空の蒼さを 見つめていると
例によって、また妙なドラマを…>「美の巨人たち」 まぁ、言わんとする趣旨は分からなくもないですが。
今月見た、NHKのドキュメンタリー。といっても、1とかは作っているのは外国の放送局ですが。
1.「地球ドラマティック」。NHK教育+19時からの放送+渡辺徹ナレーションということで、何となく子供向け番組っぽいですが、意外と馬鹿に出来ない感じの番組。
今月見たのは「ムーミンの世界」と「ストラディヴァリウス〜究極の音色を求めて」。前者は、トーベ・ヤンソンが白紙に、ムーミンをすらすらと描いてみせる映像が何と言っても貴重。そう描けばいいのか!
日本でのムーミンの2回のアニメ化の様子を、かなり時間を割いて紹介していて(ムーミン谷はキリスト教徒ではないのでクリスマスツリーの上に★を置かないことが、なかなか当時の日本人スタッフに理解されなかったとか)、フィンランド(のドキュメンタリー番組)から見れば、遠い東方の日本こそが一種のファンタジーの世界に見えるのかも、とふと思ったりした。
後者は才能有る(らしい)十代の若者が、自分の理想の音を求めて、各地のストラディヴァリウスを訪ね続けるという話。大家ならともかく、新鋭の若手が何億もするストラディヴァリの名器をいつも演奏するためには、大富豪のスポンサーを見付けるのが必須になるらしい。演奏者が名声を得れば、経歴を経た楽器の値段も上がる。つまり、使用することで(富豪が購入する)楽器の価格を上げる「投資先」として自分を売り込むということ。なるほど、どの世界も動かすのは、才能と経済なのね…
2.「プロフェッショナル 仕事の流儀」。(毎回紹介される)ピンチを切り抜ける成功物語といい、スタジオでのトークといい、田口トモロヲを引き継いだかのような粘着質系のナレーションといい、明らかに、「プロジェクトX」の遺伝子を受け継いだ番組で、あの番組が大の苦手だった私としては、これも敬遠気味だったのだけど、興味があるジャンルの人の回の場合は、まぁ、素直に面白いです。
今月見たのは指揮者・大野和士の回と庭師・北山安夫の回。前者の回は特に格好良かった。リアルのだめ(千秋)的な凄さにぞくぞくする。こういう、色々な国の人を説得することが不可欠な世界だと、英独仏伊が喋れることなど当たり前なんだな、と音楽以前のことで感心してしまう、至って凡人な私。音楽家だから耳が良い、ということは有るのだろうけど。
3.「知るを楽しむ」。好きな題材の時だけチェックしてしますが、今回は江戸の博物学の話題と言うことで見逃せないと思って。
「江戸のなんでも見てやろう〜絢爛!博物誌の世界」。3回目の尾張藩士・内藤東甫による「張州雑志」百巻の図は凄かった。いつか、この辺の図鑑をまとめて展示してくれる展覧会が開催されないものか。4回目(未放送)の川原慶賀は、以前に十分に熟視する機会があったので良いのだけど。
有給消化日としての休日。雑事を幾つか済ませるついでに、「志野と織部」@出光美術館にも。
出光美術館らしく、志野・織部のやきものには橋、垣、籠目、吊し…といった(俗と聖、此岸と彼岸の)「境界」を示す模様が多いという、意外な着目点からの展示。少なくとも、私は今までそういう観点から、志野(に限らず)のやきものを見たことが無かったので、なかなか刺激的な内容でした。その妥当性についてはよく分からないのだけど。でも、確かに、志野といえば、網目っぽい模様が付きものな気はする。
陶磁器展ということで、陶磁器コレクションが有るらしい「マスプロ美術館」(というのが有るのも初めて知った)のチラシが置いてあった。「面白い 分かり易い説明の」美術館というのが売りらしく、チラシの鍋島の字の下に「高級車40台位、買える」と書いてあるのは笑った。志野に関しては「志野は火色があるものが人気 この火色を凌ぐものあらば、宇宙でも出かけたい。」と壮大なことが書いてある右に、「当館見学料¥800、安いもんです。」と続けていた。いや、まぁ、「宇宙にでも出かけたい」人から見れば「安い」もんなんだろうけど、関東人にとって名古屋まで行くのは(精神的に)結構ハードルが高いです。京都に行くより遙かに大事、…ってそれは私だけ?
