空の蒼さを 見つめていると


2005年11月

11/30

 先々週の(え?もう、そんなに前?)旅行では、3泊4日ということもあって、京都市内の交通機関は、近鉄以外の殆どを一度は利用したのだが、中でも京阪については、宿泊先の最寄り駅が京阪大津線の粟津だったこともあり、一番多く利用した。

 京阪の車内で一番目に付くのは勿論、「いも、いも、いろいろ、おけいはん。」とか「おけいはん、秋を歩く。」といった「京阪のる人、おけいはん。」なポスターなのだが、それにもまして今回印象的だったのは、「最後まで美しく。」と題したひらかた大菊人形展と、「ぶっちゃけ、サイコーォ〜!」という「プリキュア」イベントの2つを横に並べて宣伝している「ひらパー」のポスターだった。

 「ひらパー」といえば、それまで地味な遊園地というイメージだった「ひらかたパーク」が、十数年前、私がまだ京都の学生だった頃に、TVCMで、とち狂ったかのように、「ひ〜らパー」と突然、叫びだした時の脱力感は今も忘れ難い。

 恐らくは、それより少し先行して大きくイメチェンを図った同じく老舗遊園地「としまえん」の突飛なCM戦略(1990.4.1付新聞広告での、あの「史上最低の遊園地。」とか)に倣ったものだったのだろうが、余りにも垢抜けないCM内容に、…もう、駄目だろ。とその時は正直思ったが、そのCI戦略はそれなりに有効だったのか、今でも「ひらパー」は続いている。

 しかし、「ひらパー」になっても菊人形展だけは頑として続けるその姿勢に、妙な安堵をしていたのだが、何と今年で菊人形展は最後らしい。しかも、「96年間、ありがとうございました。」って、そんなにも歴史が有ったのか! 帰ってから改めて調べてみると、京阪の開業記念事業として開催された菊人形展が、枚方で菊人形館として定例的に行われるようになったのが、「ひらかたパーク」のそもそもの起源らしい(Wikipediaのひらかた大菊人形)。そうか、そもそもの始まりだったから、あそこまで菊人形展に拘ってきたのか。

 最後の今年は大混雑しているらしい、という話も聞いたが、世の中、大体そんなもので、その時にはもう手遅れ、というか。

 幼少時を関西で過ごしたわけではない私には、菊人形展と言われても、ぴんと来ないものがあって、漱石の「三四郎」で、若い主人公達が小石川の菊人形展を見に行く様も随分と奇異に感じられたのだが、明治の当時は、菊人形展というと、最新モードのイベント展示だったのだろうか。96年前の最新イベント… それはまぁ、古くもなるよなぁ。

 

11/29

 ええと、依然として風邪引き中だったり、それにも関わらず歓送迎会(私のではないです)が有ったりするので、更新停滞中。こうしている内に、「年内」はさらに少なくなっていく…

 

 来年は戌年ということで、京都国立博物館と東京国立博物館では、1月にそれぞれ犬に因んだ平常展示を実施予定らしい。京博はお馴染みの狛犬特集で、東博は犬が出てくる色々な作品の展示。京博の狛犬も良いのだが、東博の埴輪犬には流石に敵わないかも。この人懐こそうな表情は素晴らしい。ティム・バートン作品に出てくる犬みたいだ。

 

11/27

 朝起きたら喉が痛い(風邪らしい)のを押して、音泉枠で当たった「Legend of phoenix〜レイラ・ハミルトン物語〜」先行上映@小松川さくらホールへ。

 なるほど〜という感じだったけど、どこまで書いて良いのかよく分からないので、内容は省略。

 ところで、ここ1,2ヶ月、この手の抽選やプレオーダーに関しては、非常にツイている気が(というか、落ちてない)。今までの人生を通しても、こういう(幸運な)時期は滅多にないので、今の内に宝クジとか買っておいた方が良いのかも。…やはり、狙うなら年末ジャンボ?

 

 市立図書館から、「ネクロポリス」上下ともに(正確には一日違いで)「用意出来てます」メールが。今週借りた「ユージニア」が未だ途中だったので、少し慌てるが、本日何とか読了したので、明日には「ネクロポリス」を借りてくる予定。 図書館の購入前からリクエストした(その時点で4人目だった)のが早く借りられた勝因? ちなみに、現在は32人待ちらしい。

 こうなると、遅くとも来週には「ネクロポリス」まで読み終えることになるけど(それ以上借りられないし)、予定していた恩田陸月間part2を年内に書けるかは微妙。

 どちらかというと、12月は、溜まりに溜まった展覧会の感想の年内大売り出し、というか在庫一掃セールをやりたいのだった。それも普通に書いていたら絶対終わらないので(多分、1日1個分以上は有る筈)、かなり無理しないと難しいとは思うんだけど…

   

11/26

 芸術の秋、というわけでは別にないけれど、何だか忙しい一日。本当は昼まで寝ていたいところだったけど、「北斎展」は朝一番で入らないと大変だし…

 

