空の蒼さを 見つめていると


2006年12月

12/31

 今年は展覧会の感想(と旅行記)が全く書けないまま終わってしまった一年でした。昨年のように、この時期にまとめて書く気力も、もはや起きず… 

 

 せめて今年一年でどの程度、展覧会(美術館)に行ったか位は確認してみよう、と思って作ってみたインデックスがこのページ

 ……並べてみると、思っていた以上に多かったような(^^;;

 今まで余り気にしてなかったので、よく分からないけど、年間延べ125回というのは、もしかしたら過去最多かも。感想が滞るわけですよ(…開き直り?)。それでも3月の頃までは未だ、感想を書こうという意識が有ったことが窺える。4月に関西に旅行に行った辺りで、一気に駄目になったらしい…

 来年はもう少し、サクサク悩まずに書く方法を考えたいです…

 

12/29

 今年の仕事は、今日で終了。

 最終日くらい落ち着いて過ごすつもりだったのだが、年初の作業について修正が必要なことが急遽発覚して、最後までドタバタしてしまう。今月の状況を象徴しているかのような最終日。…まぁ、事前に分かっただけでも、良しとしなければ。

 今年は土日の関係で、明日から休み。12/30という、JRでさえ休日ダイヤの日にガラ空きの電車で出勤するという屈辱的な(笑)思いをしなくて済んだのは嬉しい。が、どちらかというと年初の休みの方が長い方が個人的には良かったような…

 

 「マリみて」の新刊を読もうとして、時間がやけに飛んでいるのに気付く(話は全然進んでないようだが)。…ひょっとして前巻が未読? 前巻の発売日は10/10か。読んでないな(購入したかは不明)。

 どうやら、10月に旅行に行って帰ってきた(直後に熱が出てフラフラした)辺りから、多忙にかまけて、思っている以上に、色々なことを放置したままで、年末を迎えてしまっ ているらしい。もはや何と何が放置されているのかさえ、よく分からないのだが…

 

12/28

 NODA・MAP「ロープ」@シアター・コクーン。

 

 12月になってから一日も早く帰れた日がないので、今日のチケットも無駄になるのか…と半ば覚悟していたけれど、何とか見に行けた。

 前作「オイル」(←感想)から3年振りの新作は驚くほどストレート だった。

 余りの分かり易さに、何だか複雑な思いで見ていたのだけど、最後まで見て納得はした。これはあくまでも、伝えたい言葉を間違いなく聴かせる、という目的のために、逆算して作った作品なのだなと。ただ、その分、観客の誤読を許さないというか、観客が「発見」することを期待しない作りになっていたのは、観客としてはやや寂しかった。それだけ重い、というのは分かるのだけど…

 一言で言えば、宮沢りえの「実況」に賭けた作品。その賭は成功していると思う。その他の要素(登場人物)が必ずしも活きてないのは多少気になるけど、それはまぁ良いか。

 ちなみに、公式サイトでの紹介は「未来の話なのにSFではない物語」。公演を見終えてから、改めて目にすると、なるほどな…と苦い感慨に耽ることに。

 

12/27

 Novel。森見登美彦「きつねのはなし」

 怪異譚集。「太陽の塔」以下の快活な?作品群よりも、個人的には、こういった作品の方が実は好きかも。もっとも、京都市左京区近辺の緻密な土地勘が有った方が面白い(と思う)という点では同じなのだけど。

 ついでにいえば、そういう土地勘が有ると、異界が立ち現れる地域が、京都市左京区吉田(要するに京大周辺)を中心として描いた余りにも狭い!円の円周なのには、つい笑ってしま う。鷺森神社は作者にとっては、やっぱり、そういう場所なんだなとか、鴨川のすぐ西(梨木神社の辺り?)でさえ、向こう側なのかよ!とか。まぁ、地元民(&元地元民)以外、かなりどうでも良い楽しみ方ではありますが…

