そして再び、書き始める…
成田→アムステルダム
小雨。昨年のアイルランド行きと全く同じ時間の電車で、成田へ。途中、完全に寝倒す。2時間後、起きてみると、人がほとんどいなくなった車内に、水田風景の車窓。
今回の飛行機はJALだから、第2ターミナルの方、つまり終点まで。(格安旅行券や団体旅行でなく)個人でcheck inするのは初めてなので、最初、 個人用のカウンターがどこか戸惑うが、check in自体はスムーズに(あっけなく)終了。個人だとこんなにも身軽なのね。
出発まで時間があるので、カフェテリアでカフェオレとアップルパイを注文、水を買ったお釣りの小銭を使い切っておく。向こうでは邪魔だし。
機内は日本人が多いが、全員というほどでもない。離着陸時に外の映像を前面のモニターで映すのは国内線と同じ。というか、他の国際線でやっているのを見たことはない(と言うほど乗ってないが)。あれは日本人的な欲望なのだろうか。
離陸時に、滑走路が混んでいるという理由で少し待たされる。後ろの席の兄弟(小中学生)は、窓から見える外の飛行機の機種を一つ一つ興奮して語っていた。飛行機オタク?
シート前方に個々のモニターが設置されていて、映画は「デアデビル」だったが、映画は見ずに、寝るか音楽を聴くかしていた。JALだけあって、邦楽のチャンネルが多 い。国際線に乗っているのに、子供向きチャンネルで本田美奈子の「明日のナージャ」とか、「現在のPOP」で椎名へきる! とかがイヤホンから聞こえてくるのは、何だか不思議。
へきるは「アーティストとしても声優としても活躍中」とナビゲーターが紹介していたが、それって皮肉?と思ってしまう。そういや、声優として出演しているのを最後に意識した作品って何だったっけ。もはや「ファム&イーリー」辺りしか思い出せないのだけど。
モニターではゲームも選べるのだが、今一つ操作性に欠けるのと、頭を使う気分でも無かったので余りやらず。ちなみに、前の席の若い男性は、飛行中ずっと、テトリス猿と化していた。
機内食は和食を選んでみるが、美味しくは無かった。日本の航空会社として、それはどうよ?と思う。ただし、食後に日本茶を持ってきてくれるのだけは良いところかも。と言っても 、私は日本茶絶対主義ではなくて、ちゃんとしたものを出してくれるのなら、むしろ紅茶の方が良いのだけど。
機内は思った以上に寒く、「こういうこともあろうかと思って」念のため持ってきたサマーセーターを着込んでようやく落ち着く(勿論、毛布は被っている)
トイレで煙草を吸った客がいるとして、注意のアナウンスが入る。どこにでも最低限の常識すら持ち合わせていない人はいるものだと思うが、迷惑なので止めて欲しい。
オールディーズのチャンネルで「ロングバケーション」が掛かる。今回は、まぁ、ロングバケーションと言えるのかも、と思いながら、着いてからの予定をガイドブック3冊を読み返し て確認する。
ちなみに、3冊はいかにも重いので、立ち寄る都市以外のページは事前に切り抜いている。とはいえ、3冊は多いだろ、とは自分でも思う。まぁ、一番役に立たないのを、途中で捨てれば良いか。あるいは、行った所を順次、捨てていくとか。
モニターには現在位置がデフォルトで表示されるが、あの地図の日本語表示は何故いつもおかしいのだろう。今までは、他国の飛行機だからそうなのか、と思っていたが、これも同じだった。セントピーターズパークとか、一体どこかと思ってしまう。普通、サンクトペテルスブルクだよなぁ。元が英語表記で統一されているとしても、現に漢字 表記されている地名だってあるわけだし、訳す時に日本語の地名表記辞書みたいなものと照らし合わせたりしないのか。
などと、(本当に)どうでも良い思い付きでも、今回は可能な限り、その都度、日記を付けるようにしようかと。あとで断片的なメモを文章に復元するのも大変なので。お陰で、半年前のトルコ旅行については、未だにメモ書きの状態に留まっているわけだし。
と思って、今までの所までを記入してから、またしても寝る。寝てばかりだ。
着陸時は、窓際の席なので、外を眺めてみた。アスファルトジャングルではないにしろ、一面の田園風景、というわけでもない。現代風の風車が見えるのがあえて言えば、オランダ的 ? 午後4時半頃、定刻より30分早く、日差しの強いスキポール空港に到着。
到着階に掲示されている、国立美術館のポスターの「Rembrant is here」というコピーに、ちょっとだけ感動する。
入国審査ではパターン通り、目的、日数それに滞在地まで訊かれた(多分、暇だったのだろう)。そこまで予期していなかったので、やや焦る。とっさにスラスラと答えが出ず、アムステルダム 、デン・ハーグ… と唸っていたら通してくれた。荷物を無事に受け取って、申告無しのドアをくぐると、既に出口だったのには驚く。まさに自己申告。
とりあえず、3万円両替し、アムステルダム・セントラル駅までの切符を窓口で買う。3.1Euro。下のホームに降りると、ちょうどアムステルダム行きらしい電車が来ていたので飛び乗る。と、全員黒服姿の若者達の中に座ることになり、大変に気まずい思いをする。…何かの 主張を持ったグループ? それとも単なるファッションの流行?