Art 北斎展  東京国立博物館 2005.10.25〜12.4

 展示替え後期。

 やっぱり、凄い混み様で。開館時間に入ってしかも東翼から回ったのに、私の中では許容限度ぎりぎりの混み具合。前期と後期の展示替えでは、がらっと変わったという印象は無かったけど、公式サイトがいう「グレーテスト・ウェーブ」なMETの「神奈川沖浪裏」や、あの「西瓜図」も前期展示だったことを思えば、前期の方がより魅力的だったような。

 でも、絶筆に近いと言われる「富士越龍図」はぜひ一度実物を見たかったので、それだけでも来たかいは有った。今回は東翼を1時間半掛けてのろのろ進むだけで疲れたので、西翼は肉筆の、しかも展示替え分だけを後ろの方から15分で覗いただけ(^^;;

 MOA美術館「二美人図」は11/29からだし、本当なら12/2の夜にも西翼の展示替分を見たいけど、会期終了直前だから金曜でも混んでいるだろうし、大体、月初だから多分行けないだろうなぁ。ちなみに、今日は昼前で入場規制が40分待ち、午後だと60分待ちだった様子。あれ以上、混むとどうしようもなくなるので仕方ないか 。

 

 あと、こういう混む展覧会に子供を平気で連れてくる親はどうかと思った。「冨嶽三十六景」とかは絵の位置が子供の目線には高過ぎたし(かといって、あれより低いと、大人の大半が屈まなくてはいけなくなる)、長いこと並ばされて飽き飽きしている(無理もないが)子供が多かった。

 何であれ幼少時から良いものに触れた方が良い、としても、例えば身の回りに画集がある方が見る機会が多くなる筈。結局、子供のため、ということではなく、自分がちょっと見たいので子供も連れてきた、だけなんだろうけど、この混雑状況だと、美術館を嫌いにさせるトラウマ体験を刷り込んでいるとしか思えない。

 こういうことを言うと嫌われるかもしれないが、入場制限をする位、混雑する展覧会なら、年齢制限をする方が(子供を含めて)皆のためではないかと。演劇等の公演では小学生以下不可、とかは当たり前のようにあるわけだし。しかも、そうすれば、今回、欠けているジャンルも扱えるし 、一石二鳥?

 …今気付いたのだけど、美術館って何、小学生以下って無料なの? 常設展はそうすべきだと思うけど、企画展は金を払うべきでしょ。それが例え親の金だろうと、何かを得るには対価が要る、ということ位、絵を見る以前に学ぶべき なのでは?

 

 「ゲント美術館展」@埼玉県立近代美術館展。

 だから、小学生はまずこういう美術館(の常設展)に連れて行くべきなんですよ、きっと。とその話はともかく。

 オーソドックスな構成自体は良いけど、ちょっと無難過ぎた感じで、同じベルギー美術展でも、府中市美術館の方が、個人のコレクションを元にしているせいか、楽しさのベクトルが多方向に弾けていたような。

 まぁ、家からだとここも結構遠いので、会期終了前に、とりあえず見ることが出来てほっとした。より詳細な感想は…後日??

 

 ソフィア国立歌劇場「リゴレット」@東京文化会館。

 開演前、字幕ボードに「明治乳業 特別協賛」と出ていた時には何故また?とぼんやり思っていただけだったが、開演時のアナウンスで「明治ブルガリアヨーグルトスペシャル」と聞いて、初めて気付く 私。あ、それで(…遅いよ)。ひょっとしてソフィア国立歌劇場が来日公演する度に協賛しているんだろうか。ちなみに、私は毎朝、食べています(だから何?)。

 今回は5F中央の最後列という、一番後の席。顔を確認するためには、オペラグラスは欠かせない席だったけど、見る分にはそれほど支障は無かった。

 アレクサンドル・クルネフのリゴレットは娘を溺愛する父親というよりは、ヤキモチ焼きの兄のように見えて(オペラグラス越しの印象だけど)、正直、今一つだったけど、アンドレア・ロストのジルダは流石に魅力的。演出や演奏に は特別、はっとさせられるところは無かったけど、アンドレア・ロストのジルダを聴くだけで、普通に満足。良かったですよ。12月の「オテロ」もアンドレア・ロストなので、そちらも楽しみ。

 

11/25

 遊佐未森 mimori yusa piano solo 2005 “bonbonniere”@銀座ヤマハホール。

 

 何故かチケットを取ってしまったのは、アコースティックなライヴを聴きたい気分の時に、このライヴの情報を見掛けたのではないかと(よく覚えていない)。そんなわけで、チケットが手元にあったので、帰りにヤマハホールへ直行。

 彼女のライヴを見るのは2回めだけど、今回はライヴツアー疲れなのか、少しざらざらとした声(多少ハスキー掛かった?)で歌い始めたので、期待したほど癒されるという感じでは無かったのは残念。最後の辺りは声の響きが戻ってきていたけど。

