空の蒼さを 見つめていると


2005年5月

5/31

 久々に早く帰れたので、「世界ふれあい街歩き」のバルセロナ篇を見ていたら、カサ・バトリョの内部を見る場面が! 私が行った頃はまだ公開してなかったのに!

 

Art 世界遺産・博物館島 ベルリンの至宝展―よみがえる美の聖域―  東京国立博物館 2005.4.5〜2005.6.12

 各美術館の歴史が「この時期に…に対するコレクションが充実した」と簡単に紹介されていたが、物は言い様だなと。ペルガモン博物館とか収集じゃなくて収奪の結果だと思うけど。

 貸してくれるものを、とりあえず借りてきた、という感じ。その中では、考古学部門の方が、質量(実際重そう)ともにメイン。エジプト大好きな人なら、かなり楽しめた展覧会なのではないかと。私は、実はエジプト文化に全く心惹かれることが無いので、そうですか、と しか感想が無いのだけど。

 (ちなみに、エジプトのミイラや壁画が何故興味を引かないのかは自分でも不思議。昔、ルーブルで空腹の中、エジプトからの戦利品部屋を2時間近く歩かされたことが遺恨として残っているのか、それとも、遠い先祖がエジプト王家に滅ぼされた近隣の民族の出だったのか(まさか)。)

 一方、絵画はオーラの無いラファエロを初めとして、正直、どうでも良いものが多かった。個人的に覚えておきたいと思ったのは、クラナッハ並の妖気を感じさせるボッティチェリのビーナスとマネの「温室にて」位? というか、 「至宝」と呼ぶ物が借りて来れないなら、敢えて絵画を含める必要は無かったんじゃ…

 せめてカスパー・フリードリッヒがもう少しこれだ、という絵が来ていたら、納得したんだけど。結局、中世のコーナーが自分の中では一番満足度が高かったような。

 でも、こういう開催自体に一番意味がある「政治的な」展覧会の場合、中身にどうこう言っても仕方ないのかと。変な帽子も見たし、良しとすべきか。

 

5/30

 唐突だけど、今週からの一ヶ月強は、英国月間に決定。前にも一度書いたけど、7月に一週間ばかり行ってくる予定なので。

 

 というか、一ヶ月前なのに未だそれしか決まっていないことに、危機感を募らせている今日この頃。特に航空券は(搭乗日35日前購入のPEXを使うつもりなので)6/4までには購入を終えないといけない…って残り時間、あとちょっとしかないじゃん!

 PEXの場合、基本的にはどこも同価格なので、(少しだけマイルが溜まった)JALで良いやと思っていたのだが、それならマイル積算が可能な英国航空、BAでも同じ、と気付いたので、キャンペーンなのか若干安かったBAを今回は利用しようかと。BAなら、JALと違い、少なくともまともな紅茶(正確にはミルクティーのための牛乳)は出てくるし。

 更に、BAのサイトを見ている内に、どうせ北部まで行くなら、英国に着いた後、国内線でエディンバラまで行ってしまう方が楽かも、と思い、BAにメールを出した(BAはメールのやり取りで予約を決めるサービスをしている)。

 …というのが昨晩辺りまでの進行状況。

 で、来たメールの返事は、やけに誤記入が多くて大丈夫?といった不安も有るのだけど、乗り換え分(単独だと66£の便)はこの場合、無料らしい。なので、往復はBAで予約するつもり。

 問題は往復の間、つまり滞在中、どこを訪ねるか、なのだけど。今のところ、全くの未定。行きたいところなら幾らでも有るんだけど。実際に行けるのは僅か数日だし…

 

5/29

 これから外出するので、今晩更新出来るかは微妙。ということで、昨日の続きを先に上げておきます。

 

Art ベルギー象徴派展  Bunkamura 2005.4.15〜2005.6.12

 内容的に夜見たい展覧会なので、金曜夜に行ける時、と思っていたら今週まで行けず。個人蔵の作品による展覧会だが、画家によって集め方の力の入れ具合に差が有り過ぎ 。

 基本的にはクノップフ中心。クノップフって、日本ではクリムトと同じような位置にあるような。雰囲気で受けているというか。

 クノップフ(の絵)自体は嫌いではないけど、クノップフ好きな(=多分クリムト好きな)人達は割と苦手。対象へのナルシズムに同化する観客への嫌悪感? それもあって、人物より は無人の風景画の方が好きなのだけど、今回は風景中心だったので、ほっとした。

