空の蒼さを 見つめていると
果たして一日雨だったので、下の展覧会の感想を3件ほど記入したりと。
本当は他にも書きたいことが有ったりするんですけど(旅行記とか、本の感想とか)、現在に追い付くだけで精一杯、みたいな状態。少しずつでも何とか進められると良いのだけど。
ドイツといえば昔から「ゲルマンの黒い森」(ヘンゼルとグレーテルの森とか)のイメージで、高緯度地域の低湿地地帯(というとややこしく聞こえるけど)の風景は余り馴染みが無かったので、20世紀の初め、そういう村で芸術コミュニティを作ろうとしていた若き芸術家達の作品というのは、新鮮だった。
残された作品の中では、乳飲み子の絵が母の視線でしか描けない絵という感じで良かった。ちなみに、パウラの夫も画家で、オットー・モーダーゾーン。日本人には覚えやすいですね(^^;; (解説を読んでいると、最後の頃は芸術観の違いが深刻になっていたらしいけど)
強く惹かれたというほどではなかったけど、自分とは今まで縁のない世界に触れる機会が有る、という点で、こういう展覧会を観ると 、近くに公立の美術館が有ることのささやかな幸せを感じる。
今回はどちらかというと地下の図書室の方に用事が有ったので、展覧会の内容自体はそれほど気にして無くて。
ここはいつ来ても、ほぼ私だけという静かな空間。全国の展覧会の図譜が結構置いてあって、それをパラパラ眺めるだけでも楽しい。出来たら昨年行けなかった新潟県立万代島美術館「ユートピアを探しに ― 想像力の彼方へ」の図譜を見たかったんだけど、残念ながら無かった。代わりに?数年前、愛知県美術館でやった「菱田春草展」の図譜を眺めたりと。
で、目的は夏(秋)の旅行のために、ドイツの美術館のチェック。そのものズバリという本は無かったけど。外せない都市としては、やはりベルリン、ミュンヘン、ドレスデン、フランクフルト辺り? 有名な都市ばかりで、旅行として見たら余り面白くなさそうだけど。あとはライプチヒ。…までは余裕が無いか。ハンブルグ。 に寄るのは元より無理だろうし。
ついでにブリューゲルの画集を眺めていて、最晩年の「絞首台の上のカササギ」の絵がダルムシュタットに有ったことを思い出す。そうだ、ここは何としても行かないとな。…けど、ダルムシュタットってどこ?(よく分かってない) あとはレンブラントならカッセンという名をよく聞く気がするんだけど…
一週間では絶対回りきれない気がしてきた。まぁ、こうやってどうしようか悩んでいる時が一番楽しいという話も。
寺子屋を中心に、江戸時代の教育制度を紹介する資料系の展覧会。寺子屋の様子を一言で言うと、「おおらか」ということらしい。
要するに社会階層が固定化していたから、教育はあくまでも人格的形成のために(出世とは無関係)、各自が好きに学ぶものだったらしいのだけど、それが明治になって学力が立身出世の必要条件になっていくと同時に、一斉教育で教え込まれるようになっていくと。
なるほどなぁ、と思いつつ、教育の現場には縁もゆかりも責任も無い者としては、いつもの通り、資料の微妙な面白さを閑散とした館内で探して歩くばかり。中でも、当時の寺子屋の先生が手に付けられないほどの悪ガキの所業を毎日書き綴った日記を現代語訳のパネルにしたものが可笑しかった。 やっぱり、昔からそういう子供はいるんだなと。
あと、戯作者たちも教科書を書いていたという話の繋がりで、「浮世風呂」を書いた式亭三馬は、やり手の起業家でもあって、「江戸の水」という化粧水を売っていたという話が面白かった。「化粧のよくのる 江戸の水」というキャッチコピーを考えたり、(ベストセラーになった)自分の「浮世風呂」の巻末に広告を入れたりして、売っていたらしい。…寺子屋の話とは関係無いけど。