今週のTV番組表を眺めていたら、明日(2/24)の「美の巨人たち」って…、おおっ、パノラマ・メスダフではないですか!(番組ではパノラマ・メスダグと表記しているけど)
こういう風に、自分が実際に見てきて面白いと思った、ややマイナーな絵(施設?)が取り上げられると、ちょっと嬉しい。まぁ、あればっかりはその場に立ってみないと駄目だとは思うのだが…
参考までに、3年前の旅行時の日記と、マノラマ・メスダフの公式サイト(←絵が一周するスクリーンセーバーも有り)
歌劇場来日公演のチケット購入話、の続き。
11月のドレスデン国立歌劇場。2/13の夜、ジャパン・アーツぴあの先行販売にて、11/23の「ばらの騎士」E席。本日の一般発売前に11/10の「タンホイザー」のD席、発売直後に同日のF席を購入。
こんなにあっさりと、発売直後に繋がるとは思わなかったから、今朝復活したD席をとっさに押さえておいたのに… しかし、つい同じ公演で2種類も取ってしまうとは。どうしよ。
D席とF席は値段で言うと、25千円と14千円。11千円もの開きが有るのだが、どちらも神奈川県民ホールの3階で、しかも1列分しか違わなかったりする。勿論、F席は一番最後列のしかも片側の一番端。D席の方はほぼ真ん中の席なので、舞台を見るという意味ではかなり違う筈なのだが、しかし11千円… 9,10月と散財が続いた後で、「ばらの騎士」と併せて4万超というのも個人的には予算オーバー過ぎるので、ネットで売るべきなのは、やはりD席? でも、「ばらの騎士」と「タンホイザー」のF席を売っぱらって、資金負担を減らしつつ、「タンホイザー」での満足度を少しでも上げる、という考え方もあるな…
NHKホールのF席(3階の一番端の席)は、まともに音が伝わってこない、相当に悲惨な席だった記憶があるのだけど、神奈川県民ホールだと、その辺どうなんだろう…
あと、実は今までヤフオク等で出品したことがないので、信用のないまま、無事に売れるか、その辺もやや不安。定価程度で出せば、何とかなりそうだけど。
久々に仕事の絡まない休日ということで(昨日は研修で出勤)、溜まっていた番組を一気に見まくる。個人的には1年弱溜まっていた「美の巨人たち」を一ヶ月掛けて、ついに在庫一掃出来たのが感慨深い。
「妖奇士」で、新キャラの土方歳三(子供時代)が野沢雅子だったのが、いきなりそこだけ「昭和のアニメ」な感じ全開で凄かったが、わざわざ超ベテランを当てたのは、何か元ネタでも? 新撰組関連は余り関心がないので、よく知らないのだが…
まとめて見たNHKのドキュメンタリー番組の幾つかについても言及しようと思っていたのだが、長くなりそうなので、その辺は次回ということで。
あと、Russell Hobbsの電気ケトル、先日、衝動的にぽちっとなと注文したのが、今週末に来ました。なるほど、すぐに沸く沸く。まぁ、電気ケトルなんで、それ以上のことは特にないのだけど、注ぎやすいし、便利便利。
先日の振替休日。(大したこと無いのに混んでいる、という話の)オルセー美術館展を平日の朝一番に見るチャンス、といつもと 余り変わらない時間に家を出た。展覧会を午前中に見た後は、風がひどくなる前に戻ってくることが出来たので、(自分としての)休日で良かったのかも。
「オルセー美術館展」@東京都美術館。
予想通り混んでいない状態で見られたせいもあるのだろうけど、それなりに意欲的な構成で、(思ったほど)必ずしも悪くはなかった。ただし、美術館(オルセー)の構成意図と、観客の「オルセー美術館展」に期待するものとの間にかなりの齟齬が生じているのは否めなかった。口悪く言えば、いつも通りの羊頭狗肉と見られても、仕方ないというか。