 4篇の中では表題作の「きつねのはなし」での、じわりじわりと恐くなっていく構成が、一番の好み。あと、作者の素質に一番相応しいと思うのは2番目の「果実の中の龍」。

 「水神」だけは、このジャンルには、泉鏡花ら「水の作家」の凄い作品が多いだけに、もっと頑張って頂きたい、というところ。疎水が京都を流れている「異界」というのは よく理解できる題材なんですけどね…

 

12/24

 久々に、近所の丘陵をwalking。最近、夕食にあっさりとしたものしか食べてない(食べる暇がない)ため、先月よりは確実に身が軽くなっていることだけは、今月多忙なことの副産物と言えるかも。

 

 溜まったマイルで、ふぐセットを頼もうか悩んでいたことは前に書いたが、やはりふぐが頭から抜けないので、変換したYahoo!のポイントを使って、Yahoo!の通販で、某店のふぐセットを注文。もはや年内は厳しいようなので、正月に届けるよう依頼。どんなものか、ちょっと楽しみ(^^;;

 

 …せっかくだから、お答えしようと思っていたことまで辿り着けず。書くつもりは有るのだけど、この分だと、次の週末になってしまうかも…

 

12/23

 橘いずみ改め、榊いずみのライブ「新しい足跡をうしろにつけて」@渋谷O-WEST。

 いつもながら、達成感と満足感が高いライブ。これを聴けたので、今年はもう(終わっても)良いや、という感じの幸福感。まぁ、今年の仕事は全然終わってないんだけど…

 

 途中、Bunkamuraに寄ったら、エッシャー展に長蛇の列が出来ていて驚く。何でエッシャーの時だけ、そんなにも(若い)人が沢山来るんだろう。ダリと同じで、美術の教科書に載っていたという刷り込み?

 で、ライブの帰り。Book1stで、2冊目の「きつねのはなし」を買って帰ったのだった…

 

12/22

 今週はいよいよ多忙(自分としては、だけど)につき、毎晩、帰宅後はほとんど何も出来ずに終わる。そんな中、ほとんど唯一の楽しみだったのが、帰宅中に読んだ↓

 

 Novel。森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」。

 果たして期待を全く裏切らず、全編、とても楽しい内容でした。以上。

 と書いて終わっても良いのだけど、もう少しだけ付け加えると、今回は「太陽の塔」と「四畳半神話大系」の中間という印象。何と言っても、第三章の「御都合主義者かく語りき」が素晴らしい。

 個人的には、この人が思い描いている「ファンタジーな描写」(第四章のクライマックスとか)より、第三章に登場する「偏屈王」連続公演のような、「変だけど(少なくとも京都なら)十分有り得る、ような気がしないでもない」世界の方が遙かにファンタジーだと思うので、そういう「地に足が着いた」話だけで語ってくれた方がより面白いのでは ?と前から考えてはいるのだけど、これはこれで「美しい」物語だと思った。

 

 ちなみに、すぐにでも購入・通読してしかるべき森見登美彦の新刊を読むのが、何故今週まで遅くなったかというと。

 一ヶ月前に買った「きつねのはなし」が、いざ読む前に部屋の何処かへ忽然と姿を消してしまったという、摩訶不思議な出来事が影響している。…部屋が余りにも乱雑だと言われればその通りなのだが、それにしても一ヶ月前の本なら、ここ一ヶ月間に降り積もった(というか積んだ)本やチラシの層までのどこかには存在している筈なのに、それらを掘り返してみても、一向に見つからないというのは謎である。

 ここ3週間ほど、折に触れて単発的に捜索を繰り返してきたものの、この分だと、年内には見つかりそうもないので、どうやら年内に読むべき本らしい「夜は短し歩けよ乙女」を買いに、先週、渋谷のBook1stに出掛けたところ、ちょうど品切になっていてショックを受けた。Book1stで普通の新刊が置いて無いというのは、そう有ることではない(気がする)ので。仕方ないので、横浜で降りた時に有隣堂で購入 したのだった。

 で、問題の「きつねのはなし」だが、今もまだ見つかっていない…

 