 一方、アンソールは出しただけ、みたいな感じ。レオン・スピリアールトも点数の割に魅力的な作品に乏しくて。全体としては寄り合い所帯の展覧会という「ベルギー象徴派展」のいつも の?パターン。でも、ジャン・デルヴィルやレオン・フレデリックといった気になっている画家の作品を、この機会に幾つか見られたのは良かった。

 ところで、ベルギーというと、象徴派ばかり日本では(たまに)取り上げられるけど、実際にはもっと色々な画家がいるわけですよ(当たり前だけど)。そういう画家にスポットを当てる展覧会も望みたいところ。 リック・ワウタースとか。

 

5/28

 展覧会の感想は、先入れ先出し法で片付けようとしていたのが停滞原因だったとようやく気付いたので、最近のものから書いていく。

 

Art ジェームズ・アンソール展  東京都庭園美術館 2005.4.23〜2005.6.12

 主催者の挨拶文で、「アンソールはルーベンス亡き後の」、っていきなり年代開き過ぎ。笑うところかと思いましたよ。

 今回の作品は、主にオーステン市立美術館とアントウェルペン王立美術館から。後者は(素描を除けば)現地で見た筈なのに、ほとんど思い出せないのにはショック。私の記憶力って… さすがに「首吊り死体を奪い合う骸骨たち」は覚えてたけど。で、覚えているのは、前にも書いたとおり、「アンソールはいい人だ」と思ったこと位(^^;;

 絵として良いのは19世紀中まで、という世評通り、晩年はどうしようもなくユルユルだが、でも、良い絵かなんてどうでも良いや、と思えてしまうところもあって。晩年、勲章を貰った時に描いた絵が、勲章と守護悪霊(Bad Angel)をまとったJ.アンソール氏、という自画像(確かに悪霊?付きの)。…脱力感に襲われつつも、良い歳してこういう絵を得々と描いてしまうお茶目な?爺さんは嫌いになれない。(目の前に居たらどうかはまた別 )

 今回の展示では、北斎漫画の模写した素描が面白かった。北斎の線に惹かれていたアンソール、という意外な発見。

 あとはお馴染みの「グロテスク」コーナー。「天使を打ち据える悪魔達」(タイトル適当)が特に楽しい。勿論、ブリューゲルの「反逆天使の墜落」を意識した版画だろうけど、立場が逆(^^;; ボッスやブリューゲルから続く本場?フランドルの魔物達の絵画(版画だけど)を、こうやって日本で見られる機会なんて滅多にない。幻想絵画好きなら行っておくべき!

 と思うのだけど、行った人の話を聞かないのは何故?

 

5/27

 何か、週一ペースになってますが。

 桜が咲く時期特有の、3月兎のような躁状態が(今年は東北まで行ったこともあって)5月上旬まで続いた上に、5月も毎週末、何かしらのイベントが有り、最近になって、ようやく日常に戻ってきたな…と思っていたら、その日常が無意味に忙しくて、帰宅後ぼーっとTVを見ている内に、気が付けば意識を失っている、ということの繰り返し。更新するところまでなかなか辿り着けず。

 しかし、今日はこの前休出した分の振替休日で、会期終了が近い展覧会を回ることが出来て、それなりに充実した一日だった。

 東京都庭園美術館「ジェームズ・アンソール展」→東京藝術大学大学美術館「芸大コレクション展 資料は繋ぐ−名作と下絵・連作」→東京都美術館「アールデコ展」→東京都国立博物館の「世界遺産 博物館島・ベルリンの至宝展」→Bunkamura「ベルギー象徴派展」。

 それは良かったんだけど。まだ感想を書いていない展覧会の数がこれで、いよいよ凄いことに。今日の5つを加えると、多分、累計13だ(笑) えーと… とりあえず、明日頑張ります(^^;;

