空の蒼さを 見つめていると


2007年5月

5/27

 午後から、段々暑くなってきた。もう夏?

 先週の旅行について、珍しく日記風(時系列で)に、やや詳細に書いてみた。のだけど、う〜ん、どうにも長過ぎ。しかも、これだけ書いて初日分だけ。あと2日分はどうしようかな…

 

5/18(金)

13:10 〜 14:45
 実は出る時間を1時間間違えていた。品川を11時過ぎ発で、京都駅に12時台に着くわけがないよな… 駅近くの店で自転車を借りる。宿泊先の「エコツアー」という、自転車付きの宿泊プランだったため。自転車に乗るのが久し振り(多分、6年振り位)で、しかも、ハンドルに付いた変速機を回すタイプは初めてだったため、妙な感じ。京都国立博物館まで上がる。駅から歩いていくことも有るけど、自転車だと早い。

 今回はここで「ぐるっとパス」を購入し、以後スタンプを押しまくる作戦。もっとも、特別展はパスポートで入れるので、とりあえず常設展として押して入って…と思ったら、今日は元々、入館無料ということで拒否される。おのれ、「国際博物館の日」。私の野望を阻むつもりか。仕方ないので、常設展示(絵画)を一回りしてから、特別展「藤原道長−極めた栄華・願った浄土−」へ。

 …これはあれですよ。猫にこんばんは、と言う状態。藤原氏に、というか日本史全般に興味のない、仏教にも素養が無い、(私のような無知な)者にとっては、面白がれるポイントが余り無くて。

 真ん中に安置された仏像(同聚院の不動明王座像?)はさすがの迫力だったのと、道長が金峯山へ旅して納めた法華経を納めた経筒の話は興味深かったですが。何がと言うと、弥勒が下生する五十六億七千万年後に法華経を遙々伝えるために埋められた経筒が、こうして、僅か!1千年で発掘されて文化財扱いされているということで。道長的にはそれじゃ駄目にも程があるだろう。

14:45 〜 15:50
 鴨川まで戻り、河原まで階段を強引に下りて、七条から鴨川の東側を北上。自転車は時々しか漕がなくても進むから便利。途中、クチナシの群生が咲き誇っていて、匂いの強さにクラクラする。デルタまで来たところで上がり、出町商店街へ。そう、この機会に「ふたば」の豆大福を食べてみようかと。私がいた頃は地元の商店街の饅頭屋さんでしか無かった(から、買ったこともなかった)のに、最近ではシーズンだと店先に二重三重に列が出来ていて、食べる機会をいつも逸していたのだけど、さすがに平日の午後だけあって、2,3人待つだけで購入(それでも人は終始、途切れず)。

 早速、デルタの向かいの河原のベンチで豆餅を試食。なるほど、豆は柔らか過ぎず、固過ぎず、薄い塩味で美味しい。でも、(評判になった昔はいざ知らず)長い行列をしてまで、とは思えず。私的には1回食べれば満足かな。と結論が出たところで、思いの外、時間が経っていたので、慌てて自転車に乗り、今出川通りを西へ。入る場所を越してしまい、烏丸通りを北上して、ぐるりと西側から境内に。

15:50 〜 16:20
 境内の臨時駐輪場に自転車を止め、美術館へ。途中の道がやけに長い。これも混雑対策? 第一室の立体展示は初めて見たので、なかなか興味深いが時間も少なくなってきたので、第二室へ。

16:20 〜 17:00
 休日に比べれば雲泥の差なんだろうけど、それぞれの絵の前に人がいて、全体像を一望するというわけにもいかないし。普段(宮内庁)の方が空いている位? ともあれ、私も右から1枚ずつ。全体の3/4まで進んだところで残り10分位になったので、後はやや軽く流して、少なくなってきた会場の入り口近くから全体の印象を眺める。(「若冲展」のパノラマ プレビュー参照)

 一言で言えば、期待したほどはインパクトが無かったかなと。30枚も有ると、却って全体としては割と「フツウ」に見えてしまうというか。

 この部屋は何と、一同に揃うこの日が有ることを期して「動植綵絵」に合わせて設計されたらしいのだけど、釈迦三尊像の両側2枚が柱に隠れて一度に見えないのが、見た目の印象をかなり弱くしていて。それはもう、アントワープのノートルダム大聖堂でルーベンスの「十字架降架」と「十字架昇架」の2枚が柱の関係で、実は同時に見られないのと同じ位のがっかりですよ。あと、今回の並び順は専門家を交えて、議論の末、決めた、とのことだけど、確かに右側は良い。違和感も殆ど無いし。ただ、左はとっちらかってる感がなきにしも。まぁ、右向きの絵がそもそも少ないからな…