 まぁ、悪くは無かったけど、今後も来ようかというと微妙。個人的には遊佐未森が非常に好きだったのはごく初期まで、なので。観客層も何というか微妙な感じだったし。

 

 ちなみに、ヤマハホールに入るのは実は今回で2回目。前回は、某先に出向していた時代、某社が民事再生の申立をして、債権者向けの説明会をここで開いたので、それを聞きに行ったという、全くもって、非音楽的な思い出が。ヤマハホールって、平日の日中はそういうことにもよく使っているんでしょうか…

 

11/24

 「生誕120年 川端龍子展」@江戸東京博物館、の後期。展示替え分を見たら、印象変わるかも、と一応思っていたのだが、そんなことは無かった。

 ところで、この展覧会、チラシの中で一番大きな絵の「南飛図」の図像の左半分がよく見ると反転している(月が逆向き)。凄い大ポカで、本人が存命だったら、加納朋子の「ななつのこ」の某エピソードのように激怒するところだと思うけど、今回の展覧会は「生誕120年」記念、当然、鬼籍に入って数十年なので、余り問題にならなかったのだろうか。

 まぁ、今さら回収しようが無いチラシはともかく、図譜まで誤っていることに直前になって気付いたとかで、会場に置いてなかったといった話をどこかで読んだような気がしたのだが、改めて出口で図譜を見たところ、置いてある見本では直ってないままだった。もしかしたら、購入すれば、訂正のお詫びみたいなものを挟むのかもしれないが、少なくとも、会場内でこの件について、どこにも断り書きをしていないのは、美術館としての誠実さに欠けると思う。指摘されない限り、不祥事は敢えて公表しない役所とか警察署みたいで。

 サイト上の図像は素知らぬ調子で、正しく直してあるのが、また何とも…

 

11/23

 京都の紅葉の写真をようやくup。(今まで 使っていたinfoseekはもう一杯なので、今回はyahoo!フォトを利用してみた。しかし、容量1GBとはまた極端に多い…)

 今年の紅葉の実情をレポート、という意味で、未だ紅葉「していない」場所とか、あるいは多少ブレていたものも残してます。あと、紅葉とは何の関係もない写真も幾つか。ちなみに、全部で60枚ほどに絞りましたが、それでも捲るのは結構、面倒なので、スライドショーでぼーっと眺めるのがお手軽でお薦めです。

 

11/22

Art 山口晃展  日本橋三越新館ギャラリー 2005.11.22〜11.27

 現代風俗と時代装束、現実と空想、遠近法と大和絵が混じり合う独特の鳥瞰図。その細密描写は想像以上で、実物で見ても細かい!と驚く。

 現実を異化する眼差しを手に入れる、というのがSFの一つの本質だとするならば、紛れもなくそういう体験を与えてくれる作品世界。仮にもSFのファンを自称する人なら、どこかのガンダム展なんかより、こっちを見に行った方が絶対良いかと。開催期間は11/27までと凄く短めなんで、お早めに。

 とお薦めだけは先にしておくとして、とはいえ、大絶賛かというと、見ていてややノレれないというか、腑に落ちないところも少々。こういうのって、一時期の大友克洋や藤原カムイとかがやっていたこととどう違うんだろう…とか。虚構世界の細密描写とか、擬似的なレトロ、確信犯的な時代錯誤とか。

 むしろ、「日清日露戦役擬畫」や「すゞしろ日記」の方が、作者のとぼけた諧謔センスが素直に出ていて面白かったような。

 これを機に、作者へのインタビューCulture Power)を読んでみたら、割と共感出来る内容だった。ほぼ同世代だけに、当たり前なのかもしれないが。

 

 ちなみに、出口のshopでは、インクジェットによる等寸大の十数万円の複製画に、初日なのに既に幾つか「売約」の札が。まぁ、三越だからな…

 

11/20

 戻ってきました。3泊4日での旅行は、少なくとも国内については(前回が記憶にないほど)久し振り。

 というか、3日も歩いていると、何だか京都に住んでいるような錯覚に(^^;; まぁ、観光客の視線で街を歩きつつ、各場所と各々の距離感は全て知っているというのは、かつての地元民ならではの特権なの だけど。お陰で、京都の場合は歩いていても、精神的には全然疲れないのです(明らかに歩き過ぎなので、肉体的にはかなり疲れた)。

 そんなわけで、今回は珍しく!割と詳しい感想をメモ書き。京都に行こうと思っている人が参考になるかどうかは不明ですが。ちなみに行き先の間の「〜」は全て徒歩(3日目とかは馬鹿みたいに歩いている)。幾つか見た展覧会(特別展)の感想までは手が回らなかったので、後日(の予定)。撮った写真も後日選んで、どこかに載せる予定 。

 