要は、横浜美術館が以前、開催した2つの「風景表現の近代展」(感想1,感想2)等と同じような問題意識で、社会の近代化の中での美術表現の変化を、ジャンル横断的に捉え直すといった感じの展覧会だと思うのだが、 踏み込んだ解説が無いので、絵が借りてこられない分、ピンボケ写真で水増ししたんでしょ?という程度の印象にしかならない。
19世紀後半のフランスの芸術家の「楽園」が、「ここではないどこか」にある筈の様々な時空であったように、普通の日本人にとって「オルセー美術館」が「ここではない」「楽園」であり続ける以上、「オルセー美術館展」も毎回、「楽園」への幻想と失望が繰り返される展覧会になるのは仕方ないのかもしれないのだが…
点数はどうせ少ないんだから、もっとテーマを絞り込んで突っ込んでくれれば良かったのに。絵で分かる画家交流史なんて要らん。
それだけで帰るのも何なので「悠久の美」「マーオリ—楽園の神々—」@東京国立博物館もついでに。
どうでも良いけど、古代中国(の青銅文明)とか、今の日本のデザインセンスと大幅に異なる文化を見る度に、設定に取り込んだ斬新なアニメを誰か作るべき、とか考えてしまう(貧乏性な)私。ちなみに、古代中国は多分、ロボットアニメ向きだと思う。マーオリは… ちょっと難しいけど。
帰りに平成館の1Fを覗くと、ボードに挟んだ地図を渡される。後で分かったのだが、「発掘へんろ―伊豫編 史跡案内」という解説時間に、足を踏み入れてしまったらしく、行き掛かり上、他の十数人に混じって解説を聞かざるを得ないような雰囲気に。解説の人(愛媛在住の研究者?)が、ここは満潮時には沈んでしまうので潮干狩りの時期に行くと良いですとか、色々親切に教えてくれるのを黙って拝聴していた。
…まぁ、愛媛の遺跡巡りなんて、一生行かないけどな!と思いながら(^^;;
休日出勤日。
しかし、暖かい。もう春ですね。桜が咲く頃、というより散った頃の暖かさ?
仕事は予想通り、午後の割と早くに終わったので、勤め先を出てから、すぐ近所の漫画喫茶で、ジャパンアーツぴあのサイトでの先行予約をチェックするが、その時間だとさすがに休日のD席は残ってなかった。…2/18に 再チャレンジして、駄目なら縁がなかった、ということにしよう。
ところで、漫画喫茶に実際に入ったのって、実は「生まれて初めて」だったりした。思ったより暗いのね。ライトを付けないと、何だか真っ暗。…寝るための場所?
JR東海の「そうだ 京都、行こう。」の2007年春ヴァージョンは、『春のない国には、わたし、住めないかも。』ということで、「上賀茂篇」らしい。
ポスターは、賀茂川から見た半木の道の風景なんで、まぁ良いのだけど(元地元民から言わせれば使うのが遅過ぎる位)、TVCMの方に出てくる上賀茂神社って、桜の樹なんて大してないじゃん。JRのツアーのパンフをたまたま見ていたら、あの尖った2つの立砂の奥に桜が写るよう、望遠レンズ &凄いトリミングをしていて、無理があるにも程がある!と笑ってしまった。
TVCMの「上賀茂神社篇」に流れる「しかし…困ったぞ。私はもう春のない国には住めなくなりそうだ」というナレーションが、「しかし…困ったぞ。来年はもう取り上げてない桜の名所が思い付かなくなりそうだ」という制作者の心の叫びに聞こえてくる気がする んだけど、それって、私の気のせい?