 などと見ている内に、閉館5分前。この時間になると、ほとんど人がいなくなったので、会場の真ん中を歩き回っては全体の印象を出来るだけ刻み付けてから、ほぼ閉館時間に外に出る。

17:00 〜 18:40
 自転車で南下し、三条の京都文化会館へ。「絵画と衣裳 美の名品」展の入場終了の17:30の直前、17:27に受付に辿り着く。残り30分ですけど、と聞かれるが、元よりボッティチェリだけが目的なので、無問題。

 衣装は勿体ないが、この際全部飛ばして、絵画展示へ。なるほど、色々な事情で残ってしまったコレクションというだけあって、全体としてはポリシーのまるで無い、雑然としたコレクション。質的にもさほど高くないし、常設の展示をするのは厳しいような。そんな中、奇跡のように存在しているボッティチェリ。勿論、このレベルのルネサンス絵画が日本にあるというだけでも奇跡。

 すぐ近くにある今日の宿、コープ・イン・京都に行き、地下の駐車場に自転車を返却(19:00まで、という契約なので)。チェックイン後、外出。地下鉄で御池から東山まで乗り、夜間開館の近代美術館に向かう。

18:40 〜 21:30
 特別展の「福田平八郎展」だが、さすがに夜の近代美術館はガラガラ。申し訳ない位。福田平八郎は、瓦とか竹とか桜とか有名な絵は勿論見ていたけど、初期作品は見たことが無かったので、その上手さに圧倒される。同じく初期の上手さということで言えば、堂本印象クラスの凄さ、と興奮。代表作の辺りの創意工夫も楽しい。が、それだけに晩年の小品の余りのふにゃふにゃ振りには脱力。本人はもう、上手いとかそういうのはどうでも良かったんだろうけど… それにしても、あれは無いわ。と言いたくなった。

 常設をさらっと見たところで閉館。地下鉄で戻り、夕食を食べてから、宿へ。宿に着いた辺りで、雨が始まり、雷が鳴り始めた。自転車で走り回っている間、雨が降らなくて良かった。

 

5/26

 先週1日休んだ反動での忙しさもあって、心情的には割と長い一週間だったけど、週末になって、ようやく「日常」まで復帰した感じ。…もっとも、日記を書く気力まではなかなか戻って来ない(^^;

 

 とりあえず、昨日今日で行った展覧会を名前だけ書いておくと。

 5/25。「ペルジーノ展」@損保ジャパン東郷青児美術館、「日本を祝う」@サントリー美術館(←サントリー美術館は昔同様、会員になったので、展示替えの度に行っているのです)。

 5/26。「肉筆浮世絵のすべて」@出光美術館、「山種コレクション名品展」@山種美術館、「ヴィクトリアアンドアルバート美術館所蔵 初公開浮世絵名品展」@太田記念美術館。

 

 そういえば、出光美術館にあったチラシで初めて知ったのだが、五島美術館では今「副島種臣」展を開催中らしい。

 まぁ、副島種臣の書については、私も「ギャラリー・フェイク」でしか知らないわけなんですが(^^;; あの話を読んで以来、いつか実物をまとめて見たいと思っていたので、これは是非行きたいところ。その後に開催される「中林悟竹の書」の方もチラシで見る限り、同じくらいインパクトが有る書なので、こちらも出来れば行こうかと。

 

5/20

 この週末は、月初に書いた通り、「若冲展」を見に行くついでに、3日間ほど関西の美術館巡りをしてきました。

 

 京都・奈良・大阪を各1日ずつと、関西にいたら絶対そんなことしないだろうという、欲張りなスケジュールだったのだけど、予定以上に回ることが出来て、その気になれば出来るものだなと。

