空の蒼さを 見つめていると
今週は、旅行の感想(美術館編)を書くつもりだったのだけど、予定外の仕事が入り、気が付けば、月末… まぁ、書くのには少なくとも5日は掛かるので(5日分だから)、この際、11月になってから始めようかと。
「平山郁夫展」に続き、来春には「東山魁夷展」まで開催するらしい、最近の東京国立近代美術館の企画展のつまらなさには「絶望した!」と言うしか無いのだけど(もっとも、新国立美術館だって、こともあろうに!「横山大観展」を準備中らしいので、最低限文化的な企画という点では良い勝負)、ギャラリー4(2F)での小規模展示では割と頑張っているな、という印象も。
そして、そのギャラリー4で今開催中なのが「天空の美術」となれば、一度は竹橋まで足を運びたい。あくまでも、小規模展示なので、過大な期待はしない方が良いけど。
でも、太田聴雨《星をみる女性》はこの機会に、星好きな人にはぜひ一度見て欲しい絵。戦前の日本にも、天体観測をテーマにした、モダンな美人画があったんだ、と初めて見た時、驚きました。
昨日は、「絵で読む宮沢賢治展」@平塚市美術館へ。
どうせ誰も気が付かないだろう、とたかを括っていたら、手帖の公開と共に、NHKが一般のニュース時間に紹介するという余計なお世話のせいもあってか、結構混んでいた。
第一部は遺品(手紙)から振り返る賢治の生涯。
手紙も印象的なものがあったけど(友人への手紙の末尾に(自らに言い聞かせるように)「シッカリヤラウ」と20回以上繰り返し書き付けたものとか。貰った友人もさぞ困ったに違いない)、やはり興味深いのは生原稿の展示。結構、修正が多くて、そうだったのかと色々と驚き。
例えば、「セロ弾きのゴーシュ」に登場するシューマンの「トロイメライ」。実は、最初はシューベルトの「アヴェ・マリア」だったようで、それをグノーに直し、更にそれを、シューマンの「トロイメライ」に直していた。なるほど…
今回の目的の「雨ニモ負ケズ」手帖も同様。
冒頭の2Pが手帖を開いた形で現物を、残りは写真が展示されていたのだけど、実物を見ると、最初の2行、「雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ」のモは小さく後から付け加えられていた。つまり、最初に書き始めた時は「雨ニ負ケズ、風ニ負ケズ」だったらしいのだ。3行目の「雪ニモ夏ノ暑サニモ負ケヌ」はモを含め、同じ大きさで書かれているので、3行目を書き始める段階で、全体にモが必要だと思い直したらしい。こういうのは実物(かその写真)を見る機会が無いと分からないことで、どうやって推敲していったのかを目の当たりにするのは、非常に興味深かった。
第2部は賢治の絵本の原画の展覧会。
実は全く期待していなかったのだが、幅の広い人選で、この人がこの作品を!みたいな驚きもあって、思っていたよりもずっと面白かった。個人的に一番、惹かれたのは村上勉のカイロ団長の絵。賢治の作品を絵本で読みたいとは余り思ったことが無かったのだけど、村上勉の挿絵なら、一通り見てみたい、と思った。
隣の博物館では、タイアップ企画として、銀河鉄道の夜をテーマにしたプラネタリウムの上映を実施(土日のみ)ということで、朗読・桑島法子とのクレジットに、これは見ておくべきなのかも、と思ったが、次回分は既に満席だったので、断念。もし、この週末行かれる方で、プラネタリウムも見るつもりの方は、美術館でチケットを購入した後、先に博物館で予約した方が良いかもしれないです。
帰りに鎌倉で下車して、「鎌倉人の地獄と極楽」@鎌倉国宝館に寄る。
鎌倉ローカルでは割と有名な地蔵菩薩の像が幾つか間近で見られて、意外に得した気分。お目当ての地獄絵図の方は、全体に期待した程の?インパクトは得られなかったですが。ところで、建長寺の敷地が元々刑場跡で「地獄谷」と呼ばれていた、とは知らなかった。巣鴨プリズンの跡地がサンシャインシティになったようなものか(かなり違う)。