 本当は、他にも書きたいことが色々溜まってるんですけど。デイルマーク王国史の話とか。

 

5/22

 天沢退二郎氏の講演会では1960年代迄の(今では古典となった)外国のファンタジーの話が出たが、現在の作家、特にダイアナ・ウィン・ジョーンズをどう思っているかを是非 、訊きたかった。

 第2次世界大戦の開戦を5歳で経験したこと(「時の町の伝説」という、戦争から疎開する少女を主人公にした作品から窺えるのは、そんな世界から消えてしまいたい、という強烈な逃避願望)が自分の作風(パラレルワールドな?)を作ったと述べている辺り、氏の言う、戦争とファンタジーの関係に相応しいファンタジー作家の一人だと思うのだが。

 もっとも、たまたまハウルやクレストマンシーだけを読んだら、C.S.ルイスの亜流?と思われて終わりかも。「九年目の魔法」なら、another worldから大切な人を取り戻そうとする話だし、絶対に気に入ってくれると思うんですけど。現代世界で魔法だし。二つの世界が重なっている、とか「光車」に近いところも有るし。

 でも、自作を語るのが趣旨の講演会において他作家の作品の感想を聞くのは失礼過ぎるな、と思ったので、訊くのは止めておいた。

 

 ところで、数年前、井辻朱美と誰かの対談で「十二国記」の話が出た時、井辻朱美が「日本のファンタジー作品なんか読んでないですよ」みたいな発言をしていて驚いたというか、呆れたことが有ったのだけど(その後、井辻朱美が書いた、何かの雑誌でのファンタジー小説の紹介では、「十二国記」を重要な作品の一つとして当然のように挙げていたのが笑えた)、もしや…と思い、自分の過去日記を検索してみたら(笑)、やはり、相手は天沢退二郎だった。

 ユリイカの「指輪物語」特集号の対談。雑誌の方は今見当たらないが、天沢退二郎が「十二国記」に割と感心して、という話だったと思う。今の作品も結構、読んでいるのかも。ジョーンズ作品も当然、読んでいると思うのだが…

 

5/21

 家の近所で、子犬が一匹、通りを駆けていくのが見えた。…迷い犬? にしては躊躇う様子もなく道の向こうに走っていったのだけど、家まで無事辿り着けたのかちょっと心配。

 

 先週金曜の天沢退二郎氏の講演会。一週間経つけど、誰もレポートを書いてくれないので(知らないだけかもしれないけど)、自分で書いてみたのが、こちら。個人的には割と興味深い内容だったので、天沢作品に関心のある方は宜しければ一読下さい(私の要約が台無しにしていなければ良いけど)。

 ということで、この週末はこれを書いただけでお終いかも… 明日は休出だし。

 

5/20

 SHIBUYA-AXの「新居昭乃 20th Anniversary Live “sora no uta”」。

 ということで、金曜速攻早帰り週間の第3週。いや、今回だけはやばいと思いました。だって、6時開場って無理でしょ、普通。でも、奇跡的に仕事を片付け、地の利を活かして6時10分過ぎに駆け付けると、まだ入場前の長い列が。もう少し後でも大丈夫だったかも。

 しかし、いつも思うことだけど、こういう平日夜のライブにスーツ姿の人って全然居ないな。スーツ姿でいるのは殆どが会場のスタッフだけ。どうしてなんだろう。

 1、学生とかそういう(若い)年齢層しか来ていない。2、スーツを着ない職業の人しか来ない。3、ライブに来る時は休みを取った上で私服で来るのがここでのたしなみ。ええと。3のような気もするけど、でも休みは取れないけど、仕事帰りでも何とか来たい、という(私のような)人だっていそうなもの。まぁ、そういう人は7時から、なんて元から間に合わないのか。

 

 新居昭乃のライブは初めてだったので、基本的には満足。足が痛くなったことを除けば(^^;; あと、フェーニチェ歌劇場のパンフ3千円は高いと先週書いたけど、撤回。価値観次第かと。というのは、今日のライブのパンフ(3.300円)は迷わず買っていたし。まぁ、CD(VHmusic)を買うついで、だったのだけど。