 しかし、3日も歩いていると流石に足が重くて… 今回は幸い、この時期にしては珍しいくらいの涼しさだったから良かったものの、平年なら更にバテてたかも。

 最後に見たのがみんぱくでの「聖地☆巡礼」という、サンチャゴ・デ・コンポステラへのフランスの巡礼者に同行したドキュメンタリーの展示で、全長1300kmの巡礼道を2回に分けて、それぞれ一ヶ月くらい掛けて歩く様を紹介していたのだけど、今の私では、とてもとても聖地まで辿り着けそうにない(^^;;

 本当は、将来の遠い夢の一つだったりするんですけどね。サンチャゴ・デ・コンポステラへの巡礼道を歩いてみるのって。

 

 今回は「ぐるっとパス」のスタンプ欄を3日間で全て埋めたので、それだけでまぁ良しとしようかと。これも有る意味、巡礼というか。いや、正直、かなり無理が有りましたが… 展覧会の感想等はいずれ、まとめて。

 

5/15

 そんなわけで、予約しました>夏の旅行。ツアーでの旅行って、実に5年振り。

 

 申込みに当たり、旅行会社のサイトで、予約状況を管理出来る「My Page」の設定のため、会員登録をしようとしたら、「そのメールアドレスは既に使用されています」とのエラーが。…そういえば、3年前にイタリアに行った時も、最初はこの会社のツアーに申し込みしたんだっけ(キャンセルして、1人で行ったのだけど)。あの時に会員登録をした、ような気がしないでもない。

 しかし、ユーザー名もパスワードも何も思い出せない。忘れてしまった方はメールアドレスを入力、との指示に従うと、(当時自分で設定したらしい)本人確認用の質問が。曰く「好きな食べ物は?」

 ……………。嫌いな食べ物ならともかく、好きな食べ物はこれ!とピンポイントで答えられるものなど、特に無いんですが。それとも、3年前は何かのマイブームが有ったのか… 全く思い出せないんだけど。大体、答えがその時どきで変わるような質問を設定するなんて間違っているとしか。適当に入れるが皆ハズレ。うー、分からん。というか、分かるわけがない。諦めて違うアドレスで登録しようか…

 と数分固まっていたのだが、「好きな」=(ご飯の代わりに)「毎日食べても多分、平気な」と、仮に読み替えてみると、過去にそのようなことを考えたことがあったのを思い出して、その料理名(食材)を入力してみた ところ。

 !! 合ってた。質問と答えを設定したことは完全に忘れ切っていたのに、推論だけから「3年前の自分が考えたこと」に辿り着くとは、我ながら凄いのではないかと(^^;; …まぁ、その間、思考パターンに進歩が無いだけ、なのかもしれないが…

 

 でも、結局、予約自体は、旅行会社のサイトではなく、カード会社のサイトのトラベル部門を通して行ったのだった。

 そちら経由だと3%引きなので。たかが3%と言ってもこの場合、1万円と割と馬鹿にならないので。というか、それなら、会員登録の再設定は別にしなくても良かったんじゃあ…

 

5/13

 そんなわけで、ロシア美術も出来るだけ見たい、ということを踏まえると、今回はパッケージツアーへの申込になりそう。申し込んでしまえばあとは楽というか、他のことをする余力も生まれるし。また、(ロシア関連書籍を読みあさる)ロシア月間とかを始めようかな…

 

 美術展の主催と言えば、売れ線を絶対外さない読売新聞からは、「コロー展」「ドガ展」「マネ展」の開催予定記事が。

 いや、まぁ、良いんですけど。ルーブルやオルセーという看板でない、コロー展やマネ展なら、まだ見たいのに。いい加減、食傷気味というか。

 ところで、コローの風景画って、正直なところ、よく分かりません。あれはコロー独自の風景だから、評価されているのか。それとも、向こうではあれこそが普通の風景だから、上手いという評価なのか。「真珠の女」とかを見ると、基本的に「上手い画家」というカテゴリーの画家な気はしますけど…

 

5/12

 こういう時こそ参考になりそう、ということで、昨日の夜に「生誕100年 靉光展」@東京国立近代美術館、本日には「ロシア絵画の神髄」@東京都美術館へ。

 

 「生誕100年 靉光展」

 金曜の夜だからガラガラだろう…と思ったら、中が3,40人の人で溢れていたのに驚愕。ちょうど学芸員のギャラリートークだったらしいのだが、靉光展にそれだけ来るとは予想外でした。

