空の蒼さを 見つめていると


2006年6月

6/30

 久々に本屋に行ったら、徳間書店から「日本ふるさと沈没」(Amazon) とかいう、「日本沈没」のアンソロジーコミックらしきものが出ていた。

 元の小説・映画が発表された1973年は昔過ぎて「日本沈没」には思い入れは全くないのだけど(小松左京映画なら「復活の日」世代なので)、参加者は豪華といえば割と豪華で、その中の、安永航一郎の漫画を最近読んでないな、と思ったので購入。

 漫画家の出身地毎に、その地域の沈没ネタの短編ということで、アンソロジーというよりも、昔の同人誌みたいな、全体を通してこの地味な雰囲気は何?という感じ。こういう企画なら、伊藤伸平の作品辺りのお気楽さが一番正しいような。どうせ表紙だけだろう、と思っていた鶴田謙二がまともに漫画を描いていたのは嬉しい誤算だったけど。潜水艇の操縦者が「小野寺玲子」なのも鶴田謙二らしくて素晴らしい。

 米村孝一郎は地元の作家だからか、何故か泉鏡花の「山海評判記」をモチーフにした作品を描いていたけど、水没というテーマなんだから、引用するなら、ここは「夜叉ヶ池」じゃなくて?

 そうそう、安永航一郎の健在振りには安心したけど、どうせなら没にされた方の沈没漫画が読みたかった(いや、それは無理)。

 あと、とり・みき作品の最後の2コマにはちょっと泣けた。かつてコマケン(小松左京研究会)に所属していたとり・みきしか描けない、30年という「果てしなき流れの果てに」(大袈裟)。
 

 

 ところで、中に「Comicリュウ」創刊(というか、復刊というか)の案内チラシが。

 ええと、このラインナップはかなり気にはなるけど、ここから新しいものが生まれてきそうな気は余りしないな… 創刊号の付録は押井守の短編映画「立喰師列伝外伝 パレスチナ篇」を収録したDVD とのこと。ええと、パレスチナでの立ち食いって…何?

 

6/29

 巷で話題の、「ゴーストハント」TVアニメ化の話(MOOM PHASE雑記)。

 いなだ詩穂によるComicsの方のアニメ化らしいけど、数年前に話が出たまま、それっきりになっている、原作の手直し版とかも、この機会に出ないものか、と淡く儚い望みを抱きたくなる。(続編が余り多くの読者に受けなかった)昔とは状況も大きく違うわけだし、この際、新作だって…という希望は欲張り過ぎだとしても。

 というか、まずは十二国記の方の続きを早く何とか… いや、あと何年でも待ちますが(既に5年が経過)。あと何十年、でないことを祈るばかり。

 

  Novel。アーシュラ・ル=グウィン「影との戦い」。

 大筋はともかく、ディテールは全然覚えていなかったことに、軽くショックを受ける。主人公のペットが「オタク」という名だったとか。

 ゲド戦記の1巻の展開は、「人格の統合」をストレートに描いた余りにも岩波書店らし過ぎる物語で、今読むと、やや面白味に欠けた。かつて、小学生の時に1巻を読んでどう思ったかは全く思い出せないのだけど。とりあえず、感動した記憶がかすかに残っている3巻までは、このまま続けて読んでみるつもり。

 

6/28

 RD-X5の整理ということで、NHK教育で放送した(英国のTV局が制作した)ストーンヘンジについての番組を、この前の休日に見た。

 言ってみれば、実物大の模型を発泡スチロールで作る、というだけの話なのだが、欠落した部分も含めて復元されたその光景はなかなか壮観で、番組的にも見応えが有った。NHKだったら、お得意のCGでそれらしく再現してしまうところだろうけど、実物大で実際に作ってみせることで初めて伝わるリアリティというのは確かに有る。つまりは「模型の時代」?