「MAYUKO@ゆうまおバースデーライブ」@吉祥寺STAR PINE'S CAFE。
先週の某イベントにて召還されたからという、最近の自分にしては珍しい、行き当たりばったり的なライブ参加だったけど、思った以上に良かった。「ゆうまお」と比べて「MAYUKO」の方が、インディーズというか、よりパーソナルな曲という感じで 、個人的にはむしろ趣味かも。弾き語り中心のライブで、素敵な時間を過ごせました。おまけの「suaまお」ミニライブも互いに素晴らしい相方振りだったし(^^;
せっかくライブに参加したので、MAYUKO名義のCDを2枚、会場で購入。帰りの井の頭線で、ふと鞄を開いてみたら、何故か2セットずつ入っていた(^^;; あれ? 販売スタッフ(2人)からCDや特典を受け取る際に、間違えてCDも1セットずつ受け取ってしまったらしい。返送するのは、事務所宛で良いのかな…
秋の海外歌劇場来日公演のチケット購入速報。
10月のベルリン国立歌劇場。プレリザーブ →10/14の「トリスタンとイゾルデ」D席のみ○ プレオーダー →全て×
「モーセとアロン」も取る(獲る?)べきか悩んだが、3ヶ月連続の来日公演ラッシュの中、10月だけで5万円超は辛いので、本日の一般発売はスルー。それでも、発売開始時に眺めていたら、休日分は瞬く間に売り切れていた。プレリザーブでちょうど1公演だけ取れて(NHKホールだけど)、結果的にはOKだったのかも。「トリスタンとイゾルデ」は来日公演で一度観てみたかったし。
次に9月のチューリッヒ歌劇場。ローソンチケットのLEncore会員先行で、本日正午に「椿姫」「ばらの騎士」とも土日(9/1,2)のD席を確保。
年会費が掛かる会員カードを敢えて事前に申し込んでおいた狙いが当たった感じ。ローソンチケットの会員層とオペラを見に行く層は、両者が余り重なっていないらしく、楽勝 だった(夜になってもまだ殆ど残っていたりする位…)。先行抽選なら、@ぴあ、e+、CNプレイガイドと沢山有るのだけど、もし複数当選したら、それはそれで面倒だし。一番有り難いのは一般発売日(2/24)の予定が一日空いたこと。実は個人的に連休だったりする週なので、何か有効に使いたい。ともあれ、自分的には 絶対見ておきたかったチューリッヒ歌劇場が何とかD席までで確保出来たのは良かった。
残るは11月のドレスデン国立歌劇場。2/11のジャパン・アーツぴあ先行販売で決着を付けるのが一番確実なのだが、あいにくとその日は15時位まで休日出勤なのだった… かといって、2/18の一般発売では、ジャパン・アーツぴあでの電話予約以外、D席以下の発売は無いようだし。電話予約に「勝った」ことって殆ど無いんだよな… かといって、現地のゼンパー・オーパーで3千円台で堪能した歌劇場の公演を、3万円以上も払ってみる気にはとてもなれない 。
う〜ん、先行発売日の15時過ぎでも、D席位なら買えるかな。それなら「タンホイザー」だけ取るとか。本当は「ばらの騎士」対決(6月の新国立劇場と併せて今年3公演!)比較をしたいのだが…
ところで、昨年末のボーナス以降、まとまった買い物をしていないこともあって、(チケット代なら羽が生えたように飛んでいくが、それは置いといて)この際、 何か電化製品を購入して、日々のQOLを向上させたいという欲望がふつふつと。…年末以来の仕事で、ストレスがいい加減、溜まっているのかも、私。
現在、頭の中で「欲しい」信号が点滅しているものは幾つか有って、その中の一つが「電気ケトル」。普段の生活で何が重要かと考えると、食事以外では、お茶(紅茶以外も含む)だと思うので。
いや、勿論、お湯を沸かすにはやかんを火に掛ければ良いわけだけど、一杯飲むためにそれも何だか面倒だし、と電気ポットの余り新鮮で無い、熱湯でもないまずいお湯を使ってしまっている堕落した毎日。紅茶好きとしてはこれではいけない。そこで、思い出したのは、(英国とかの)ホテルに行くと、必ず置いてあるあれ、あの電気ケトル さえ有れば、万事解決では?
で、色々調べてみたのだが。…結局、Russell Hobbsの7100JP(Amazon)しか無いかなと。
「電気ケトル」って、日本ではニッチな商品なんで、沢山の種類を出しているT-Falの一人勝ちみたいな世界なんですが、ホテルで置いて有るものを使うならともかく、わざわざ自分で買うのなら、プラスチック 製は論外。内側が全てステンレスでしかも大きすぎないもの、しかもデザインが悪くないものというと、これ位だった。本当はもう一回り小さい型が有れば、もっと良いのだけど な…
昨日放送の「カノッサの屈辱2007」(携帯電話の歴史)。
それなりに懐かしかった。代わり映えはしないけど、元々の放送も途中からマンネリズムに陥っていた覚えがあるので、まぁこんなものかと。しかし、基本的に「大AU帝国」だけから展開したネタだな…
ところで、昨年はドイツへ旅行する前、ドイツ史を(新書程度だけど)数冊の本で復習したところ、歴史上の「カノッサの屈辱」の話も出て来た。
読む限りでは、歴史上の変換点という意義は余り無い事件に思えたが(聖職叙任権闘争の中で、当時の皇帝が、教皇に破門を解いて貰うための許しを請うたのが「カノッサの屈辱」だけど、後年、同じ皇帝がローマを包囲し、教皇は命からがら逃げ出したとか、そんな話なので)、何で教科書等に取り上げられているのか不思議。「歴史的事件として後世で取り上げられてきた」こと自体に歴史的意義がある、という奴?