 でも逆に言えば、そういう(よく知られていない)人の展覧会だからこそ、解説を聞きたいと思う人が多かった、ということか。私はと言えば、解説を聞きながら絵を見るには人が多過ぎたのと、今日来た理由は別にあったので、人の山を越えて先回りで会場を一周して出てしまったのですが。

 靉光といえば、いつも展示されている「眼のある風景」の印象が強いので、ああいう作品ばかり描いていた人なのかと思ったら、本当に色々な手法の絵を描いていたのが意外。特に純然たる日本画のような、線による植物画なども描いていたのには驚き。ただ、最後まで、これこそが靉光、という描き方を得ることのないまま、模索の内に亡くなってしまった人、という感じがしてならない。長生きしていたら、戦後、それまでとは多分、全く違う絵を描いていた気がする。それが今回展示されている作品よりも面白かったかどうかはともかくとして。

 

 で、来た理由は近代美術館のPCにインストールされているエルミタージュ美術館の観光案内ソフト。コレクションのハイライト150点ばかりを改めてチェック。なるほど、西欧絵画に絞れば一日で何とかなりそうかな… ちなみに戦後、ソ連がドイツから略奪してきた印象派コレクションの展示室の案内は無かった。まぁ、公式サイト上でも一言も触れられていない微妙な展示なので、当然と言えば当然なんだけど。

 常設はこの春辺りに大きく見直したとみえ、印象が随分と変化。基本的には原点回帰という感じ?

 

 「ロシア絵画の神髄」

 都美術館は混むイメージが強いので、朝一番の9時に入場。が、思っていた以上に人がいない。まさにガラガラ。見る側としては良いのだけど、主催者の産経新聞が「社運を掛けている」という、この展覧会。話半分の宣伝文句としても、実際のところ、かなりヤバそうですよ>社運。リピーター(半券チケット所持者)には半額制とか、努力はされているようだけど、知名度の低さはいかんともしがたいのか。

 まぁ、主催者の社運はともかく、余りにも厳しい興行結果だと、今後15年くらいロシア美術展が開かれなくなってしまうかもしれないので、それは避けたい…

 というのも、ロシア美術はやっぱり後進国(当時)だっただけに欠けている部分が有るというか、「絵で説明」に留まっているという印象を、全体的には感じたのだけど、そういう制約を超える画家もいたというのもまた強く感じたところで。

 特にレーピンについては実際に見て初めて、どうして(近代)ロシア最大の画家と言われるのか初めて分かった。

 今回来たのは、代表作に挙げられるような集団人物画ではないのだけど、家族等、画家に近い人達を描いた肖像画の素晴らしさは圧倒的で。早い話が、レーピン凄いよレーピン。

 

 やっぱり、レーピンだけは見に行かないと駄目だと思った。会場の重い図譜(レーピン特集みたいな)によると、代表作はロシア美術館とトレチャコフ美術館に2分されているようだけど、どちらか一つを選べと言われれば、トレチャコフ美術館、だろうな…

 帰りに西洋美術館の前を通ったら、12,13と入場無料の日だった。こういう努力は良いかと。普段より混んでいるので、軽く眺めて一周しただけで出たけれど。今回初めて気が付いたのは、案内板に購入年が全て記載されていること。いつコレクションに加わったのかを見ながら回ると、西洋美術館の収集の歴史が色々と窺えて、なかなか興味深い(邪道)。

 そういえば、版画素描室で「平成14−18年度新収蔵版画作品展」が開かれていて、目つきが不審人物なレンブラントの自画像とかが展示されていたのだけど、ロドルフ・ブレダンという人の「善きサマリア人」という版画が凄かった。画面全体を覆う森の闇の中に騙し絵のように沢山の動物たちが細密に描かれている幻想性は、エルンストの森のよう。

 幻想絵画(ルドンとか)好きの属性を自覚している人なら、絶対、見に行った方が良いです。いつまた展示するか分からないし。今回は6月3日までらしいです。

 