 ちなみに6月のライブは休出日なので、行けず。

 

5/17

 先週の天沢退二郎再読週間が終わったので、またその前に戻り、デイルマーク王国史を再読中、といったことをやっているから、いつまで経っても新しい本が読めない(^^;;

 

 DVDirectで、クラシックDVDの今後の発売予定を見たら、メトロポリタン歌劇場の「指輪」4作の廉価版が来月、再発売。うわ、待っていれば、ここでもう1割は安く買えたのか。未だに「ライン の黄金」の途中までしか見てないし、早まるんじゃなかった。「指輪」に限らず、未見のDVDが多い現在は購入控え目中なのだけど、来月発売分に「トゥーランドット」が2枚。

 既に持っているメトロポリタン歌劇場の廉価版に加え、フィレンツェ歌劇場のズービン・メータ指揮、チャン・イーモウ演出の紫禁城でのライブ公演盤も廉価版が発売予定。実際のところ、巷の評判はそれほど芳しくないようだけど、でも紫禁城での「トゥーランドット」というだけで一度は見てみたい。今月発売のピーター・グリーナウェイコレクションBOX2と併せて予約してしまった。

 チャン・イーモウは、デビュー作「赤いコーリャン」で、画面全体を真っ赤に染める単純な色彩センスに(何でもパッパカと喇叭を鳴らす黒澤明の音楽センス並に)「バッカみたい」と思って しまって以来、敢えて観たいとは思わない監督なのだが(「英雄」とかの予告編を観る限り、そのセンスは今なお不変らしい)、オペラの舞台演出だと割と合っているかも。

 ちなみに、スービン・メータ指揮、チャン・イーモウ演出によるフィレンツェ歌劇場の「トゥーランドット」は、来年9月に来日公演の予定らしい。でも、買えるチケットが入手出来るとは限らないし。少なくとも紫禁城は来ないし(当たり前)。

 

5/15

 東京文化会館でのフェニーチェ歌劇場日本公演2005「椿姫」。 

 オペラを観た、聴いた。という感じで大満足。少なくとも値段分は充分に元を取った気分。

 勿論、口うるさい玄人衆からすれば気になるところも有るんでしょうけど(多分、セカセカした指揮とか)、パトリツィア・チョーフィのアグレッシブな性格のヴィオレッタも格好良かったし、オケと 重厚な合唱を聴いているだけで気持ち良かった。

 ロバート・カーセンの演出も全体としては面白かった。巨大なミラーボールが回り始めた時だけは、カラオケボックスかよっ、と突っ込みを入れてしまいましたが。ただおかしかったのは現代風の設定にしても台詞だけは変更出来ないため、持病の肺結核で命を失うヒロイン…って現代では有り得ないよな、と思ったり。抗生物質で助かるだろう、普通。

 このホールは2階以上だと左右が斜めに長く張り出していて、4階席とはいえ、かなり間近に舞台を観ることが出来たのも好感度に貢献。オケや指揮者もよく見えたし。上から見ると、3千円 のプログラムを下の席の人達が殆ど持っていたのには驚いたけど。いや、S席を買える時点で金銭感覚が一桁違うんでしょうけど…

 あと、休憩中、ロビーで職場の先輩にばったり出逢ったのにも驚いた。まぁ、その人は割と熱心なクラシックファンなのだけど、しかし、ここで会うか、みたいな。

 

 新日曜美術館はミュシャ。今さら何故?という感じだが、つまりは愛知でのテコ入れ回? 見ていて少し思い付いたこともあったのだけど、書くほどのことでも無いかな…

 

5/14

 ルーターを買ってきて、RX-5をネットdeナビ化。これで飛躍的に便利になった…筈なのだけど、当面の録画分は既に予約を入れてしまったので、まだ余り実感出来ず。

 

 明日の「椿姫」に備えて、92年のフェニーチェ歌劇場でのグルベローヴァの「椿姫」(Amazon)を観る。

 観る、といいつつ、眠くて、半分位、目を開けられないまま聴いてしまったが、このDVDの場合、その方がむしろ良かったかも。グルベローヴァの声は非常に美しく、声だけ聴いているとイメージ通りなんだけど、体付きは逞しいし、顔は「野中ともよ」顔だし(^^;; 購入したのは2800円の廉価版だったので文句はないけど、もう一度観るなら、やはりゲオルギューの「椿姫」(Amazon)の方 かと。