全然、都心の中心に近付いていくという雰囲気にならないので、正しい電車に乗っているのか段々、不安になる(途中で、電光表示が「Amsterdam行き」から、突然「Den Haag行き」の表示に変わってしまう)が、何とか着いたらしい。まずは駅前の観光案内所(VVV)に寄って、トラムの回数券を購入する。
案内所の前の乗り場から、トラム4番に乗り、車掌のおばさんに「muntplein」と告げて回数券を渡すと、何故か2回もスタンプを押される(2コマ分で良い筈が4コマも押されたわけで、今もって理解不能)。muntpleinは意外と近かった。トラムのレールが多いので、荷物 を引きずり辛い車道を渡り、ホテルへ。
ホテルは、「みゅう」で予約したALBUS GRAND。15,200円/1泊。これでも市内では一番安い方。最初の日は余り苦労せずに宿に辿り着きたかったので、市内の中心部にしたのだが、アムステルダムは、他の街と比べて、市内のホテル代がやけに高いのだ。
案内された部屋はシャワーのみ。予約条件にそれも有り得る旨、書いてはあったが、この値段でそれはちょっとな… と思うが、とりあえずベッドに倒れ込み、休養(暑いので)。窓の外から、ムント塔のカリヨンが鳴り響く音色が聞こえてくる。
とはいえ、いつまでもこうしているわけにも行かないので、7時(まだ日は燦々と照っている)に外に出、ライツェ広場を経由して、美術館まで歩いてみる。 あそこに「夜警」が。青空を見上げて、オランダ絵画の空だ、と思う。ライツェ広場まで戻り、どこもテラス席が賑わっているレストラン街をぐるぐる回るが、どこに入るか、なかなか決心が付かない。
結局、イタリア料理店でピザを頼んだのだが、思ったのと何だか違うのが出てきた…(アーティチョーク、マッシュルームだけがやけに大きい)。ここでは、ビールはハイネケン、 と決まっているらしい。それにしてもここのレストラン街、スペアリブ屋とイタリアン(とギリシア船員料理とトルコ料理と中華料理)しかないのはどうして? オランダ料理というのは外で食べるものではないのか。
帰りに「揚げ物の自販機」で、コロッケ(1Euro)を一つ買ってみる。予想よりも、スパイシーな味付けだった。
話に聞く「コーヒーショップ」(=喫茶店ではなく、ソフトドラッグの店)が確かに、あちこちにある。 外から見た限りでは、「常連以外は入り辛いゲーセン」みたいな雰囲気の入り口が多い。多分、ここでは、その程度のレベルのもの。
私の数少ない知識では、「現実的」で「合理的」なタイプなのがオランダ人(少なくとも「ロマンティック」で「夢見がち」な国民性ではない)と認識しているのだが、それと、これはどう繋がるのだろう。そういう国民性だからこそ、ドラッグ的なものに惹かれるのか、それとも、合理主義の徹底が、「心」を化学的に動かすのも OK、と判断するのか。
9時半頃、ホテルに戻る。ようやく日が暮れる。眠いが(あれだけ寝たような気もするのに…)、洗濯だけはしてから寝る。
と、隣の部屋でバタバタ、音がするので、目を覚ます。もう朝かと思ったら、1時半。何やっているんだか。ちなみに、隣は日本人らしかった。他にもエレベータで乗り合わせ た限りでは、韓国人等、各国の若者が泊まっている、という感じだったので、これでも、(アムステルダム内では)やっぱり経済的な宿なのだろうか。
next day →