12/17

 昨日は久々に(本を買うつもりで)本屋へ。

 部屋に本を置く場所がもはや殆ど(本棚に入れる場所に至っては2年前から)無いので、出来るだけ買わない生活をここ半年以上送ってきたのだけど、余りにも「最低限文化的」な生活過ぎるので、やや反省して。で、Comicsのフロアーを覗いたら、少なくとも数十冊は補完しないと現在まで追い付けないような 気が… 買うのは良いけど、この部屋のどこにあるんですか、そんな空間。

 あと、最近の新刊を買うためには、(部屋の中にある筈の)前の巻(や前の前の巻)をまず読まないといけないシリーズが多過ぎることにも気付いた。(同じく)どこにあるん ですか、そんな時間…

 

 小学館の「西洋絵画の巨匠」の最新刊「ヤン・ファン・エイク」(Amazon)。

 このシリーズの刊行が予告された時から、待望していたファン・エイクの巻。(本屋でパラパラ眺める限り)他の巻ではペカペカ光り過ぎな印象もあった図版の印刷も、ファン・エイクの超細密な画面を再現するのには相応しく、「ファン・デル・パーレの聖母子」と(特にその拡大図版)などは素晴らしいの一言。解説は、図版中心の作りのため、それほど量は多くないものの、最近の調査についても多少触れられていて興味深かった。

 今更だけど、改めてまとめて見ると、ファン・エイク(ファン・アイク)は凄いとしか言いようがない。これほど凄い画家が、日本でどうして知名度が低いかというと、やはり実物が来日したことがないから、かと。そう思うと、来年のレオナルドの「受胎告知」の来日展みたいなお祭りイベントには、やはり意味があるのかも。 ファン・エイクも、絵画の凄さという点で、少なくともレオナルド以下ではない画家だと思うけど、作品が来日することがあるとは思えないので、今後も無名?なままなんでしょうね…

 ともあれ、ファン・エイクの画集は前から欲しかったので、こうやって手元に持てて、非常に嬉しいです。

 

 ところで、この単行本で紹介されている絵を見る限り、実は代表作の大半は既に見ているのかも、私。

<見たことがある(あるいは見た筈の)作品>
・「ロランの聖母子」(パリ、ルーブル美術館) ←学生時代、見た筈。だけど悲しいことに見た記憶がない。
・「ファン・デル・パーレの聖母子」(ブリュージュ、フルーニング美術館)
・「ヘントの祭壇画」(ヘント、聖バーフ大聖堂)(兄フーベルトとの共作)
・「アルノルフィーニ夫妻の肖像(?)」(ロンドン、ナショナル・ギャラリー)
・「教会の聖母子」(ベルリン、国立絵画館)
・「ドレスデンの三連画」(ドレスデン、国立絵画館)
・「ルッカの聖母子」(フランクフルト、シュテーデル美術館)
・「泉の聖母子」(アントウェルペン、王立美術館)
・「聖女バルバラ」(アントウェルペン、王立美術館)
・「ティモテオスの肖像」(ロンドン、ナショナル・ギャラリー)
・「ヤン・ド・レーブの肖像」(ウィーン、美術史美術館)  ←これも記憶にない
・「ボードワン・ド・ラノワの肖像」(ベルリン、国立絵画館)
・「ニッコロ・アルベルガティの肖像」(ウィーン、美術史美術館) ←これは見た、ような…
・「ジョヴァンニ(?)・アルノルフィーニの肖像」(ベルリン、国立絵画館)
・「赤いターバンの男」(ロンドン、ナショナル・ギャラリー)
・「マルガレーテ・ファン・エイクの肖像」(ブリュージュ、フルーニング美術館)

<見たことがない作品> *は100%ヤン・ファン・エイクではないとの説があるもの
・「ヤン・フォスの聖母子」(ニューヨーク、フリッツコレクション)*
・「書斎の聖ヒエロニムス」(デトロイト美術館)*
・「トリノ=ミラノ時祷書」の画家G(トリノ市立美術館)
・「ニューヨークの二連画」(メトロポリタン美術館)*
・「聖痕を受ける聖フランチェスコ」(大:トリノ、ガレリア・サバウダ。小:フィラデルフィア美術館)
・「ティッセンの受胎告知」(マドリード、ティッセン=ボルミッサ美術館)
・「受胎告知」(ワシントン、ナショナル・ギャラリー)*
・「青い頭巾をした男」(ブカレスト、国立美術館)