5/11

 旅行の計画は、あれから紆余曲折が有って…

 まず大韓航空(でのフリーツアーは)は席がキャンセル待ちとの回答があったので、検討する以前に断念。

 フィンランド航空利用の方は、羽田発の乗換+関空発なら2.2万の追加料金無しで手配可能との旅行会社の追加メールが。そうすると、行く日は3回も乗るのか… というのは ともかく、羽田発が6:45とは。成田よりは近いとはいえ、始発で出ても6時にしか着かないんですが… チェックイン方法を確認すると、フィンランド航空(実際にはJAL)なので、国際線も含めて 1時間前に羽田でチェックインだという。…近くで前泊? 6,7千円? まぁ、当日行く場合、荷物は空港に事前に宅急便で送る必要があるので(駅まで歩くことになるし)、どのみち差額は4,5千円なのだが。

 「行くまでのコース」が段々面倒になってきたので、いっそツアーでは、どうだろうという気もしてきた。というわけで、この一週間はツアー検索の日々。

 外せない条件としては、エルミタージュで1日(フリータイム含む)。あとは他の3大美術館に出来るだけ行けるコースというと… 殆ど無かった(^^;;

 ガイドブックではトレチャコフ美術館も「日本からのツアーでも、はずすことはまずない」とあるんだけど、実は行く方がごく少数。どうやら、今はスズダリといったモスクワ外の世界遺産に寄る一方、モスクワはクレムリン以外、観光しない方がトレンドらしい。まぁ、渋滞 する都心を連れ回すよりは郊外に出る方が、案内も楽だろうし、見る側も「観光」という感じで楽しいとは思うけど。

 そんな中、安めのツアーの中に、モスクワでトレチャコフ美術館見学に加え、半日フリーのものが有るのを発見。それならプーシキン美術館にも行ける筈。何だか、当初予定していた完全なフリーツアーより、良い気がしてきた…(マトリョーシカの絵付けとかは要らないけど)。

 勿論、個人旅行の良さは別にあって、それは独特の開放感。多分、ヘルシンキやタリンに行けば、特にそういう開放感を味わえる筈。…とはいうものの。それなら最初から北欧だけ行く方が、 遙かに楽しい筈。というか、ツアーのパンフでも、同じお金を出すなら、フィヨルドの写真が載っている「北欧ハイライト8日間」の方が観光気分満載に見える。というのは、ここでそれを言っちゃ、お終い ですか。

 ええと、こういう風に迷ったら、初心貫徹だっ。…しかし。初心とは何だったのか、自分でもよく分からず(駄目じゃん)。

 ちなみに、カテゴリー的には格安ツアーなので、航空機はアエロフロートだし、ホテルは多分駄目な感じ。しかし、似たようなコース設定で、航空機とホテルのレベルを一つ上げると、2,30万円もお値段がup。ホテルの部屋が余りにアレだと、確かに心が貧しくはなるけど、かといって倍近く出すほどのことかというと…

 

5/7

 ちなみに、行き方(航空会社)さえ変えれば、もっと安く上がる方法は幾つかあるのだった。

 まずは定番のアエロフロート、は既に却下済(モスクワで乗り換えたくないので)。もう一つは大韓航空。ソウル経由となるものの、ソウル−サンクト・ペテルブルグ間は直通。値段も 割と安い筈。

 改めて調べると、問題は大韓航空利用のフリーツアーが殆ど無い点。この際、航空券とホテル予約(+ヴィザ取得)を分離して、別々に手配するという考え方もあるけど、というか普通に考えればその方が自然なのだけど、リスクを最小化するという当初の計画からは少なからず後退してしまう。

 初心を貫徹するか否かは、(大韓航空利用で6日のツアーと比べると)滞在を2、3日増やしてヘルシンキやエストニアのタリンに寄るのが、差額の約十万円に相当するかということ? そう捉えると高い気がするけど、十万(だけ)では夏のフィンランドには行けない、のも確かだし。

 あと、エストニアが最近、ロシアとの間で緊張関係が高まっているのも気になるところ。たまたま寄った一日に、何かが起こるとも思えないけど…

 

 などと昨晩は考えていて、ここ(の日記)を書き始めてちょうど10年が経った日だったことをすっかり忘れていた。ということに、今日気付いた。

 ………もう少し、節目とかそういうものを意識して、長期的な生活設計をきちんと立てるべきかも。とりあえず、日記は…スタイルを変えていこうかと(その内に)。

 

5/6

 夏の旅行についても、これ以上放置出来ないので、希望通りのフリーツアーを掲載している旅行会社2社へ、スケジュール的に問題ないか、問い合わせのメールをする。

 GW中はどうせ返事が来ないだろうから、ということで今日出したのだが、片方(本命?)から、先ほど返事が戻ってきた。あれ、早っ。

 

 え? 「生憎と第1希望の7/9のご出発日ですと航空機のお座席は満席となって」ですって? しかし、7/8だと追加料金2万円で手配可能?

