成田発、ヒースロー空港乗換、ダブリン行き。
成田までは電車。いつも通勤に使用しているのと全く同じ電車でそのまま空港まで行くというのはどうにも不思議。いや、元々成田行きなのだから当たり前といえば当たり前なのだけど。
旅行気分を盛り上げようと、携帯プレイヤーでルナサを掛けてみたりする。もっとも、車窓に広がっているのは、千葉の水田風景。空港の出発ロビーで、今回の添乗員の女性から、ツアーに参加する人の名簿を貰う。21名中、夫婦が一組いるのを除けば、大半が女性。…アイルランドは女性に人気の土地だったの? まぁ、ツアー名も「妖精神話の国」とか題されていたし。しかし、「妖精」はともかく、「神話」ならどこの国にだってあると思うのだが 。集合時刻に集まった人を見ると、40から60台の年齢層の方々。いわゆる「おばさん」の団体である。
飛行機はBA、即ち英国航空。今までの中では(というほど比較事例が無い)一番座席が豪華かも。機内食で紅茶用の牛乳を付ける辺りに、英国人のこだわりを感じる。
通路を隔てた隣席の高齢の男性。ビールをガバガバと2本飲み、なおかつワインを2本飲んでいたのだが、気が付くと3人分の席を占領してひっくり返っている。スチュワーデスが駆けつけて、起き上がるように言うが、完全に泥酔していて動こうとしない。しまいには乗務員の責任者がやってきて3人分払って貰うことになるとか空港でpoliceを呼ぶとか言って、do you understand?と念を押しているが、元より英語が分かるようでもない上、すっかり出来上がっているので、手を振って追い返すばかり。しばらく揉めていたが、ようやく起き上がってき たので、乗務員も去っていった。その後少しして、ツアーの添乗員がやってきて(騒ぎを後で聞きつけたらしい)、警察沙汰という話にまでなったことを本人に説明するが、反省の色は全然見えない。…というか、この老人、今回の同じツアー客?
前途多難、という言葉が頭によぎる。自分で自分の行動を制御出来ない、反省もしないような老人は、いっそ空港で逮捕されてしまう方が良かったのに、と真剣に思う。しかも、その直後、またビール飲んでるし!
時計を現地時間に合わせる。筈が、あちこちいじくっている内にパーペチュアルカレンダーの日付がどんどん進んでしまい、気が付くと一週間先の日付になっていた。…あー、元に戻らへん。大阪のように呟くほかない私。
前面の液晶では、こういう時でもないと観ないと思われる「モンスターズインク」を選んでみる。普通に良く出来たディズニー映画だと思うが、それだけ、という気も。私にとっては一番どうでも良いタイプの作品。ついでにいえば、CM(仕事)だとしても、こういう映画を絶賛してしまう人の映画評は、私にとって参考にする価値はないなぁ。…多分、傑作と呼べるアニメを見たことの無い、アニメに対する期待値が元々著しく低い人なのだろうけど。
ヒースロー空港へ到着。アイルランドへ行くエア・リンガス(アイルランド航空)用のターミナルまでバスで乗り換え。LookJTBのツアー客と乗り合わせる。向こうの年齢層はわ、若い(笑) 私のいるべき場所は向こうでは?と思ってしまう。でも、JTBのツアーは確かウェールズかどこかとセットで、アイルランド内が物足りなかったような記憶が。それにしても歩く距離が長い。1キロ近く歩いた末に、しばらく足止め。ダブリン行きの出発が遅れている旨、添乗員が説明していると、さっきの爺さんが「通路の真ん中にいると迷惑」「これだから日本人は…」などと言い出す。言っていることは正論だが、しかし、あんたが言うんか、あんたが! 人差し指を突きつけて、突っ込みたくなるのを必死で抑える。
夫婦1組と親子1組(老婦人とOL?)を除くとおばさんばかり、とは既に書いたが、それ以外の男性は私を除くと3人。全員1人での参加らしい。老人が2人、中年が1人。その内、中年(40台後半)の男性は、使い込んだ風のColemanのデイパックを背負って、Samsoniteのサブ バッグを手に持っている。ふむ。私の推理によれば、 持ち物へのこういった拘り具合、そしてその年齢で一人で参加しているところから、この人は恐らくアマチュア写真家に違いないよ、ワトスン君。
乗り換え後、夜のダブリン空港に2時間ほどで到着。通路の方々にvodafoneの色々なポスターが。その中でローミングサービスを紹介するコピー、「Madrid? What are you doing in Madrid?」が個人的にはツボに填る。これは日本語に訳すなら、絶対、関西弁。松岡由紀@あるみの声で、(呆れ果てつつ相手を問い詰める調子で)「マドリッド? 自分、そんなとこで一体何してんの?」という感じ 。空港は、アメリカからの?旅行客でごった返している。あ、「ごった返す」という言葉ってこういう時、限定のような気が。ホテルまでバス。一階には、レストラン、パブ、コーヒーコーナーと、飲食施設がえらく充実していて、もう12時近いのに非常に賑わっているが、さすがに眠いので、部屋で洗濯だけするとそのまま寝てしまう。
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