空の蒼さを 見つめていると


2005年12月

12/31

  大晦日。web上の日記では皆、今年1年の総括などをしているようだけど、それどころではなくて。何故か、今になっても、感想自体を必死に書いている私。怠け者の晦日働き?

 というわけで。「贋作・罪と罰」の感想を下に書いた他、展覧会の感想、12月の3件までをようやく終了。12月になってから書いた補完分を数えてみると、28件分。我ながら、自分で自分 を褒めてやりたい(^^;; ああ、でも、11月の旅行で見た展覧会(10件分)は結局、書けなかった… そういえば、7月の英国旅行なんか、旅行記自体書けてないし…

 で、結局、今年の総括。…は、まぁ良いか。来年になっても未補完分の続きを(多分)やる予定なので。

 

 

12/28

 NODA・MAP「贋作・罪と罰」@シアターコクーン。

 「赤鬼」のように可能な限り物を排した簡潔な舞台に、「走れメルス」 同様の贅沢な俳優陣を投入。前回までの試行錯誤が良い意味で、今回、統合されている、という印象。作品自体をストレートに伝える、という点でも、今回の演出は良かったと思う。あと、元の脚本も他の作品に劣らない出来と再認識。宝塚版が酷くつまらなかったのは演出のせい?

 主役・英の松たか子は置いといて(いや、悪くは無いですが)、段田安則と古田新太、二人の存在感だけで、観に行った甲斐が有ったという気分。特に段田安則の都はまさにはまり役。一方、古田 新太の才谷は、まさに古田新太そのもので(^^;;、最初から最後まで、もの凄く面白かったんだけど、しかし、最後まで引っ掛かったのも実はそこで。

 (あの宝塚版のTV上映を除けば)、この作品は戯曲でしか知らなかったのだけど、才谷と英というのはある種の表裏というか、才谷も英のように迷いを持った若々しい青年、というイメージで読んでいた。しかし、古田新太の才谷だと、人物に対する「安心感」が強くて。とりあえず、絶対「負けないだろう」みたいな感じ?

 まぁ、再演ということを考えれば、古田「才谷」も有り、だとは思うけど。というか、今回の再演の最大の成果が、才谷に古田新太をキャスティングしたことだったのは、間違いない。しかし、初めてこの作品を舞台で観る者としては、う〜ん、どうなんだろう…

 今年は余り演劇に注力しなかったので、観た作品は「走れメルス」、「メディア」「コクーン歌舞伎・桜姫」、そして「贋作・罪と罰」位。って考えてみたら、私が今年観たお芝居って、みんなシアター・コクーン?(^^;; あ、新国立小劇場で「城」も観た か。

 

 ところで、年末の押し迫ったこの時期にわざわざチケットを取ったのは、この作品は年明けに観るより、年末の内に観るべき作品だと思ったから。 その点については、思った通りの綺麗な終わり方で、年内に観ることが出来て満足。

 とはいえ、今日で仕事納めの会社も多いようだけど、昨日も書いたように、明日も明後日も仕事なので、今日のところは展覧会の感想だけ。11月分の最後(旅行を除く)、「川端龍子展」

 

12/27

 最終日(私らの業界は12/30まで有る…)の職場の納会の準備で、帰りに勤め先の近所のデパ地下(みたいな所)のフードコーナーで、寿司とかサンドイッチとかオードブルとかを発注。してきたのは良いのだけど、夕方の空きっ腹の中、ありとあらゆる食べ物が溢れているああいうフロアーを彷徨くのは、結構、辛いものが有った。

 これって、あの、仏教で言うところの「餓鬼」? 周りに食料が沢山あるのに食べられない地獄絵図(^^;; いや、どれも売り物なんだから買えば良いようなものだけど、余計なカロリーは摂取したくないし な…

 

 展覧会の感想は、11月分より「アール・ブリュット展」

 

12/26

 今年は年賀状に凝る気分ではないので、どうしても出さなくてはいけない(偉い人宛ての)1枚だけを印刷して終了。あとは、正月に来た分だけ、返事を出すことにしよう。

 

 「東京新聞」主催のイベント(展覧会)情報が大幅に更新。興味深い展覧会が多いですね。「イギリスの美しい本」とかジャコメッティの絵画作品とか面白そう。と見ていたら、川村記念美術館で来年夏に「パウル・クレー展」? 大丸ミュージアムで2月開催予定のクレー展と同じ、ではないですよね?? あちらは確か、60点位という話だったと思うので。