 ところで、ストーンヘンジといえば、今の姿は20世紀の前半に、倒れていた石をクレーンで持ち上げて「復元」したものである、という話も。トルコ等にあるギリシア遺跡の柱も全て(地震で倒れたものを)立て直したものだと教わったことがあるので、驚くには当たらないのかもしれないが、ストーンヘンジの場合、いかにも昔から(少なくとも2千年位は)あの姿だったように見えるので、そう聞くと、何となく騙された感がしなくもない。

 

 Novel。米澤穂信「さよなら妖精」。今月出た文庫版、ではなくてミステリ・フロンティアの方(図書館で借りた)。

 …なんだろうな、これは。デビュー作の「氷菓」のように、発想の元になったノンフィクションな体験が何か有ったとか? いや、実際は全くのフィクションかもしれないけど。そうとでも思わなければ、全体のバランスの悪さ、というか主人公の魅力の無さが、凡そ納得し難い 。

 いまのところ、これも含めて、著者の作品で2004年までは、小説の(ミステリの、ではない)出来としては及第点より下、というのが率直な感想(2004年12月の「春期」は微妙なライン)。2005年以降の「クドリャフカの順番」と「夏期」は文句なく面白かったので、今後については期待大、なんですが…

 

6/25

 おむらよしえさんのところで、「観用少女特集号」の話が。何とそんなものが!ってこれか。単行本未収録が5本って、早い内に買っておかなくては。

 

6/24

 縁有って、教会での告別式に参加。

 教会(プロテスタント)でのお葬式というのは、参加したのは初めてだけど(お葬式自体、そんなに参加したことはないが)、割と良いものかも、などと思った。清明な印象で。賛美歌を歌うという形で、参列者が参加できるpartも有るし。まぁ、私は途中で抜けてしまったので、実際にはその後、火葬場に行くまでが長くて(遠くて)、大変だったらしいのだけど。

 そういえば、洋画を見ていると、お葬式と言えば、墓地にいきなり皆集まっている中で、牧師(神父)が「塵は塵に…」と説教しているシーンばかり見る気がするのだけど、向こうでは教会に集まったりはしないんだろうか。土葬と火葬の違いが大きいのかも。

 

 ベッリーニ大劇場「夢遊病の娘」@神奈川県民ホール。

 告別式を中座して、向かったのはこちら。今まで(会社帰りを除けば)スーツを着てオペラを聴きに行ったことなど無かったのだが、今回はそういう理由で、ダークグレーのスーツ姿で(ネクタイだけ替えて)。あいにくと夏服では持ち合わせが無かったので、会場では暑かった。

 神奈川公演でのアミーナは、チンツィア・フォルテ。東京公演でのボンファデッリより、むしろ安心して期待出来るのでは?ということで地元のこちらを確保。「夢遊病の娘」を聴くのは、というより、ベッリーニを聴くのも初めてで、お話の余りのどうでも良さと、綺麗とは言え割と単調な旋律に、第一幕のあたりは暑いし、眠くなり掛けたが(要するに、バカップルの痴話ゲンカですよ)、第二幕で、アミーナが舞台のこちら側に登場してからは(それまで演出上の理由で、全ての登場人物が薄い幕の向こう側にいた)、俄然とフォルテのアミーナが本領を発揮。最後の15分間に至っては、聴いていて血がふつふつと沸きたつ凄さ。

 一人の声だけで全ての印象を変えてしまうのがオペラなんだ、と改めて実感。瞬間風速的な盛り上がりでは、今月見た中では一番良かった。こういう瞬間のために、観に行ってるわけですよ。

 

6/23

期間が短いので、少し時間が空いた平日の夕方にすかさず。

 

Art 坂本繁二郎展  ブリヂストン美術館 2006.6.16〜7.8

 最初の感想。常設を外せば、意外と広いじゃん>ブリヂストン美術館。企画展の時って、いつもそうだったっけ? ここだけはいつものままのギリシア・エジプトコーナーで、あのエジプト猫がガラスケースだけになっていて、猫がいなくなってる!と驚く。見れば、石橋美術館に出張中、の説明が。某作品の石像門番の留守中のようで笑った。

 坂本繁二郎展は、初めて見た初期作品の辺りは特に興味深かった。絵の上手い下手とは別に、明治時代の農村風景についてのドキュメンタリー的な面白さが有って。

 生涯を通して安定しているというか、モチーフや描き方はともかく、描くこと自体には余り悩まずに描き続けた人のように見えるけど、どうしてあの独特の中間色の色合いに(渡欧前位から)なったのか、その辺はやっぱり良く分からず。こういうのも有りかと見ることは出来ても、ああいう色で描くのには自分には出来ないというか、耐えられないと思うので。一種の不協和音とでも言うべき?