 意識して詣でたつもりでは無かったけど、今年のドイツ旅行が結構、効いた感じ。あとは「アルノルフィーニ夫妻の肖像」1枚のために、英国に行ったことか。

 他に見るとしたら、やはり、「ロランの聖母子」の再見だろうな。いつか、ルーブルにまた行く機会がもし有ったら、その時はこの絵だけは何としてもじっくり見ることにしたい。

 

12/16

 展覧会巡りの一日、その2。

「出光美術館名品展U」(後期)@出光美術館 → 「世界あやとり紀行 −精霊の遊戯−」@INAXギャラリー → 「桑原弘明SCOPE展」@ギャラリー椿 → 「揺らぐ近代 日本画と洋画のはざまに」(後期)@東京国立近代美術館。

 出光の展示替えで印象に残ったのは其一の一点のみ。だけど、これぞ其一!という作品だったので、それはそれで良し。一方、「揺らぐ近代」の展示替えは佳作は有ったものの、前期だけでも良かったかも…

 

 もはや毎年恒例の年末の楽しみ、となってきた「桑原弘明SCOPE展」。

 今年は展示スタッフも観客も多くて盛況だった(今年から、1日3回の決まった時間帯での公開に変更)。今年の新作の中では、作者さん自らが見せてくれた、窓の外が雪景色の部屋が特に良かった。夜の場面になると、窓の外に街灯が灯るのだけど、あれってナルニアからの引用なんだろうか。旧作に、ナルニアのあの箪笥を表現した部屋があるのを後で知ったので、多分、そうではないかと思うのだけど…

 その箱は制作に2ヶ月、今年一番時間を掛けた「memento mori」だと3ヶ月掛かったとのこと。最初に作りたいイメージを描い て、それに色々なものを付け加えていくらしい。

 今回は価格表も貼ってあったので(初めて気付いただけだと思う)、一個幾ら位なのかようやく分かった。今回の新作で一番安いので40万円位、雪景色やmemento moriのように時間が4つ位あるような、手の込んだものだと8〜90万円台。材料費含めた3ヶ月分の制作費と考えれば、決して「高く」はないような気が。

 ともあれ、宝くじが百万円以上当選さえすれば私にも「買える」ことは分かった。あとはただ、宝くじに当たるだけだな。

 

12/15

 う〜ん、今月一杯は、やっぱり平日の更新は出来そうにない。…まぁ、そういう月も有りますよね(と自分に言い聞かせてみる)

 

 Novel。恩田陸「中庭の出来事」。

 図書館に予約を入れたら、ほとんど待たずに借りられてしまい驚いた。今は18件の予約が入っているようなので、タイミングの問題?

 「チョコレートコスモス」に続き、演劇をテーマにした作品。そんなわけで、作中戯曲として何重にも女優達の台詞が組み込まれているのだが、えーと… 前から言っていることだけど、私は恩田陸が書く一人称の、わざとらしさというか、カメラ目線で喋っているような感じが大の苦手。またか!みたいなうんざり感も少々。今回は「台詞」そのものなだけに、いつもほどは気にならなかったけど。

 作中人物が言うところの「複雑な」物語だけど、冗長という印象の方が強いかも。少なくとも、最後のまとめ?方などで作者の方が読者より面白がっているように感じてしまうのは問題ではないかと。どうやら、恩田陸と私では「演劇」に対するイメージが異なるらしい、というのも違和感の源のようなので、小説の出来以前のところで余り「合わない」作品なのかもしれないが…

 

