空の蒼さを 見つめていると
薬が効いたのか、元々治り掛けだったのかは分からないのだが、あれ以来、微熱以上の熱が出ることはなく、インフルエンザはそのままトーンダウン。
寝込むことも無く、普段と同じ時間に起きるものの、やることもないので、春からの新番組ラッシュに備えて、HDDの中を整理、整理。
「精霊の守り人」の特番を見たり、宮崎駿の新作着手のドキュメント番組を見たり、大昔に録ったノルシュテインのドキュメント番組を見たり(何故か、皆アニメ監督のドキュメントばかりだが…)。最近の番組の最終回の数々は勿論、果ては昨年に録ったきりの「ARIA」(未見の作品は他にも沢山有るのだが、病み上がりに優しそうな?作品として)を8話〜最終話の19話分を3日掛けて一気に見てみたり。
…もう、何やってんだか、という感じですが。
昼間は、日に日に花開いていく近所の桜並木を少し散歩。ただ、(木金と暑かったせいもあるけど)足取りが何だか重くて。「治った」かな、と実感出来たのは、ようやく今日になってから。もう3月も終わりですね…
職場に行くと、一昨日早退したもう一人もインフルエンザで休み中。上司の方も、鳥インフルエンザ警戒中の県のようになっていて、今日の自分が微熱でだるいと言うと、そのまま医者に行かされた。
内科でインフルエンザ診断キット?による検査を受けたところ、「A型が出てますよ」。帰って報告すると、「治るまで、来るな」と即、追い出された(^^;;
医者からは、「治った時」は「熱が下がってから2日」位、と聞いたんだけど、今のところ、体温は36.7度。平熱(36度)よりは高いけど、普通なら微熱という程度。「下がる」以前に、そもそも「上がって」ないんですが、一体どうすれば。まぁ、とりあえず今週一杯は職場に行かなくても良い(行ってはいけない)らしいので、神様がくれた?臨時の休暇と思って、 このさい、のんびりしようかと。
ちなみに、薬はタミフルかそうでないのかどちらを選びますかと、両手に斧を持った泉の妖精のような選択を医者が迫るので、直前まで自分がタミフルを飲む可能性があると考えたことすら無かった者としては悩んだが、自分の行動範囲の中に飛び降りるような窓は無いとはいえ、次善の策として薦められたシンメトレル の方を選択。効き目は金の斧に比べるとやや弱いらしいけど、熱がひどいわけでもないし、大丈夫だろう。
そんなわけだけど、有給消化日。喉は痛いが、熱は出ていないので、予定通り、「レオナルド・ダ・ヴィンチ−天才の実像」を見に上野の東博へ。
着いたのは9時半。既に東洋館の南側まで行列。入場までは15分ほど。入場前に、手荷物検査が有ったが、本人だけ金属探知器で、荷物は目視のみという中途半端さ。借りてくる時の契約上、手荷物検査 の実施が義務付けられたので、形式上やってみせている、ということ?