11/19

 西山(善峯寺大原野神社〜勝持寺)→洛北(赤山禅院〜鷺森神社〜曼殊院〜圓光寺〜詩仙堂〜恵文社一乗寺店)→京都国立博物館(常設展)〜京都駅→帰宅

 善峯寺。先手必勝と朝9時前に駅からタクシーで直行。この時間だと参道も混んでいない。紅葉は満足出来る位。お寺の中心にある樹が上から見ると濃い赤に染まっていた。

 駐車場の上空に建て増しした寺宝館では桂昌院ゆかりの(実は桂昌院が誰だか知らなかった。綱吉の生母らしい←常識?)品を展示。とりあえず、綱吉が書も絵も下手だった。ということだけはよく分かった。

 ここからは通常、小塩まで下った後、灰方、南春日町とぐるりと迂回して大原野神社まで行くしかないのだが、今回「歩く地図」を買い直してみたら、善峯寺の隣の三鈷寺の下から真ん中の長峰方面に降りる点線の道が。ここはショートカットだっ、と分岐点の山道を下った。のは良かったが、降りたところがまだ山の中腹で、しかも道が途中で2つに分かれた。道標は無く、周りは畑で、無人… 悩んでいるところに地元のおじいさんが現れたので道を訊くと、この辺から殆ど下りないのでよく分からないとのこと! で、結局、教えてくれた方向が実は間違っていて、畑の間を歩く内に道が無くなってしまった(^^;; …ひょっとして、元の山道を引き返すしかないの?

 その後、別の道を下りながら(こちらが本道だった)、人を見掛ける度に道を訊きつつ、30分後位に、ようやく人家のある世界に辿り着いた時は、「生還」という言葉が頭に浮かんだ。

 JR東海の今年の「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンの「おとなの紅葉計画」での「善峯寺と大原野 紅葉めぐり」の副題には「冒険的紅葉散策」と有るのだが、文字通りの意味で「冒険的紅葉散策」をするとは思わなかった。というか、人で溢れる今週末の京都で、人気のない山中で遭難し掛けた(ちょっと大袈裟)人間なんて、そうそう、いない筈。

 大原野神社は着飾った七五三の女の子の着物姿に頭上の透き通った紅葉がよく似合っていた。勝持寺の紅葉は、春の華やかと比べると、どうも地味だなと(いつも思う)。

 南春日町からバスで、阪急の東向日へ。バスの無線で、善峯寺へのバスが「超満員」とか聞こえてきた。昼頃は(バスも参道も)多分、凄く混んでいたのではと。

 阪急で四条河原町まで出て、松葉のにしんそばを食べ(観光客なので)、京阪・叡電で修学院へ。市中でバスを使わないのが、行楽シーズンの土日の京都を移動する鉄則 なのです。

 赤山禅院。神仏混合の不思議時空。屋根の上に檻に入れられた木彫りの猿がいることで有名(一部の人には)。あと正念珠という巨大な数珠のゲートが境内に立ててあるのも印象的。…ノエイン? お堂ごとに、神や仏に唱えるべき真言がそれぞれ片仮名で書いてあるというサービス精神も素晴らしい。あと 狛犬の代わりに?やきもののシーサー(だと思う)がお堂ごとに置いてあるところとか。

 鷺森神社。実は(春から)まだ続いていた「太陽の塔」巡礼ツアー。いや、まぁ、ここはどう考えても夢のシーンなんだけど。

 曼殊院。狭い室内に溢れる人、人、人。座るどころの騒ぎじゃなくて、移動することすらままならない。紅葉も全然だし、応挙の幽霊の絵は見当たらないし。入って、損した…

 圓光寺。悪くは無いんだけど、ここはいつ来ても華が無いという印象… でも、昔と比べれば、人が来るようにはなったなと(営業努力で)。

 詩仙堂。ここも人は多いけど、ちゃんと座って紅葉の庭を見られたので、割と良かった。

 啓文社。一乗寺まで来たので、ついでに。ここが(一見)普通の本屋だった時代を知っているだけに、今の姿はいつ来てもびっくり。独特の雰囲気が何ともはや。うかつに下手な本を買ったら、横の客にふっと鼻で笑われそうな感じ? でも、気にせず、垣下嘉得「路上の芸術」(マンホールの研究本)とロアルド・ダール「マチルダは小さな大天才」(お薦めして頂いた方がいるので)を買う私。

 京都国立博物館の平常展示。絵画/絵巻のコーナーが一番面白かった(個人的に)。何と言っても芦雪の「虎図」。いや、あの有名な「虎図」ではないが、つり上がった猫目と着ぐるみのような太い足、という楽しさは共通。同じく芦雪の「那智瀧図」もユニーク。あと、若冲はちょっと愉快な「猿蟹図」が展示されていた(多分、他と同じく12/25まで?)。この絵だけ、解説がただの感想だよ、とか思ったり。

 京都駅の地下で夕食を食べようとして、余りの人の多さに、やっぱり沢山来ていたんだ、と今さらながら気が付きつつ、9時前の新幹線で帰宅。家に着いたのは0時半位。

 