 川村記念美術館といえば、うちからは凄く時間が掛かる(片道3時間半くらい)ので、気分的にはシュバルツシルト半径の向こう側。よっぽどのことが無い限り、行く気になれない美術館なのだけど(良い企画展が多いだけにいつも残念)、久々の本格的な「パウル・クレー展」ともなれば、話は別。「雨の日曜日」にでも思い切って出掛けることにしたい。

 『だから今日こそは貴方が、どんな文句言っても良いから、私の大好きなクレーを見に行く』 (千葉紗子「日曜日のクレー」)。

 

 展覧会の感想、11月分より「プーシキン美術館展」

 そうそう、上の情報の話で書き忘れたけど、世田谷美術館の「ルソーの見た夢、ルソーに見る夢」もすごく魅力的な展覧会名だと思った。まぁ、タイトルの内、前者の方、つまりは借りて来ることが出来るルソー作品には余り過大な期待はしない方が賢明そうだが、後者の方には期待したい。ここも交通不便な美術館だけど、この展覧会なら行くので。

 

12/25

 展覧会の感想、11月分の(一応)3,4件目まで。

 この先の見通し(笑)ですが、2005年は泣いても笑っても(慣用句)今週一杯までしか無いわけで、11月の2つの旅行に関する分は流石に無理かなと。いや、だって、それだけで10件書かないといけないので。それ以外はまぁ何とか、年内には。12月分はやや微妙ですが。年賀状もまだ作ってないし。

 それにしても、来年は感想の作成については、もう少し上手いやり方を考えないと。会場でメモをきちんと取れば良いのか。でも、そうすると更に長くなりそうな気も…

 

12/24

 「桑原弘明展ーSCOPEー」@銀座スパンアートギャラリー。

  最終日ということもあって、会場は盛況で(と言っても7,8人だけど)、全部を見せて貰うのに少し時間が掛かった。今年の新作は既に完売とのこと。買いたいと思う人の気持ちはよく分かる。私も宝くじが高額当選したら、最初の使い道として、次の新作の予約をしたい位。とりあえず今回は、 ミニ写真集「スコープ少年の不思議な旅」(Amazon)を買うだけで我慢 する。

 今年の作品の中では、タルコフスキーの「ノスタルジア」の部屋を忠実に再現したスコープに感動。あと一番「欲しくなった」のは三鷹の天文台の内部を再現したスコープ。まぁ、宝くじにそうそう当たるとは思えないので、来年も年末には、どこかのギャラリーでの展示を忘れずに見に行くことにしよう。

 

 夕方からは、橘いずみワンマンライブ@Shibuya O-West。

 (自分が参加出来た)久々の橘いずみのライブだったのだけど、やはり、こうでなくちゃ、という 満足感と達成感に浸りつつ、完全燃焼して帰る。次は4/7にShibuya O-Crestの予定。

 ライブの前に少しだけ時間が有ったので、Book1stでComicsの買い物。をしようとしたら、Comicsの場合、(TOPカードで)割引が付く3千円以上にするには結構な冊数になるので、 荷物になる今回は取り止め。「 Landreaall」の7巻とか早く買いたい物は幾つも有るんだけど。

 代わりに、2Fでナボコフの「ロリータ」新訳と「マリみて」の新刊を購入。どういう組み合わせだよ、と自分でも思うが、購入予定だった内、2冊で3千円超 ということで。ちなみに前者は薄い紙、薄い表紙で思ったよりも軽い本だが、それだけに表紙がよく破けているので、買う時は注意した方が良いかと。

 

12/23

 寒いながらも天気は良いので、近くの丘陵を散策。いつもと同じ尾根道だけど、年末近くのこの季節だけは、そんな道を歩いている物好きも少なく、世間から切り離されているような感覚に陥る。周囲に見える住宅地の家々に代表される「普通の生活」が、こういうところを歩いている自分からは、ひどく遠いところにあるような気が して。

 

 展覧会の感想は11月の1,2件目まで。この先は…どこまで行けるのやら。

 

12/21

 今年に関してはもうそろそろ、展覧会を見に行くのは終了しようと思っているのだけど、「杉本博司 時間の終わり」を見に、帰りに六本木ヒルズに寄る。評判が良いようなので、会期終了前に行っておこうと思って。ここまで引きずったのは、勿論、出来ることなら近寄りたくない位、会場の六本木ヒルズが嫌いだから(^^;;