さて、今回レオナルドの「受胎告知」を展示している「特5」。どういう風に展示ルートを作っているのかと思ったら、余りにも誘導が無策なのには唖然。火曜の午前中といえば、一週間で最も空いている時間といっても良い筈なのに、溢れている群衆を全くコントロール出来ていない。一段上の、止まっているところは全く進まず(途中から割り込むから)。絵の前はいつも混雑して、ただ前を通過するだけ。
一段上からは5分ほど(動かないから)、および最前列からも(立ち止まらずに)見たので、あの中では、一応「見た」方だとは思うけど、特5での半時間は何というか、心が「貧しくなる」 時間でした。
火曜の朝でさえ、これでは… 休日に行っても、ほぼ素通り程度しか出来ないのでは? それで「見た」気になるなら、それこそNHKの番組でも見るか、小学館の画集でも眺めた方が遙かに有意義。こういうことを言うとあれだけど、良心から言わせて貰えば、 今回の特5には「行かないこと」をお薦めします。内覧会で(他意はないにしろ)喜んでいるような人は、一度、自分で休日に並んで入ってみたらどうかと。少なくとも絵を見る環境では無いと思うよ。
第二会場の方は、(もし空いていたら)結構面白い気がするけど、第一会場で精神的に消耗したので、何かどうでも良い気分に。あの「スフォルツァ騎馬像」だけは、前足の模型に「でかっ!」と驚きましたが。 あれって、そんなにも大プロジェクトだったんだ。
常設では、特集陳列の「下絵」のコーナーで、鷹の足の爪が長過ぎ、と吉宗に駄目出しされている画家(狩野栄川?)って、どうよ?と思ったり。江戸絵画では岩佐又兵衛の三幅、特に虎の絵が面白かった。虎と言うよりは熊というか、いやむしろモーリス・センダックの「かいじゅうたちのいるところ」というか。
あと、何の気なしに足を運んだ国宝室で、「鳥獣戯画」の甲巻を展示していたのには驚いた。「絵巻展」の時はこれも行列して見たのに、下(特5)の喧噪が嘘のように、ひっそりとした国宝室で、自分のペースでゆっくり見られるとは何て幸せ! (もっとも、レオナルドの「受胎告知」だって、ウフィッツィ美術館では普通に見られる「普通の名画」の一枚でしか無いわけで)
隣にいた小学生の女の子が素直な感想を口にしていたのがおかしかった。「ゆかいな仲間たちが仲良く遊んでいる絵?」 まぁ、大体、そんな感じだ(^^;;
六義園に寄って満開の垂れ桜を眺めてから、帰宅。天気が今一つで、桜を見ても、それほど浮き浮きとした気分にはなれなかったのだけど、それは風邪気味のせいもあるかも…
今の職場は理由有って、3月半ばから、今までとは別の階の、それはそれは狭い場所に移動しているのだが、今朝職場に行ってみると、自分より左側の全員が明らかに風邪の様子… 先週半ばから、左端の人物からじわじわ広まっているとは思っていたが、これではもはや病窟である。自分が引くのも時間の問題と、マスクで自己防衛を図ってみるも、こういう日に限って電話対応が多く、余り役に立たず。
諸悪の根元であると推測される左端の女性がひどい様子なのに平気だと言い張る(「昨晩よりは熱下がってますから」「昨晩って?」「39度だったので」「…おい!」)のを何とか帰らせたところ、隣の係でも、高熱を出した一人が早退。…学級閉鎖間近のような気配を漂わせる職場に、先ほどの女性から電話。病院に行ったらインフルエンザだったのこと。やっぱり…… というか、もう全員が罹っているのでは?
私自身、既に帰りの時点で、喉が焼け付くように痛いんですけど… 明日は休みだから、上野に「受胎告知」を見に行くつもりなんだけど…
歌劇の観劇日は何故か悪天候のことが多い私。特に今日は余りの風雨に、行くのを止めにしようと思ったが、小降りになってきたので、出掛ける。
「蝶々夫人」@新国立劇場。
実は今まで、「蝶々夫人」は観たことが無かった。どうも趣味に合わなそうだし。でもまぁ、一度も観ないのもどうかと思って、D席(3千円)で見学。
う〜ん、全く駄目だった。舞台が簡素といえば聞こえは良いけど、障子と柱だけの「家屋」って、いかにも安普請のセット。多分、この作品って、豪華に作り込んだセットで正攻法にやるか、あるいは世界を読み替えして抽象的にやるか、のどちらかだと思うんだけど、これだとただの貧乏な舞台にしか見えない… 長屋の芝居?