11/18

 洛北(蓮華寺〜岩倉実相院〜円通寺〜北山通)→東山(銀閣寺道〜哲学の道〜泉屋博古館〜永観堂の外〜天授庵〜細見美術館)→京都国立博物館(特別展)→東山(清水道〜清水寺高台寺〜八坂神社前)

 蓮華寺の紅葉は見頃は2週間は先?という位、真緑。一方、実相院は紅葉真っ盛り。昔行った時は(失礼ながら)少し地味と思っていたお寺だけど、そうそう、京都の紅葉ってこういう華やかさだったと思い出す。

 円通寺は、紅葉シーズンの庭を一度は見たかったので。ここは前面の比叡山を取り込んだ凄い借景庭園が有るのだが、昔は写真撮影禁止で、しかもお寺の割と横柄な対応に嫌な印象が強かった。しかし、数年前に、周辺の開発が決定したのを機に写真撮影を許可するようになったと知り、改めて訪ねてみた次第。座敷に座っていると、住職が奥からマイクで説明するのは昔通りだが、それも今回は愚痴混じりだった。

 しかし、周囲の土地全部が敷地だった当初ならいざ知らず、今の世の中で、この借景を残すためには、本来、もっと市民に開かれた風景とする努力が必要だったのでは? それが嫌なら国家権力(昔なら天皇家か)で周囲の土地を買い占めるしか無かった筈。正直言って余り同情する気にはなれない。…自業自得?(というのは言い過ぎかもしれないが…)

 哲学の道というか、銀閣寺道で修学旅行生とカップル(年齢層は色々)の群れをすり抜ける。哲学の道の紅葉(桜の)は意外にも未だ今一つ。

 泉屋博古館は初めて。中国銅製品のワンダーランド振りに興奮。日本のアニメ界は、スチームパンクより古代中国のテクノロジーをリニューアルしたSF?アニメを作るべき。

 永観堂は有料入り口が以前よりずっと手前になっていた。昔は中を覗けたのに… ここは凄く混んでいる上、全体に俗っぽい気が前からするので、入らず。

 天授庵は黄色の紅葉が綺麗。南禅寺の辺りならここさえ入っておけば良いという感じ。

 細見美術館も初めて。学生時代どうしてたんだろう、私。ええと、お洒落でモダンな琳派というのが、ここの主張の様子。黒と灰色のモノトーンの服しか置いていないデザイナー ズブティックみたいな感じ。言いたいことは分かるけど、そういう世界はリラックス出来ないので苦手だなぁ、というのが個人的な感想。カフェのロイヤルミルクティは美味しかったですが。

 清水寺の夜間拝観。夜間拝観を訪ねるのは十年ぶり。あの時は「GHOST IN THE SHELL」が公開された直後で、夜の清水の舞台の上で、サントラを(CDウォークマンで)掛けてみたら、夜景との余りのハマリ方に感動したものだけど(勿論、「ネットは広大だわ」と呟いてみた)。夜間拝観では紅葉はロクに見えやしない、ということを忘れていた。しかも、十年経った今は凄い混雑で、ややげんなり。紅葉も(よく分からないけど)余りしていなかったようだし。

 高台寺の夜間拝観。こちらも凄い混雑。イタリア人アーティストが手掛けたという光のショーは、最初、イタいだけ?と思ったけど、見続けていると、ユルい感じが結構、心地良かった。池の周りのライトアップは紅葉というより、緑や青の風景となっていて、ちょっと不思議な印象。

 …でも、まぁ、わざわざ夜間拝観を見に行くほどでは無かったような。

 突然、天一のラーメンを思い出したので、八坂神社の北にある店まで。本店とは全然違うと(京都人には)言われそうだけど、でも、東京の支店よりは遙かに天一の味だったので満足。

 

11/17

 嵐山・嵯峨野(渡月橋〜宝厳院弘源寺〜天龍寺本堂・庭園〜常寂光寺〜祇王寺〜大覚寺)→洛南(東福寺・通天橋〜伏見稲荷〜石峰寺)

 嵐山は一応、色付いているという位。宝厳院は全然(損した、と思った)。弘源寺は初めて。竹内栖鳳の猫の絵とか、一度位は見る価値が有るという感じかと。天龍寺は紅葉の盛り。常寂光寺はこれから、祇王寺は更にこれから。まぁ、その辺は予想の範囲内ということで。

 祇王寺から大覚寺までの道程ではメインストリートを外れたせいか閑散としていて、これが紅葉シーズンの嵯峨野?と思う。

 大覚寺。収蔵庫を見るのは始めて。渡辺始興の野兎図が最高! どれもやんちゃな感じの野兎で、ピーターラビットの仲間達みたい。

 ところで、これを背景に記念撮影、という玄関脇の狩野永徳「松に山鳥」、やけにケバケバしくていかにも最近作った複製っぽいけど、あれって本物? 本物だとしたら絶対、永徳じゃないと思う…