 晩年の作品では、能面は恐いけど、箱は結構面白いかと。自分で買えるなら、その辺が良いです。あと、モーターの絵が、真面目に描いてあるのが妙におかしくて、シュールとかそういう域に達していた。

 ところで。最近まで、「はんじろう」ではなくて「しげじろう」だと思っていたのは、割と内緒。

 

6/22

 メトロポリタンオペラ「椿姫」@NHKホール。

 

 凄い豪勢でした>舞台セットが!

 発売日に最安席(と言っても15千円)のF席が運良く取れてしまったこともあり、たまたま観ることになったMETの「椿姫」だけど、3FのR19列の17席って、NHKホールの中でも一二を荒らそう、極北の席で(ここより先に、もはや席はない)、隣が一面の壁なのは有る意味、気軽だけど、天井の反射板が(中央のものは当然、その両側のものすら)全く掛かっていないという、凄い席だった。勿論、そういう席だと分かって取ったのだけど、この位置から観るべき 公演では無いんだろうなぁと。

 S席(64千円)とかA席(57千円)で間近に体験すれば、ゴージャスな舞台に、それなりに華のある出演者、しかも、お馴染みの「椿姫」と、まさに夢心地の一夜ではないかと想像されるのだけど(しかし、高い夢だ…)、この位置からだとその豪勢さもオペラグラス越しでないと堪能出来ず、かといって、最初から最後までオペラグラスで観るのも無理があるし、みたいな状態。

 そういう末席から割と冷静に見てしまうと、METの「椿姫」って、要するに「ゴージャスな学芸会」、という気がしてしまうのは否めない。皆で不幸なメロドラマを演じて見せてますよ、みたいな。大体、ヴィオレッタ役のルネ・フレミングが、確かに声は綺麗だけど、体格が健康的で、結核で死にそうにはとても見えないし(3幕では頬にやつれたメイクをしてたが)。精神的に感動するところは余り無くて。でも、それが悪いわけでなくて、来日公演というお祭りに相応しいのはこういうものかと。S席どころか、D席(32千円)にも手が届かない私にはコストパフォーマンス的に余り向いてない娯楽のようだけど…

 それにしても、ゼフィレッリの舞台美術は凄かった。キャストにもよるけど、METの「椿姫」をDVDで繰り返し観たいとは余り思わないが、あのセットを組むまでのメイキングDVDを発売してくれるのなら買ってでも見たい。どうやって運んできたんだろう。 

 

6/18

 BS-2の名作劇場枠(なのか?)、今週からの放送は「ピーターパンの冒険」なんですね。

 なかむらたかしアクション全開、ということで、当時よりも今見る方が面白い作品かも。週4本も絶対、消化出来ないんだけど、暫く保存しておくつもりで録っておこうかな…

 

6/15

 メトロポリタンオペラ「ワルキューレ」@NHKホール。

 

 本当にMETの「ワルキューレ」だった。って、まぁ、当たり前なんですが。でも、その当たり前のことを来日公演でも、きちんと見せる(聴かせる)のはプロの仕事だなと。

 ただし、金を払うだけのことを安定して見せるというのは、いわば金持ちのための娯楽。NHKホールが果たして上の階にはくぐもった音しか伝わってこない劣悪なホールだったように、6万円のS席で楽しむ位の人だけが、完全に享受出来る類のエンターテインメントかなとは思った。贅沢さを存分に味わうことにこそ、本質が有るというか。

 だから、ではないけど、新たな驚きと感動に立ち会うタイプの公演の方が個人的には求めているもの。安定した「名作」よりは「傑作」に出逢いたいので。例えば、昨年のフェニーチェ歌劇場来日公演の「椿姫」みたいな(ちなみに、来週はMETの「椿姫」も観る予定なので、それはそれで楽しみだけど)。

 ところで、毎回思うことだけど、オペラというのは公演によって来ている客層が違うのが興味深い。今回は多分、普段は余り来ていない人達が多かった。「ゴッホ展」だと人が押し寄せるようなもの? そのせいか、序曲が始まっても暫く携帯をチェックし続ける人やら、演奏中に着信音を鳴らす人やら、ガサガサと何かを出して食べている人やら、割と無法地帯な感じだった。NHKホールだから?