ともあれ、人の話を聞かない主人公達の物語はドラマと呼べるものではなく、出演者の声に特別の説得力もないとなると、何だか虚しいだけで。有名な「ある晴れた日に」が、既に現実から逸脱している蝶々夫人の妄想を歌った、いわば電波ソングだったことを知ったのは発見だったけど、「蝶々夫人」については今後も観たいという要素は余り無いなぁ。少なくとも日本の、普通の演出なら、私には不要。
天気が悪い上に、職場で軽い風邪を移されたので、大人しく部屋で、HDDレコーダーの整理。
前にBSで放送した際に録っておいた「エーミールと探偵たち」「ふたりのロッテ」 といったケストナー映画(ここ十年のリメイク)を見ようとしたが、現代風にしようとしているのが、見るのに耐えられず。私のイメージでは、ケストナーはあくまでも白黒映画のイメージなんですよね。岩波少年少女文庫的な、昔の賢い少年少女が活躍、という感じで。
少し前にBSで放送した「ゴドーを待ちながら」。2004年に緒方拳と串田和美が演じたもの。普通に面白かった。多分、生で見たら、かなり面白かったんじゃないかと思う。緒方拳がチャーミング。
見た後に思わず、まだ高校生の大昔に自分が書いた(ゴドー待ちの)戯曲を読み返して余りの痛さに、…読み返さなければ良かった、と思った。
エルミタージュ美術館なら、数年前にNHKで放送した「世界美術館紀行」に登場してもおかしくない、とHDDの中を探してみたら。果たして、有りました。しかも、2回分も。
あの有名なクジャクの時計が動くレア映像や、飼われている90匹の猫のうち、1匹だけ中を歩くことを許されている猫がいる話とか、時間の割には結構、充実した番組だった。紹介の重点はそれぞれ、レンブラント部屋とマティス部屋。レンブラントの多さは知っていたけど、マティスも40点位有るらしい( 大半がシチューキン由来)。その中には勿論、「ダンス」も有るわけで。やっぱり、行かないとな、と今更のように思 った。
…あ。日テレ版の「愛ルケ 」って今週だったのか。録っておくの忘れてたよ。メロンパンで有名な近所のパン屋でのロケが、果たしてその撮影だったのか、早送りで確認しようと思ってたのに…
久々に散策日和の休日。近所の丘陵を縦断し、バスで上大岡へ。京急のポイントカードをチェックしてみたら、ポイントが消滅していた。
うわぁ。過去5年以上、溜めていたポイントが! 少なくとも5,6千ポイントは溜まっていた筈なのに。そういえば、ここ一年、上大岡に出てくること自体、めっきり減ってたっけ。大抵の本やCDなら密林で買ってたし。レピシエの紅茶を買いに来ることも無かったし。ヨドバシも横浜で全て足りるようになったし。
……もう、上大岡の京急では二度と買い物しないかも。
新宿の紀伊国屋書店で、森見登美彦さんのサイン会に参加。実は割とミーハーだったりするので。とはいえ、作家さんのサイン会というと、他には加納朋子さんの時に行った位か。参加者が麗しき黒髪の乙女ばかりだったらどうしよう、とか少し思ったけど、列を見ると、男女比は半々位だった。
ご本人は写真でお見掛けする通りの、人柄の良さそうな方でした。同席していたもちぐまも写真以上にcute。なるほど、ふわふわしていますね。
帰りに渋谷のbunkamuraに寄って、ザ・ミュージアム・フレンズのチケットを購入。
ここしばらくは(エッシャー展やティアラ展だったから)足が遠のいていたbunkamuraザ・ミュージアムだけど、次回からの4回分なら続けて見ても良いかなと。逆に言うと、もの凄く期待している、というほどのものも無いんだけど… 何が物足りないかというと、今年はベルギー分が足りないように思います。
新国立劇場の「ばらの騎士」の発売日、明日だと思ってた… 昼頃気付いたら、休日分は既に売り切れ。普段はそんなに早く無くならないのに。やっぱり、私同様、チューリヒ歌劇場や、ドレスデン国立歌劇場の公演の予習をしておこう、という人が多かったのか。「王様のブランチ」で、「プチ・ゴージャス」な鎌倉として、報国寺の竹の庭が登場したのを(地元民として)笑って見ている場合じゃなかったよ…
来月末にオープンする横須賀市美術館。海が見える美術館、というのが最近の流行なのか。駅前にある方が遙かに便利で良いのに、(馬堀海岸か浦賀から更にバスで行くしかない)観音崎とは。と近隣住民としては思うけど、余所の人にとっては、海を見るついで、でもないとわざわざ来る気にはならないのか。難しいものだ。
