11/ 2(金)

 今日も晴れているが、全体にかすんでいる。

 Barでトスターダを食べてみる。要するに(8枚切り位の)食パンを2つに割ってバターを塗ってからトーストするもの。こちらの人は酢(いやオリーブ油か?)のようなものを掛けて食べている。

 さて、今日も又アランブラめぐりである。しかし着いたのが昨日より10分遅かったせいか、中は団体客で混んでおり、中でも日本人の団体客が3つもあったのには参った。わからない外国語なら(及び外国人なら)無視できるが、こう日本人でごった返していては、雰囲気も何もあったもんじゃない。違う部屋へ逃げるとそこにも又日本人の団体という感じで、まるでゾンビか何かだと思った。

 結構、宮殿でねばり、今日は何故か開いているCarlosVの県立美術館を見(スルバランに影響を与えたというコタンの絵が面白かった。なるほど、コタン→スルバラン→ムリーリョか)、アルカサバを軽く流して外に出る。やはり4時間程かかる。

 下に降りて、昨日食べそこなったヌエバ広場のテラスで昼を食べていると、隣りに日本人の女の人が座る。食べるものも食べてしまい、暇なので話し掛け、混んできたので同じテーブル に移って、しばらく(1時間位)話す。何でもセイコーのデザイナーだとかで、こちらのデザイナーとの打ち合わせのためヨーロッパ出張中とのこと(グラナダは私費の旅行)。パリに滞在しているそうなのでパリについて色々教えてもらう。とにかく何事につけ高いそうである。パンと何かを買って食べなさいと言われるが、今でさえそうしているというのに大丈夫かしらん。

 日差しはまだ強いが、席を立つと5時。デパートヘ行って物資を調達し、部屋で試してみる。まずBurgosというチーズ。なるほど豆腐そっくりである。味は淡白で塩味というよりは甘目(しかし甘くはない)の、でもチーズ、何と 言って良いやら、たん白質のかたまりを口に入れているという感じ。

 次にあの家族にすすめられたチェリモヤとか言う果物。確かに、とろりとしてアボガドとかマンゴーといった熱帯特有のあの果物の感じである。甘くておいしいことは確かだが、ややクセがある。

 そんなことをしていたら何だか寒気がしてきた気がし、風邪薬を初めて飲んでベッドに横になる(というか毛布をかぶる)、と別に大したこともなかったようなので「ホムンクルス」の続きを少し読んで 寝ることにする。明日はモンテフリオにでも行くことにしようと思うのだが、果たしてバスがあるかどうか。

 しかし、最近の日記は長くなった割には、どうでもいいことばかり書いていて、もっと困ったこととかを書いてない気がする。例えば昨日、アランブラを見るのだからとコンタクトをスペアに替えたら、レンズがまだよく合わないせいか、何回かズレるという結構あぶない目に合い、今日はしばらく試した末、元のレンズに戻したとか。なまじ、こういう物を付けると 、書いたものだけが意識に残るわけで、そういうのって恐いことでもある。

 


・ トスターダ …多分、ここでの理解は必ずしも正しくない(笑) 地方によって、パンの主流は違うようで、南部はこれ、東部はクロワサン、マドリッドはチューロとか色々。
・セイコーのデザイナー …非常に格好良い人生に見えて、羨ましい気が。時間が出来たので、週末をグラナダで過ごすとか。
・Burgos …同名の土地の特産だと思う。面白いので、機会があったら、是非食べてみて下さい(日本では売ってないと思うけど)
・チェリモヤ …こちらは、最近ではトロピカルな高級果実として、輸入果実を扱っている店では割と見掛けるようになった。
・書いたものだけが意識に残る …この旅行も、この日記を付けていたことで十年前とは思えないほど、詳しく覚えているわけだが、ここに書かなかったため、忘れ去ってしまったことも多いと思う。


写真:  Granada
観光案内:グラナダ  スペインの地図:small(日本語)  small  large


翌日
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