アリス に関する書籍(その他)

の中で、私がぱっと思い付くものだけ…

 

  1. 「不思議の国の“アリス” ルイス・キャロルとふたりのアリス」 求龍堂グラフィックス 1991

     大判のムックで、著者はぽっぺん先生¥M崎克彦。「アリス」、そしてキャロルについての一通りが分かる便利な本。豊富な図版が特徴で、色々な画家によるアリスのイラストが載っており、中でも、あの「ゴーメンガースト」の作者マーヴィン・ピークが描いたイラストも有るのが嬉しい。多分、こういう本は現在では入手&閲覧困難だと思うが、最初に挙げたのは、これを読めば大体充分、という内容と、当時発売されていた(多分全ての)日本語のアリス関連書籍の表紙の写真付きブックガイドが巻末に掲載されているから。というわけで、これを見ながら、以下について書いてみる。

  2. 「アリス狩り」 高山宏 青土社

     これを読まずにはアリス学(というものが有るとして)は始まらない、という「アリス」に関する名著。この本だけは今でも本屋で見る。ちなみにキャロルに関する文章は、旺文社文庫版「不思議の国のアリス」の巻末に、当時の新進の研究者!の文章として収録されていて、私の「アリス」観に大きな影響を与えたのだった。

  3. 「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」 マーチン・ガードナー注釈付 東京図書

     この詳細な注釈もアリス学上、基本図書の一つ。しかし、これって、旧版と新版があったと思うのだが、1のガイドには一冊ずつしか載ってないということは、新版はその後に出たんだっけかな?

  4. 「ヴィクトリア朝のアリスたち ルイスキャロル写真集」 高橋康也 新書館

     キャロルの撮った少女の写真集。70点近いその写真の中でも、確かに、あのアリス7歳の時の写真が一番はっとする魅力がある。

  5. 「少女への手紙」 高橋康也 訳 新書館

     キャロルの、少女達への膨大な手紙から抜粋したもの。キャロルを少女というキーワードから理解するに当たり、4と共に欠かせない資料。

  6. 「アリスのいる風景」 ジョン・パドニー

     写真が多く収録された、キャロルの伝記。う〜ん、読んだ筈なんだけど、今ペラペラとめくってみても記憶が蘇らない。…面白くなかった?

  7. 「ルイス・キャロルーAliceからZenonまで」 ジャン・ガッテニョ 法政大学出版局

     こちらは現在(当時)のキャロル伝の決定版なのだとか。読んでないけど、こちらの方が面白いかも。

  8. 「アリス・ミステリー傑作選」 河出文庫

     日本の作家がどう「アリス」を受容したかというのがよく分かる、短編アンソロジー。中井英夫、山田正紀とか。

  9. 「アリスの国の殺人」 辻真先 徳間文庫

     その最大の成果、といったらこれ。結末の展開が、オタク的な人間像の肯定を先取りするようで、興味深い。

  10. 「黒猫館の殺人」 綾辻行人 講談社文庫

     こちらも、そのオマージュの捧げ方にある意味目頭が熱くなるというか、感動的な?作品だったと思う。「時計館」の方がテーマ的には「アリス」的かもしれないが…

  11. 「ドリーム・チャイルド」(映画)

     キャロルとアリスの世代を超えた愛(とこの映画は捉えている)に感動させられる。というか、感動するのは時間差…時を越えて、という部分なのだけど。そういうストーリー部分ではやや甘めな作品だが、ジム・ヘンソンのマペット達が、必要以上に不気味なのが(^^;;; ちなみに、ど、ど、どもりを止められない、不器用なドジソン教授を名優イワン・ホルムが演じている。