実際には、うちからは都心に出るよりは近いのだけど、距離的に遠くない分、心理的には却って億劫な感じで。でも「アルフレッド・ウォリス展」とかはここで見た方が雰囲気が出て良さそう。海の絵だし。
ともあれ、開設展の「近代日本美術を俯瞰する」では他からも幾つか借りて来て景気付け?をするようなので、これは行こうかと。福井県立美術館蔵分の春草の「落葉」は(多分)まだ見たこと無い気がするし。 いや、「RIMPA展」の中にあったかな(よく覚えていない)。
面白いかと言えば微妙とはいえ、残念ながら3月で終了の「妖奇士」。予告されていた印旛沼の事件がついに出て来たと思ったら、「黒坊主」が実は人夫たちの虚言だったという外し方だった。
川崎市市民ミュージアムの「日本の幻獣」展で見た当時の記録(公式報告書だったっけ?)だと、(怪物の可愛らしい似絵にも関わらず)13人が即死したという大事件?だったようなのだが…
ちなみに、今の小野不由美が本棚の整理以外に何をしているのかは知らないが、仮に「ゴーストハント」は見ていなくても(全然驚かないが)、これだけは間違いなく見ている筈。
続いて、「野生時代」4月号の特集「森見登美彦の歩き方」。
「森見登美彦世界」を形成した10冊の本を紹介する「森見登美彦の里程標」が興味深かった。まぁ、意外と「意外でも無かった」という感じの興味深さなんですけど。内田百閨iケン)に影響を受けているという辺りとか。ただ、山本直樹の「眠り姫」経由で内田百閧知った、というのは、ちょっと意外だったかも。そういうルートも有るのか。
それはそうと、短編の「ペンギン・ハイウェイ」。私が読んだ限りでは初めての非京都小説。なるほど、舞台と登場人物をこう変えると、こういうものが出てくるんだ。今回の作品だと、優等生過ぎる感じで(登場人物が、ではなくて、作品が)、物足りない気はしたけど、こういうタイプの作品ももっと読んでみたいですね。
森見登美彦「新釈 走れメロス」。
山月記、藪の中、走れメロスといった近代文学の古典短編を森見登美彦の「新釈」で送る、という「近代文学リミックス集」。今どき「走れメロス」、って「ぱにぽに」ですか?と最初思ったのは内緒。
そういえば、古典の新釈版が凄く上手かった作者の作品ばかり、並んでいるような気がするのは偶然か。感覚的には太宰のセンスと近いような。そのせいか、一番楽しいのはやはり、パンツ番長、ブリーフ一丁と いった単語が乱れ飛ぶ(どんな説明だ)「走れメロス」。一番填っているのは、森見登美彦と中島敦がアマルガムに融合している「山月記」。坂口安吾は残念ながら、借り物止まり 。どうでも良いけど、哲学の道を「桜の森の満開の下」の舞台に選ぶのは、無理が有り過ぎ。樹が小さすぎて、人が一人もいない早朝でも恐くないです。私なら、せめて京都国立近代美術館前辺りの岡崎疎水を選ぶけどな。
原作と比べてしまうとどうかと思うところも有るのだけど、軽いエンターテイメントとして楽しむべき短編小説集、だと思えば、良いのかも。
各美術館のサイト上に、そろそろ4月からのスケジュールが載り始める時期。今のところ、それほどサプライズな展覧会が登場した!という印象は無いですが。
最近知った中では、(個人的に)行かなくちゃ、と思ったのが、以下の辺り。
千葉市立美術館の「鳥居清長展」(4/28〜6/10)、畠山記念館の「春期展 琳派」(4/3〜6/10)、山種美術館の「山種コレクション名品展」(4/21〜7/16)。
後者2つはこういう機会を逃すと、暫く後悔することになるので。
ところで、ようやく概要が掲載された原美術館の「ヘンリー ダーガー展」(4/14〜7/16)。(原美術館はいつもそうなのか)会期中の土曜日は小中高の入場は無料らしい。小学生にダーガーを見せて…良いんだろうか。映画だったら、少なくともPG12位だと思うんだけど。展示の数的には限界があるので、むしろ展覧会に併せたこの機会に、画集とかが充実していることを希望。
…そういえば。ダーガーのドキュメンタリーフィルムって昨年辺りに恵比寿で公開予定、とか耳にした記憶が有るのだけど、あれって一体、どうなったんだっけ?