art的な要素は余り無かったけど、里見八犬伝の一揃い(106冊)が置いてあったのは圧巻。表紙が皆、犬の絵で可愛くて綺麗でした。あと長沢芦雪の子供達の襖絵とか。
図録の代わりに売っていたのは「ふくろうの本」の「図説・江戸の学び」(bk1) 。…なるほど、著者は江戸東京博物館の学芸員なのね。当然ながら、展示とほぼ同じ内容。
小品だけで構成されたプチ展覧会という趣だけど、色々なクレーが見られて楽しい。クレーの線や絵には、それがどんな小品でも、はっとさせられるところが有るなと改めて思った。今年の中では最もウキウキとした気分で会場を出た展覧会かも。
新しくベルンに出来たパウル・クレーセンターに、ドウゾ、皆サン来テクダサイ、というのが主催者の趣旨のようで、美術館への行き方(ベルンからの)を記載したパンフレットを配ったり、センター完成までのドキュメンタリーフィルムを流したりと。つい、そのビデオを見てしまったら、30分もあってひどく疲れた… 展示している絵を見るより時間が掛かったという(^^;;
まぁ、クレー好きなら確かに一度は行きたいところでは有るけど。
2/22かぁ。昔はこの日が来ると色々と… あ、ごめんなさい。何でもないです。
印刷美術館で「アンデルセン 生誕200年展」を開催中、というのに最近気付く。
昨年の夏、旅行でロンドンに行った時、「リンディスファーン福音書」や「アリス」のオリジナル本といった、エキシビションルームの稀覯本を目的に、大英図書館にも寄った。
その時、地下の展覧会スペースで開催していた「アンデルセン生誕200年展」を見て、日本ではこうした企画はやらないのかな?と思ったものだけど、まさに同名の展覧会が昨年から、日本各地を巡回していたとは知らなかった。で、最後にようやく東京でも開催ということらしい。
アンデルセンというと、全体に奇麗ごとっぽいというか、「白鳥の王子」(今は「野の白鳥」というらしい)の絵本を繰り返し繰り返し読んでいたり、あるいはTVアニメの「アンデルセン物語」(ズッコとキャンティ!)を見ていた幼少期はともかく、小学生になって以降は、「はだかの王様」とか「マッチ売りの少女」とか読んでいて不信感を抱くような作品が多くて、素直に好きになれなかったという印象が強いのだが、この機会に見直してみても良いかも。行ってみようかな。
昼間のBSアニメ名作劇場は、現在放送中の「名犬ジョリー」は明日までで、2/23からは「アルプスの少女ハイジ」を放送するらしい。
幼い頃から割とこまっしゃれくれた子供だった私は、主人公がひたすら純真という、アニメの「ハイジ」の世界観も信じられないというか、余り好きではなかった覚えが有るのだけど(原作には後ほど嵌って別人物が書いた「それからのハイジ」まで読んだというのに)、今見ると、 画面や演出に強く感心しそう。でも、52話も追い掛けるのはちょっと無理。
東京富士美術館といえば、結構凄いコレクションを持っている、という印象は前から有るものの、無関係な者にとっては縁もないし、場所が八王子と、うちから遠いので行ってみようかと今まで思ったことは無かった。
とはいえ、「日本美術の技と粋」という今開催中の展覧会の内容を見てしまうと、少しならず惹かれてしまうものが… 其一の「萩月図襖」は「RIMPA展」に出張しているのを見た覚えが有るけど、同じく其一の「風神雷神図襖」も持っているのか。