 東福寺は混雑対策にロープで作った折り曲げの長い通路が設置されていた(土日はその通路が全部、人で埋まるのだろう。恐ろしい…)が、行列は全く無かったのに、その通路をあくまで通らせるのは、どうかと思った。洗玉澗の紅葉はそこそこ赤い。曇っていたこともあって、全体に濁っているという印象だったが、周囲の人は歓声をあげていた。

 伏見稲荷は高3の春の旅行以来。人に(厄よけの)お守りを買ってくる予定が有ったので、どうせならMagicPointが強力な所でということで。ついでに、同じくそれ以来の石峰寺へも。当時は若冲なんて知る由もなく。その若冲の墓の近くでは2匹の猫がミャーミャーとケンカ中。五百羅漢は全体にシルエット状態。もう少し明るい時間に着くべきだったかも。

 

11/16

 出発→神戸(兵庫県立美術館兵庫市立博物館〜南京町)→滋賀県・石山(以後3泊)

 寒かった。余りに寒いので、夕方、南京町で、豚まんとかフカヒレラーメンとかを立ち食い。今まで南京町で何かを食べたことが無かったので、少し嬉しい。ちなみに、昼は、割と有名らしいサンプラザ地下の「SAVOY」のカレー。

 

11/15

 いつもいつも、人が行こうとしている土地に先回りして現れて。人の旅行を邪魔しないで欲しい>ブッシュ

 

 今日の寒さで風邪気味だったりするけど、大丈夫か自分?と思いつつ、明日、出掛けます。(BGM:My Favorite Things)

11/14

 今度は神戸と京都の情報収集中(主に紅葉の現在状況)で、他のことに手が回らず。

 

 ところで、今回の福岡行きで驚いたことが有ったので、書いておきます。

1.太宰府を訪れたのは、卒業旅行として九州を一周した時以来だから、十数年振りの2回目だったのだが、門前町に並ぶ梅ヶ枝餅のお店が、前の時には「元祖」「本家」と店毎に様々な肩書きが入り乱れる、いわば仁義なき戦いが繰り広げられている様が強い印象に残っていた。しかし、今回、歩いてみると、どの店も「名物」に統一化されていた 。

 どこが一番由緒有る店なのか、ますます分からなくなった。中には明らかに下の文字を消すように「名物」を貼った店も有った。一体、この街では何が起きたのだろう? 共倒れを防ぐために、肩書きカルテルが行われたとか? この間の経緯と事情を知っている人がいたら教えて頂きたいところである。

2.福岡の地下鉄にはJRが乗り入れしているらしく、ドアにJR九州のシールが貼ってあった。驚いたのは、そのシールの文章が「床に座らないで下さい。JR九州」だったこと。

 …ええと、こういう注意書きって、始めて見た気がするんだけど。これって、あれですね。あの腰を低く落とすあの座り方(しゃがみ方)。前に「アジアに見るあの座り方と低い腰掛」という民俗学の本を読んだことがあって、それによると、あの座り方というのはアジアの人達には伝統的に広く見られる姿勢らしい。九州北部はアジア大陸に近いからな、と妙に納得 。

 

11/13

 行ってきました、福岡。

 1泊2日の慌ただしい日程ではあったものの、目的の九州国立博物館の特別展と常設展示の他、久留米の石橋美術館と福岡の福岡市美術館と福岡アジア美術館(の第3回福岡アジア美術トリエンナーレ2005)を見ることが出来、また太宰府 の天満宮で御神籤を引いて、ついでに梅ヶ枝餅を食べてくることが出来たので、週末の旅行としては上出来だったかなと。久留米ラーメンと博多ラーメンも勿論?食べてきましたし。少なくとも、(マイレージ利用で)往復の交通費 が無料で、今回の旅行が出来たことは、非常に得した気分。

 

 他の美術館については、いずれ機会が有れば(有るのか?)詳細を延べるとして、まずは九博の感想だけ簡単に。

 先に入った常設展示については、なるほど新しいだけあって、見せ方の技術が洗練されているなと感心。地味な歴史展示をこれだけ(誰にでも面白いことのように思わせてしまうだけの)賑やかさで演出するのは、結構センスがいる筈。まぁ、開館ということで気合いを入れて各所から借りてきたということも大きいようだけど。普通に見るだけで2時間楽しめました。

 特別展は1時台はもの凄い混みようだったので、4時を過ぎれば団体客は消えるだろうと常設展を先に見たところ、その読みは正解で、4時前に入った時はまだまだ混んでいたけれど、4時半前からは好きな 所を普通に見ることも出来た(正倉院の円鏡なんかはその時間だと1人で見られたけど、「正倉院展」なら凄い混雑だろうな、と妙な優越感に)。

 一言で言えば、狩野派をフューチャー(って、死語?)した展覧会。狩野派というと、お手本のスタイルを忠実に継承してきた、頭の悪そうな「体育会系」な連中、という印象で、正直言って、今まで余り面白いとは思っていなかったのだけど、何というか良い意味での「大らかさ」「陽気さ」を感じさせる絵を集めてきていて、オープニングの展覧会には確かに相応しいスタイルだなと思った。帰ってきて改めてサイトを見たら、美術館としても狩野派展というイメージを敢えて打ち出そうとしていた様子。

 元信の「四季花鳥図屏風」(鳥達が沢山!)、永徳の「洛中洛外図屏風」と「唐獅子図屏風」、長信の「花下遊楽図屏風」と、いずれも楽しい作品ばかりで、粗雑な奴だと思って余り近寄らないようにしていたけど、飲み会でたまたま席が近くになったので話してみたら楽しかった。結構、良い奴じゃん。みたいな感じ?