 フェーニチェ歌劇場といえば、昨秋のロリン・マゼール指揮によるこけら落とし公演、つまり明日観に行くのと同じ演出の「椿姫」が、DVD化(Amazon)されたばかり。 明日の公演がもし凄く良かったら、購入を検討するかも。明日の公演は、16,000円と自分では今までで一番高額なチケットなのだけど、そうは言ってもE席=東京文化会館の4階席と、オペラグラス越しでもないと、舞台の詳細は見えそうもない、遙か高みからの眺めなので。

 ところで、東京文化会館といえば、中学の頃、友人が芸大の「メサイア」を聴きに行くというのに付き合い、その時、ここの食堂で「チャプスイ」なるものを初めて食べてみたという遠い記憶が(^^;; ちなみに、改めて考えてみると、それ以来、「チャプスイ」は食べたことがない。

 じゃなかった、それ以来、東京文化会館は利用したことがない。食堂もさることながら、何かを聴きに行ったことも無くて。前の広場は何十回、何百回と通っているんだけど。まぁ、歌舞音曲の類とは縁がなかったからなぁ。というか、「メサイア」なら小ホールだから、大ホールに入るのは、実は初めて?

 

 PlanktonからのDMによると、8月にカルロス・ヌニェスの来日公演が有るらしい。

 「ケルティック・クリスマス2003」の特別公演の時の感想は「凄かった!」の一言だったんで、今回も是非行ってみたい。しかし、8/26(金)の19時 にすみだトリフォニーホールというのは、果たして間に合うかどうか、危険すぎる気がしないでも… ゲストは大貫妙子だし、(無事に)行けたら楽しめることは間違いないのだけど。開始時間に遅れても指定席だし、思い切って購入しておくか。

 それにしても、「海を飛ぶ夢」のテーマ曲を手掛けたのは彼だったのね(映画は見てないけど)。知らない間にメジャーになっている様子。 

 

5/13

 で、結局どうなったかというと。

 間に合いました! 上司が出掛けてしまった打ち合わせから戻ってくる前に(鬼の居ぬ間に?)脱出。別に待つ義務は無いけど、恐らく戻ってきた時、独りだけ先に帰って、とムッとしているんだろな… 職場における人間関係に、こうして自ら禍根を残す私(^^;; でも、大事なのは今日というこの一日。待っていたら絶対、ろくなことにならない(雑用を押し付けられて間に合わなくなる)のは目に見えていたし。

 7時からの2時間、天沢退二郎氏の講演はうち、1時間20分ほど、自分史の形で、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の受容や、作品の舞台の話を中心に、氏の考えるファンタジーの本質について語った非常に興味深いもので、参加して良かった 。

 参加者は女性の方が多目。箱装幀のオレンジ党シリーズを持参する等、20年来のファンの人も結構いたのが印象的だった。

 かなり詳細なメモも取ったのだけど、某掲示板辺りにレポートはupされそうだし、自分でまとめるかは未定。ちなみに、こうやって人の話を聞きながらメモを取っていると、自分がいかに手で漢字が書けなくなっているかが分かって、情けない限り。後半は開き直って、あちこち仮名のまま書いていました(^^;;

 

 TV東京の5/14深夜のパリ・シネ枠「片腕カンフー対空とぶギロチン」て、GOGO夕張として引用されたアレですよね。TVでやるなら観るという位の興味なので、ちょうど良いや。

 あと、5/14の22時からのETV特集ロシアの映像詩人 ノルシュテイン 日本をゆく」。とりあえず、「外套」の現在の進行状況だけ でも聞ければ、ということで。

 

