、海外を旅行する時は 、一曲位、日本の歌が歌えないといけないのだということを実感する。
その後、皆でダイスをやる。初めて見るルールである。一応覚えたので今度日本でためしてみよう。
アトーチャでどたばたと降りて、hostalへ向かうと、何と満室だからとドアを開けてもくれない(どうやら私のことを忘れていたらしい)、仕方ないので広場からTelを 掛け、(予約したのだから)開けてくれるように頼む。
結局、ツインの部屋を他の日本人と使うことに。何となくふに落ちないが、まぁ、とにかく寝られればいいと思い、OKする。隣りの日本人はモロッコを旅行してきたとかで、そんな感じの人である。
・オルチャータ …アンダルシアの乳酸菌飲料、らしい。生だと美味しいのかもしれない。飲んだのは不味かった。
・女子大生 …彼女に、最も尊敬するartistを聞いたところ、マイケル・ナイマンの名前が挙がったので、意外に思ったことを覚えている。ナイマンというと、当時はP.グリーナウェイの映画音楽専担というイメージだったが、現代音楽とかも作曲しているのだろうか。
・ランバダ …当時、世界で大流行していたのだった。日本もまだバブルでイケイケの時代だったしなぁ。
・どんちゃんさわぎ …この日のエピソードが、この旅行で一番、「旅の思い出」らしい気が。
・「踊るポンポコリン」 …そういう年だった。今から考えれば、歌ってしまっても別に良かった気もするが(^^;;; ということは「ちびまる子ちゃん」はこの年からずっと放映しているということで、当時生まれた子供も中学生… 何と言って良いやら。
・ダイス …帰国してからルールを書いてみたのだが、普段、ダイス(サイコロ)で遊ぶことなど無いので、忘れてしまったのが、残念。5つのダイスを振って、ポーカーのような(フルハウスとかと同種の)組を作る奴だったと思う。
写真:4
Granada
観光案内:グラナダ スペインの地図:small(日本語)
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