せっかく行くからには、館内を一通り見て帰りたい。では、ここで問題。エルミタージュ美術館を見るには一体、どの位の日数が必要でしょう?
ツアー旅行者の旅行記には決まって、(ガイドの受け売りか)「3百万点全て見るのに、休み無く見ても3〜6年は掛かる」とあるけど、そんなことはどうでも良くて。 知りたいのは、「現在の展示品を見る」のに必要な時間。4つの建物の内、実際の展示室は400、全部歩くと20km以上。ということは…
私の場合、大昔にルーブルを見た時は、まる2日掛からず。他の美術館(ブリュッセルの王立美術館、ロンドンのナショナル・ギャラリー、ベルリンの絵画館等)は一日前後。 で、そのペースで回れば、エルミタージュも(サクサク進めば)2日ではやや厳しいけど、2日半もあれば充分なのではないか(と想像)。殆ど興味の起きない部屋も多いだろうし。
昨日のプランだと、3日分の自由が有るので「エルミタージュを見る」だけなら、問題ない筈。ただし、2日ではなく2日半を費やしてしまうと、他の場所が殆ど見られない 予感。しかも、市内にはロシア美術館だって有るわけで。市内観光のためにもう一日、延泊すべき? しかし、サンクト・ペテルブルグに5泊もしたいかというと……
とりあえず、図書館等で情報収集中。
市立図書館では、日本放送協会の五木寛之編著「NHKエルミタージュ美術館」なる4巻(+別巻)の大型本。発行年は1989年。
今年で言えば「仏教への旅」 といった大型TV番組の派生本ではないかと。館内の作品紹介というより、西洋美術の歴史を紹介します、という本で、いかにもNHK的な、啓蒙主義的構成。ソ連時代なので、色々と隔世の感が(レニングラード だし)。そういう時代に「選ばれた」芸術家や専門家が、恵まれた体験を得々と語っている(対談・エッセー)という印象で、余り役に立たず。専制君主的啓蒙主義 ? 一般の人がこういうのを有り難がって、高いお金を出して購入していた時代が有ったのね…
近代美術館葉山館の図書室では、以下の2冊。
講談社の「世界の博物館」シリーズの「エルミタージュ博物館」。発行年は1979年。
絵画が有名だけど、考古学等を含めれば、確かに博物館というべきかも。そういえば、大昔、「ダナエ」が来日した時の展覧会って、それ以外はスキタイの金製品だった覚えが… この本では、マトリョーシカの歴史は浅く、1890年代にロシアに持ち帰 った日本の土産物(七福神)が元になっている、という話を知ったのが、一番の収穫だった。って全然関係ないじゃん、それ。
岩波書店の「エルミタージュ その歴史とコレクション」。発行年は1985年(但し、1997年に改版)
多分、日本語で出ている唯一の大型画集。代表作は有る程度分かったけど、(当たり前だけど)展示品のボリューム感はよく分からない。
ついでに、最近の「エルミタージュ美術館展」の図譜もパラパラと。
「華やぐ女たち:エルミタージュ美術館展」(2005年:島根県立石見美術館)、「エルミタージュ美術館名作展;花の光景」(2005年:静岡アートギャラリー) 、「大エルミタージュ美術館展」(2006年:東京都美術館、名古屋市美術館、京都市美術館)
「大エルミタージュ」は行かなかったので、ポスターのゴーギャン以外にどんな作品が来ていたのか初めて知った。…ほえ、何だか、妙なラインナップ。基本的に2軍の選手を集めた遠征チーム だからなのかもしれないけど、時代の売れ線というか、通俗的な画家の作品が大半というのは、逆に有る意味、マニアック。一昔前のハーレクイン小説が雑然と詰め込まれた古本屋の店頭ワゴンみたいな感じ?
