空の蒼さを 見つめていると


2005年 2月

2/27

 「新日曜美術館」での「おたく:人格=空間=都市」展の特集。

 思ったよりもきちんと紹介していたけど、それだけに、山根基世アナがもっともらしく肯いてみせたりするのが、妙におかしくて。見ていて、笑いを堪えるのに苦労しました。あと、NHK的にはどこまでがOKでどこからがNGなのか、色々邪推出来たのが興味深かったかと。

 

 実は、今週に遅ればせながら冬休みを取得予定。というわけで、(無事に取れれば)水曜から5連休。出来たら、どこかに旅行にでも行きたいところだけど、今の時期って、(河津桜以外の)桜はまだ咲いてないしなぁ(当たり前だ)。

 この寒い中、敢えて行くべき場所が思い付かない。京都で何かを見てくるというのも有りだけど(若冲展も有るし)、桜・紅葉以外の季節に、観光のためだけに京都に行くというのは、(元地元民としての)私の中の価値観としては未だに許容し難いところがあるわけで…

 まぁ無理に旅行するより、都内で「おたく」展でも見ていた方が良いかも。…それで良いのか?>私

 

2/26

 昨日、国立博物館の敷地を、「警視庁」の腕章をした人達が十人以上もうろうろしていたり、博物館のバッチを付けた人達がこれまた何人も、そわそわした表情で閉館間際の平成館の中に意味もなく突っ立っていたりしたので、ははあ、誰かVIPと呼ばれるような人物がこれから来るのだなとは思っていたのだけど。

 帰って日経(唐招提寺展の主催者)を見ると。ああ、なるほどね

 

 大久保さんの「読書日記」で言及されていた日本橋高島屋6階画廊での「天野裕夫展」が面白そう。こんな感じの作品を作っている人らしい。

 「美の巨人たち」での長谷川りん二郎「猫」。いつか「猫」がある宮城県美術館には行くとして、他に彼の絵を所蔵している美術館って無いんでしょうか。あと、探偵小説の作者としてのペンネームが地味井平造、というのも覚えておこう。

 

2/25

 今月前半に休出した分の振休日。 ひどく寒い一日だったけど、これ位寒ければ却って空いているだろう、と夕方、上野まで出掛ける。

 

Art 踊るサテュロス  東京国立博物館 2005.2.19〜2005.3.13

 ようやく表慶館再開?と思ったら、ホール内に1点のみ展示。最近では珍しいかも。

 何せ1点しか無いので、ある意味、一瞬で見終わってしまうけど、像の周りを5,6周くらい(笑)ぐるぐると回っていたら、段々好きになってきた。人が集まっているのは顔の正面だが、私が思うに、ベストな位置は向かって左の真横、像から見て左斜め後ろからの眺め。

 男性像というのは、前からだと(女性と違って凹凸が無いので)余り面白くない、背中から太ももまでの筋肉、端的に言えば腰のラインがくっきり見える背面こそが一番の見所、と前から思っているのだけど、その意を強くした 美しさだった。いや、 特別、そんな趣味?は有りませんが…

 8百円の入館料は高いけど、次の中宮寺の菩薩像とセットで千円(=1体5百円?)と思えば、充分元を取れたような。結局、30分はぐるぐる回っていたし(^^;;

 

Art ミュシャ財団秘蔵 ミュシャ展  東京都美術館 2005.1.27〜2005.3.27

 ネットで感想を探してみたら、皆「良かった!」なのに驚く。ミュシャ好きな人ばかり行っている、という感じ? 私はミュシャ自身は嫌いではないのだけど(プラハでの自由時間にまず「ムハ美術館」に行った位なので)、ミュシャ大好き!と瞳を輝かせて言うような人はどうも苦手。言い方は悪いが、「ミュシャ好きな自分」に酔っているような?

 

 お馴染みのリトグラフは既視感が強くて、特に感じるところは無かったのだけど、本邦初公開?のパステル画は曖昧模糊として、ちょっと面白いかなと。ただ優れているかというと、何だかよく分からないですが。

 サラ・ベルナールの「ハムレット」。背景装飾がケルト模様風。…ひょっとして英国の芝居だから? それって大雑把過ぎでは?  大体、「ハムレット」ってデンマークの話では?