 オペラグラスじゃなくて大きな双眼鏡を持ってきていた隣のおじさんが、1幕と2幕の間の休憩中、「何かつまんないね、そう思わない?」と突然、共感を求めてきたのにも驚いた。「こういうものだと思いますけどね」と突き放してしまったが、どういう真意だったのやら。でも、こういう場で否定発言から始めるのは駄目でしょ。皆、何かを楽しむために来ているわけだから。その能力?が無くても、人に共感を求めないで。

 青年ジークムントを演じていたドミンゴは、オペラグラス越しに見ると、どう見てもおっさんです、本当に有り難うござい…と言いたくなる。いやまぁ、御歳65位だし、それでも若い、と思うべきところなんだけど。今回は凄いまでは思わなかったが、その声の良さに、往時は凄かったんだろうなと。キャスト的には穴が無く、誰もが安定していたが、モリスのヴォータンの哀愁には特に、さすがに年期が入ってるなぁ、と感心させられた。

 

 観劇時は大抵、ペットボトルの水を買っておく習慣。今回はサントリーの「天然水」をたまたま買ったところ、「高原の花鳥」とかいう海洋堂の食玩がキャンペーンで付いていた。

 …こういうのって、突っ込んだら負け、というか敵の思うつぼだとは分かっては居るんだけど。このシリーズ12種のうち、「ランタン」とか「天然水少女」って「花鳥」じゃないじゃん、みたいな。まぁ、一万歩譲って、「天然水少女」は「高原の動物」として認めるとしても (認めるのか)、「ランタン」は無理だろうよ。

 

6/14

 明日は、NHKホールでメトの「ワーグナー」。

 開演時間は17時。勤め先の終業時間も17時。定時に退社しようが間に合いませぬ… ということで、明日は有給を消化することに。どうせ、帰りは遅い(日付が変わっていてもおかしくない)ので、昼前まで寝倒してから、午後、おもむろに出掛ける予定。

 音響が甚だ良くない(らしい)NHKホール、しかも最後尾列のE席なので、余り期待してはいけないのかもしれないけど、個人的には一応、今までで払ったチケット代が一番高額(23千円)な公演なので、それだけのエンターテイメントであれば良いなぁと。まぁ、実際のところ、今回の目的は、じかにドミンゴの歌う姿を一回位は見てみたい、という単なるミーハーなんですが。

 

 図書館から「ゲド戦記」の「影との戦い」を借りてくる。夏までにシリーズを読み通すなら、早く着手した方が良いと思って。再読するのって、ええと、な、何十年振り…?(恐くなったので、計算するのは止めておく)

 でも、先週位から米澤穂信の作品を通読する、というのも始めているので、とりあえず、そちらが先かも。ちなみに、「春期」「夏期」以外での最近の既読が「氷菓」「クドリャフカの順番」で、未読の内、今手元にあるのが「愚者のエンドロール」(←読む順番、間違えた)と「さよなら妖精」。そうだ、「さよなら妖精」は今月出る文庫を買えば良かった。まぁ借りてしまったものはしょうがないし。

 

6/12

 朝、少し強い地震が大分の方で起きたらしいけど、6/12といえば、1978年に大きな被害が出た宮城沖地震が起きた日でもある。

 ということを、宮城県人(それ以来、宮城県では今日が「県民防災の日」らしい)でもない私が何で知っているかというと、それはつまり、今日6/12が私の誕生日だから、なのだった(^^;;

 

 今年は、昨日までの繰り返しだけで一年が終わらないように、必要なところでは努力したい。具体的に何のこと?と訊かれたとしても、自分でも良く分かりませんが。大体、明日になったら、そう思ったことすら忘れてしまいそう。なので、とりあえず書いておこうかと。

 

6/11

 ボローニャ歌劇場「イル・トロヴァトーレ」@東京文化会館。

 