オリジナルの宗達は2002年6月の「京都最古の禅寺 建仁寺」展で、光琳は前述の2004年9月の「RIMPA展」で、抱一は2001年6月の「琳派の華 酒井抱一展」で、それぞれ風神雷神図を見ているので、其一を見れば、宗達→光琳→抱一→其一という「風神雷神図」での琳派リングが完成することに。そう思うと、八王子まで行きたくなる。でも、遠いな…
九段会館の「SoltyRei」のDVD発売記念イベント。購入したわけではないですが、公式サイトの招待枠で。
色々と盛り沢山な内容だったけど、中田譲治の魅力が全開だった、ということしか思い出せない気がするのは何故(^^;;
展覧会と言えば、読売新聞のイベント情報に、『ヨーロッパ絵画の400年「ウィーン美術アカデミー名品展」』なる展覧会予定が加わっているのに、今日になって気付いた。
ウィーン美術アカデミーかぁ。数年前、半日のみの自由時間の中、ウィーンの美術館を駆け足で回った時、近くまで行きながら、見付けられなかった悲しい思い出が(見る時間が元々無かったとはいえ)。ところで、「ウィーン美術アカデミーの名品」なら、何と言ってもボッシュ「最後の審判」の筈だけど、やっぱり来ない様子。まぁ、当然といえば当然か…
オランダ絵画中心のようだし、勿論、見には行くけど、過大な期待はしない方が良いかも。とはいえ、「プラド」「ブリュッセル」と、今年の読売新聞の展覧会イベントは強力。
この週末は「親子ふれあいデー」らしいので、親子連れで混みそう、と思い切って、朝一番に直行。そこまで気合いを入れなくても大丈夫だったかもしれないけど、一部屋に数人という閑静な状況で落ち着いて見ることが出来たので、結果的には良かった。10時半に出る頃にはそこそこ入っていたようだし(「書の至宝」ほどではないにしろ)。
アメリカの日本美術コレクションの里帰り展というと、以前サントリー美術館で見た「クラーク・コレクション」、それからごく一部だけど「プライス・コレクション」の印象が個人的には強いのだけど、この「バーク・コレクション」は割と優等生的なラインナップ 。
室町時代の水墨画に強いとか、風俗画に興味を持っているらしいとか、特色は窺えるけど、美術史的に重要なものから網羅してある感じで、とにかく好きな絵だから集めたんだ!みたいな個人コレクションならではの楽しさがちょっと薄かったような…
勿論、大麦図屏風みたいに、描いた人とは別に、画面自体の面白さで選ばれたようなものも有ったけど。
其一の「菖蒲に蛾図」を3段の打ち上げ花火の軌跡みたいだと思ったり、蘆雪の「飲中八仙図」が、文人画のスタイルなのに、犬だけ応挙ゆずりのコロコロ子犬というのに笑いそうになったりと、個々 の感想もあるのだけど、今回はとにかく簫白の「石橋図」の印象が圧倒的。愉快過ぎます。何と言っても、中央の2匹がピューッと落ちていく様が妙におかしい。
視線の動きからすると、獅子の動きが無限循環しているので、ついエッシャーの水車を連想。こういう風に何かが落下していく瞬間を描いた絵って、昔の絵画で見た覚えは私は無いのだけど(絵巻物とかには有りそう)、この画面にも先行作品が有るのか知りたい。落ちる絵画の歴史。誰か研究してくれないかな。
対象のどっしりとした存在感。画面は黒いし、決して「上手い」画家ではないと思うのだが、この題材を描くには画面をどう構成すべきかという画家の問題意識が作品毎に感じられて、見ていると、自分でも色々やってみよう(…何を?)と、アクティブな気分にさせてくれる 。