う〜ん、結局、よく分からない。面倒でも公式サイトを熟読するのが一番早道? でなければ、竹橋の近代美術館に、何故か日本語版のエルミタージュ紹介ページが有るPCを改めて見に行くとか。
夏休みにエルミタージュ美術館を見に行きたい!と先月辺りから検討中。
簡単なのはパッケージツアーへの参加だが、その場合、ろくに見られないことは明白なので、あくまでもフリーツアーを目指すことに(ヴィザ取得は、全くの自由旅行では難しいので)。
とはいえ、ロシアの場合、様々なトラブル事例を聞くので、(自分が体験するかはともかく)想定され得るリスクを、いかにして極小化するかが大きな問題。
まず、直行便が無いサンクト・ペテルブルグへは通常、モスクワ経由となるが、その空港が「設備、アクセス、対応、どれを取っても世界の主要国で最低ランク」とガイドブック と書かれる状況(らしい)。トラブル時に相当しんどいのがトランジットだけに、そういう空港での乗り換えは正直、避けたい。また、戻る際はモスクワまで国内線か、夜行列車 だが、コンタクト抜きでは何も見えない人間としては後者の使用も微妙。
と暫く二の足を踏んでいたのだが、ある日、新たな発想が閃いた。…どうせ乗り換えするなら、別にモスクワじゃなくても良いんじゃね?
今回行きたいのはサンクト・ペテルブルグ(だけ)。ならば、フィンランド航空でヘルシンキ経由のサンクト・ペテルブルグ往復で良い筈。
運行の信頼性は高いし、マイルも溜まるし、乗り換えの不安もほぼ解消する上、ロシア内の移動(のリスク)も無くなる 。と(高くなる運賃を除けば)良いことずくめ。あとは出入国(と宿までの往復)が無事に出来れば(それすらリスクがあるのがこの国だが)。
ということで、ロシア関係の旅行会社を探していたら、ぴったりのフリーツアーを1社発見! フィンランド航空利用、サンクト・ペテルブルグ4泊+ヘルシンキ2泊で8日間。ヘルシンキから離れたムーミンワールドで遊ぶのは無理 でも(←行きたいのか)、対岸のエストニアのタリンへの日帰り旅行(高速フェリーで片道1時間半)は可能らしいので、後半は観光旅行としても楽しめそう。うん、悪くないですよ。視界が一気に開けてきた感じ。
問題は、設立数年の新しい会社で、評判を(良くも悪くも)余り聞かないこと。…大丈夫?(ロシア方面では老舗でかつ「対応の悪さ」で有名な会社もあるので、古ければ良いわけでも無いが)。あと、4月以降の料金設定が無いのもやや不安。ツアー設定が無くても、この会社(か他の会社に)同じような行程で手配を頼めば良いの だろうけど。但し、その場合、高く付くのは仕方ないところで…
などと考えている最中にも、サンクト・ペテルブルグのマクドで爆発事件発生、とのニュースを目にしたりして。まぁ、大丈夫、だとは思うけど……
この時期になると毎年、気を揉むのが、今年の「さくらの開花予想」(気象庁)の内容。
今年は東日本はかなり早いということみたいですが… 関西は平年よりは若干早い? 京都だと開花予想が3/28だから、見頃は週末で言えば3/31、よりは4/7の方が確率が高いよな… この辺はいつも当たるも八卦当たらぬも八卦、みたいな単なる山勘になってしまうのだけど、どうしたものか。
あと、昨年は某資格試験の試験が有ったため、地元と京都以外、どこにも桜を見に行けなかったので、今年は未だ行ったことのない名所or名木をどこか一つ位は訪ねたいなと。…今のところ、遠くに行く気力が余り沸かないのが問題だけど。日帰りでふらっと行って来られるようなところで、「見た」気がする枝垂れ桜の大木とかが良いのだけど、どっか無いかしらん。
一ヶ月振り位に、残業無く仕事が終わった(というか終えた)ので、今日行くしかない、と日本橋三越の「フンデルトヴァッサー展」へ。
昨年の京都国立近代美術館/メルシャン軽井沢美術館の「フンデルトヴァッサー展」に行けなかったため、今回の展覧会と、どういう関係にあるかは不明。近代美術館の過去ログの写真を見ると、(基本的には似たような感じだけど)前回は 沢山有ったらしい建築模型が、今回は大阪市舞洲工場位しか無かったので(広さの問題から?)、その辺は残念。