 ミュシャは写真好きでもあったようで、彼の撮った写真のコーナーも。親交のあったらしいゴーギャンがピアノを弾く写真での、何故かズボンを履いてないその演奏姿に、「モンティ・パイソン」かよ、と突っ込みを入れたくなる私(^^;;

 ミュシャ(ムハ)というと、フランスでミュシャ風のポスターで売れっ子になった前半生と、故国で愛国心(愛スラブ心?)に満ちた油絵に力を注いだ後半生に、大きく二分されるわけで、後半生も生き方としては立派だとは思うのだけど。問題は、それらの油絵が取り立てて面白くも何ともない、というところにあるような。難しいものですね…

 

 出口まで来たら、ちょうど学芸員のギャラリートークが始まるところだったので参加してみた。トークの中で印象的だったものを紹介すると。

 「(パステル画を指して)むしろ象徴主義の画家として考えるべきかも」「人物より装飾こそ重要」 「様々な異国趣味を、装飾模様として上手く取り入れたのが当時受けた理由」「階段の前の壁を何にするか悩んで、ベルナールのポスターにした。(都美で一番良い場所なので )ここに何を置くかは今後も意識して見て欲しい」「『メディア』の縦書きの文字は浮世絵風」「(ポスターの制作では)元々少ないパターンを使い廻している」「描きたかった絵を最終的に描けたのだから、 人としては幸せな人生を送ったと言えるのではないか」

 「人としては」。「芸術家としての評価では」どうなのかと訊きたくなったけど、訊かずとも大体分かるし…

 

2/24

 eiga.com経由で知った川原泉「笑う大天使」映画化。

 今頃何故?とも正直思うけど、「ごきげんよう」なお嬢様学校という舞台設定は、現在の方が納得され易くなっているのかも。

 ロケ地のハウステンボスはサイト内に撮影日誌のページ(2/22に川原泉のインタビュー)まで開設してPR中。経営再建に向けて色々大変なのだな(と穿った見方しか出来ない私)。

 

 ちなみに、「笑う大天使」に関するトリビア。

 本編としての中編(今回映画化される分)+外伝としての後日談3話(短編)という構成に見える「笑う大天使」だが、最後の3短編こそ作者が元々描こうとしていた本編で、その前にキャラクター紹介をしておく必要から、中編をまず連載したというのが、実際のところらしい。何かのインタビューで、作者がそう述べているのを読んだ時はちょっとびっくりしました。

 

2/20

 今日は一日だらだらと。↓とかをぼーっと眺めたりして。たまにはこういうのも良いかと。

 

Art book  「熊谷守一の猫  求龍堂 (Amazon/bk1)

 この前、logos galleryに寄った際、隣のlibroの美術コーナーを覗いていて、つい購入してしまった本。

 いや、だって。熊谷守一の猫の絵ばかりを、約70枚も集めた画集ですよ? パラパラと捲るだけで、思わず笑みがこぼれてしまう。

 油絵の他、下絵も多く収録されているのが特色で、一本の線を引くより全体の感じを掴むことが主目的の下絵と油絵を比較すると、何気なく引かれているように見える輪郭線が実はきちんとリファインされた線だったということが分かったり、と新たな発見もあったりするのだけど、心地よく昼寝をしている猫達の絵の前では、そんなことは 、もはやどうでも良くて。

 見ていると、とにかく和みます。精神的に疲れることがあったら、この画集を開けば、いつでも心を軽くしてくれそう。

 

2/19

 岡本喜八監督の訃報。「助太刀屋助六」の感想をあのように書いた者としては、本当に残念…

 

 すごく寒い一日だったのだけど、横浜のヨドバシカメラまで。

 昨年11月購入したI AUDIOU2(1GB)が1ヶ月も経たずに !故障したため、先月修理に出していたのだが、戻ってきた旨の連絡が入っていたので、引き取りに。

 FMを選択すると電源がリセットされる(のでFMが聴けない)のが故障の内容。ファームアップで治りそうな気もしたが、せっかく保証もあることだし、と持ち込んだところ、戻るまで通常1ヶ月は掛かりますよと店員に念を押され、悩んだものの、それほど使用頻度が高くない冬の内なら(主に散策時に使用するので)1ヶ月位良いかと修理依頼したのが、1月12日のこと。

 で、店員が該当の袋を出してきて、U2に添付されていたメーカーの送り状を開くと。「当社からのキャンセル依頼が有ったので、修理未済で返品しました。」「未修理」との表示が。…はぁっ?何、それ? 1ヶ月預かっておいて、勝手に修理キャンセル扱いにして返品ですか?