 タイトルロールのアラーニャにはがっかりだよ… 体調が悪かったのか、疲れてたのか。

 (初日は調子が悪かったという)ダニエラ・デッシーのレオノーラが素晴らしくて、マリアンネ・コルネッティのアズチェーナもかなり良くて、アルベルト・ガザーレのルーナ伯爵もそう悪くは無かっただけに、アラーニャのマンリーコだけが一人、ステージ上で著しく生彩を欠いた、という感じで。有名な3幕の「見よ、恐ろしい火よ」でもハイCを出したのかどうかすら印象に残っていない有様……

 でも、ダニエラ・デッシーの声は本当に美しく、それだけでも聴きに行った価値は十分に有った。10/1にまた、ローマ歌劇場来日公演で彼女のトスカを聴く予定なのだけど、凄く楽しみになってき ました。さて、次は6/15のメトの「ワルキューレ」か。むしろ、(自分の)体調に気を付けておかないと。

 

6/8

 今週末に観に行く「イル・トロヴァトーレ」はまだ見たことがなかったので、前に買ったまま放置していたメトのDVDで、昨日と今日で予習。DVDの出来(特に録音)自体はそう良いとも思わなかったけど、大体のところは分かった。声を聴かせる作品なのね。しかし、2時間位の作品だと、むしろ「短い」と感じてしまうのは、年の初めに観たワーグナーの悪影響が出ているような。ともあれ、日曜日が楽しみ。

 

 先日書いた、京都にある、狛犬以外の動物が狛犬として鎮座している寺社。一つ思い出した。大原野神社の鹿だ。鳩、猪、虎、そして鹿… まだ、他にも有りそうな気がするんだけど…

 

6/7

 新しいコンタクトを回収。付けてみると、思ったより改善した(1.2位?)。目の前に「世界」が存在している、という感じ。でも、これを常用にしてしまうと、今の一段弱いレンズがすぐに役に立たなくなってしまうだろうから、観劇等、当面は遠くを見る必要がある日だけに使おうかと。あるいは丘陵を縦断する時とか。

 

 某タクロアのブログで、慶應の文学部の総合講座で「蒐集の科学II」(要綱スケジュール)などというものをやっているのを知る。

 まぁ、社会人には平日午前の講座を聞きに行くことなど不可能だけど、学生の頃はこういう講座に参加したかったなと。

 あと部外者からすると、5/30が【早慶戦のため休講】というのがおかしい。…あれ? 慶応では「慶早戦」と呼称すると、前にどこかで聞いた気がするのだけど、あれってデマなの?

 

6/6

 原作の映画化、という意味合いでは全くもって期待していないジブリの「ゲド戦記」だが、まぁ、一度位は見に行くだろうと思われるので、そろそろ小説も復習しよう。

 と思ったら、さすがに市立図書館でも予約が入り始めた様子。夏までに一通り読むなら、私も予約した上で早く回収した方が良さそう、と検索したところ、「ゲド」ならソフトカバーは却下、であるのは当然としても、昔読んだ物と、2000年に出た「改版」の2種類有ることに気付く。「指輪」の旧役と新訳位、何かが違うんだろうか。というか、この場合、どちらを読むべきなんでしょうか。…改版?

 あと、「さいはての島へ」で素直に止めておいた方が良いのか、刊行分を全部読み進んだ方が良いのかも悩みどころ。その後の作品を読んだ方の忌憚のないご意見が聞きたいところです。

 

 今月は、今週末から、めくるめく?オペラ月間。の予定。

 (6/11「イル・トロヴァトーレ」@ボローニャ歌劇場、6/15「ワルキューレ」@MET、6/22「椿姫」@MET、6/24「夢遊病の娘」@ベッリーニ大劇場、7/2「ノルマ」@ベッリーニ大劇場)

 勿論、私が買える席はいずれも最も安めの席=その会場で「天国に一番近い」席なので(それでもわたし的にはドキドキするほど高い価格だったけど)、今のコンタクトの見え方だと、遙か下の舞台や字幕が見え難い… それでは、せっかくの機会が余りに勿体ない、と昨年7月、旅行時のスペアとして作ったコンタクトの調整期間(1年間) 中に、度数調整をして貰うことにした。のだけど、度数を2つ上げても余り見え方が変わらない様子。余り違わないなら、2つ上げるのはリスクが大きいので、1つずつ上げて貰うことに。矯正視力で1.0弱が1.1強位になるだけだが、多少は違うかなということで。

