→ Toledo
朝、駅に行くと、いきなりToledo行きだけ、電光掲示板に何番線か表示されていない。いつ表示が出るかと思っている内に発車時刻の9:20を過ぎてしまう。9:26になってvía 5 と出たので、上のフロアーにいた観光客がゾロゾロと5番線に降りると、列車がやって来て9:29に発車する。やれやれ。
カスティーリャの赤茶けた大地を初めて実際に見て、なるほどと思っている内に、急行は、ほぼノンストップでトレドに着く。荷物が有るのでバスで街に入る。
Informationで、地図とhotelのリストを貰って歩き出すが、30秒後には既に迷っている。親の知人がトレドで迷ってhotelに帰れなくなり掛けた話を思い出し、納得する。とにかく、高低様々な細い道が入り組んでいて、法則性が全然ない。
宿を、とりあえず見つけた場所に決めてしまう。ダブル(しかし2人では狭い気もする)、シャワー付きで2500Pts。何となくポラれている気もするが、夜には満室の札が掛かっていたし、リストの上では一番安い方なので、まぁ悪くない選択だったか。
2泊と言ったが、しかし今日1日で主なところは見てしまった。明日と明後日、どうしよう。それにしても、このトレドという街は観光地という感じで、どうも感じが悪い。物も高いし。まぁ日帰りすべき場所なのかもしれない。
夕方会った日本の大学生(かなり外国に出ているらしかった)が、京都みたいな所だと言うので(彼は大阪人)、全然違うと言ったが、寺院の観光化ということに関しては確かにそっくりだ。しかし、こっちの教会はすごい金持ちだったのが良く分かる。金と権力。言わば俗のカタマリの頂点が宗教なのだ。まぁ、それは日本でもどこでも同じだけど。
そうだ、前にMadridの考古学博物館で突然閃いたのは、キリスト教というのは、非常にいい加減な(殆どデタラメな)宗教だったということ。だからこそ、このようなゴチャゴチャとした( ピクチャレスクな)物々がくっつき(建築、その飾り、そして教義)、それだからこそ、そのオリジナリティを求めようとする空しい努力から、あんなに排他的(極めて残虐な時も多かった)性格を待ったのだろう。まぁ別段、 独創的なアイデアではないが、現物を目の前にして初めて納得するということもあるわけだ。あそこでは、石に刻まれたラテン文字をみて、アルファベットは元々刻むものであったことが良く分かった。 スペイン語でも書く=escribir (→英語のscribe=引っかいて書く)だものなあ。
ところで、ここトレドはグレコの街。絵も沢山あるのだが、逆に有難みが薄れるというか、完全に観光資源化されていて、かえって白ける。プラドの方が、あるいは昔、上野で見たグレコ展の方が、グレコに近付けたような気がして、何とも皮肉。
さて、今日は初めて夕食を食べに行ったのだが(まあ850Ptsだから安いやつ)、外の広場には若者があふれていて、びっくりした。別に何をするというわけでもなく、集まってワイワイしゃべっている。この街にこんなにも若者がいたのかという位。11時前の今もその騒音(!)が部屋から聞こえる。娯楽がないのか、何なのか。 スペイン人の話好きには若干ついていけない。
今日で10日。スペインでの1/3を終わったことになる。正直言って若干、日本が懐かしい。正確には「日本の……」が懐かしくなる。……は、時によって違う。やはり私は軟弱な精神の持ち主なのだろうか。言葉が通じない中を移動するのは、やっぱりストレスがたまる。
(18)安い宿の探し方…今だに良く分からない
・グレコ …エル・グレコのこと。独特のバロック宗教画を描いた画家。大原美術館にも有名な作品がある。
・夕食 …いつも、mercadoやスーパーで買った、生ハム、チーズ、パン、果物、ジュース等だけで済ませていた。夕食を「外食」したのは、だからこの日が始めて、ということ。
写真:1 Vasco, Cantabria, Madird, Toledo 観光案内: トレド トレドの地図(PDF) スペインの地図:small(日本語) small large