そんなわけで、水彩、版画、ポスター等、絵画作品中心の展示。絵画作品を見たことは余り無かったので、ぱっと見、ア、アウトサイダーアート?と驚く。彼の思想(直線が嫌いとか)には共感するところは多いのだが、強迫観念に主導された絵画という印象で、絵画作品としてはあんまり惹かれなかった。色の趣味がどうもな…
あと、彼の建築デザインは、建築の世界からはどれくらい評価されているのだろうか。舞洲工場の煙突にすら無数の小部屋(一体、何のための?)を付けようとしていた(実用的には)無意味な部分が多いデザインは、全否定してしまう人だって結構いるような気がするのだが… ウィーンでフンデルトヴァッサーハウスを見た時は、単純に面白いと思ったのだけど。
出口前の小部屋で上映していた、1970年代に制作のドキュメンタリー(本人のインタビュー)は長過ぎるけど(45分)、どんな人物だったかを知るのに、絵画作品以上に役立ったので、もし行かれるので有れば、併せて見ておくことをお薦めします。色々と饒舌に喋っているので。もっとも、昨年の展覧会会場で上映されたビデオと多分、同じみたいなので、昨年行った人なら敢えて行くまでも無いかと。
麗らか過ぎる位に良く晴れた一日。
近所の丘陵を散策するか、あるいは県立近代美術館葉山館にでも行って、春の海を眺めつつ、まったり過ごしたい気分だったのだが、新国立劇場の「さまよえるオランダ人」の観劇予定日だったので、やむを得ず、初台まで。3千円のD席だったので、バックれようかともしばし真剣に考えたけど、まぁ、それも勿体ないかと思って。
「さまよえるオランダ人」は初めて。なので、客観的な良し悪しは例によって判断出来ないけど、指揮は良かったんじゃないかと。キャストも健闘していたと思う。ただし、捻りが無い「普通」の演出だったためか、作品自体の内容の強引さというか、無理矢理感がそのまま伝わってきてしまい、具材のえぐみをあく抜きせずにそのまま喰わされたような後味の悪さが残った 。どうやら、この作品は性に合わないらしい。
…やっぱり、葉山館の図書室にでも行っていた方が、より有意義な休日の使い方だったかも。
どうでも良いけど、会場で貰ったチラシの中に有ったホセ・カレーラスのこの写真、宮崎県知事にちょっと似ている。
既に梅が見頃という話なので、「加山又造展」@茨城県近代美術館を見に行くついでに、今まで 行ったことのない偕楽園にも初めて寄ってみた。
今までは水戸に行く場合、経済性重視で高速バスを使うことが多かったけど、今回は用事が2つも?有るということで、少し贅沢して往復特急券付きの「ひたち往復切符」(上野・水戸間7千円)で。やっぱり、楽な方が良いし。普段、旅行 を殆どしないので、たまに特急列車に乗るだけで特別な気分に(^^;; 天気が曇りだった上に、茨城方面は(草木が芽吹いていないため)全体に灰色の風景で、余り面白くは無かったのだが…
「加山又造展」は50点余りと全貌というまでの点数では無かったけど、屏風が多かったので、ボリューム的には結構有り。亡くなった時から、まとまった回顧展を見たいと思っていたので、今回の展覧会は前から待っていたもの。昭和三十年代の屏風作品に見る機会が無かったもの、かつ今見ても刺激的なものが多くて、水戸まで行った だけの甲斐は有りました。
江戸絵画で言えば鈴木其一のような、デザインセンスに満ちた画家で、特に背景の一見地味な細部にこそ、デザインと仕上げの凄さに改めて感心した反面、本人が目標としていたらしい村上華岳のような精神性を感じることは最後まで余り出来なかった (のも改めて実感した)。その中で、狼やカラスを題材にした「孤独」な絵だけは例外的に情感が伝わってくるという印象で、だからブリューゲルを連想するあの「冬」の魅力は、理知的な画面構成と情感のバランスが拮抗していることにあったのかと思った次第。
それにしても、(展示されていた)高校時代に描いた「きつね」のスケッチ絵。瞬間の捉え方が既に上手かった。やはり栴檀は双葉より芳し?
