移動日
今日は致命的にやることがない。そこで、ゆっくり起きて歩いて駅に行くと、何と3分前に電車が出たばかりで、次は3時間近く出ない。しかたないので、バス(410Pts)でマドリッドヘ。
時間は有り余っているが、どこに行くにも荷物がジャマである。駅のロッカーに入るのではと、わざわざAtocha駅まで行ってみたが、やはり縦に長すぎて入り切らない。それでも諦め切れず無駄な努力をしていると、同じバッグパック(!)をもった日本人の男の人から「入らないでしょう」と声を掛けられる。向こうは既に試してみたらしく、下の車輪を外さないとムリだと教えられる(つまり、スパナがあれば良いのだが、今日は日曜日、どこも開いていない)。欠陥商品だということで意見が一致。
彼は4か月の旅の終わり近くだそうで、これからリスボンに行くという。Adviceを頼み、失敗談をいくつか聞く。特にイタリアで20万円分の料理をサギに引っ掛かって払わされたというのは恐ろしかった。3か月以上旅をしていてもだまされる。要は決しておごられたり、もらったりしないことらしい。他にくつみがきに5000Pts持ち逃げされた話とか、夜行のコンバーメントで荷物を物色された話とか。イタリアに向かわずにとりあえず良かったと思うが(私なんてだまされるために存在しているようなもんだ)、スペインでは一番治安の悪いと評判のバルセロナ、多少緊張して歩かねば(その人も、もう終わり近くということでスキがあったと後から考えれば言えるとのこと)。
しかし、荷物を持ったままというのは本当にどうしようもない。しかたないので、今はレティロ公園のベンチでこれを書いている。暗くなったら少しブラブラして(マクドナルドでも行くか)早めに駅に行ってしまうしかないか。非常に無駄な一日という感じだが、その人に会えたのはもしかしたら非常に良かったということになるかもしれないから、物事は良く考えることにしよう。(しかし、本当にこれから6時間どう過ごそう)
(19)甘い話には乗らない(旅行者風の男が道を尋ねてきたら、用心) ……初めて、シビアな教訓?
(Chamartín駅での続き)この駅は旅行者が沢山座っているので安心する。明るくて良い。今日は、何と日本に一時帰国した夢を見た。とりあえず、一休み(Gパンを別のに取り替える、というのが気に掛かっていることであるとはいえ、後から考えるとおかしい)ということらしかったが、日本へはソ遠の凍った大地を越えてこないと来れないと夢の中で考え(行きのKEの印象からだろう)、どうもムリのようだと夢の中で自覚したのが更におかしかった。
こういうのをホームシックというのだろうか。ようやくスペインでの半分だというのに、もう? まさか、ノスタルジアという程ではないと思うが。もっと楽しく生きることをめざそう。スペイン人のように。
・Atocha駅/Chamartín駅 …マドリッドの2大駅。前者が南方面。後者が北方面への電車の発着駅。東京駅と上野駅みたいな感じ。
・失敗談 …ここでの私は素直に、その話に感心しているが、今読むと、この彼って、単なる大マヌケ野郎なのでは…?という気が。
・取り替える …服は自分で洗って部屋に干していたのだが、ズボンは一日では乾かないので滞在しない限り洗えず、ずっと気になっていたのだった。バルセロナでようやくクリーニングに出した。
・ノスタルジア …ノスタルジアは死に至る病。といった趣旨の言葉がタルコフスキーの「ノスタルジア」に出てきたと思う。「まさか」とは、それを意識した台詞。
写真:1 Vasco, Cantabria, Madird, Toledo スペインの地図:small(日本語) small large