5/11

 昨晩の(初めて本放送を観た)「世界ふれあい街歩き」はアルル。

 街自体にも関心は特に無いし、映像の面白さとしても今一つ、という回だったけど、とある博物館を紹介するところで、プロヴァンスの風俗を紹介する博物館で、ミストラルという作家がノーベル賞の賞金を寄付して作ったという説明が出てきたのには驚く。ミストラルは、伝統衣装を着たガイドが案内することを指示したとかで、番組でも伝統衣装をまとった(実は普通の女子大生の)女の子が案内。他にも、街中の広場に面したカフェを、ゴッホの「夜のカフェ・テラス」の場所として紹介していた(当時と雰囲気が同じ)。

 世間は、というか世界は狭いよ、と思ったり。アルルという街に行くことなんて、まず無いだろうに、最近見聞きしたものがこうも出てくるのはちょっと不思議な感じ。

 天沢退二郎は「魔の沼」「オレンジ党、海へ」まで再読。今日は仕事が押して帰宅が遅れたので、「光車よ、回れ!」の方は殆ど進まず。という前に、金曜も同様のケース(他人の都合)で予定通りの時間に帰社出来ない状況に追い込まれるのでは無いか、不安が増してきた。この一週間の努力?が無駄にならないと良いけど…

 

5/9

 今週は、金曜夜の池袋LIBROでの天沢退二郎氏の講演会「『賢治童話読み』からファンタジー創作へ」に備えて、予習というか復習の意味で、天沢作品を再読する予定。何せ講演会のサブタイトルが「『光車よ、まわれ!』と『オレンジ党シリーズ』の成り立ち」なので。

 というか、「オレンジ党と黒い釜」は今日の帰りにもう読んだので、オレンジ党の残り2冊を火、水の帰りに読むとして、「光車」は木の帰りに…だけでは終わらないな。これだけは帰宅後にも少し読まないと。

 予習といえば、日曜のフェニーチェ歌劇場日本公演2005「椿姫」の前に、(火災で焼失する前の)フェニーチェ歌劇場でのグロベローヴァの「椿姫」のDVDも観ておきたいのだけど、そちらはまぁ、土曜日辺りに可能なら、という位か。

 ちなみに、講演会は先週5/3、池袋にチケットを買いに行った際にはまだまだ募集中だった。天沢退二郎の作品が好きな人(ある程度の年齢層)で、かつ金曜の夜7時から参加出来る人なんて、そうそういないのかも…(かく言う私も、時間までに到着するのはかなり厳しい見込み。意地でも行くけど(^^;;)

 

5/8

 散歩の途中、広い丘のある公園を通ったら、首輪を付けた大きな兎に草を食べさせている親子連れの姿が。飼い兎の散歩?

 

 落ち着いたところで、ようやく、この前購入したRD-X5のセッティング&予約設定。

 これで初めて複数同時録画が可能な環境に! …そうは言っても、見る時間が増えるわけではないので、調子に乗って録る物をむやみに増やさない方が賢明な気が。

 とりあえず、現在視聴中の作品の他に、美術系の番組を一通り録るだけは録って暇な時(っていつ?)にチェックしようかと。あとは教育TVのお姉さん番組とか地味だけど面白い番組とかも出来るだけチェックしたいと思ったりも。

 とはいえ、当面はビデオで録り溜めた分の消化の方が先だったりしますが…

 

 今年のGW。(私にしては珍しく)旅行も、前々からの懸案だった買い物もして、全体としては有意義だったかなと。ただ一つ心残りなのは、実は先月発売日に購入しておきながら未開封のコレに結局、手を付けられなかったこと。…まぁ、 そうなる予想はしてたけど。これから後は迂闊に手を出すと、他のことに大きく支障が出そうだし…

 とはいえ、学生時代、こういうものまで書いてしまった者としては、この世界には思い入れがあるわけで。いずれ始めるつもりではいる(けど、いつ?)。

 

5/7

 シアターコクーンで「メディア」夜の部。

 蜷川幸雄演出で、大竹しのぶが正面切って芝居をする様というのを一度見てみたい、と思っていたので、その意味では見たいものが見られたわけだけど、…う〜ん、作品的には正直言って、面白いと思えなかった。何だか昼メロっぽく矮小化された世界で、それが演出の狙いなのかもしれないけど、だから何?みたいな。