後年、画面が暗くなる、色が無くなる、と悩んでいた、って好きでそう描いていたんじゃなかったの?と思わず突っ込み掛けるが、それ位、描くことに誠実な人だったんだろうなと。
それにしても、この展覧会は出来たら、京都国立近代美術館で見たかった。東京の近美の1Fだと重苦しく感じても、京都では、もっと良いバランスで見えたんじゃないかと。
正直言って、そう期待していなかったのだけど。大いなる、と銘打つだけあって、凄く豪勢。国立美術館でもこれだけの企画展は難しいのではないかと。
ただまぁ、場所が場所、企画が企画だけに、「高く売れる」絵を集めるとこうなるんだ、みたいな感じも。どの絵もどこかしら見応えが有るのだけど、しみじみ「感動する」というより、画面の派手さの方が目に付くというか。特に日本画の方がそんな印象で。
その中では、動物を描いた絵に好感を抱いた。橋本関雪の「玄猿」とか、小茂田青樹の「麗日」(猫の絵)とか、やはり、菱田春草の「柿に猫」とか。「柿に猫」は「黒き猫」が起きあがったところ ?と思ったら、図録を会場で読んだところ、後ろの樹が違うとのこと(「黒き猫」は柏の樹)。そう言われてみれば。でも、猫は同じだと思った。
国宝展示室はやけに狭かったが(2回の展示替え)、元々それが目的ではないので、別に良いかと。近世絵画では、其一の屏風が右左で金屏風と市松模様を分けているモダンな構成だったのが面白かった。
近代工芸のコーナーに、高村光太郎の「栄螺」(メナード美術館所有)が。いつかは見たいと思っていただけに、意外なところで得した気分。光沢まで完璧に再現した凄い出来 。
本日配信分の東京創元社メールマガジンでの近刊案内(4月刊行予定)の中に。
「夏期限定トロピカルパフェ事件」 米澤穂信著って、「春期限定いちごタルト事件」の続編ですな。楽しみだー。
とか言っている場合じゃなくて(いや、それはそれで楽しみだけど)。
「蜂の巣にキス」 ジョナサン・キャロル著/浅羽莢子訳 ですって!?
このニュースを聞いて、アスキーアート風に、キター!と叫ばずにはいられない人は少なくない筈。ジョナサン・キャロルの十年来の待望の翻訳がようやく登場。長かった。
翻訳が完了しているという話なら、3年も前に聞いていただけに、こんなにも待たされるとは思ってもみなかったけど、創元推理文庫での刊行なので、文句は言いません。前回、 翻訳が途切れてしまったのは、それまで文庫で刊行していたのに、前作「天使の牙から」を最初ハードカバーで売ろうとしたことにもあると思っているので。
さらに贅沢を言えば、この十年間で未訳作品がかなり溜まってしまったので、他の作品も順次、刊行していって欲しい。そのためにも、「蜂の巣にキス」が売れてくれないと。
ここしばらく西洋美術館とは縁がないな…とサイトを久し振りに覗いてみたところ、NEWS内にインターンシップ募集のお知らせが。
いや、別に自分が応募しようというわけでは無いのだけど(その資格もないし)、興味深いのは「当館で実施予定の展覧会の準備、カタログ編集業務などの補佐」の受入が、その中に含まれていたこと。これって、要するに、現在企画中の展覧会の内容がこれで想像出来る、ということですよね?
最初の「フランドル美術またはベルギー近代美術に興味をある者」は、当然ながら、今秋の「ベルギー王立美術館展」の準備が目的かと。これから採用するインターンに手伝わせることを考えているようで、果たして間に合うのか、という気もするけど。
次が「エドヴァルド・ムンクに興味がある者」ということは、西洋美術館では今後「ムンク展」を開催予定なのか。「デンマーク近代美術に興味のある者」も多分、同じ企画のため?