 展示は確かに面白かったけど、この時期ともなると、さすがに各種メディアで大体の内容は知ってしまっていて(最初の裏向きとか)、全体に新鮮な驚きは余り無かったのも事実。もう一つ位、最後に驚くことでもあれば、凄いと思えたんだけど…

 展覧会の感想、10月分(最初から1件のみ)。残すは11月、12月の2ヶ月分だけ! といいつつ、その11月だけで、(全部書くかどうかはともかく)実は18件も有るのだった。調子に乗って2回も旅行したために、気が付けば、こんな羽目に。何か、年が明けてもまだ「今年の感想」を書いている自分の姿が見えるようだ…

 

12/19

 展覧会の感想、9月の2件目、佐伯祐三展について。今年書いた中では、多分、最も辛辣な文章だと思うけど(展覧会に対して、ではない)、これでも一応押さえ気味の、素直な感想ということで。佐伯大好き!な人がもしいらっしゃったら申し訳ないですが、その場合、私は何も分かってない!と、むしろ教えて頂きたいところ。

 

12/18

 寒かったので(といっても、この辺は言われているほどでも無かった)、外出せずに後半の展覧会の感想を一気に目処を付けよう、と思っていたのだけど。

 結果的には、9月の「美しき日本 大正昭和の旅」の感想一つだけで終わる。というか、何この長さ? しかも、改めて読んでみると、その割に大したことは全然書いてないし。展覧会の最初から最後まで、各コーナーで面白いと思ったものを一つずつ書いていっただけ。なのだけど、そうか、抑制せずに書くと大体、この長さになるのか。自分でもびっくり。

 企画的には今年一番「面白かった」展示なので、これ位書いてもまぁ良いか、とは思うけど。残りはどれも、サクサク簡潔に(3行位で?)書いていかないとな。

 

12/17

 来年秋のローマ歌劇場来日公演のエコノミー席先行予約で、ダニエラ・デッシーの「トスカ」、レナート・ブルソンの「リゴレット」、いずれも確保。

 20分近く電話が繋がらなかったのでもう駄目かと思ったけど、繋がってみれば余裕だった。まぁ、本日の予約開始は、私も先日貰ったチラシで初めて知った位だし、情報が余り広まっていなかったのかも。エコノミー席(1万円)が取れなければ諦めるつもりの公演だった(その上だとD席(27千円))ので嬉しい。これで来年のオペラ観劇予定は以下の通りに。

 1/12 ゲルギエフ マリンスキー・オペラ 「ワルキューレ」
  1/14 ゲルギエフ マリンスキー・オペラ 「ジークフリート」
 1/28 新国立劇場「魔笛」
 4/23 二期会 「皇帝ティトの慈悲」
 6/11 ボローニャ歌劇場「イル・トロヴァトーレ」
 6/15 メトロポリタン・オペラ「ワルキューレ」
 6/22 メトロポリタン・オペラ「椿姫」
 6/24 ベッリーニ大劇場 「夢遊病の娘」
 9/26 ローマ歌劇場「リゴレット」
 10/1 ローマ歌劇場「トスカ」

 S席なら全部で4,50万は行きそうだけど、大半はE・F席と、実際にはかなりリーズナブルに確保。とはいえ、さすがに合計金額については余り計算したくないような領域に… まぁ、来年のどうしても観たい来日公演(で購入予定のもの)は大体、購入出来たかなと(シュトゥットガルト歌劇場「魔笛」が買えなかったのだけが残念)。あとは新国立劇場の公演を時間的余裕に応じて見に行きたいのと、9月のフィレンツェ歌劇場の来日公演「ファルスタッフ」「トゥーランドット」を取れるかどうか。

 ただし、来年いつ夏休みを取るかによって、7〜10月の観劇予定を調整する必要が。出来たら、来年までは夏休みに旅行をしようと考えているので。

 9月に旅行するなら、フィレンツェ歌劇場は無理だよなぁ(チケットを取ってもいないけど)。10月だと今回の「トスカ」は諦めないといけなくなるし(3連休と隣接する1週間を休みにしたいから)、かといって、7月では、6月の怒濤の観劇月間の直後で、旅行の準備が厳しそうだし… 7月といえば、7/2横須賀でのベッリーニ大劇場「ノルマ」も出来たら行きたいと思っているんだった。