 演出と言えば、ジャブジャブな舞台が今回の目玉(だと思うの)だけど、それに目新しさ以上の意味があったのかは普段、芝居を見慣れていない私にはよく分からず。

 最近の野田地図公演と違い、皆、滑舌がちゃんとしているのには好感を持ったけど、コロスの斉唱は、タイミングが(2日目だからか)終始バラバラ。その辺が合うと、作品としての説得力が随分と違ってきそうな気はした。ただし、よく出来た舞台になったとしても、私がこの作品を見る意味って特にないような…

 

 本屋で、渡辺晋輔「ジョットとスクロヴェーニ礼拝堂」(小学館Shotor Museum)(Amazon/bk1)を購入。

 鮮明なのは良いとして妙にペカペカした写真には違和感が大きいけど、ここの絵の全てを手軽に見られる画集は無かったので。…って、今良く見たら、これって2001年〜2002年の修復前の撮影だ(^^;; まぁ、 良いや。キリスト教の基本的な図像集としてだけでも持っておく意味はあるし。

 こうやって見ていると、実際に見た時の興奮が思い出される。やっぱり旅行記、書いておくべきかも、と思いつつ、その余裕が… 展覧会の感想すら溜まる一方だし。

 

5/6

 サイトを初めてから8年目。birthday liveという形では今回4年振り?だった方の言葉にも有ったように、これからも気負わず、ゆっくりまったりと続けていければと。

 

5/5

 買い物のついでに、三鷹市美術ギャラリーの「クールベ美術館展」へ。

 私の脳内世界だと、平穏な「日常」世界は山手線の内側迄で、その北側や西側はRPGで言うフィールド画面、いつモンスターに遭遇しても可笑しくない「非日常」世界に位置付けられている−つまりは「遠い」という意識が刷り込まれている−地域なのだけど、実は三鷹までは結構近いことを最近、発見。中央線って普段、縁がないのでもっと遠いかと思ってた。

 買い物とは、遅ればせながらDVDレコーダー導入ということで、RD-X5。ゴーストリダクションの必須地域なので、安くなったこの機会に。ちなみに新宿西口の淀で98千円、ポイント18%でした。とりあえず、半年以内に手持ちのビデオテープ(4箱位?)を全廃したい。…その前にまずルーター買ってこないと。

 

 NHKの「世界ふれあい街歩き」。ベネチアその1、その2、リスボンの3回分をGW中のBS2での再放送で。言ってみれば、バーチャル街歩き体験番組。凄い面白い、というほどでも無いけど、ゆるゆるっと見る分には、割と良いかも。ベネチアはゴミも人力車で回収しているんだ、とかリスボンは坂の街だなとか。今後も余裕が有る時は見ようかと。

 ところで、ベネチア篇のその1で「街の」驚きとして、大寒波で何とベネチアにも雪が降り、広場に雪だるまが登場した様子が紹介されていたのだけど、…この雪だるまって「雪だるま」ですよね? って何言っているんだ?と思われた人もいるかと思うけど、「完璧な雪だるまの作り方」に関連して一昨年書いた時、「雪だるま」と「snow man」は全く別の存在であるというのが結論だったのに、この写真は、どう見ても(ワインは飲んでるけど)雪だるま形態。私にとっては、これこそが「街の驚き」。

 ベネチアの人が雪だるまを作り慣れているとは思えないので、西欧の雪だるまの標準例と見て良いかはよく分からないけど。NHK関係者のヤラセ、ではまさか無いよね…

 

 GW中に展覧会の感想を消化する予定だったけど、余り進まず。ていうか、3つ書いたけど、新たに2つ見に行ったから、3歩進んで2歩下がる? ワンツー、ワンツー…

 

5/4

 『角館で、ゆらゆら。』(JR東日本のポスターより)。

 「角館まで行って来たんだ?」「うん、行きはJRじゃなくて高速バスだけど」「どうだった?」「垂れ桜は既に葉桜で、色が無かった」「あらら」「ということも有るけど、まぁ、こんなものかと。武家屋敷とかいった 広告宣伝上のパーツを省いて桜だけで言えば、狭い街だし、そんなに凄いとは思わなかったな。写真の方が綺麗かも」