改めて考えてみたら、デンマークの美術(および画家)については全くと言って良いほど知らないなぁ。北欧美術を説明しているページを発見したけど、登場する人名は全然、知らない人ばかり。というか、デンマーク美術に詳しい人の方が絶対珍しいと思う。あぁ、だからこそ、インターンでも募集したい、ということなのか。
雛祭りにはまだ早い、とは思うけど。
根津美術館の2/18からの次回展は、「虎屋」 の雛人形や雛道具の展示。
生まれてこの方、雛祭りや雛人形とは全く縁が無かったのだが、前に京都国立博物館で巨大な雛壇を見て以来、関心を抱くようになった者としては、少なからず興味を惹かれるが、入館料はいつもと同じ千円なのか。ちょっと高いような気がしないでも…
今年は、東京国立博物館の特集陳列でも雛人形は見るだろうし。同時期公開の狩野一信の五百羅漢図は見に行くつもりなので。一方、京博の方は、他の京都の美術館と一緒に、「京の雛めぐり」なる共同企画を行っているらしい。 他には、江戸博も雛人形を展示しているらしい。
ちなみに、雛祭りに因んだ「とらやの和菓子」はこんな感じ。「とらや」というと、羊羹しか食べたこと無いけど。
ぼーっと見ていたのは、女子アイスホッケーのカナダVSイタリア戦。最強VS再弱ということもあるのだろうけど、カナダは鬼のように強かった。
ということ位しか、今日のトピックは特にないけど、昨日の展覧会の感想は補完。
展示替え後期分。前から言っているように、「書」の良し悪しは全く分からないのだが、2回目となると、なるほど少しはそれぞれの個性が目に入ってくる。でも、単純に良いなぁ、と思えるのは私のようなど素人には行書止まり。米ふつとか趙孟ふとか。書をやっている人なら、もっと違う見方が有るんだろうけど。何せ草書だと、良い悪い以前に、そもそも読めない…
勿論、会場は書道好きな人達で大混雑。普通の展覧会は目玉作品は割と最後にあるものだけど、今回は入ってすぐの「書聖」王羲之が最大の目玉なので、入り口から渋滞(今回は さすがに、少しずつ進むようにアナウンスしていた)、外では1時間待ち(11時の時点)、みたいな状態。
書道好きの人々というと元気な高齢者+おばさん連。つまり、日本で最もマナーが悪い人達。少しでも隙間を見付けて強引に横入りはするわ、後ろからギュウギュウ押してくるわ、と王羲之や空海のコーナーでは結構酷い状況に。書道という言葉には、書を通して人格陶冶を 達成するようなイメージが有るけど、実際にはそんなことは全然無いなと思った。まぁ、それは茶道だろうが、柔道だろうが、同じことだろうけど。
そんな苦労をして見た王羲之の字(の写し)は、シャープな字かと何となく思っていたけど、割にぼてっとした肉厚の字だった。三色ミックス月見焼き(それはぼてぢゅう)。
会場後半、蘭渓道隆の「法語規則」。蘭渓道隆は建長寺の開祖として名高い高僧で、今で言うなら、学校を創立した校長先生が自ら筆で書いた校則みたいなもの。書道的にも宗教的にもその有り難さとは無縁の私だが、内容は気になった。文章中に「罰油一斤」とか「罰油二斤」とか書いてあるのだ。要するに何かやったら罰としてこうだ、ということらしいのだが、「罰油一斤」って? 何か、煮えたぎった油を頭から掛けられるようなイメージしか浮かんでこないのだが…(火傷で死んでしまうわ)
と2週間前に見た時に思った。ということを、今日思い出した。というか、今日また見るまで、そう思ったことさえ忘れていた。もしかして、私って短期記憶しか無いのか…
素描コレクション。ベン・シャーンの絵を見たことが余り無いので、線の力強さとか、そのスタイルは勉強になったけど、やはり油彩の代表作を見てみたいところ。常設はいつも と雰囲気が違っていてなかなか新鮮。しかし、どんなテーマを設定しても、いつも奥にデルヴォーの絵が有る気がするのは気のせいだろうか。
予想していたより広いジャンルの本が取り上げられていて、色々と興味深かった。とはいいつつ、個人的に興味があるのはやはり、19世紀以降の児童文学とかファンタジーの挿絵だったりするので、アールヌーヴォーとか言われても、ツボが違うなぁ、という気も。基本的には画家一人一人の個性というより、印刷技術の変遷に注目した展覧会だったし。