 しかし、今から半年以上先の長期休暇の予定なんて決められないし、どうしたものか。ちなみに今回は、旅行の行き先(の方向)だけは既に決定済だったりする。ヨーロッパ内の見逃せない美術館が多い国を消去法で選ぶと、今回はここしか無いだろうということで。有り体に言えば、ドイツ。日程的に可能なら+スイス。

 今年夏の旅行も、それどころか昨年秋の旅行も、いずれも旅行記が全く書けていない状態で、次の計画を考えるのもどうかと思うけど、準備(というか計画)だけは少しずつ進めておかないと(また直前で、バタバタとする羽目に陥りそう)。

 

12/16

 係内の人の異動で慰労の飲み会。を断って、「李禹煥展」@横浜美術館の夜間延長へ。

 こうして職場の人間関係で、付き合いの悪い奴というイメージを上書きしていく私。でも、別の部署へ転勤、とかいうならともかく、その人が来週から行くのって隣の部屋だし な…

 あと書いてなかったけど、今週は「大アンコールワット展」@横浜そごう美術館にも帰りに寄っているので、いずれも、その内、(年内には)感想を書く予定。

 

12/14

 だったら、一刻も早く、そこまで値上げしてよ>喫煙者の半数が1箱500円なら禁煙。

 寒くなってからというもの、早朝の通勤途上で、歩き煙草をする輩が増えて、すごい迷惑です。

 

 展覧会の感想、7月分の3,4件目。何故か書き難くて、感想が止まる原因となった「フィリップス・コレクション展」 をようやく書くことが出来て、やれやれという気分。でも、先日の日曜に下拵え?しておいた分はこれで全て無くなったので、これ以降(9月以降)の補完は、開始するまでに、また少し日が 空きそう。

 

12/13

   今日も淡々と更新。展覧会の感想、7月分の1,2件目

 そうそう、ちょうどたまたま、垣下嘉徳「路上の芸術 マンホールの考察、およびその蓋の鑑賞」などという本を読んでいる最中だったので、今日の「マンホールの蓋の独禁法違反容疑」のニュース報道(asahi.com)にはちょっとびっくり。

 

12/12

 本日は小津安二郎監督の誕生日かつ命日。その全作品を観直そう、と思ってから既に2年が経過…

 

 展覧会の感想、今週はまだまだ更新を続けます。今日は6月の5,6件目。これでようやく、6月分までが終了。

 ここで改めて、5,6月に見た展覧会を数え直したら、その2ヶ月間で21有った。それでは、まぁ、感想が追い付かなくなるのも無理は無いよなぁ 。旅行の準備とかも有ったし…(と言い訳)。

 

12/11

 ふと「@ぴあ」を眺めていたら。「萌えぴあ」って何それ? いつ出来たんだ、そんなページ…

 

 昨年12月の展覧会を見て、すっかりファンになった桑原弘明のSCOPE展。今年も開催されないかと思っていたら、まさしく明日からスパンアートギャラリーで開催予定らしい(24日まで)。今年も絶対行こう。(「出版記念」ということで本も欲しいけど、それはギャラリーに行った時に買えば良いか。)

 

 今日は寒いので、部屋で、展覧会の感想の補完などを中心に。今月も少なくなってきたけど、出来るところまでは進めます。今日は6月の3、4件目をアップ。

 

12/10

 上野に行くついでに、横山大観「生々流転」@東京国立近代美術館へ。10月に前半部分を見に行った時、後半用としてもう1枚くれた常設展の観覧券を使用。

 一度くらいは見ておいても良いか、というのが今回の趣旨。大正時代の大観なので、さすがに気力は充実していた(40mの巻物を描く位だから)様子。というか、樹の一本一本といった細部まで思ったより丁寧に描いているなというのが第一印象。でも、神は細部に宿るというような凄さが、その細部にほとんど感じられないのも、大観らしい。

 会場の写真で見る限り、後半で盛り上がるように見えたんだけど、実際に見ると、後半はかなりスカスカな画面で、前半の上流、山猿(11匹もいた!)の辺りが一番面白かった。あと、前半・後半と分けて展示するというから当然、全部を展示するのかと思ったら、真ん中の何分の一かは展示せずじまいなのはどうなのかと(今回は無料で見たから余りとやかく言うのもどうかとは思うけど)。