 永徳の「洛中洛外図屏風」は、個々の圧倒的なディテールがとにかく面白くて(京都に住んでいた人にとって、だけかもしれないが)、ここだけは混んでいたにも関わらず、2回もじっくりと見てしまった。「唐獅子図」みたいな、インパクト重視!だけの画家じゃなかったんだなぁと。

 ちなみに、永徳の屏風を両方とも展示したのは全会期中で11/12だけだったそうで、その意味では一番良い日に訪ねることが出来たのかも。

 

11/11

 久留米(←今回の宿泊地)といえば、やっぱりラーメンでしょ、と今頃になってラーメン屋を検索してみたり。明日の旅行がその有様なのだから、来週半ばからの京都行きの方については、まだ何一つ考えていないのは言うまでもない。

 北斎展の後期はそんなこともあって、11月の第4週末位しか行けそうにない。会場の混雑状況の説明がサイトに挙がっているけど、金曜夕にライヴを入れてしまっているので、土曜しか行けなさそう。混雑しているよなぁ、絶対。この際、朝一番で入って、しかも(メインの)生涯の後半部分を先に見るとか裏技を使わないと、駄目だろうなぁ。

 

11/10

 週末の太宰府行き(というと、菅原道真同様の左遷みたいだな)の準備中。いや、別に、持っていくものとかは特に無いんですが、考えてみれば学生時代に一日だけ行ったきりの土地に行くにしては何の調べもしていなかったので(福岡の路線図すら知らない)、さすがにちょっとマズイかなと。

 

 ええと、そんなわけで、日記を書く暇が無いのですが。とりあえず、思い付いた項目だけでも。

 今週行った展覧会。「アール・ブリュット展」@House of Shiseido、「生誕120年 川端龍子展」@江戸東京博物館。前者は、世の中には、色々な人がいるなぁ、と再認識するだけでも行く価値大。無料だし。

 今週読んだ本。「夜のピクニック」。なるほど。

 最近届いたDVD。「ハワードと七人の魔法使い」「魔笛」(サバリッシュ指揮。輸入盤)。見る暇がない!

 ああ、そうだ、今週BS-hiで放送していたハイヴィジョン特集「天才画家の肖像」の内、火曜夜の「曾我蕭白〜奇想天外の美」の回が凄く面白かったのだけど、詳細を書いている暇が… いつかはBS-2でもやると思うので、その時は簫白好きな人なら、絶対見た方が良いかと。

 

11/6

 「プーシキン美術館展」にリベンジ。

 朝9時の開館10分前に行ったら、果たして7,80人は並んでいたけど、前売り券で入って、しかも最初の部屋のルノワールで足が止まった人達を乗り越えてしまえば、あとは最後まで、普通に空いている状態で気持ちよく見ることが出来て、大勝利! まぁ、やや早足で回ってしまったけど、雑踏の中で見るよりは遙かに充実した体験だった筈。

 ちなみに、プーシキンが集めたコレクションかと思ったら、別にそうじゃなかった。いや、プーシキン(1799〜1837)がマティスを買えるわけは無いんだけど。元々がそうなのかと。しかし、プーシキンって文学者の筈だけど、作品が全く思い浮かばないのは何故?と思ったら、単に読んだことがないからだった。読んだのって、「スペードの女王」位?

 展覧会のラインナップは、マスメディアが思い描いている通りの展覧会のイメージを完璧に再現、という感じ。まぁ、それはそれで素晴らしいことだとは(皮肉抜きで)思うが、いつまでも、こういうのを続けていても仕方ないのでは?