 むむむむ。7/8だと日曜発だから基本料金自体、1.4万円も高いのに… 8日間でサーチャージとかの諸経費込で395千円? 1日延泊して9日間でも1万円しか違わないので405千円か。

 エルミタージュで時間を確保するという観点からすれば、この場合、迷わず9日間なんだけど、それにしても、よんじゅうまんえん…

 しかも、これって食費と現地での費用(入場料等)が一切入ってないわけで。あと、それを考えると更に6〜7万? エルミタージュを隅々まで歩くためだけに、そこまで掛けるかどうか。といっても、普通のツアーだと、せいぜい4時間位しか美術館の中に居ないから、行ったとしても(却って)一生未練が残るのは間違いない し。

 今週中には決断しないといけないようなんだけど。う〜ん、どうしようかな…

 まぁ、でも、費用のことを考えるよりも前に、エルミタージュに行くなんて機会、今を逃したら、この先(時間的余裕が)そう無い気もするし。いわゆる、あれ? 「priceless。お金で買えない価値が有る」?

 …いや。これこそ、お金で解決出来ることもある、という話のような気もしてきた。買えるものはMasterCardで?

 

5/5

 GWの後半は家でのんびりと。

 今月の京都行きについて、とりあえず京都のhotelを予約。まぁ、hotelといっても、町中のコープ・イン・京都だけど。【エコツーリズムでいく京都】とかいう、宿泊日のレンタサイクル付きのプランが安かったので、それにしてみた。京都で自転車だと、昔の学生時代の「生活」上の移動手段なので、「観光」という気分が盛り上がらないんですが、自転車に乗っている間に荷物を宿まで運んでくれるだけでも便利かなと。

 国立博物館も自転車なら割と楽だし(若干、上りだけど)。七条からだと、(若冲展をやっている)相国寺まではそこそこ(傾斜と距離が)あるけど、鴨川沿いをだらだら漕げば、その内着くか。…でも、 雨の場合はどうなんだろう。レンタサイクルを利用しないと、荷物も運んでくれないのかな(本末転倒)。

 大阪は宿が有り過ぎて逆に困ったけど、最終的に新大阪から帰る以上、駅のロッカーに朝、荷物を入れておくのが一番無駄が少ない気が。というわけで、新大阪駅付近のhotelから適当に決め る。あとは、行き帰りの新幹線位か。

 

5/4

 せっかくの休みなので、普段行かない美術館に行ってみよう計画その3、科学博物館。…いや、美術館じゃなかった。

 

 とはいえ、混んでいるのも嫌なので、とりあえずは先に国立博物館に寄って、平常展示を眺めたり。

 国立博物館に来たら必ず探す、今日の「変な絵」としては、雪村の「蝦蟇鉄拐図」。でろーんと体がのびている蝦蟇の姿がおかしかったのだが、日本ノ文化見ニ来マシタという感じの異人さんに、絵が無視されていたのが残念だった。う〜ん、普通の「蝦蟇鉄拐図」を知らない人には面白くないのかなぁ。いやいや、子供に見せたら受けると思うんだが…

 あと、「平成19年新指定国宝・重要文化財」の展示では、目黒山形関係資料というのが面白かった。江戸時代に、愛媛の山で領土争いが有って、幕府で裁判をする際に、現地を測量して絵図を描いた他、模型まで作ったものらしい。今のニュース番組に出て来そうなジオラマだ。

 

 「特別展 花 FLOWER 〜太古の花から青いバラまで〜」

 う〜ん… そんなに過度な期待をしていたつもりは無いんだけど。割となんちゃって展覧会だった。

 生きている実物がそれほど展示出来ないのは仕方ないかもしれないが(ラフレシアを咲かせろ、というわけにもいかないし)、全体にもっと科学的に攻めている?のかと思ったのに、特に後半は、万葉集にはこれだけの種類の花が登場します、みたいな展示ばかりで。いやいや、そんなことは科学博物館でやらなくても別に良いでしょ。