 普段の生活上なら、今の1.0弱でもまぁ、余り問題は無いんだけど(本当は風景がもっとくっきり見えて欲しい、というのは希望としては有るけど)。

 むしろ、私もコンタクトの上から掛ける観劇専用の眼鏡を作ってみたら良いのかも… (今までそういう発想は無かったのだけど、この前、お会いした方がその種の眼鏡をお持ちだったので)

 

6/4

 昨日書いた、京都御苑のグラウンドは調べたら、現在は京都迎賓館になっていた。というか、迎賓館を建てるためにグラウンドを潰した、というのが正しい経緯らしい。

 計画が持ち上がった頃から京都とは縁遠かったので、正確には知らなかったのだけど、やはり、そうだったか。まぁ、この件については今頃、何か言っても仕方ないけど、御所の烏丸通り側が「烏丸迎賓館通り」と言い張っていたのはさすがに無理がある、と歩いていて思った。迎賓館があるの、むしろ反対側やんか…

 

 今回(先週)は今の季節なら、サツキだろう。ということで、正伝寺、智積院、詩仙堂、金福寺と、サツキで有名な寺社を幾つか訪ねてみたのだけど、実は開花が遅れていた(今週位だとちょうど良かった?)。

 その中の金福寺では、夏の訪問者のために最近は桔梗も庭に植えているらしいのだが、寺の人が書いた注意書きをみて驚いた。

 「カメラマンの方へ。山から来た鹿が桔梗の芽を食べてしまったので、今年はいつものようには咲かないと思います」 え? 桔梗を食べた? 鹿が? 鹿が山から?

 しかし、縁側に上がって、桔梗の枝を眺めると、確かに枝の上半分が無いものが多い… 鹿が桔梗を好きだとか、ここまで鹿が駆け降りてきたのか、とか色々びっくり。今年の春先はそんなにも鹿が飢えている状況だったんだろうか。というか、こんなところに鹿が住んでいること自体、初めて聞きましたが。(ここに墓が有る)蕪村なら、こういう場面を目にしたら、どんな句を詠んだだろう、とふと思った。

 

 

 少し気になっているイベント・展示。

 東京都現代美術館の第36回「MOT美術館講座」

 今回のテーマは「装飾」ということで、なかなか面白そう。1回目(6/10)の講師なんて、「ケルトけんきゅうのえらいひと」鶴岡真弓ですよ。聴きたいんだけど、現代美術館まで行くの は面倒なんだよな… 内容も大体予想が付くといえば付くだけに、パスかなぁ。

 江戸東京博物館の「黄色い箱の思い出〜森永ミルクキャラメル・コレクションから〜」

 ミニ展示だし、このためだけにわざわざ行くほどのものではないと思うけど、この手の広告史は割と好き。もっとも。キャラメル自体が好きかというと、逆に苦手なんだけど…

 

6/3

 まだ続いている先日の京都の話。

 京都と言えば、住んでいた学生時代、相当に歩き回った記憶が有るので、行っていない地域というのは殆ど無いつもりでいたのだけど、そうでもないことを今回、認識した。

 例えば京都御所(御苑)なら、中のグラウンドで草野球をしていた位なので(確か、学内のスポーツ大会だった?)、「近所の公園」という感覚なのだけど、西側の護王神社には一回も行ったことが無かった。今回初めて足を踏み入れて、こんなところが有ったのか、と驚く。

 イノシシがシンボルらしく、狛犬まで猪。しかも、心に引っ掛かるポイント多し。井戸水による水出しコーヒー(300円)を神社で販売しているとか。巡洋艦高雄に当社が分祀されていて(護王神社が元々、高雄山神護寺にあったという来歴から?)、高雄が沈まなかったのもその御利益ということで、艦に掛けていた額が飾ってあるとか(詳しくは知らないけど、最初に被弾したために戦線を離脱したんじゃなかったっけ…)、こんな妙に面白い?ところ、何故、今まで来たことが無かったのか、不思議な位。 (というわけで、2行目の「認識」に至る)