ベルリン国立歌劇場のプレリザーブは「トリスタンとイゾルデ」のD席のみ当選。むー、NHKホールか… e+で他の日が当選していなければ行くけど。チューリッヒ歌劇場の先行抽選の方はどうしよう。抽選を申し込めるサイトが沢山有り過ぎるというのも別の意味で困る…
本日は、来週土曜の振替休日。来週の月曜(祝日)も出勤なのだが、その振替休日は2/14。休日出勤日と振替休日が、あみだくじのように前後している今月。
寒かったら、家に閉じこもってスーパーボールの中継でも見ていようと思ったのだが、思いの外、好天気&温暖だったので、普段なかなか足が向かない六本木地区の美術館へ。森美術館(会期中無休)、新美術館(火曜日定休)とも、月曜が休みでは無い美術館なのだった。
「日本美術が笑う」「笑い展」@森美術館 → 「20世紀美術探検―アーティストたちの三つの冒険物語―」@新国立美術館。
森美術館、というか六本木ヒルズは再三言っているように、行きたくない場所の一つなのだが、「日本美術が笑う」は雪村、蘆雪、蕭白、若冲といったラインナップ、しかもアドバイザーが山下裕二となれば、行くしかないというか、それなりに期待してしまったのだが。
…う〜ん、悪くはない筈なのだが。余りにも想像通りで意外性が無かった。例えば、絵巻なら、この前の「放屁合戦絵巻」がぴったりなのに、と思っていたら、すぐ隣に暁斎のそれが出て来たり(^^;; 正面向きの動物なら、神坂雪佳の金魚じゃない?と思ったら、本当に展示されていて苦笑してしまったり。
「笑い」を縦軸にした日本美術展は「有り」だとは思うのだが、笑いとは何かという、企画者の明晰な視点が見えないので、全体に散漫な印象。
例えば、正面向きの動物画について、動物と向かい合うおかしさが説明されていたのだけど、正面向きというのは若冲の象も、蘆雪の牛も一種の宗教画だということが背景にあるわけで、本当は神仏である存在を卑近な動物になぞらえて描く、そのずらし方にこそ、おかしさが発生している筈。その辺の事情をはしょって説明しているから、絵柄の面白さだけしか理解が進まない。
美術に無関心な通りすがりの人の頭の片隅に、くどいほど出てくる簫白(次に若冲)の名前を刻み付けようという程度なら、意味があるのかもしれないが、些かでも馴染みがある人に更なる衝撃をぶつけようという本気さ(例えば、千葉市立美術館での雪村展の時のような)は余り感じられなかった。点数も少ないし。
展示替え情報が会場内に全くないというのも、まともな美術館としては有り得ない感じ。ショップの店員さんに聞いたところ、「決まっていないが、3/20頃に30点位」とノートを見つつ答えてくれたけど、展示替え分は良いやという気分に。サイトを改めて見たら、展示替え情報は載ってはいたけど(前々から有ったかは疑問)。
「笑い展」は真剣に見れば、得るところもあるのかもしれないが、その気力が沸かず。笑えない素人芸を延々と見せられているようで。ぴんと来たのは、鳥光桃代のジオラマ位?
昼にヒルズに来たのは初めてなので、展望台も一応、再度一周。上から見ると、あそこもまだまだ地上げできるな、と大手不動産業者の心境になってしまうのは不思議。下界を見渡していたら、近所のテニスコートで練習している人達が輪を描くように連なって、ぐるぐるランニングしている様が、すごくおかしかった。
上から見ると「笑える」ものが有る! 多分、これは「理解」という「笑い」なのだと思う。上から見た時だけ、人が作る「円周」が見えてしまうおかしさ。笑いには「他人より知識上で優位に立つこと」という側面が有ると思っているのだけど、上から見ることはまさにその視覚的なバリエーションの一つだった。神の 目の笑いというか(あるいはムスカの笑い?)。
せっかく森美術館で「笑い」展をやるのなら、そういう「笑い」だけを集めてみたら良かったのでは?