12/11

 来年正月のNHKの美術系スペシャル番組といえば、1/2夕方に放送予定の、このフィレンツェ中継らしい。

 …いや、良いですけどね。正月にフィレンツェから生中継って、4,5年前にも確かやっていたような記憶が。今回も紹介するらしいサン・ジョヴァンニ洗礼堂の「天国の門」(実はレプリカ)の前で、この街は街全体が美術館なんです、とか 喋っているのを見た覚えが有るので。

 それにしても、中継場所がドゥオーモと、ヴェッキオ宮殿からピッティ宮殿まで、って余りにも芸無さ過ぎ。何というか、フィレンツェに着いて、最初にまず行くような場所ばかり。2回目なんだから、もう少し、普通なら行かないよ(行けないよ)、という場所を紹介してくれても良いと思う。ヴァザーリの回廊だって、民放の2局が縦断する様をとっくに放送して いるし。大体、何で今更、フィレンツェなんだか…

 などと文句を言っている内に、はっと気付く。これって実は、来年3月からの国立博物館でのダ・ヴィンチの特別展の宣伝のためだけの番組なのか! そのためにはフィレンツェから中継までするのか。

 来年のNHK、観客動員… やる気ね!

 

 ちなみに、最近開設された特別展の公式サイトを見ると、かつてのモナリザ来日時の映像を映してみたりと、来日の「貴重さ」をとことんあおる戦略らしい。

 『74年、モナリザ展でごった返す特5』『6万1千人が押し寄せた最終日の行列』といったキャプションを付けて、当日の写真を紹介しているのは、あの時の夢よもう一度、ということ? 桁違いの保険金や借用料を払わされているに違いないとはいえ、この機会によほど金儲けがしたいらしい な>国博+朝日新聞+NHK。

 でも、一般の人には海外が 縁遠かった30年前とは状況も全く違うわけで、ウフィッツィ美術館に行けばいつでも見られるレオナルドの「受胎告知」1枚でそこまでの事態は起きない筈(と思いたい)

 しかし、「特5」での公開か。昔はともかく、最近ってほとんど使ってないのでは? と暫く考えていて、そういえば、昨年春、中宮寺の菩薩像が「特5」で展示されていたのを思い出した。あそこか… 四角い部屋に一枚だけ絵を置いたら、最前列の動きが停滞して大渋滞するよなぁ。どう考えても、まともに絵を見る環境にはならなそうな嫌な予感 。

 まぁ、「最新の研究成果」の方は見たいので、金曜の夜間延長等で、特別展には行くとは思うけど、「受胎告知」は混んでいたら、スルーする方向で。向こうでは結構、じっくり見たので。

 

12/10

 上野洋子初ソロライブ@東京キネマ倶楽部。

 本当はその前にもう一つ、どうしても行きたいライブが有ったのだけど、開催時間が微妙に近くて、泣く泣く諦める。実際には、会場スタッフの段取りが余り良くなくて入場 まで時間が掛かったので、両方をハシゴ出来た気もしないでも無いのだけど、初めての会場だとその辺の事情は全く分からないので。あと30分だけ時間がずれていればな…

 そういえば、昨年も(上野洋子が楽曲produceした)折笠富美子ライブのチケットがたまたま取れてしまったため、やはり同日だったもう一つのライブの方に行けなかったのだった。う〜ん、 最近、相性が悪いんだろうか。

 

 上野洋子出演のライブを始めて見たのは、昨秋のMarsh-Mallow のライブの時で、その時は凄くさっぱりとした格好(仕事が一番出来る事務のベテラン女性みたいな感じの)だった印象があるので、今回、まるで田村ゆかりみたいな服装で舞台に現れた時は、びっくりしましたが(^^;;(本人も開口一番、「化粧って凄いよね」と照れ隠しに言及していた)、声は相変わらず、歌姫で。バックも凄く豪華だった。

 新旧取り混ぜて色々歌ってくれて、その世界の(&声の)幅の広さに改めて感動した(本人の弁によれば、あくまでも「ポップス」と思うものを選んだらしい)