 一方、久しぶりに寄ってみた晴明神社もその余りの変貌振りに驚く(^^;; 境内を一新したということは儲かってるんだろうなぁ、というのが正直な感想で。私が学生の頃も「帝都物語」は既に出ていたので、当時の一条戻り橋を見に行ったりしたのだけど、これがまた普通の橋で(当たり前だけど)。神社も何も無い、という位、地味な場所だった。

 そんな地味な地元の神社が、「式神との顔出し看板」とか、修学旅行生向けの観光スポットに変わった姿には笑いすら覚えたけど。でも、絵馬を眺めてみると、陰陽道のスターを祀る神社だけあって、内容が 極めてヘヴィーな願い事が多かった。「隣の人が早く引っ越してくれますように」「隣の家の嫌がらせが無くなりますように」「ケンカの起きない街に住みたい」。ええと… 近所付き合いで深刻に悩んでいる方が多いような…

 京都に学生として住み始めた頃、どこかの寺社の絵馬に「ヤクザに負けない」と一言だけ書いてあるのを見て、えらい所に来てしまった…と驚愕した遠い日の思い出が蘇りました。まぁ、晴明公も大変ですね…

 ちなみに、「大絵巻展」にも「泣不動縁起」に、祈祷をする晴明(と式神)の姿が出てきた。特に式神一同が「(晴明と)ゆかいな仲間たち」というか、「千と千尋」系のユーモラスな連中 だったのがおかしかった。

 

 ところで。今回ふと思ったのだが、京都の寺社で、狛犬(に当たる存在)が別の動物、って結構有るような? 三宅八幡宮の狛鳩、鞍馬寺のあうんの虎、そして護王神社の狛猪… 探せば他にもいそうな気が。あー、そういえば、赤山禅院の社にはどう見てもシーサーが置いてあったっけ。 いやまぁ、あれは誰かの持ってきた、ただの沖縄土産という可能性も無くは無いけど(^^;;

 

6/1

 地図のMapionに「キョリ測」なる機能が追加されていたので、先日の京都大縦断コースの距離を試しに測ってみた。

 北山の正伝寺と東山の国立博物館を直線で結ぶと、8.9km。…いやいや、そんなに短くないってば。ということで、縮尺を下げて、ルートを出来るだけ正確に辿ってみると、約18km。まぁ、そんなものかなぁ。歩いていたのは実質5時間弱だし。ちなみに、それだけ歩いても、消費カロリーはおよそ1200kcal位だった。歩いて(直接)痩せるのって大変…

 

 「大絵巻展」は残り数日ということで、先週位から平日でも昼時は入場までに2時間、3時間待ちは当たり前!な混雑振りが続いてる様子(しかも、中では源氏物語絵巻の行列がまた30分〜1時間)。

 今から行くような、駆け込み組の人がどれ位いるかは知りませんが、もし敢えて茨の道を行くので有れば、朝9時までには券を持って到着、(9時半前に)中に入ったら最初に中央の源氏物語絵巻・鳥獣戯画の列にまず並ぶ、続いてまだ空いている後半部分を先に見てしまう、という方法が割とお奨め。先週の日曜にその方法で回ったところ、日曜日も関わらず、2時間でほぼ一通り無理なく見ることが出来たので。もっとも、このやり方だと最初の2室、特に2室目の右手、地獄絵巻辺りは、かなりの列に並ぶか諦めるか、ということになりますが(皆、地獄絵図が大好きらしい)。どうしても気になるのなら、最初にさっと眺めて通るのも有りかも。

 一方、閉館前という選択肢も有りますが、その時間でも入場待ちは多分有るのと、源氏待ちの列は閉館まで途切れないのでそれに並ぶと見る時間は思ったほど取れないということに(そのため、私の場合、金曜夜は2時間有ったにも関わらず、全部見られず)。ただし、この場合でも後半から見始めれば、最後の30分位は前半の回廊には人がいなくなるので、30分で前半をざっと見ることは十分可能。

 それにしても、今回導入された、リアルタイム(疑似)混雑状況を携帯でも確認出来るシステムというのは美術館では画期的のような? まぁ、これ位、一日中混んでいると、確認出来たって対処のしようがないのだけど、それでも(今日行くのは止めようかと)参考にはなる。東博や近美でも、激混みな展覧会にはぜひ導入して欲しい。