徐々に復帰。とか言いつつ、結局、週末が来るまで何も出来ず。風邪気味、というほどではないにしろ、気力が落ち込んでいるのは確か。先週末に休んだ気がしないからかも。
旅行の感想を書こう、と思ったのだけど、風景に関してだけは目で見て貰わないことにはどうにもならないような… というわけで、写真を(更に)整理して、yahoo!のフォトアルバムにアップ。
出来るだけ美しいまま見て貰えたら、と960x720までしか縮めずに上げて見たのだけど、このアルバムだと、初期画面やスライドショーは全て スクリーンサイズ(480x360)なので、余り意味が無かったかも。せっかくなので、気になった写真だけでも拡大してみて頂けると幸いです。
内容を、簡単に要約すると。
1がチューリッヒとサンモリッツの街の風景、そしてベルニナ急行、氷河急行、ウイリアムテル急行、ゴールデンパスといった景観路線の車窓の景色。2がベルナーオーバーラント観光の一日(メンリッヒ→クライネ・シャイデック間のウォーキングと、ユングフラウ・ヨッホからの景色)。3がそれ以降の(ベルン、コルマール、バーゼル、チューリッヒ、ヴィンタートゥールの)美術館訪問の記録 。
電車内の写真が多いのは、色々な車体が有りますね、という記録の意味で(今回は珍しく1等のパスを買ったので、全て1等車。前述の特別列車は「氷河急行」だけですが)。
ちなみに、3の後半、画面左下が黒くなっているのは、デジカメのシャッターが壊れて、それ以上、開かなくなったから。…まぁ、そんなこともあります。
全体のテーマは秋のスイス。中でも、サンモリッツの湖畔の黄葉はとりわけ美しくて。あと、インターラーケンのホテルの部屋から見た、夕陽に染まるユングフラウは一瞬だっただけに印象的でした。というか、こうやって、改めて見てみると、確かに景色が綺麗な国でした。世界中から観光客が来るわけですよ(でも、秋のスイスはオフシーズンらしいのだけど)。
PCが復帰。スタートアップ時の(必ずしも要らない)ソフトの起動を幾つか外し、ケースを開けてファン周りの掃除をしたりと、基本的な対処をしただけなのだが、 とりあえず安定した様子。結局、理由はよく分からないままだけど。
多分、私の中での「壊れる月間」の時期が終了した、ということなんだろう。
ちなみに、今回は旅行前にインナーフォン(ATH-CK9)が断線し(仕方ないので、急遽、SE210を購入)、旅行中にデジカメが壊れ、旅行後、PCが不安定になった、というのが主な内容。TV、PC…、とあらゆる家電製品がドミノ倒しのように壊れていった前回(いつだったっけ?)と比べれば、まだまし かも。
そんなわけで、更新も徐々に復帰(予定)。
「タンホイザー」@新国立劇場オペラ劇場。
こういう時期には歌舞音曲の類は控えるもの、のような気もするが、このチケットは前から購入していたものなので、行かないのも勿体ないかと。それに11月のゼンパー・オーパーの予習という意味合いもあるし。
で、予習。掴みは凄く良かった。奈落から、長い円柱のような柱を載せた床が、次々に迫り出して上がって来て、舞台装置が完成する演出が、単純ながら、まるで第三新東京市のような格好良さで。しかも、そのBGMが「タンホイザー」の序曲と来ているわけなんだから(当たり前だけど)。ただ、公演全体としては良くも悪くも、無難な舞台だったかも…
というか、この話、訳分かんねーよ、と突っ込みたくなるのは私だけ? タンホイザーが実はヴェーナスベルクに行った、と告白すると、周りでは罵詈雑言の嵐。ヴェーナスベルクはまぁ、いわゆる悪所と捉えれば良いんでしょうけど、それにしても善良な人々の(余り良く知らない筈の場所に対して)極端過ぎる反応。
今に引きつけて「翻訳」してみるのなら、オタク的な文化に考えてみる方が、周囲からの強い引かれっぷりは理解しやすいかも。ということは。ヴェーナスベルクはこの場合 、…メイド喫茶?