…ええと、森美術館に対する不平不満が長くなったので、新国立美術館については後日(^^;;
本厚木hoteiyaでの「あさっての方向。」DVD発売イベントに参加。作品もさることながら、「あさラジ」のパーソナリティとしての主役2人のトークを聴きたかったので。
こういう(手渡し系の)イベントに参加するのは、すごい久し振り(多分、関西在住以来)だったので、自分の中でも葛藤が有ったり無かったりしたのだけど、それとは関係なく、 (OPの人とEDの人も加わった)トーク自体は面白かったので良しとします。
ベルリン国立歌劇場来日公演のEF席。プレリザーブは勿論、一般発売にも敗北。
う〜ん、向かうところ負け無しだった昨年のツキはもう戻って来ないのかも… もっとも、最初に一瞬の判断ミスが無かったとは言えないのだけど。チャンスは二度は無い、と若本元総理も言ってたことだし(誰。でも値段さえ上げれば、チャンスは三度目も有るのだった。一つに絞ってD席までなら、という方針でプレリザーブ入れ直し。万が一複数当たったら、その時に考えよう(基本的には売り飛ばす方向で)
今週は寒い日が多かったこともあって、心と体が温泉を求めてる!(特に首回り)
というわけで。週の後半は毎晩、日帰り温泉関連のページを見ては計画を練っていた(^^;; 2/4の午後には、本厚木まで行く用事があるので、そのついでに鶴巻温泉にでも行こうかとも思ったのだが、日曜の夜だと混んでいそうなので、当初の予定通り、本日決行。午後になってから家を出たので、行き先は最短時間で行って来られる箱根湯本、しかも駅から歩いて数分の「弥次喜多の湯」へ。
施設・お湯ともあっさりとした、ややスーパー銭湯ライクな雰囲気の施設だったけど、人が少なくてゆっくり出来たのは良かった。1時間弱、半身浴していたら、足がもの凄く暖まった。数時間経った今も全身の動きが滑らかなまま(笑)。やっぱり、温泉は良いなぁ。往復交通費1900円+入浴代900円だけでこれほど効果絶大なら、もっと通うべきかも。当たり前だけど、1時間マッサージを受けるよりずっと効果大。
国立科学博物館では、3月から「特別展 花 FLOWER 〜太古の花から青いバラまで〜」という展覧会を開催予定とのこと。
宝石の次は花か。女性客層を呼び込もうと、相変わらず必死だな(藁>科博。
と第一印象はまぁ、そういう感じだったわけですが、実のところ、「花」だけでは括りが広すぎて、どういう展覧会なのかよく分からない。とりあえず、サントリーブランドの「青いバラ」が一番の目玉のようですが。園芸品種の歴史は科学技術の発展と共に。悪魔のような品種改良を繰り返してこそ、花の美しさは増していく。という調子の展示なのかしらん。
「翡翠展」や「パール展」もそれなりに興味深かったので、都合が付けば行こうかと思うけど、結構混むかも。関連イベントとしてのいけばな展示を八つもの流派が1,2週間交代で行うとか、大人の事情を色々と想像させる企画だし(八流派間で不公平感を与えない−流派によって明らかに展示期間、時期に差が付けられてはいるーというのも有るんだろうけど、お師匠さんの展示には弟子は皆行かないといけない世界だから、それだけでかなりの観客動員が確保される筈)。
行くなら金曜夜だろうなぁ。金曜夜には最近恒例の?金曜限定ペア得ナイト券なるものが有るようで、「金曜午後5時から午後7時30分までに男女問わず2名同時入場」と、その男女差別をしない姿勢は素晴らしいと思うものの、仮に大の男2人でこの券を購入して入場したら、と想像すると、すごく切ない気分に陥るのは何故だろう。やっぱり、「ペア券」という名前がいけないのか。しかも、「花」だし。
後援に何故、スウェーデン大使館?と思ったら、「リンネ2007」の一環としてらしい。リンネ生誕300年ですか。普段縁がない名前なので、つい「輪廻」と変換してしまいそうに。どんなイベントだよ>「輪廻2007」
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ週間の続き。「花の魔法、白のドラゴン」の再読まで終了。これはやはり、「バビロンまでは何マイル」の後に読むべき作品だった。内容を殆ど忘れていたので、新鮮には読めたけど。
改めて読むと、主人公の一人ニックが自分のことを「自分本位」と言っているのが、他人事には思えなかった。私にも割とそういう傾向が有るので。職場でも「他人に興味がないらしい」とか時々言われてるし(^^;; いや、まぁ、半分くらいは否定しませんが…