その中で、名前を覚えておこうと思ったのは、ブリューゲル、アンソール系の悪魔の絵を描いてたベルギー人のジャン・ド・ボシェールと、「ホフマン物語」を独特の歪んだ異世界として描いていたイタリア人のマリオ・ラボチェッタ。特に後者は、調べてみると荒俣宏らが雑誌等で何回も特集している、その道?では有名な挿絵画家らしい。やはり、私はそちらの世界の住人な のか。
トリノの開会式(民放の再放送)を何となく見ていたら、パヴァロッティが「誰も寝てはならぬ」を歌っていてちょっと得した気分。生中継時は、NHKはその途中でニュースに切り替えたそうで、非難が上がっていた。まぁ、朝の4時半から見ていて、その仕打ちだったら、それは誰でも怒るだろう。 しかも、NHKは再放送時にも、歌に解説を被せたらしいし。
今回で最後となる会員の招待券を使って、展示替え後分をさくっと見る。数点しか変わらないのだけど、ゴッホの「アザミの花」は確かに見る価値は有った。
帰りに蜷川幸雄演出「白夜の女騎士」がチケットメイトでの先行抽選を受付中で、しかも明日までと知る。そういえば、そんな話、「贋作・罪と罰」のパンフで読んだっけ。一応、申込用紙を貰うが、明日必着ということは速達でも出さないと無理なので、しばらく悩んだ末に諦めた。まぁ、野田秀樹本人の再演出じゃないし、発売日に取れたら、で良いか…
TVを買い換えてBSデジタルも普通に見られるようになったので、この機会に再見してみようかと。感想は公開時に観た時のそれと基本的には変わらないのだけど、3年も経つと、TV版での内容をかなり忘れているので、 元々こういうTVシリーズだったような気もして、ただの総集編アニメ映画に見えてしまったのが難点。仮にそうだとすると、そんなに上手い作品ではないので。
というか、逆に、あのTVシリーズも所々では結構、面白かったような気もしてきたのだけど、それは思い出という名で知られる、記憶の美化作用?
木曜夜ということで、果たしてガラガラ… 前半は凄くはしょり気味というか、エピソードを圧縮して話が進む進む、「あらすじ映画」、または「総集編映画」。長編小説を2時間に収めるなら、そうするしかないのは分かるけど、原作未読の人は話に付いていけるのだろうか、と余計な心配も。後半は結構、大胆に手を入れていて、愛の告白の台詞(「千回でもイエスと言います」とか、ジェーン・オースティンなら絶対に書かないような!)も加えてあって、普通の恋愛映画ぽくなってはいた。
とはいえ、全体としては「総集編映画」以上のものではなかったのが残念(興味深かった演出は、エリザベスがグルグル回るブランコに乗っているシーン位?) もっとも、エリザベスのキーラ・ナイトレイとダーシーのマシュー・マクファディンはキャラクターのイメージに割と合っていたので、観て損したとは思わず。ジェーンはもっと美人でないと駄目だと思うけど。
しかし、こういうものを見てしまうと、原作のテンポでの映像化作品を見たくなってしまう。となると、やはり、BBCドラマの「高慢と偏見」しか無いか。う〜ん、買うしかないのか…
冬目景「ももんち」@「ビッグコミックスピリッツ」。
以前の傾倒振りからすれば、自分でも驚くばかりに、冬目景への期待度も今はかなり冷めてしまっていて、気が付けば昨年購入した「ハツカネズミの時間」を未だに読んでいない、というか、ビニールを剥がしてもいない位だったりするのだが、この手の読み切り作品は一応、確保しておいた方が良いかと思い直して、木曜にもなって「スピリッツ」を購入。
これ以上、連載(可能な)作品を増やしてもなぁ… とは思いつつ、この手の明るくも暗くもない日常風景を描いた作品自体には、やはり不満は無いのだった。
ところで、270円ってそんなにするの?と思ってしまった私。あれ?「スピリッツ」を購入するのって、もしかして学生の時以来? うわー、何年ぶりだ?(多分、15年振りくらい………)
何か牡丹ばかりでしたが。いよいよ、形が定かで無くなってきた感じだけど、ピンボケ風味な画面はそれはそれで味といえるかも。