休出日。仕事が終わった後、会期終了間近の「BIOMBO/屏風 日本の美」@サントリー美術館の最終展示替え分を見に行ってみる。
土曜日夕方の東京ミッドタウンは割と賑わっていて、サントリー美術館ですら(?)結構、人が入っていた。う〜ん、サントリー美術館の場合、人が少ない平日夜間に見るのが、自分の中でのデフォルトになってしまっているので、この程度でも人がいると、もう見る気がしないなぁ。展示替え分だけチェックして、そそくさと出て来てしまった。
旅行に行く前から、調子がおかしくなりかけていたPCの様子が、戻ってきて以来、更におかしい。
起動後、Windows XPが立ち上がった後で、突然落ちてしまう。可能性としては、マイクロソフトの言う「新しいハードウェア デバイスまたは新しいソフトウェアをインストールすると Windows XP が繰り返し再起動されたり、ブルー スクリーンにエラー メッセージが表示されたりすることがある」事例、すなわちデバイスの競合が一番怪しい気が。しかし、最近、これというインストールはしていないと思うのだけど…
ともあれ、このまま、原因が判明する前に、全く立ち上がらなくなるまで悪化する可能性もあり、そうすると、PCが復旧するまで、しばらく更新出来なくなるかもしれず…
とりあえず、サポート情報等のページを予め印刷しておこう、と思ったら、プリンタの黒インクがたまたま切れていて、何も印刷出来ず。…こういう時って、重なるんだよな。PCのケースを開けてみようと思っても、ドライバー(ねじ回しの方)が見当たらないし。
父方の祖母が亡くなる。99歳なので、大往生というべきなのかも。
場所が遠方でもあり、土曜に出社しないといけない都合上、葬儀(多分、土曜)には参加しないことに。…そういえば、父の田舎には恐らく、中学生の夏以来、行っていない。遠いところという印象で、東北地方全体ですら(日帰りで桜を見る等を除けば)、殆ど旅行したことがない。つまりは、ある種のトラウマといっても良いくらい、(心理的に)遠い、苦手なところだった。
今回の事態も間接的な関わり、となってしまったことで、遠いところは遠いところのままに。
今週の土曜が休出日。ということで、帰って早々、振替休日。休養日として過ごす。
主に旅行の写真ファイルを整理。実は、旅行の最終日前日、デジカメが壊れてしまう(シャッターが動かなくなった)という不幸な事故が発生。とはいえ、それまでに既に500枚以上も撮っていたので、まぁ仕方ないかと。旅の前半、景色が良いところで、馬鹿みたいに何十枚も撮ったは良いものの、どれがベストなのか、自分でもよく分からないという… 特に山の景色。
とりあえず、残り400枚位には整理したのだけど、…却って疲れたような?
戻りました。
昨日の昼には既に帰宅していたんですが、帰りの出発時間が夜ではなく、昼発の便だったせいか、一晩分を飛ばした感じになって、夕方から猛烈に眠くなり、…19時半には寝てしまいました。
さて、旅行ですが、予定以上に「予定通り」でした(気候が思ったより穏やかで、真冬用の防寒装備が全て無駄になったことを除けば)。とりあえず、見ようと予定していたものは全て見たつもり。
そうか、事前に計画をここで全部書いておけば、あとは「その通りでした。」と書くだけで済んだのか… とはいえ、最初の3日分しか書いていないので、その後を中心に、いずれ感想を書こうかと。ともあれ、一言で言えば、とても楽しかったです。さすが、世界に冠たる観光国。ただし、物価はやはり高かった…(飲食費だけで1日1万円…)。
今週は思っていたより忙しかった上に、(宅急便で空港まで送る都合上、いつもより期限が2日早かったこともあって)荷造りするまでで精一杯。旅行の予定の続きも結局、書けず。
非常に残念です。実はあの直後から、普通では滅多に見られないような、それはもう血湧き肉躍る、波瀾万丈な、めくるめく道程が始まるところだったのに!
……嘘です。ベルンとか、バーゼルとか、チューリッヒとか、ヴィンタートールとか。地味に各地の美術館を回るだけの日々です。いつもと同じく。
それでは。季節外れですけど、明日から一週間ほど、スイスに行ってきます。