 さすがにキレそうになるが、しばらく奥に引っ込んでいた店員が、「ウチからはそんな指示は出していませんが、修理出来てませんので」と新品に交換してくれたので、収まる。この辺は対応がちゃんとしてますね>ヨドバシ。で、交換したU2は今のところ、普通に作動中(当たり前か)。ファームアップしたいのだが、却って悪化したりしないか、ちょっと不安…

 

 ところで、ダイエー1Fにあった魔法のシュー横浜西口店って閉店していたんですね。いや、残念がっている人もいるのかなと。私自身は別にどうでも良いんですけど。

 

2/18

 スタッフサービスに電話を掛けたくなる理不尽さに職場で遭遇したので、精神上のバランスを取るため、とりあえず今日は仕事を定時過ぎに片付け、何かを見て帰ることにする。

 

Art ムットーニの部屋  LOGOS GALLERY 2005.2.11〜2005.2.17

 18:30からの上演会に参加。会場に来ていた約二十人(圧倒的に女性)の内、今回初めてなのは、私を入れてもわずか数人だった。熱心なファンが毎回来ているという感じ?

 「誰ピカ」(昨年、紹介されたらしい)を見ているわけではないので、実際に見るまで全然知らなかったのだけど、全自動からくり人形機械箱というか。作者が口上を語るところ含めて、なるほど好きな人は繰り返し見たくなるだろうなとは思った。勿論、誰にでも一見の価値は有るかと。

 ある意味、桑原弘明のscope展と共通するものがあるような。ただし、桑原弘明の「箱」が、永遠に固定された無人の景色なのに対して、武藤政彦の「箱」は、人形が動くことへの喜びが元になっている点が大きく違う。いわば、無人と1人(子供時代の、子供部屋での1人での人形遊びのような)の違い。

 あくまでも趣味の問題だけど、桑原弘明の「箱」の時ほどには惹かれず。私は何かを動かしてみたいという欲望より、時を止めてみたいという欲望の方が強いのかも。

 

2/16

 ここ2、3日、既に花粉症っぽい状態が続いているけど、花粉の飛散自体はまだまだ少ないんですよね… 本当に増えてきたら、一体どうなることやら。

 

Novel 西澤保彦 「異邦人 fusion  集英社文庫

 構成としては意外にも(ほぼ)真っ当な「時かけ」もの。しかし、カジシン的なファンタジーの甘美さは殆ど無く、あの「黄金色の祈り」と同種の苦さが全体の基調となっているのが印象的。なるほど、西澤保彦がこの手の話を書くと、こういう(苦い)話になるんだ、と妙に納得した。

 ただし、この分量だといかにも中途半端。時間逆行ものは、ディテールまで描き込んで長編にするか、アイデアだけで短編にまとめるか、どちらかだと思うんだけど。

 

Novel 西澤保彦 「転・送・密・室  講談社文庫

 神余響子は一体いつになったら出てくるのかと思っていた文庫版の読者としては、ようやくここまで(刊行が)辿り着いたというか。

 あとがきにも言うように、完結編への伏線らしきものがあちこちに散見されるので気になる。気になると言えば、<チョーモンイン>とその構成員についての設定が、「神余響子的憂鬱」と「神麻嗣子的日常」で明らかに矛盾しているとしか思えないのが非常に気になるのだが、それを含めての伏線、なんだろうか?

 というような疑問を恐らく2000年の時点でノベルス版の読者は散々考えたりしていた筈で、それから5年も経った現在でも完結していないのは、ある意味、驚きだ。

 シリーズの未読分はあと2冊か。この際、追い付いてしまうべきか、悩むところ。基本的にはシリーズものは同サイズで揃えたいし。

 

2/13

 最近流行りの「…寺展」、特にご本尊を間近で見られるのは今回だけ、みたいな謳い文句には常々疑問を感じている私だが、中宮寺の菩薩像が「後ろ姿もすてきです」と言われると、見てみたくなるのもまた事実。

 しかし、どうでも良いけど、このページの図解って、「何とか大百科」みたい。

 

 Novel。クリストファー・プリースト「魔法」(ハヤカワ文庫)。

 ファンタジーだと思って読んだのが災いして、何だか騙されたような(ハヤカワ文庫に?)思いだけが強く残った「奇術師」と違い、思った以上に楽しめた。「奇術師」「逆転世界」と読んで、その作風に多少慣れただけかもしれないが。いつも「変なオチ」とか「すごく変なオチ」(C.竹本泉)とかを最後に用意するのが趣味みたいな人なら、こういうのも まぁ有りかなと。

 …もっとも、この作品の場合、「変なオチ」というより、「心が広くないと許せないオチ」のような。

 

2/12

 Bunkamuraの会員優先予約で、ベルギー王立歌劇場来日公演「ドン・ジョヴァンニ」のE席を無事、確保。平日だけど。

 これだけで、この連休の目的は果たした気分。しかし、昨年末から、気が付けばモーツァルトの歌劇しか取っていない。モーツァルティアンとかそういうわけでは全然無いのにな。