 「じゃあ川沿いの桜並木は?」「そっちは満開で綺麗だった」「なら良かったじゃん」「でも、まぁ、賀茂川堤の桜並木と似たようなもんだし」「ふぅん」「あ、今のは、いやいや、それは違う、って突っ込むところなんだけど」「そんなこと言われても分かんないって」

 「ところで思ったんだけど、雪を被った山を背景に、川堤に桜が咲いている風景って、日本人の季節感に訴えるものが有るよね。雪が溶けて川になって流れていきます」「 もうすぐ春ですねえ?」「そうそう。春といえば、氷が溶けて何になる?という問いに水じゃなくて春と答えた子供の話って有るでしょ」「子供の想像力の豊かさがうんぬん、みたいな」「だけど、あれって変じゃない ?  雪が溶けて春、は分かるけど、氷を溶かすのは日の光で、一日の中の出来事じゃん」「湖の上の氷じゃないの?」「それなら、『溶ける』じゃなくて『割れる』でしょ。冬中、氷柱を眺めて暮らすような環境じゃないと、氷が溶ける=春とは言わないと思う」「まぁ、そうかな」「あの子供って言語感覚がおかしいよ」「そこまで言うか」 「言う」

 「でも、まぁ、桜は満喫してきたわけね」「というか、朝5時に着いて、6時半でもう見飽きた」「早っ」「秋田だけに…」「そういうギャグは止めて」「仕方ないので、帰りの切符を早めて貰おうと駅に行ったら、カタクリの群生地がローカル線で3駅先にあるというので、9時前の電車で見に行った」「 咲いてた?」「本当に群生で、一生分のカタクリを見た気がする」「一生分ってどれだけ?」「さぁ」「あのさ、カタクリってよく知らないんだけど」「私も詳しくないけど。紫色のユリ科の花で、栗の木の下に生えてた」「ああ、だからカタクリ」「…違うと思う」

 大体、そんな感じで。撮ってきた写真の抜粋はこちら

 

5/2

 昨日の暑さで、僅か1日で満開になってしまったようですが、予定通り、4日に角館まで行って来る予定。まぁ、4日の午前中なら、まだ見られる状態だろうと(希望的観測)。前日の夜行バスで行くので、現地には朝の5時着(笑)。

 そんなわけで、ここの更新も、少なくとも4日の夜以降の見込み。と書くほど、普段まめに更新してないけど(^^;; でも、その後の5日や6日もライブやお芝居の予定が有ったりするので、GW後半は余り更新出来ないかも。それはそれで、有意義な休暇というべきなのだろうけど。

 

5/1

 昨晩は、BS-hiでベルリン・ドイツ交響楽団、ケント・ナガノ指揮の「パルジファル」(HMV)。

 最初に見るワーグナーがいきなりこれというのは、ハードルがやや高過ぎた気がしないでも… 「舞台神聖祝祭劇」って何のことですか、みたいな。果たして途中、意識が遠くなったりしつつ、4時間何とか見たわけですが、ここまで来ると、お芝居というより能の世界だなと。登場人物は皆、ぶつぶつ喋っているだけだし。

 粗筋とかを読むと、悪役の放ったロンギヌスの槍をパルジファルがはっしと受け止めるといった見せ場もあるようなのだけど、そんな激しい場面、あったっけ?(ちょうどその辺は意識が一番遠かったかも)。

 ところで、パルジファルの中の人が、「トゥーランドット」のカラフがむしろ似合いそうな逞しい男性(クリストファー・ヴェントリス)だったのはどうなのか。もっと少年を思わせる繊細な若者のイメージじゃないの? よく知らないけど。

 あと、オペラの悪役が東洋風、端的に言えば日本の着物風な衣装や化粧をして登場するのが、21世紀の公演でも未だに多いのはどうかと。まぁ、この作品をヨーロッパ内のイメージで演出すると、色々問題が起きるんでしょうけど。

 映画だと、悪役のステレオタイプに日本人のイメージが目立つようになったのは80年代後半と記憶しているので、オペラ業界?の流行はちょっと世間から後れている気が。