 でも、マティスの金魚は、そういう思惑を越えてしまう位、「変な」絵だったので、確かにあれを見るだけでも、今回の展覧会が開催された意味はあったかも。

 と既に感想を書いたような、書いてないような感じですが、機会が有れば、あの金魚を中心にもう少し詳しく感想を書きたい。 

 

 ところで、話は変わるけど、(旅行から帰ってきたばかりだったので、私は昨年だけ見た)日テレが文化の日に必ず放送していた「ルネサンス」シリーズ、今年はやらなかった 様子。第3期までやって、いい加減(視聴率が取れそうな)ネタも尽きた、ということかもしれないけど、こういうのは続けることにこそ意義があるのでは? まぁ、日テレの文化事業の志なんてその程度だと前から思っていたので、驚くには当たらないけど。でも、どうせなら、ルーブルシリーズでも新たに始めるとか、すれば良いのに。

 

 図書館に8月に予約した「夜のピクニック」がようやく回ってきた。「まひるの月を追いかけて」「小説以外」と読んだので、あとは未読は、予約待ちの「ユージニア」と「ネクロポリス」を残すのみ。とりあえず「ユージニア」まで読み終えたら、日記上で、第二次恩田陸月間をスタートしようと計画中。…書く暇があれば。

 

11/5

 あそこまで行くのは面倒だ、と毎回思うのだが、もっとベルギー絵画展を!と主張している者としては、行かないといけない義務感を感じるので、ライブに行くついでに「ベルギー近代の美 :サイモン・コレクション展」@府中市美術館へ。

 作品的にはやはり物足りないけれど、図譜の解説は勉強になった、という感じ(昨日、分厚い北斎の図譜を買ってしまったばかりなので、こちらの図譜は会場で読んだ)。こういう風に、(知らない画家に)少しずつでも触れる機会が有ることが重要かと。

 

 さて、ライブ。折笠富美子の初ライブに、たまたま先行抽選に申し込んだ分が当選して、しかも九段会館の「に」列という好席順(九段会館は席が「いろは順」)だったので、別のライブの予定を切ってまで参加してみたのだけど、終始 、まったりとしていて、彼女らしいライブだったのではないかと。真面目にと言うか、素直に歌う様には好感が持てました。

 早速Tシャツを着込んでいるようなイベンターな人は、最後までスタンディングするような展開にならなかったのが不満そうでしたが。

 ただ、まぁ、エンターテイメントとして捉えると、ちょっと微妙だったような… 最後の2曲、「光さす、希望の彼方へ」と「message〜静かな叫び〜」の辺りは良かったけど。

 

11/4

 速攻で退社して、「北斎展」@東京国立博物館の夜間延長へ。

Art 北斎展  東京国立博物館 2005.10.25〜12.4 (公式

 6時には着いたので、大丈夫だろうと思っていたけど、「3百点展示しているので、時間配分にご注意下さい」という注意書きの通り、さくさく見るだけで8時の閉館時間ぎりぎりまで掛かった。考えてみれば、これでも平均2.5枚/分のスピードで見たことに。思ったより混んでいたけど、金曜夜でこれなら、休日はどれ位混んでいるんだろう…

 一言で言えば、国立博物館の底力をまざまざと見せ付けられた展覧会。海外の名だたる美術館から、これだけの質量を一気に集めてきたのは流石。逆に言えば、それだけ海外から集めて来ない限り、本格的な浮世絵展は開けない、というのが浮世絵コレクションの現状なのかも。

 今年の展覧会を振り返った時、「西の簫白、東の北斎」がいわば別格の、横綱的な2大展覧会だったと言われるのは間違いない。(それに九州国立博物館の開館と、ゴッホバスを仕立ててまで金儲けに邁進した(笑)東京国立近代美術館の「ゴッホ展」が、国立博物館系の今年の4大ニュースと言うべきかと。)

 版画もさることながら、肉筆の絵に面白いものが多いので、(江戸時代の絵画は好きだけど)版画にはそれほど興味のない人にもお勧め。前期の内にまず一回行け、とにかく行け、という感じ。…混んでいたら、見るのは大変だろうけど。

 

 入る時、本館の壁面に三島由紀夫の顔とかを映し出したりしていたので、何やってんだか、と思ったのだが、これだったのね。

 

11/3

 11月前半までに見ないといけない展覧会をチェックして出掛けたのだけど、職場の人間から移された風邪が悪化して、途中で帰宅。

 「プーシキン美術館展」@東京都美術館→「美の伝統 三井家伝世の名宝」@三井記念美術館→「近代日本画の美の世界-至純の住友コレクション」@泉屋博古館分館。

 ちなみに、「プーシキン美術館展」は10時過ぎに着いたら、入り口が既に「動かない渋滞」なのを見て引き返した(から見てない)。上野に着いた時点で、何、この人の多さ?状態だったんで、嫌な予感はしたんだけど、忘れてましたよ、この時期、日展であの美術館に人が溢れてるのを。しかも、日展て11/2からって実質、今日からじゃん…

 でも、東京都美術館は今年から特別展の夜間延長を全て廃止した、時代に逆行する悪しき美術館なので、時間をずらして、ということも難しい。せいぜい土曜の9時に行く位か。

 残りの財閥対決?とかはまたいずれ。

 

11/2

 「コープス・ブライド」@丸の内ピカデリー2。

 撮影は凄いんだけど(もはやそれには驚かなくってしまったので)、逆に話と演出が弱いな、と感じてしまうのが、作品にとっては不幸かも。現実世界の抑えた色調とか、相変わらず良いセンスなんで、誰にでも楽しめる良作なのだけど…