 

 午後は、「王の帰還」の本編を一気に観る。疲れた(^^;; 依然として風邪気味の時にすることでは無かったかも。

 今回のSEEでは新たに決定的な場面が追加されたというより、丁寧に繋ぐための場面が増えているという印象。結局、セオデン王はいよいよ格好良く、デネソール侯は相変わらず良い所無く終わっていた…

 

 美の巨人たちは、長澤盧雪の「虎図」。良いですね、盧雪。いつか串本まで見に行きたい。

 

2/11

 前半は忙しく、後半は(今流行りの)頭痛がする風邪気味、ということで、気が付けば全く更新することもなく週末。

 軽い内に治そうと、今日は一日、部屋で養生。せめて、先月読んだ菅浩江だけでも書いておくと。

 

Novel 菅浩江 「メルサスの少年  新潮文庫

 勿論、後で復刊された徳間デュアル文庫版(既に絶版?)ではなくて、最初の新潮文庫ファンタジーノベルシリーズの方。

 などと偉そうに言ってはみたものの、昔、ブックオフで100円で購入した本だったりする。確か、鹿児島で。しかも、今頃になってようやく読んでいる私。

 良くも悪くも、当時のOVAのような内容。「ウィンダリア」とかあんな感じの。別世界の脳天気な少年少女が主人公で、世界の危機がいきなり訪れて、でも能力が開花した主人公がとりあえず救って、だけど本当に大変なのはこれからだ、まで1時間、みたいな急展開。

 当時の日本のファンタジー小説でよく見掛けたような文体は、余り好きになれず。蝶の羽を持つ女主人に代表される妖幻で華麗なビジュアルイメージが全てかも。草なぎ琢仁のイラストが素晴らしい。そういう意味でもアニメ化されていないのが不思議な位だけど、物語の舞台がメルルキサスという歓楽街である時点で、既に駄目だった?

 

Novel 菅浩江 「末枯れの花守り  角川文庫

 こちらは残念ながら最初のスニーカーブックスではなくて角川文庫の方。「これは、泉鏡花ではないか−」という夢枕獏の帯に釣られて購入したきり、忘れていた。

 まぁ、確かに。私も帯に一言寄せるとしたら、分かり易いコピーとして、そう書くような。でも、実際のところは、鏡花ではないな。あの美文調を再現しろとは言わないが、世界の広さが急激に歪むような鏡花の美しさとは無縁の常識的な文章。

 花好きの人を、この世の者ではない二つの勢力が自分の陣営に引き込もうとする、というのが毎回のフォーマット。どこか間抜けな悪役振りと言い、往年のタツノコプロのギャグアニメを見るような緩い気持ちで読むと、ちょうど良いのも。

 

2/6

 科学博物館の話の続き。

Art 翡翠展 東洋の至宝  国立科学博物館 2004.11.13〜2005.3.13

  翡翠に関する科学的定義から始まる辺りは科学博物館。というか、翡翠の定義はそもそも成分で、色ではないらしいのだけど。あと「翡翠」(カワセミ)と書くのは、ミャンマー原産の翡翠の外側が赤茶色で 、内側の緑との対比がカワセミのように見えるので中国でそう呼ばれるようになったとか、宝石となる石は世界で6箇所しか採れないとか、豆知識も色々。

 古代の日本が世界最古の翡翠(を使用した)文化だった、というのがこの展示の主眼らしい。翡翠というと中国のイメージだけど、歴代王朝が使っていたのは「軟玉」(ネフライト)で、翡翠(硬玉)の使用は清王朝がミャンマーでの採掘を開始する以降のここ3百年だけなんだそうな。知りませんでした。

 奈良時代の後、日本の翡翠文化が廃れてしまった理由については諸説あるようだけど、個人的には、古来の呪術的アイテムだった翡翠が社会的に排斥されたというのに一票。明治の廃仏毀釈同様。まつろわぬ民の象徴みたいなものだし。

 そんなわけで、会場には、日本古来の素朴な勾玉等と、故宮博物館(北京)からの豪華絢爛な装飾品。いつもながら、清王朝の文物は加工技術の凄さに溜息を付くと同時に、どうして高価な素材をキッチュな置物に加工してしまうかな、と別の意味でも溜息を付いてしまう。

 だって、時価幾らになるか見当も付かない大きな翡翠の塊で彫り上げるのが、白菜(と蟋蟀)の1/1模型ですよ?