 まぁ、良くも悪くもごく凡庸な作品であるのを確認。これが大傑作だったりしたら、(私にとって)どうでも良い画家の作品を改めて見直さなくてはいけなくなるところだった。これでいつ、大観展がまた開催されようとも安心して見過ごせるというもの である。

 もっとも、そういう凡庸な作品を40mも描いてしまう画家の神経はおよそ凡庸とはいえないわけで、その辺についてはまだ少し気にはなっているのだった…

 

 夕方からは、ソフィア国立歌劇場「オテロ」@東京文化会館。 

 個人的には、シェークスピアの四大悲劇の中で最も共感を感じ難いのが「オテロ」なので(大体、「嫉妬」というのは、その対象がいてこそ、初めて始まる感情だし…)、物語的には余り興味がないのだけど、それでも結構楽しめた。

 公演の印象としては、この前の「リゴレット」と大体似たような感じ。つまり、オケや指揮には凄いと思わせられるところは無かったけど、ガルージンのオテロには、なるほどこれがオテロの声なのかと納得。勿論、アンドレア・ロストのデズデモーナは前回同様の素晴らしさ 。

 今年最後のオペラ観劇だったけど、その締めくくりとしてはそう悪くなかったと思う。

 

 年内は、あとはサヴァリッシュ指揮の「魔笛」のDVDを、クリスマスにでも見て終わろうかと。などと考えたところで、ふと気が付く。マリンスキー・オペラの「リング」って、来年1月入って早々の公演じゃん。予習しておこうと思って ずっと前に買っておいたメットの「リング」4部作、全然見てないままだ…(「ラインの黄金」を1時間半位)

 やっぱり先に見ておいた方が楽しめるよなぁ。だけど、見に行く予定の「ワルキューレ」「ジークフリート」まで見終えるにはあと最低10時間は必要。正月休みに一気に観るという考えもあるけど、いきなりワーグナー漬けの正月というのも悪酔いしそうなので、止めておいた方が良さそう。かといって、毎日30分ずつ見るとかいうのも無理があるし… どうしたものやら。

 

12/8

 風邪は治ったようだけど(多分)、展覧会の感想は一向に進まず。本日追加するのは6月分の2件まで。6月分だけであと4件有るんですが…

 

12/7

 「ベトナム近代画展」@東京ステーションギャラリー

 色々と興味深い展示でした。漆絵、絹絵という技法面の魅力と、 社会にとって必要とされる絵画の変遷という内容面の、いわば両面に於いて。アジアでの近代化と伝統の、絵画表現における相剋。しかし、そこから洩れ落ちる部分のところにこそ、ベトナム絵画としての独特の魅力があるのでは、と思ったりも。

 

12/6

 「ネクロポリス」が2周目だとか、風邪が実はまだ治っていない、とかいうこと以外、特に書くことも有りませんが… 展覧会の感想は、5月分まで追加。

 

12/4

 この前紹介した東博の埴輪犬だけど、ミュージアムショップでも既に定番のアイテムらしい(artscapeのミュージアムグッズレポート)。まぁ、フィギュアは出来がちょっと甘い気がするけど… でも、「考古スタンプ」の犬は年賀状に押すのに良いかも。

 

 それはさておき。寒いので、結局どこにも行かず、の一日。代わりに、展覧会の感想の補完でも始めようと思ったら、書いていない展覧会の最初は何と3月に行った分だった。覚えてないわ、そんな昔のこと…

 せめてチラシだけでも見直そうとした結果、チラシの整理を始めざるを得なくなる。最近、オペラを観に行くようになってから、どかっと溜まるようになってしまい、放っておいたらチラシの山になっていたのだった。一時間掛けて不要なチラシをゴミ袋1袋分ほど捨てて、ようやく今年の分を探し出す。何だか下の方からは2002年の展覧会とかまで出てくる始末…

 中には、1991年の展覧会のチラシさえ2枚混じっていたけど、何故今頃そんなものが出てきたのかは不明。大体、この部屋には99年の初夏に引っ越してきた筈なんだけど。

 で、その整理だけで疲れ果てるという、有り勝ちなオチに。

 とはいえ、少しでも始めておかないと今年が終わってしまうので、補完用の別ページに3・4月分を記入。問題はこれからで、タイトルだけ先に書いてみたところ、残り33個…

 