2/22〜3/12の期間で「ベオグラード国立美術館所蔵 フランス近代絵画展」を三越新館催場で開催する旨のポスターがあちこちに。「ベオグラード…」って昨年、京都駅の上でやっていた展覧会ですよね? 言ってしまえば、見ても見なくてもどうでも良いようなコレクションだとは思うけど、暇が有れば一応行こうかと。
更に次の巡回先である高知県立美術館のサイトによると、展示されるのはこういうラインナップらしい。
う〜む… 9/21のフィレンツェ歌劇場「トゥーランドット」のプレオーダーが当たってしまった…
フィレンツェ歌劇場の来日公演は「ファルスタッフ」「トゥーランドット」共に元々行きたかったのだけど、今年の夏休みは9月2週に取るつもりでいるので、(チケットが取れても)その週は多分、日本にいないよなぁ、と前から悩んでいたのだが、EF席のプレオーダーに対し、最終日の9/21なら、と駄目元で出したところ、E席が取れてしまった。
チャン・イーモウ演出の舞台は実際に一度観てみたかったし、嬉しいと言えば嬉しいのだが、実は毎月21日は多忙な日で、普段はその日だけは絶対、予定を入れない位なので、18:30の開演時間までにNHKホールに辿り着けるかは極めて微妙なのだった… まぁ、最悪の場合、第2幕からだけでも観る価値は有るかな…
ふと、小学館のサイトなどを眺めていたら、「西洋絵画の巨匠」という画集シリーズが発売予定らしい。今どき、画集シリーズを新規刊行する意欲は買いたいし、小学館なら印刷も綺麗だとは思うのだけど、全12巻を構成する「巨匠」のラインナップが、何と言って良いやら、かなりちぐはぐな印象。…誰が決めたんだ、一体。
いや、まぁ。ゴッホとかダリとか、20世紀に過大評価され過ぎた(と思っている)画家が相も変わらず登場することは需要と供給の関係として。このメンバーに何故、モリゾが!? どう考えても、最初の12人の中に入ってくる画家じゃないじゃん。何となく、某首相の組閣みたいな選び方、という気がしてしまうのは気のせい?
ともあれ、わたし的には、最終巻のファン・エイクだけは購入必須ということで。…あとはまぁ、わざわざ買わなくても良いか、という感じ。
何故、ここが本日2/5まで放置されていたかというと。それは一週間前、1/30にまで遡る。
有給消化日ということで、ちょうど家にいたこともあって、午後に届いた23LC100を調整。これでまた視聴環境が復活した、と安堵しながら、パソコンの電源を入れたところ。
……最後まで立ち上がらない。というか、HDDを読みに行く前に電源自体が落ちてしまう。どうやら、スイッチ関連の基盤が駄目になっている様子。
TVが直った(というか買い換えた)と思ったら、パソコンまで… 私、何か悪いことでもした?
翌日メーカーに連絡し、すぐ修理に出したのだが、今日戻ってくるまで、ここの更新は勿論、サイトの閲覧も出来ず。この部屋には壊れるべき電化製品がそれ以上、殆ど存在しないので、それ以降はこれという被害が無かったことだけが、不幸中の幸い? しかし、不運の連続もこれで終わり、と思って良いのだろうか。まだ、何か不安なんですが…
この一週間は、仕方ないので、RD-X5の中身を少しでも減らしたり、この前借りた退屈な本を読んだりと。そうそう、新潮文庫の「自負と偏見」(これは勿論、退屈ではないです)を読み終えたので、さっそく「プライドと偏見」を観て帰ろうと、金曜日の夕方には思っていたのだが、外の余りの寒さに、そのまま帰宅。
というのも、帰る間際、木曜から連休中の、私の真向かいの席の人から、今は実家だけどインフルエンザで寝込んでるという電話が有って。そういえば、休みを取る前日から咳き込んでいたし、絶対、私にも移っているよな… という わけで、この週末は大人しく、家で養生していたのだった。
ウイルスの潜伏期間はせいぜい3日間らしいので(というのも、ネットに繋げるようになって初めて確認出来た)、今現在、無事ということは、まぁ、何とか、「その人のインフルエンザ」には勝利したのではないかと。他の人も色々引いているようなので、油断は出来ないけど…
ちなみに、「自負と偏見」の次に読み始めたのは「高慢と偏見」(河出文庫)(笑) せっかくだから比較してみようかと。で、その後は多分、「高慢と偏見」上下(岩波文庫)の再読(^^;;