 新しめの方で言えば「光さす、希望の彼方へ」が嬉しかった。折笠富美子も悪くはないのだけど、あのメロディなら、上野洋子本人の声でぜひ聴いてみたいと前から思っていたので。

 

 ちなみに、東京キネマ倶楽部に行く前にちょっと寄ったのは、「The Wonder Box -ユニヴァーシティ・ミュージアム合同展」@東京藝術大学大学美術館。

 狙い通りのブンダーカマーかどうかはともかく、こういうのはもっとやってみたら良いのでは? まぁ、出展している大学博物館の中にも温度差があるようで、富山大学和漢医薬学総合研究所の漢方薬(他の)セット (葛根湯の原材料の内訳とか実物を見たのは初めてですよ)とか、香川大学の「会話していた奈良時代?の二人の足跡」といった熱心な展示もある一方、昔から一番色々持っているに違いない東大・京大は、義理で出展しました的なやる気の無さだったのだけど…


 

12/9

 さ、寒い…

 今日は夕方からのライブの前に、展覧会をガシガシ回ろうと思っていたのだが、余りの寒さに外に出る気力もなくなる。そのまま部屋の中で、生まれたての子鹿のようにぷるぷる震えながら、一日を何とかしのぎたい気分だったが、さすがにライブ自体を諦めるのは勿体ないので、時間を見計らって錦糸町まで電車で直行。うわ、みぞれ交じりっぽい雨が降ってるよ…

 という最悪のコンディションで到着した、今年の「Celtic Christmas」。

 しばらくアイリッシュ・ミュージックと縁遠かっただけに、久々の来日だったルナサの演奏の美しさを堪能出来たのは何より。だけど、今までのアイリーン・アイヴァース・バンドやカルロス・ヌニェスの時のような熱狂は起こらず、まったりと終わってしまったのは、(外はもの凄く寒かっただけに)やや物足りなかったような。

 昨年は行けなかったので分からないが、一昨年のアルタンでさえ?確か後半はスタンディングだったというのに…

 

12/8

 元出向先にいた人達での、恒例の忘年会。なので、久々に残業せず、会場に直行。

 机上に置かれたお品書きには、「聖夜会席」と命名してあったので、鶏でも出てくるのかと思ったら、蟹、海老、鯛、伊勢海老、魴、甘鯛、鱈、鰊と、食材がひたすら魚介類の会席。美味しかった(くも子だけは苦手…)のは良いのだけど、聖夜と何の関係もないじゃん、みたいな突っ込みを入れたくなる。

 …はっ? まさか「イエス・キリスト、神の子、救い主」のギリシア文字を繋げると「魚」になることから来たという、魚=キリストのシンボルを密かに踏まえた懐石コース? ふ、深い…(なわけはない。

 

12/7

 この前のドイツ旅行でJALのマイレージが約15000マイル(=国内一往復分)溜まったのだが、その前にあった5000マイル(イタリア旅行の時の残り)が今月失効の予定。

 この忙しいのに(かつ寒いのに)今月、国内旅行する予定はないのは勿論、旅行関係での使い道も近い内には無いし… というところにメールで来たのは「JALワールドコレクション」というギフト交換の薦め。まぁ、それも悪くないかな… 9500マイル必要なので、せっかく旅行で溜めた(国内旅行用)15000マイルの内5000マイル近くを取り崩してしまうことになるのが痛いけど…

 でも、考えたら、仮にフライトマイルが無くてもショッピングマイルだけで何とか取り戻せそうな気がしてきたので(通勤定期代の半年12万円を毎回カード決済していけば)、取り崩しても失効は避ける方向に決定。

 「ワールドコレクション」で本当に良さそうなのは、松阪牛のしゃぶしゃぶ肉と、下関のふぐセット位。ふぐセットというのも良いかも、と年末にふぐ鍋を食べる気満々だったのだが、しかし、これって本当に9500円相当なのか、という疑問が。自社の関連でマイルを消費させるという仕組みから言って、良くても多分、7〜8000円程度のものなのでは。しかし、ふぐ鍋…

 