あと「華と猫」(牡丹と青い目の猫の絵)が「個人蔵」なのを見て、2百部位刷っている版画ですら2百万円台だから、絵だと幾らになるんだろ、とか余計なことも考えたり。
偕楽園は、美術館から千波湖沿いの散策路を20分強、歩いた先。途中の道は何故かコクチョウの産卵場所になっていて、十羽以上が、道ばたのあちこちに座り込んでいた。ここの鳥たちは人に馴れている。ある意味、馴れ過ぎ。卵を抱えている鳥にパンをやっている人がいるのには過保護過ぎ!と思ったりも。一歩も歩かなくても餌が貰える、ってそれは、鳥たちにとっては楽園ですよ。
偕楽園の感想は、一見の価値(くらい)は有ったかなと。元々、梅に余り関心がない上、曇り空というコンディションの悪さも加わったこともあるけど、全国レベルの庭園(あるいは梅林)では別に無いよな、という印象。ようやく二十数年越しに日本三園を全部訪ねたことになるけど、正直言って、一つだけ仲間はずれが居ます !という感じ。
大体、梅の花自体がどうしても地味。高低差が無いと、写真にもならないし。まぁ、梅の場合、桜のように全体の華やかさを眺めるのではなくて、花の一つ一つの品種の違いをじっくり見るのが面白さなのかも、とは途中から(幾つか接写して)思ったけど。私には地味過ぎ。いつか梅の良さがしみじみ分かるように…、なりたいとは余り思わないな。それより、幾つになっても桜の季節が来る度に浮かれ歩いていたい。
ブラドの出現シーンがちっとも恐くなくて、がっかりです>アニメ版「ゴーストハント」。内容(脚本)に期待出来なくなって以来、それだけが唯一の楽しみ?だったというのに…
今さらにも程がある、という感じですが、先週から読み出した「のだめ」を、ようやく17巻まで。
実はまとめ買いしたまま、半年ほど未開封で放置していたのだけど、読み始めると、確かにリーダビリティはすごく高くて、手元に有る分だけ、必ず読んでしまった。思い描いていたのより、「普通の面白さ」だったのがやや意外ではあったけど、そういえば、そういう「普通に面白い」作品を敢えて読むことって最近、余り無かったような…
携帯プレイヤー用のインナーフォンとして昨年末に購入したオーディオテクニカのATH-CK9は、高音が綺麗に響くので、(いつものnet radioとかではなくて)ちゃんとした音楽、特にクラシック辺りを一度聴いてみたいという欲望が徐々に高まってきていたところに、「のだめ」を読んだ勢いもあって、幾つかCDをamazonで買ってしまった。何て影響され易い私。
ちなみに、買ったのはシベリウス、エルガー、ワーグナー(のそれぞれの管弦楽集)。本当に影響され易いな(^^;;