 いや、まぁ、白菜が「百歳−1歳」という長寿を願う吉祥の造形であって、それを高価で堅牢な翡翠で作って贈るところに意味があったのだろう、とか意味合いは分かりますけど。でも、ねぇ… 白菜なんか鍋で食べておけば充分じゃんか。

 

 ところで、科学博物館の次回展示は(私には興味がない)「恐竜展2005」なのだけど、今秋の予定には「パール展−その輝きのすべて−」なんてものも。

 隣の国立博物館が仏教美術館と化したように、科学博物館は宝石展ですかぁ。まぁ、一定の観客層は明確に狙えそうですけど。それが果たして、国立科学博物館のやるべきことなのかという気がしないでも…

 

2/5

 アンソール展(庭園美術館)の情報を探していて、行き当たったのが、東京都の都立文化施設の催し。…へえ、都美術館では「アール・デコ展」をやるのか。V&A美術館企画による国際巡回展なら、内容的にも期待出来そう。

 都美術館のサイトには、いつの間にやら17年度のスケジュールがup済。相変わらず共催 メディアの宣伝の方が派手そうな企画が多いけど、と下まで見たら、来年1月に「バークコレクション展」の文字が。良かった、(日経に載っていた巡回先の)岐阜や広島まで行かずに済んで。

 

 会期も残り少なくなったので、国立科学博物館へ「翡翠展」を見に行く 。

 グランドオープン以後、新館に足を踏み入れたのは初めて。なので、「翡翠展」の後、館内を上から下まで、ぐるっと回ってみた。

 1Fの系統広場という、周囲の丸い壁に動植物の標本を嵌め込んだ区画を、でもそれなら「人間」だって展示しなきゃ「系統樹」が完成しないのに、と思って見ていたら、有りましたよ! しかも、「ヒト」として「展示」されているのは「私」 自身(^^;;

 つまり、そのコーナーを覗き込んだ人を正面のビデオカメラで撮り、「ヒト」の場所に置かれたモニターに映像として出すという。なるほどね、一本取られました。

 あと、興味深かったのは3Fの「たんけん広場」という、雑木林の風景を造木等でリアルに再現した一角。ここで「自然観察」をしてみよう、という趣旨らしいが、その倒錯振りは、星新一の短編にでも有りそう。で、今回一番強い印象を受けたの は、その更に奥、「大地を駆ける生命」という四つ足&鳥類の標本大集合のコーナー。

 大型野生獣の標本が一方向を向いてずらりと立っている姿は壮観で、美しくもあり、痛ましくもあり… 何と言って良いのか分からないが、とにかく圧倒される。ノアの箱船を標本で再現してみせるとこうなるというか。多様な生命の大切さなどという奇麗事では収まらない、むしろ人間の原罪を意識させられるような眺め(動物達が何かから逃げていくようにも見える)。

 と思ってしまうのは私だけかもしれないが、科博に行ったら、3Fまで上ってみることをお薦めします。定番の恐竜の化石(地下)とかだけじゃなくて。

 

2/3

 ずっと気になっていた「ムーミン パペット・アニメーション」(の一部)が、TV東京の深夜映画枠で今夜、放送予定なのに気付く。どういう感じの作品なのか実際に見てみる絶好のチャンス!

 

 天沢退二郎のオレンジ党3部作(及び短編集1冊)を読了。

 傑作と名高いだけあって、非常に刺激的な体験でした。再読した「光車よ、まわれ!」を含め、思い付いたことをこの際、覚え書きとして記しておこうかと思うものの、別ページに書くと本当に誰も読まないので(^^;; 実際に書くかどうかはまだ不明。まずは簡単に感想を書いてからかな?  あ、その前に、菅浩江の2冊の感想がまだ残っていたんだったっけ…

 

2/2

 「王の帰還」のSEE版がamazonから届く。予約したきり発売日も忘れていたので、 最初、何かの誤配送かと思った。

 とりあえずリーフレットをパラパラと。「旅の仲間」から伏線が敷かれたあのシーンはやはり追加されているのを確認、ほっとする。他は追加シーンのタイトルだけではよく分からん… というか、映像特典の中で、SEE版でも実現しなかった幾つかの未公開シーンが登場するという「最終章の推敲を重ねて」というドキュメンタリーの方が本編以上に気にな った。

 (少なくとも本編については)今週末辺り、観られると良いのだけど…

 

2/1

 前から話のあった、ヴェネチアビエンナーレ建築展日本館の帰国展。

 ようやく開催場所の東京都写真美術館に情報が掲載。2/22〜3/13(「前期」は違うので注意)。恐らく日本でも開催するだろうとは思っていたけど、向こうで無理に見なくて正解だった。遠くのベニスより、近くのエビス。