 と逡巡した挙げ句(一週間ほども)、結局、yahoo!のポイントに10000マイル=10000ポイントで交換した。yahoo!のショッピングで何か買った方が(少なくとも)損はしていないだろうと。

 問題は使い方。元々購入予定の本やCDを買う時に充当すれば、一番無駄がないわけだが、この一週間、ネット上で、ふぐセットの内容と適正価格の関係をずっと調査?していたので、頭の中がふぐ一色 に(^^;; pointが入ってきたら、このままyahooの通販でふぐセットを買ってしまおうか… しかし、ふぐ料理だけでも結構、沢山の店があるので、どこで買うべきか、そこでまた悩みそう…

 

12/3

 新国立劇場の来年の公演「さまよえるオランダ人」。最安席のD席(3150円)を購入。来年は出来るだけ、財布に優しい観劇生活を送ろうかと。(などと言っていられるのも今の内だけかも)

 

 今年も残り一ヶ月。昨年同様、溜まっている展覧会の感想を出来るだけ片付けるか、それとも旅行記の(←昨年の)残りを最後まで書くか、位のことはしたいのだけど、今年は割と忙しめなので、どちらも出来ないままで終わりそう… とりあえず、どちらから着手すべき?

 

12/2

 色々と展示時期の終了が迫ってきたので、今日はひたすら展覧会巡りの一日。

 「ルソーに見た夢、ルソーに見た夢」@世田谷美術館 →「揺らぐ近代 日本画と洋画のはざまに」(前期)+「所蔵作品展 近代日本の美術」「写真の現在3」@東京国立近代美術館 →「出光美術館名品展II」(前期)@出光美術館 →「ボストン美術館所蔵・肉筆浮世絵展 江戸の誘惑」@江戸東京博物館。

 4つ見るだけで一日費やしてしまったわけだけど、やっぱり、世田谷美術館が微妙に遠いのが原因だよなぁ。もっとも、これが千葉市美術館だったりすると、それだけで一日使ってしまうので(片道2時間!)、一日としてはまぁ有効に使えた方かと。ちなみに、そういう事情で、時間の余裕が無い今回は、千葉市美術館の「浦上玉堂展」については断念。

 

 今日行った中では、企画としては、何と言っても「揺らぐ近代」が素晴らしかった。初めて「東京国立近代美術館」という開催場所の名前に相応しい企画展というものを見た気がします。日本の「近代絵画」って何なのだろう、と思ったことのある人なら必見。コンセプトだけではなく、作品的にもかなり面白いものを並べ立てていた。結構、展示替えがあるようなので、後期も是非行くつもり。

 

12/1

 amazonにメールで、加納朋子の新刊の発売を教えられ、ちょっとショックを受ける。

 加納朋子の新刊といえば、今まで金木犀の咲く季節に出ることが多かったので、今年はもう出ないのかと油断してた… というか、彼女の単行本はほぼ全て購入してきた者としては、新刊 の存在をamazonに教えられるなんて、何たる屈辱(^^;; 「モノレールねこ」(Amazon)か。amazonの紹介文で見る限り、連作長編ではなくて、純然たる短編集のようなので、やや不安だけど。

 

 久々に金曜の夕方、仕事を割り切って終了し、会期終了間近の「ぼくらの小松崎茂展」(逓信総合博物館)へ。

 実際のところ、私は、小松崎茂の挿絵やパッケージに全面的な洗礼を受けた世代ではないのだけど、あのレトロフューチャーなイメージの数々を今見ると、何だか切なく感じてしまうのは何故だろう…

 

 ところで、12/9にここの地下ホールで、「横尾忠則VS山下裕二」の対談が行われる、とのチラシが。

 なかなか魅力的な組み合わせなんですが、場所が場所だけ有って、テーマは「美術」ではなくて「郵便」。当日の自分の予定、すみだトリフォニーホールでの「ケルティック・クリスマス2006」は17時からだから、その前に寄ることは可能だけど、しかし「郵便少年対談」をわざわざ聴きに行くのもどうなんだか。でも結構、面白いかもしれないし…