 安い予算で仕上げることだけが得意なプロデューサーが仕切った安上がりな展覧会という印象。青いケシが2輪咲いていたので、それを見に来たと思えば納得は出来たけど、あれが1輪も咲いていなかったら、もう暴れちゃうぞ、という感じ(なので、行く人は開花状況をチェックしてからの方が良いと思います)。ちなみに青いケシはとても綺麗だったけど、普段見慣れないものだけに、造花のように見えてしまった(^^;

 

 で、予定していたより時間が余ったので、行く前(17時40分過ぎ)には順番待ちの行列が無くなっていた「レオナルド・ダ・ヴィンチ — 天才の実像」の特5(「受胎告知」)が更に空いているに違いないと国立博物館に取って返す。…思った通り、(入場していく)人気がもはや無い。

 ということで、19時過ぎに「受胎告知」へ。中には数十人しか既に人はいなかった。やっぱり。

 一番前の通路の壁側に立って(要するに最前の一列しか既に列が無い)ずっと眺める。前回は散々と悪口を書いたこの特5での展示だけど、こうやってゆっくり(数十分掛けて)眺められるのなら、それは確かに(ウフィッツィよりも)贅沢な体験では有るなと。 さすがに充分に「見た」という気になったので、(閉館10分前になってから最前の一列で眺めてから)出る。

 日中は行列をテキパキ動かしているのか、公式サイト上は凄く混んでいるというわけでもないようだが、希少動物の展示じゃないんだから、これ位の余裕を持って、ゆっくり見ないと勿体ない。

 思うに狙い目は閉館30分前以降。多分、金曜夜の夜間延長時が空いているのではないかと。あと、GW中も夜間延長で、中でも5/6の夜あたりは特にガラガラだと思うので、すごくお薦め。

 

 そんなわけで、結果的にはそれなりに有意義なGWの使い方になったかなと。

 

5/3

 せっかくの休みなので、普段行かない美術館に行ってみよう計画その2、千葉市美術館。

 

 千葉というと千葉県民にとっては勿論、県の中心だけど、うちからだと電車一本とはいえ、片道2時間、往復では4時間も掛かる、遙かなる異境。行くだけで一日が潰れてしまうので、なかなか行けない(行く気になれない)のだが、今回は千葉市美術館の本領発揮、江戸時代の画家の展覧会なので。

 「鳥居清長 −江戸のヴィーナス誕生―」

 多くの浮世絵ファンに望まれながら、清長の総合的で大規模な展覧会は、作品のほとんどが海外美術館に所蔵されることから、いままで一度も行われてきませんでした。

 というだけあって、展示作品の多くがシカゴ美術館、ボストン美術館、メトロポリタン美術館、ホノルル美術館から。千葉で見られるなんて、「すごく近い」のかも。…遠いけど。

 

 実際のところ、浮世絵というジャンルは私の関心事の中心からはやや外れていて。というのは、楽しむために前提となる当時の文化情報が自分の中に無さ過ぎるから。特に画面の6,7割を占める着物(色、模様、着方)に関する知識が無さ過ぎ。単なる画面構成上のデザインにしか見えないので、本来の面白さが全然分からない。言語が通じない異世界のコスチュームというか。

 そんなわけで、鳥居清長といっても特に知識もイメージもなく。普段、浮世絵と余り縁がないだけに、伸び伸びとして気持ちよい画面だけど、割と普通かな、という感想で終わりそうだったところ、図譜を会場で読んでいて、はっと気付く。

 広々とした戸外の風景を背景にして、八頭身の女性達がゆったりと歩く群衆図。って当時(天明)の江戸の街に、そんなプロポーション、しかも(風景から割り出すと)身長が170cm位の女性達が歩いているわけがない。

 つまり、今から見ると「自然」に見えるその画面は、描かれた当時は、現実とは異なるエキゾチックな(空想上の)世界だったということ。何だろ、スーパーモデルが闊歩する異国の風景 (←遠近法で描かれている)という感じ?