12/3

 一日、部屋の中にいると、風邪が良くなったのか、自分でもよく分からない… 明日は、どうしようかな。千葉の「ミラノ展」と世田谷の「イスラム美術展」は遠いので諦めるとして、汐留の「ウィリアム・モリス展」だけは行くべきだろうか。

 

Art スコットランド国立美術館展  Bunkamura 2005.11.5〜12.25

 赤と紫の背景パネルでの区別や、ジャンルの整理の仕方等、展示方法のセンスの良さを感じさせる展覧会。(いつもと部屋の構成が違うのは不思議だったけど。スコットランドのグッズ売り場を長く確保するため?)

 全体の印象としては、前にBunkamuraでやった「ミレー3大名画展 ヨーロッパ自然主義の画家たち」と、割と重なっている感じ。ジュール・バスティアン=ルパージュの子供の絵が、一番人目を引くところとか。古き良き19世紀のヨーロッパの田園生活風景。水彩や版画が多いのはこの点数で?と思うけど、作品自体は悪くは無かった。地味だけど。

 そんなわけで、行ったことがなければ、なるほど、こういう美術館なのか。スコットランド絵画はこういう感じなのか、といかにも納得しそう。

 

 しかし、この夏、美術館を見た時の印象と、今回の展覧会の感じは全然異なるので、やや複雑。見たといっても、1時間しか余裕が無かったため、全部の部屋をとにかく、さらっと流した、という程度でしか無いのだけど、その時の印象は大体、以下の通り。

・ルネサンスから一通り揃っている美術館で、ビッグネームの作品も数々あるけど、コレクションとしての洗練さにはやや欠ける(寄せ集めっぽい)。
・印象派だけ妙に充実していて、そのフロアーだけは特に華やか。
・地下のスコットランド絵画フロアーは(肖像画の大好きな国民だけあって)やはり肖像画が多い。ただし、一部の画家を除くと、全体には余り上手くないかも…
・ノエル・ペイトンの妖精画が(大きいことも有って)目立っている。
・スコットランド絵画の中では、19世紀末辺りの装飾的な絵画にちょっと面白いと思ったものが幾つか有った。
・ティツィアーノの作品がやけに沢山有る。
・ヴェラスケスのリアリズム系の渋い作品が、ひっそりと掛けてあった。
・最後に入ったルネサンスの部屋も意外と良い作品が多く、特にボッティチェリが素晴らしい。これだけでも満足。

 今回の展覧会で展示しているスコットランド絵画は、親しみやすい風景画や子供の絵が中心。もっと、色々なタイプの作品が有ったのに。とNational Galleries of Scotlandを見たら、国立美術館全部のサイトになっていて、ONLINE COLLECTIONSが膨大過ぎ(^^;;

 その中で、向こうで気になったスコットランドの画家で載っていたのはJohn DuncanとかDavid GauldとかPhoebe Anna Traquairとか。あとは、妖精画のSir Joseph Noel Patonとか肖像画で有名なSir Henry Raeburnのスケートする宰相とか。

 一方、古典作品では、Sandro Botticelliの絵はこの聖母子像。見過ごし掛けたDiego Velázquez。Titianはこの5作品

 

12/2

 週の初めに「風邪引き中」と書いたのだが、あれからどうなったかというと。…実は今もまだ引いたままなのです(現在進行形)。

 こんなに長く引きずるとは… 腫れていた喉の痛みが無くなったので、そろそろ治り掛けかと思っていたら、今日になって日中、微熱が出てくるし。ぼーっと熱いので、洗面所で顔を洗うと、冷たくて気持ち良いという感じ。

 調子悪いので、と定時できっぱり退社するも、金曜の夕方を見過ごすのも勿体ないので、薬局でユンケルを飲んでから(…帰って寝ろよ)、Bunkamuraザ・ミュージアムに寄ってから帰宅。「北斎展」に行く最後のチャンスでも有ったけど、集中して見る気力は流石に無いので。「スコットランド国立美術館展」位なら、何とかなるだろうと。

 で、帰ってきた今の方が、昼間より普通に近いのは何故? でも、この週末、少なくとも明日一日は、家の中でじっと静養している予定。来週まで引きずるのは嫌だし。この土日で終了の展覧会で行きたいものも幾つか有るんだけど。まぁ、それは日曜朝の状態次第かな。