 今の時代(特に無知な私のような者)からすると、まるでファンタジーの世界のように見える浮世絵だけど、鳥居清長の場合、当時としての一種のファンタジーだったため、今の時代からは、一回転して普通に見えてしまうという逆説。

 天明期の人達が好んだ、ある意味、SFの世界。そう思うと、急に面白くなってきた。なるほど、だから、その等身が違和感なく受け止められた海外へ、作品の大半が流出してしまったのか(日本に今あるのも、その多くは一度流出したものの逆輸入とのこと)。

 一方、具体的にどこかを特定出来る風景の描写を初めとして、現実感をより取り込んだ画家という側面もあるようで、特に浄瑠璃等の役者絵では後の出囃子の人達を描き込むことでライブ感の強い(劇場中継みたいな)作品も作っているのも興味深かった。

 

 今に繋がる日本文化ということで言えば、古典文学といった高い教養を何でも若い娘(時に若衆)の姿を通して「見立て」で描いて人気を博した鈴木春信(展覧会の感想)の方が、「秋葉的な日本文化」の先達として凄く「分かり易い」のだけど、鳥居清長も、何故、アニメの登場人物は皆、外国人風の「美形」なのか、という日本人の美意識を考える上では割と重要なのかも。

 というか、何で話題が皆、そっち方向なんだという…

 

5/1

 先月は享楽的に毎日過ごすだけで終わってしまったので、今月は物事をきちんと進める一月にしよう、と反省。

 特に、夏の旅行についてはいい加減、計画を具体的に進めないと間に合わない! 気が付いたら、もう2ヶ月しか無いし。4月中、全く放置してしまったのが痛い… ロシア語も一歩も進んでいないし…

 

 でも、まずは今月半ばの京都行きの旅行の詳細を詰めなくては。

 …先月も行ったばかりなのに何故、今月も「そうだ、京都行こう。」なのかというと。それはつまり、相国寺の「若冲展」を見に行きたい、というだけのことなのだが、出来れば平日に見たいので、休みを1日取って2泊3日にして。しかも、せっかく行くのなら、関西の他の展覧会もついでに回りたい、と色々チェックしていたら、気になった展覧会(美術館)だけで既にハードスケジュールに。海外で美術館巡りするんじゃないんだから…

 そんな自分用メモ。

・5/18(金)  京都
 1.京都文化博物館 「絵画と衣装 美の名品展」 10:00〜18:00
 2.京都国立博物館 「藤原道長 −極めた栄華・願った浄土−」 9:30〜20:00
 3.京都国立近代美術館 「福田平八郎展」 9:30〜20:00
 4.相国寺承天閣美術館 「若冲展」 10:00〜17:00

・5/19(土) 奈良
 1.奈良国立博物館 「神仏習合 かみとほとけが織りなす信仰と美」 奈良駅  9:30〜17:00
 2.奈良県立美術館 「江戸時代 上方絵画の底ぢから」 奈良駅   9:00〜17:00
 3.松柏美術館 「特別展 「熱帯花鳥へのあこがれ」」 近鉄・学園前 北  10:00〜17:00
 4.中野美術館 「平成19年春季展「近代日本の絵画」」 近鉄・学園前 南  10:00〜16:00
 5.大和文華館 「墨の彩り−水墨画と書蹟の名品−」 近鉄・学園前 南  10:00〜17:00

・5/20(日) 大阪
 1.大阪市立美術館 「ギメ東洋美術館所蔵浮世絵名品展」 天王寺(谷町線、御堂筋線) 9:30〜17:00 ←時間が余ったら
 2.藤田美術館 「第119回春季展 名碗と水墨画」  大阪城北詰(JR)、京橋(京阪)  10:00〜16:30
 3.国立民俗学博物館 「聖地☆巡礼〜自分探しの旅へ」 公園東口(モノレール)  10:00〜17:00

 まぁ、どうしても見たいのは「美の名品展」の丸紅のボッティチェリ(ここ数年待っていた)と、「福田平八郎展」位なのだけど。石崎光瑤の南洋画はまとめて見たいと思っていたし、藤田美術館の「曜変天目茶碗」は関東では見る機会が無いし…と欲張り出すと、きりが無くて。あと、「聖地☆巡礼」はサンティアゴ・コンポステーラへの巡礼の道をいつか歩けたら、と夢見ている者として(関西に行くのなら)寄っておきたいなと。

 とりあえず宿だけは早々に決める必要があるのだけど、土曜の夜に京都市内で安い宿を取るのは既に難しいので、このコースなら京都1泊、大阪1泊、かな…